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▽レス始

「心の声が よそぢあまりひとつ目(GS)」

寿 (2006-10-28 02:13)
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「横島さ〜ん!合格おめでとうございま〜す!!!」

試合終了後、客席に戻った俺をおキヌちゃんが出迎えてくれた。

「はは、ありがとう。あれ?エミさん。来てたんですね。」

おキヌちゃんと一緒にエミさんも客席で試合を観戦していたようだ。

「一応私はタイガーの師匠だから、ね。おたくの試合も一応見てたけど、まあ良くやったほうだと思うワケ。」

エミさんはあまり興味なさげにそういった。

「しっかし、昨日から見てたけどおたくも妙な注目の仕方されてるワケ。」

「ああ・・・あれですか・・・」

俺は忘れるように心がけていたことを思い出してしまい頭が痛くなってきた。

「まあ六道家といえば名門だし、冥子はいろんな意味で注目を浴びてるからしょうがないと言えばそうだけど・・・」

エミさんはそこで言葉を止めた。なにか思い出しているらしい・・・こめかみに指をあてている。

「大丈夫ですよ。死んでも生きられます。」

おキヌちゃんは笑顔でそう言った。・・・死ぬのは確定なんですね。

(それもまた運命なのね〜。)

そんな運命嫌です。

「ははははは・・・そういえばエミさん?」

「ん?なんなワケ?」

「ピートとタイガーはどうなったか知ってますか?」

「ああ、二人ともこれからなワケ。私はピートのほうを見るから残念ながらタイガーのほうは見れないけど。」

エミさんはそうおっしゃいました。はい。

あなたはタイガーの師匠ですよね?

(恋する乙女は盲目なのね〜。)

それですますな!!哀れなり。タイガー。

「そ、そうですか。俺は昨日のタイガーの試合は見れなかったんでそっちに行きますね。」

「そう?それじゃよろしく頼むワケ。」

そう言ってエミさんは軽く手を振った。・・・・タイガー・・・哀れすぎて泣けてくるぜ。

「あ、それじゃ私も一緒に行きます。」

おキヌちゃんはそう言っていつもの定位置である俺の肩に捕まった。

・・・これもとりつかれたって言うのかな?まぁ今更だが。

「それじゃいこうか?」

(レッツラゴーなのね〜!!)

「はい!」

俺の言葉にヒャクメとおキヌちゃんは元気よく返事をした。

しかしヒャクメよ・・・レッツラゴーは今時どうかと思うぞ?


「あ、横島さん、もう始まるみたいですよ。」

「本当?急がないと。」

おキヌちゃんの言葉に横島さんは足を速めた。

その先の試合場でタイガーさんと背の小さな道着姿の男性が向かい合っていた。

「間に合った!!」

横島さんが試合の見える位置に陣取ると同時に、

「試合開始!!」

試合が始まった。

試合は始まったが両者共に動きが無い。相手の出方をうかがっているのか・・・

タイガーさんは額に汗を浮かべている。どう動くべきか考えているのだろう。

一方相手のほうは・・・顔をニヤつかせている。嫌な顔なのね〜。

相手は横島さんより頭一つ小さい男性。

両目を縦に傷跡があり、その顔がニヤついていると正直怖い。

そしてその道着には・・・白龍の文字。

(!?横島さん!!あいつはやばいなね〜!!)

「うわっ!い、いきなりどうしたんだよ?」

横島さんはわたしが突然大声をあげた為驚いたようだがそんなことにかまっていられない。

(相手の道着に白龍の文字が見えるのね〜?あそこは昨日の時点でチェックした受験者の中でも要チェックなのね〜。)

「それはつまり・・・」

(メドーサの部下の可能性があるのね〜!!あそこはわたしも美神さんも注目したからかなりその可能性が高いのね〜!!)

「・・・どうする?」

横島さんは事情を理解してそう真剣な顔で言うが、

(悔しいけど証拠が無いのね〜。ここはタイガーさんを信じて見守るしかないのね〜。)

試合は始まってしまっているので手の出しようが無い。

「くそ!!」

横島さん悔しそうに一言言うと試合に視線を戻した。

「うぉぉぉぉぉぉ!!!」

タイガーさんが動いた。雄叫びと共にその姿が虎へと変わる。

「あ〜!!やっぱりあの時の虎さんです!!」

おキヌちゃんがそう声を上げた。昨日横島さんが言ってたけど彼女はタイガーさんのその姿を見たことがあるらしい。

ここから見る限りでは試合場に変化は見られないが、おそらくタイガーさんの精神感応で相手には幻覚が見えているはずだ。

「な、なんだこりゃ!?」

案の定相手はそう声をあげた。

タイガーさんはその声を聞いて動き出した。幻覚にまぎれて相手に一撃を入れるつもりのようだ。

最短距離である真正面から相手に向かっていく。

決まる!!そう誰もが確信した瞬間・・・

「しゃらくせーーーー!!!」

相手がそう叫び体の前面から霊波の刃を出した。

「ぐわぁぁぁ!!!!」

もろにそれをくらってしまいタイガーさんは吹き飛ばされた。

「タイガー!!!」

横島さんは思わず立ち上がり声をあげる。

「へ、へへへへへ。おかしな能力を持ってるみたいだが俺には通用しないみたいだなぁ?」

相手は一瞬わけのわからない顔をした後そう言った。

しかしわたしは見のがさなかった。攻撃の瞬間、相手の視線はタイガーさんから外れていたことを。

(運が悪いのね〜。後ろに回ってれば決まってたのに・・・)

「どういうことだ?」

(相手の攻撃はタイガーさんじゃなくて幻覚に向けて放たれたのね〜。でもその攻撃が広範囲に広がる奴だったからタイガーさんはくらってしまったのね〜。)

わたしはそう説明する。しかしあの広範囲の攻撃は厄介だ。

そう考えながらも再び意識を試合場へとうつす。ちょうどタイガーさんが立ち上がるところだ。

「ま、まだじゃー!!」

気合を込めて立ち上がるがその姿は既にいつものタイガーさんだ。あの一撃で精神感応は途切れてしまったらしい。

「くっくっく・・・いい格好だな。」

相手はニヤついた顔でそういいながら今度は手のひらから霊波の刃をだす。

「ぐぁ!!」

既に立ち上がるのがやっとのタイガーさんはそれをかわす事ができず再び床に這い蹲る。

どうやらあの攻撃は霊波刀の変形と言うより霊波砲の変形のようだ。威力を分散するため霊波砲ほどの威力は無いがあの範囲は驚異的だ。

「ぐ、ぐぐぐ・・・」

タイガーさんは再び立ち上がろうとするが、

「はーはっはっは!!!」

そのたびに変形の霊波砲に阻まれる。

どうやら威力を抑えているようだ。少しずつタイガーさんは怪我を負っていく。

「畜生!!あの野郎遊んでやがる!!」

横島さんはコブシを強く握りながら再び立ち上がると、

「タイガー!!無理するな!!」

そう大声をあげる。

タイガーさんは一瞬こちらを見ると、再び気合を入れて立ち上がろうとする。

(・・・男なのね〜。)

男の意地と言う奴だろう。タイガーさんはギブアップするつもりは無いらしい。

しかし悲しいかなわたしの眼にはタイガーさんの現状がよくわかる。

はっきり言おう。無理だ。最初の攻撃のダメージが大きすぎる。

そう考えている間にもニヤついた相手の攻撃は続いている。

「タイガー!!もういい!!ギブアップしろ!!」

横島さんがあらんかぎりの声でそう叫ぶ。

確かにこれ以上は・・・下手をすると命にかかわる。

審判もそれに気づいたらしく手をあげて試合を止めようとした。

「それ「とどめだ!!」なっ!?」

試合が終わろうとした瞬間相手が今までで一番強力な霊波砲を放った。

誰もが眼を疑った。もう誰が見ても相手の勝ちは決まっていたのに!!

「ぐわぁぁぁぁぁ!!!」

タイガーさんはそれをくらいついに動かなくなった。

「くっくっく。どうした?終わりじゃないのか?」

相手は呆然としている審判に向かって相変わらずのニヤついた顔でそう言った。

「そ、それまで!!勝者陰念!!」

ようやく試合を終わらせる声が響いた。

(最後の攻撃・・・わざとなのね〜。)

「ああ・・・そうみたいだな。」

わたしの言葉に横島さんは静かにそういった。しかしその視線は相手を睨みつけるように見つめている。

「よ、横島さん!!救護室に行って見ましょう!!」

おキヌちゃんがそう声を掛けてようやく横島さんは視線を相手からはずした。

「そ、そうだね。行ってみよう!」

(ちょっと待つのね〜!!)

「なんだよ?」

(タイガーさんの治療が始まったのね〜。)

「へ?」

わたしの言葉に横島さんは一瞬呆然とすると急いで試合場に視線を戻した。

そこには横たわるタイガーさん。

そしてそれをなめる犬。

そして・・・・六道冥子ちゃん。

「め、冥子ちゃん!?」

横島さんはすっとんきょうな声でそう言った。

「あ、冥子さんは今回救護班らしいですよ。」

おキヌちゃんがそう説明してくれた。たしかに冥子ちゃんはかわいらしい看護婦のような格好をしている。

しばらく犬、いや、冥子ちゃんの式神がタイガーさんをなめるとタイガーさんは意識を取り戻して自分の足で試合場を後にした。

「大丈夫・・・みたいだな。」

「そうですね。」

(それはいいけどどうするのね〜?)

呆然としている二人にわたしが声をかける。まぁ横島さんにしか聞こえないが。

「そうだな・・・おキヌちゃんは先に戻ってて。あ、それとこいつを持っていって。」

そういいながら横島さんは頭につけていたバンダナをおキヌちゃんに手渡した。

ん?バンダナ?それって・・・わたしなのね〜!!!

(横島さん待つのね〜!!!)

「きゃ!?横島さん今何か言いました?」

おキヌちゃんはバンダナ(わたし)を持っているのでわたしの声が聞こえたようだ。

「ん?なにも。あ!そうかたぶんそれヒャクメだわ。」

「ヒャクメ様、ですか?」

(そうなのね〜。今回の件を調べるためにバンダナにとりついて調べてるのね〜。)

「そ、そうなんですか。」

おキヌちゃんは額に大きな汗をかきながらも納得してくれた。

(ってそれは置いといて。横島さん!!いったいどこに行くのね〜!?)

「横島さ〜ん。ヒャクメ様がどこに行くのか聞いてます。」

おキヌちゃん通訳サンキューなのね〜。

「ああ。お手洗い。流石にヒャクメをつれてくのはちょっと、ね。」

「そ、そうですね。」

おキヌちゃんは少し顔を赤らめながらそう言った。

(・・・失礼しました〜なのね〜。)

「ヒャクメ様が失礼しました。だそうです。」

「ん。それじゃエミさんのところで。」

そう言って横島さんは歩き出した。

「それじゃヒャクメ様?行きましょうか。」

(よろしく頼むのね〜。)

わたし達もそう言ってエミさんのところに向かう。

しかしお手洗いか・・・一緒に行ってみたかった・・・なんて言ったら横島さんに間違いなく物理的に捨てられるのね〜。


あとがき
今回は珍しくタイガーの試合を書いてみました。と言っても簡単に、でしたが。今回の話は書いたは良いんですが少しトラブりました。私はネットにつないでないプライベート用のパソで書いて、そのデータを家族が使うネットにつないであるパソで投稿する形をとってきたんですが・・・ネットにつないであるパソがご臨終しました。なんで私のプライベート用のパソをネットにつないでようやく投稿できました。うう、私の部屋で書けないので今後投稿が遅くなるかもしれません。ご容赦を。

レス返し
始めにご意見、ご感想を寄せていただいた皆様に感謝を・・・

への様
がっかりの剣は実用性ないでしょう。と言うか結構わかる方がいたので一安心してます。今回はタイガーVS陰念でした。横島君の次のお相手はもちろん・・・

TO様
私の書き方がまずかったのだと思いますが、がっかりの剣はあくまでナイフぐらいの長さの場合の形状です。小太刀はちゃんとした形になってます。うう、文章は難しい。

ぬーくりあ様
元ネタはもちろんそのとうりです。やっぱりばれますね。今回も少しシリアス風味でした。しかしタイガーの試合・・・反応が楽しみなような怖いような。

零式様
ギャグはしばらくお待ちを!!我慢は最高のスパイスです!!空腹に勝る調味料なし!!です!!なんで豪華なギャグじゃなくても勘弁してください!!うう、ネタが・・・

彗星帝国様
誤字のご指摘ありがとうございます。訂正させていただきました。がっかりの剣は前回のあとがきで書いたとうり魔法陣○ルグルという漫画にひとコマだけ出てきた極端に短い剣です。普通の鞘におさまっているので抜くとがっかりする剣、らしいです。

meo様
レスを読む前に管理人様に削除されてしまいました。申し訳ありませんが今回はレスを返すことが出来ません。申し訳ありませんでした。

SS様
なつかしいですね〜。結構分かる人がいて嬉しい限りです。そのうちヒャクメに躍らせるのも面白いかも。もちろん○タキタ踊りを・・・

寝羊様
二刀流にしようかは悩みましたが流石にいきなりは使いこなせなさそうなんでやめました。そして次の試合の相手ですが・・・おそらく決定です。次で確定しますが雄叫びを楽しみにしています。

夢識様
合体技・・・いいですね〜。私はスパロボはイン○クトしかもってませんが大好きでしたね〜。エステ○リス。三人娘が好きでした。あんまり関係ないですけど。

琉翠様
小太刀に関しては皆様から多くのご意見をいただけて嬉しい限りです。わたしは某漫画(バレバレ)からのアイディアなんであんまり詳しくは見ませんでした。盾として使える刀。これがこの横島君にピッタリだと思ったので。

内海一弘様
鋭い!!私が今回私がタイガーの試合を書いた後にレスを読みましたのでびっくりしました。ヒャクメヒロインといいタイガーの試合といい・・・微妙に珍しいもの書いてる自分がこの頃少し好きになれそうです。

ショウ様
はじめまして。本当に煩悩無いですけど微妙にヒャクメがその役目をになってくれています。タイトルは結構調べたりもしましたが皆様のご意見で教えていただいたものが大多数です。タイトルからしてこれなので本当に皆様に助けられている作品ですがよろしければこれからもお読みいただけたら幸いです。

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