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▽レス始

「心の声が みそじあまりむっつ目(GS)」

寿 (2006-10-06 17:11)
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小竜姫様たちが唐巣神父に調査を依頼してから一月が過ぎた。

あれから特に大きな事件も無く、俺は修行とGSの手伝いをするという日々を過ごしていた。

「GS試験?」

「ええ、そろそろ僕も受けてみようかなと思いまして。先生の許可も頂けましたし。」

俺は今日は唐巣神父のもとで修行を受け、その後ピートと話をしていた。

ちなみにヒャクメと神父は別室に。今日は小竜姫様も来ているので例の件の話し合いらしい。

「へぇ、大変そうだなぁ。それで?受かりそうなのか?」

俺が何気なく言った言葉にピートは固まった。

「実はまったく自信が無いんですよ!!僕は故郷の期待を背負ってるんでプレッシャーが凄いんです!!」

「わ、わかったから落ち着け!!」

ピートは突然泣き叫ぶと俺に詰め寄った。

「それで実はお願いがあるんです。横島さんもいっしょに受けませんか?」

「へ?」

「お願いします!!一人じゃ心細いんです!!お願いです!!後生ですから!!」

「たのむから少し落ち着けーーー!!!」

俺の叫びにようやくピートは落ち着きを取り戻した。

「す、すみません。つい・・・」

「まあいいけどな。でもお前なら大丈夫だろう?」

「う、先生もそう仰ってくれたんですがどうにも不安で・・・」

そう言ってピートは小さくなる。こりゃ駄目だな。

「ふぅ、わかった。でも小竜姫様の許可がでたらだぞ?俺は流石に師匠の許可もなしに受けるわけにはいかないからな。」

「あ、ありがとうございます〜!!」

俺の言葉にピートは泣きながら礼を言った。

・・・本当に大丈夫かな?こいつ。


「GS試験を受けたい?」

横島さんは横島さんの夕食を食べているときにそう切り出した。

ちなみに妙神山と横島さんの部屋が繋がってから小竜姫とわたしはたいてい横島さんと共に夕飯を囲んでいる。

「ええ、実は・・・」

横島さんはその理由を語りだす。

なるほど。ピートさんに頼まれたのか。横島さんらしいといえばらしいが・・・

「ふむ・・・」

小竜姫は横島さんの話を聞いて考え込み始めた。

「小竜姫・・・」

わたしは小竜姫に声を掛けた。小竜姫はそれに頷いて答える。

「横島さん、実は今日例の件の目的と主犯格がわかったのね〜。」

「なに?」

わたしの切り出しに横島さんの顔が真剣なものになる。

「主犯格はメドーサ。この間のあいつなのね〜。」

「!!」

横島さんはメドーサの名前を聞いて顔を強張らせる。

「目的はGS業界をコントロールすることなのね〜。悪魔や妖怪にとってGSは天敵なのね〜。でもそれが裏で手をくめば・・・」

「警察とマフィアが手を組むようなもの、か?」

横島さんの言葉にわたしは頷いて肯定する。

「とりあえず息の掛かった者に資格を取らせるために今回のGS試験に何人かもぐりこませるつもりみたいなのね〜。」

わたしの言葉を聞いて横島さんも考え込み始める。

「それに横島さん、GS試験がどういった試験か知ってるのね〜?」

「いや。筆記試験とか、実技試験じゃないのか?」

横島さんの言葉を聞いてわたしは納得した。試験内容を知っていれば横島さんが試験を受けたいなんて言う筈が無い。

「試験は一次審査で霊波の放射試験。これはおそらく横島さんやピートさんなら問題ないのね〜。でも二次審査は受験者同士の試合なのね〜。」

「なっ!?」

横島さんは試験内容を知ってかなり驚いたようだ。まぁ友達のためとはいえ、安請け合いはいけないのね〜。

「ふむ。横島さん?」

今まで考え込んでいた小竜姫が突然横島さんに声をかけた。

「はい。」

「試験を受けるのはかまいません。結果がどうであれ、横島さんにとっていい経験にはなると思います。しかし、今回は事が事です。ただでさえ危険な試験がさらに危険になります。」

小竜姫は以外にも許可を出した。しかし更に言葉を続ける。

「正直に言えば横島さんが試験に出てくれるのはありがたいです。前回のことを踏まえて考えれば横島さんはメドーサに傷を負わせていますし、間違いなく向こうから何か仕掛けてくるでしょう。こっちから見ればそれを警戒していればおのずとメドーサにたどり着くでしょう。」

つまりはおとりだ。メドーサにしてみれば横島さんは小竜姫の弟子。いちはやくご退場願いたい相手の一人だろう。

「でも小竜姫?かえって相手が警戒する可能性も高いと思うのね〜?」

「ええ、それも確かに。でも考えようではそれはメドーサの活動の抑止力にもなりえます。メドーサがこちらを警戒して表に出てこなければこちらは受験生のみに集中できます。」

ふむ。確かに。出来ればメドーサの退治、もしくは拿捕まで行きたいところだが、今回の計画を阻止することを第一に考えればたしかにありだ。

「しかしそれはあくまで私達の都合です。あなたの師匠として言わせれば試験を受けるのはかまいません。しかし別に今回ではなくてもいいのではないか?と言ったところです。」

そう言って小竜姫は横島さんに視線を向ける。つまりは決めるのはあなた。と言いたいようだ。

「わたしの意見を言わせて貰えば正直今回はやめて欲しいのね〜。横島さんが自分から危険な目にはあって欲しくはないのね〜。」

わたしは自分の意見を言う。そしてわたしも横島さんの言葉を待つ。

「・・・受けます。」

「「!?」」

わたし達の視線を一身に受けていた横島さんは静かにそう言った。

「横島さん!?よく考えて欲しいのね〜。わたし達に気を使ってくれているなら無用なのね〜!横島さんは自分の事だけ考えて欲しいのね〜!!」

「はは、そう言ってくれるのは嬉しいが俺が出ればもしかしたら被害が少なく済むかもしれないんだろう?それなら出るさ。ダチが危ない目にあいそうなのにそれを黙ってみているのも勘弁して欲しいしな。」

そう言って横島さんは苦笑いを浮かべた。

「でも!!」

「ヒャクメ!!」

わたしは更に続けようとしたが小竜姫がそれを止めた。

「横島さん?決意は変わりませんね?」

「はい。」

小竜姫の問いかけに横島さんは肯定で返した。

「わかりました。それでは受けてみてください。ただし!!こちらでメドーサの動きがわかり、あなたに危険が及ぶようでしたらすぐにこちらで止めます。その場合はこちらに従ってください。よろしいですね?」

「はい。」

小竜姫は横島さんの返事と真剣な顔に満足そうな表情を浮かべる。

「では、試験までは少し修行を厳しくします。覚悟してくださいね?」

「は、はい。」

今度は横島さんいまいち歯切れが悪い。まあ無理も無い。

「横島さん?本当にムチャしちゃだめなのね〜?」

「そんな顔するなよ。大丈夫だって。それに俺がどこまでいけるかなんてわからないんだぜ?もしかしたら一次試験で落ちるかもしれないし。」

そう言って横島さんはおどけて見せた。

「う〜、それはそうだけど・・・」

わたしはその言葉を聞いても安心は出来なかった。

「ふぅ、ヒャクメはいつに無く心配そうですね。まぁ仕方ありませんね。横島さんはまだ修行を始めて約半年ですから無理もありません。横島さん?私は結果にどうこう言うつもりはありません。しかし人と相対すると言うことはなにかと学ぶべきものが多いものです。それらを一つでも学ぶことを第一の目的としてください。」

「はい。」

小竜姫は結果は気にしないでいいといった。つまり棄権してもなにも言わないということ。横島さんのことだ、こちらが少しでも期待すれば少しでも答えようと奮戦するのは目に見えている。

わたしはその言葉に少し安堵した。

「わかったのね〜。そうと決まればわたしも応援するのね〜。でも、一つだけ約束するのね〜?」

「?なんだ?」

「出来るだけ怪我をしないこと。それとこの間みたいなむちゃはしないで欲しいのね〜。」

「・・・わかった。約束するからそんな顔をするな。な?」

「絶対なのね〜。」

わたしは更に念を押した。それでも横島さんの場合は心配だ。

「ふふ、ヒャクメがこんなに心配そうな顔をするなんて。横島さん、明日は雨かもしれませんね?」

「はは、そうかもしれません。」

「な!?それはどういう意味なのね〜!?」

わたしがそう言うと二人は笑顔になった。

ふふ、小竜姫、ありがとうなのね〜。


「それで小竜姫?横島さんはどうなのね〜?」

横島さんの部屋から戻ってきたわたし達は就寝前に話をしていた。

ちなみにわたしはピンクのパジャマに同じくピンクのナイトキャップ姿。横島さんに見せたら少しは見直してくれるかな?

「そうですね・・・試験のレベルがいまいちよくわからないのでなんとも言えませんが、良いところまではいくと思います。」

小竜姫はそう言った。やはり、か。小竜姫は武神だ。その武神が勝算もなしに弟子を送り出すはずが無い。

「横島さんの成長は驚嘆に値します。おそらく彼が防御に回ればそう簡単に崩せるものはいないでしょう。それに・・・」

「それに?」

「彼が得た新しい力、あれは使いようによってはかなり強力です。おそらく、彼は現状でもピートさんレベルなら勝てるかはわかりませんが、いい勝負はするでしょう。」

小竜姫がそういうのなら間違いはない。こと戦闘に関してはわたしは彼女の意見をそうそう否定できない。

「確かにあれはそうなのね〜。でも横島さんは圧倒的に戦闘経験が足りないのね〜。実際、ガードは置いておけば戦闘したのは数回、片手で足りるのね〜。」

「だからいい経験なんですよ。それに彼には霊的な攻撃以外にも武器がありますしね。」

「えっ?なんなのね〜?」

わたしは小竜姫の言葉に疑問の声を上げる。横島さんの武器とは?

「おや?気がついていなかったんですか?まぁそれは今度説明してあげますよ。」

小竜姫はそう言って楽しそうな表情を見せる。まったく、人が悪い。

「それよりヒャクメ?場合によりますが、今回横島さんに与えられた神竜王陛下からの褒美、与えるかもしれません。」

「!?あれはまだ横島さんには早いのね〜!!」

わたしは小竜姫の意見に驚きを隠せなかった。あれはまだいくらなんでも早すぎる。

「わかってます。しかし事が事です。最悪の事態を考えて備えがあれば憂いなしともいいますし、出来ることはすべてやっておいたほうがいいです。」

「確かにそうなのね〜・・・」

わたしは小竜姫の言葉をしぶしぶながら肯定した。

小竜姫はわたしの言葉を聞いて満足そうだ。

「ねぇ?まさかとは思うけど、小竜姫がやってみたいだけ、ってわけではないのね〜?」

ギクッ!!

わたしの言葉に小竜姫は一瞬固まった。こいつは・・・

「そ、そんなことありませんよ?私は少しでも横島さんの安全を考えて・・・」

小竜姫は慌てて否定の言葉を並べるが、かえってあやしい。

「はぁ、まあいいのね〜。横島さんの安全が少しでも上がるのは確かなのね〜。ただし!!不足の事態を考えて、当日はわたしは横島さんについてるのね〜!!」

ふん!!小竜姫がそういうことならわたしだって少しぐらいわがままを言わせて貰うのね〜。

「うっ!!ま、まあ仕方ないでしょう。」

今度は小竜姫がしぶしぶながら肯定した。

しかし・・・今度はどのような事態が起こるか想像も付かない。

確かに横島さんは強くなった。しかしそれでも心配は尽きない。

どうか横島さんに危険が及びませんように・・・

わたしの祈りを他所に、夜は更けていった。


あとがき
はい。今回からGS試験編です。と言っても本当にバレバレでしたね。今回は出だしなんであんまり盛り上がりませんでした。最後にヒャクメにパジャマを着せるぐらいしかお遊びもありませんし。以前から言っていた横島君の修行の成果を見せる場としてこれを選びました。次は試験に入ります。一次試験はあんまり書くところが思いつかないんですが、もしかしたらほとんどカットするかもしれません。うう、どうしましょう?

レス返し
始めにご意見、ご感想を寄せていただいた皆様に感謝を・・・

究極超人あ〜○様
今回からGS試験に入りました。まあギャグとシリアスの試合がはっきり分かれそうです。タイガー出番あるかなぁ?

寝羊様
今回はパジャマ姿を披露してみました。大して意味はありませんし、ギャグでもありません。うう、今回は本当にギャグの使いどころが見つかりませんでした。つ、次こそは!!

亀豚様
今回も小竜姫様は出てきましたが・・・おキヌちゃんが!!うう、次は絶対出します。しかしなんだか小竜姫様がこの頃おとなしいです。う〜ん嵐の前の静けさでしょうか?

零式様
ヒャクメをリアルに妊娠させたらこのお話が終わってしまいます。それもそれで面白そうですが、打ち切り漫画みたいなんで。しかしふと思ったんですが、横島君の子供の話は結構あるんですがその相手の妊娠中の話はあんまりないですね〜。

滑稽様
タイガー・ジェット・シンはアントニオ猪木さんの時代の人ですから無理もありません。ちなみにヒールレスラーで猪木夫婦を街中で襲撃し、流血させたことがあるくらいはっちゃけたお方です。う〜ん、私も情報しか知らないので映像で見てみたい。

内海一弘様
はっはっは・・・鋭い。神竜王様は横島君にもうひとつ褒美を出してます。それに今回少しふれました。結構皆さん予想できると思いますし、以前頂いたご意見の中にもありました。ちなみにタイガーは・・・タイガーですもん。(マテ

関直久様
レスを見た時感激しました。わかる人がいたのがかなり嬉しいです。いくつかカットしたんですが私はアレを始めて読んだ時爆笑しました。うう、仲間がいて本当に嬉しいです。

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