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▽レス始

「心の声が みそじあまりいつつ目(GS)」

寿 (2006-10-05 01:01/2006-10-06 01:25)
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「転校生?」

「?なんですか?その天候聖というのは?」

俺、ヒャクメ、小竜姫様の三人は唐巣神父の教会に向かう道すがら世間話に華を咲かせていた。

「転校生ですよ。俺のクラスによその学校から新しく生徒がきたんですよ。」

俺は小竜姫様の疑問に簡単に答えた。

「それでその転校生がどうかしたのね〜?」

「ああ、そいつはタイガー寅吉っていうんだけど、なんでも霊能力者で、エミさんの助手として留学してきたらしい。」

「へ〜、エミさんのところ新しく助手を雇ったのね〜。」

「それで横島さん、そのタイガーさんとはどのような能力者なのですか?」

小竜姫様がそう聞いてきた。

「ええ、なんでも精神感応者(テレパス)らしいです。でも、その能力を使いこなせないらしくて、それを完全に使いこなせるようにするためにエミさんのところに来たらしいです。」

「そうですか。でもどの程度使えるかはわかりませんが、精神感応能力は高位の者は相手に幻覚を見せることも出来ます。エミさんの助手には最適かもしれませんね。」

小竜姫様はそう言った。確かにそれが出来ればエミさんの霊体撃滅波を撃つための時間稼ぎにはもってこいだ。

「確かにそうなのね〜。ねぇ横島さん?そのタイガーさんがどの程度の力を使えるのかは聞かなかったのね〜?」

「ああ、見はしなかったが、小竜姫様の言ったとうり、相手に幻覚を見せることが出来るらしい。それと、その時に見た目はトラの姿に変身するらしい。」

俺がヒャクメの問いかけに答えると、ヒャクメは少し考えるような格好を取る。

「へぇ、それは確かに強力な使い手かもしれませんね。変身するのはおそらく自分に対してのまじないのようなものでしょう。まれにですがその様な事で自分の能力を高める者もいますし。」

小竜姫様はそう説明してくれた。

「なるほど。でもその変身した姿は一度見てみたいですね。なぁヒャクメ?」

俺はそういいながらヒャクメの視線を向ける。

「・・・・ヒャクメ?」

俺はその姿を見たとき一瞬呆れた。なぜなら・・・

「あ、今蹴った。」

ヒャクメはマタニティドレス姿で、おなかに詰め物をして大きくしていた。

「そりゃー妊娠。」

俺がそう問いかけるとヒャクメはドレスを脱ぎ捨てて、前に向かって歩みだした。

「前進。」

「ツッタカタッタッター。」

「行進。」

「おお!流石横島さん、的確なツッコミなのね〜!!」

「感心。」

「・・・・」

「放心。」

ヒャクメの連続ボケに一つ一つ丁寧にツッコミを入れつつ、俺はなんだか情けなくなってきた。・・・変身にかけてるつもりなんだろうな〜。

俺の考えを他所にヒャクメは更に何かに着替えだした。

そして着替えたヒャクメはトラ縞の野球のユニフォームに着替えると、バットを・・・

ぶんぶんぶん!!!

思いっきり三回振った。

「阪神の渾身の三振。ってわかりにくいわ!!」

「それを的確にツッコむ横島さんに言われたくないのね〜!!」

流石にいい加減ツッコむのが嫌になりました。はい。

「あの〜、横島さん?唐巣さんの教会過ぎてしまいますよ?」

俺たちのやり取りをまったく気にせずに小竜姫様はそう声をかけてきた。

お願いですから止めてください。

「横島さん、横島さん。」

俺が小竜姫様のほうに行こうとするとヒャクメが声をかけてきた。

そして再びヒャクメを見て・・・・頭が痛くなりました。

「ハァァァァァァァ。」

ヒャクメは頭にターバンを巻いてアラビア風の衣装を纏い、鼻の下に髭をつけた格好で、右手でサーベルを持ち、左手でサーベルの先を持って刀身を曲げていた。

「・・・・・タイガー・ジェット・シン。」

そんな往年のプロレスラー、今時の人はしらねぇよ!!


「こんにちはなのね〜。」

わたし達は目的地である唐巣神父の教会に足を踏み入れた。

「これはヒャクメ様。それに小竜姫様に横島君。今日はどうされました?」

突然の訪問であるにも関わらず神父はわたし達を笑顔で迎え入れてくれた。

「ええと、今日は小竜姫様が神父にお話があるそうなんです。俺たちはその付き添いです。」

横島さんが訪問の目的を告げると神父は少し驚いた顔をしたがすぐにいつもの顔に戻った。

「ふむ、わかりました。それで小竜姫様、どういったお話でしょうか?」

「ええ、まずはお礼に。遅くなりましたがメドーサの事件の時のお礼をきちんとしていなかったので。それと先日のお忙しい時にも関わらず殿下に付き合っていただきましたので。」

そう言って小竜姫は笑顔を見せる。

「いえ、お気になさらないで下さい。メドーサのときは大して役にも立ちませんでしたし、先日は私たちにもいい休養になりました。久しぶりに童心に返りましたよ。」

そう言って神父も笑顔を見せる。

「でも神父は竜神王陛下に色々聞かれてたから大変そうだったのね〜?」

「ははは、確かに貴重な経験をさせて頂きました。」

今度は少し困ったような笑顔になる。まあ人間が陛下のような上級神にあって話をするなんて人生を数回やり直したってあることではない。

「すみません神父。俺があんなお願いしたせいで・・・」

横島さんは申し訳なさそうにそう言った。

「いや、気にすることは無いよ。きみのしたお願いはとてもすばらしいことだよ。私はむしろそれを聞いたとき嬉しくすらあったよ。」

神父のその言葉を聞いて横島さんはもう一度黙って頭を下げた。

「ふむ。あなたに横島さんを預かって頂けたのは幸運のようですね。」

「いえ、すべては神のお導きです。」

小竜姫の言葉に少し照れくさそうに神父はそう言った。

「とりあえずこれが今回の目的の一つです。そしてもう一つ。ヒャクメ!」

「はいなのね〜。」

小竜姫の呼びかけにわたしは説明を始める。

「実はわたしと小竜姫は今人界で活動する神・魔族の罪人を取り締まる任を受けてるのね〜。それでひとまずわたしの能力を使って調べてみたんだけど・・・」

わたしの言葉に神父と横島さんの顔が真剣なものに変わる。

「少し気になるところを見つけたのね〜。この周辺、と言っても首都圏とその隣接県で魔族が活動した後が見つかったのね〜。今のところその正体、目的は不明。でも活動しているのは確かなのね〜。」

「気になるのはその活動が近頃になって頻発していること。そしてその力が一つではないことです。」

わたしの説明に小竜姫が付け加える。

「つまり複数の魔族が活動している、と?」

「それもわからないのね〜。その力の強さもバラバラだし、それに魔族にしては少し力が弱いのね〜。もしかしたら人間が悪魔召喚の儀式でもしてるのかもしれないのね〜。」

「悪魔召喚?そんなことが本当に可能なのか?」

横島さんがそう疑問を口にする。

「それは不可能ではないよ。と言っても力の強いものを呼び出そうとするとそれに比例して大掛かりの儀式、そして贄が必要になるけどね。」

横島さんの疑問に神父が答える。

「贄?」

「牛などの動物を始め、たちの悪いものになると・・・人間です。」

「!!」

小竜姫の言葉に横島さんは驚愕の表情を見せたあとコブシを強く握り締めて押し黙った。

「まあ力の強さから考えてもそこまでのことはしてないみたいなのね〜。」

「以上のことを踏まえて唐巣さんにお願いがあるんです。今後もちろん私達の方でも調査を進めますが、あいにく私達は人界に疎いところがあります。それにまだ人間が起こした事件の可能性も捨て切れません。それで何でもいいので唐巣さんのほうでもなにか気になることがないか調べてもらえませんか?」

小竜姫は真剣な顔でそう言った。

「わかりました。私の方でも調べてみます。」

「すみませんがお願いします。なにか見つけたらヒャクメに言ってください。」

「わたしは正式に横島さんのサポートを仰せつかったからたまにここにもくるのね〜。」

「!?それは・・・破格の待遇ですね。」

神父はわたしが横島さんのサポートに正式についたことにかなり驚いたようだ。

まあ人間に神様が引っ付いてるなんて聖人でもない限りそうそう無いことだから無理もない。

「俺のほうは何時もと変わらないんですけどね。」

横島さんは神父の驚きにそう答えた。む〜、もう少しありがたがってもバチは当たらないのね〜。

横島さんの言葉に神父は苦笑を、小竜姫はさっきまでの真剣な顔を崩した。

「あっ、そうだ。そういえばピートはどうしたんですか?姿が見えないみたいですけど。」

横島さんは突然そう聞いた。確かにいつもならここにピートさんもいるはずなのに・・・

「ああ、実は先日、そう、天龍童子様とデジャブーランドに行って、帰ってきてからどうにも部屋にこもりがちでね。なにを聞いても答えてくれないし、私も少し困ってしまってね。そうだ、横島君は何か知らないかい?」

そう神父は本当に困った顔で言った。

「いえ、あいにく。俺もあの時は天龍に引っ張りまわされてましたから。」

「そうかね・・・いったいどうしたんだろうねぇ?」

申し訳なさそうに言う横島さんに神父のほうもあいかわらず困り顔だ。

しかしわたしは一つだけ心当たりがあった。

エミさん・・・いったい何をしたのね〜!?


小竜姫様達と唐巣神父の教会に行った翌日。

タイガーはなぜか全身に包帯を巻いていた。

「タ、タイガー!?いったいどうしたんだ!?」

俺がそう問いかけるがタイガーはただうつむいて、

「横島さん・・・綺麗な花には棘があるんじゃー。」

そう言った。

「?なんなんだ?」

「さぁ?」

俺はその言葉の意味するところがわからず愛子に問いかけるが愛子のほうもわからないようだ。

しかし・・・それは棘ですむ怪我じゃないぞ?

いったいなにがあったんだ!?


あとがき
今回は苦しみました。タイガーの話は以前短編で書いたことがあったの何とかなるかと思ったんですが・・・思っただけでした。書き直すこと二回。どうにもタイガーを出して話を書くとらしくなかったので最後に一言だけにしました。苦肉の策です。はい。とりあえず今回で次のメインの話の伏線を張りました。あいかわらずバレバレなんですけどね。しかし前回のモデルありの話で誰ももとネタがわからなかったのがちょっとショックです。今回も古いネタなんでちょっと心配です。

レス返し
始めにご意見、ご感想を寄せていただいた皆様に感謝を・・・

寝羊様
本当にタイガーの出番は少しでした。うう、苦し紛れです。でもこれはこれでありかなーとか思う自分が居たりします。うう、情けない。

零式様
そ、それはもしや!?おもしろそうですが・・・いつかやりたいです。今回は駄洒落です。ネタも古いし。我ながら解りにくいな〜。

内海一弘様
小竜姫様の服のもとネタは某ギャルゲーからです。さらなるヒントは「12股」です。本当にわかる人いるか少し不安です。タイガーは一言のみでした。でも今後はもう少し台詞が・・・あるといいなー。

究極超人あ〜○様
タイガーの話はシリアスも考えたんですが、ギャグに。次から再びシリアスを使うことになりそうなんで。まあ前半はギャグを入れるつもりですが・・・

スケベビッチ・オンナスキー様
今回はギャグでした。前回で蓄えた力がすべてなくなること請け合いです。だって駄洒落だし。うう、我ながら親父くさい!!タイガーは・・・察して下さい。

EVE様
あんまり修行風景を入れるかはわかりません。イベントを入れながら修行、もしくは他のGSの手伝いをさせるつもりです。ただし、小竜姫様の出番は増えると思います。

睦月屋様
て、天地○用!!確かに思い出しますね〜。イメージはまさにそれです。ちなみに私的には上段で。なんとなく飛び出してくるイメージがあるので。しかし逆に妙神山に行く時の格好は・・・シュールですね・・・

への様
次は・・・予想してください。だいたい考えてるとうりです。再びあのお方が出ますのでシリアスになりそう。しかし我ながら伏線の張り方がへたくそですね。

亀豚様
竜神王は今後どうなるかわかりません。話に出てこない裏で動いてもらおうとは思ってますが、表に出るかは未定で。タイガーはあんなんでした。うう、微妙ですね。

彗星帝国様
第1部完・・・話的にはあれは小竜姫とヒャクメの状態を受け入れるという意味なので少し違いますが、私的にはメドーサ編はこの話を書き始めた当初から頭にあった話なのである意味そう考えてもおかしくありません。う〜ん、奥が深く、鋭いご意見ありがとうございます。

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