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▽レス始

「式神作製師横島!その3(GS)」

yata (2006-10-06 12:01)
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*注*これは複数回逆行を繰り返した横島強めな作品です。
   こういった作品が苦手な方は避けるようお願いします。


何回も逆行を繰り返していると、
大きく歴史を変えない限り避けられない事件というものが分かってくる。

代表的な例としてはアシュタロス関係の事件はほとんど不可避で、
今まで避けられたのは一回だけである。

平安時代に時間移動した時に、アシュタロスを魂の牢獄から開放させた場合のみ、
究極の魔体やGS試験騒動、元始風水盤事件やハーピー襲撃事件などアシュ陣営の起こす事件が無くなる。
ただし、この場合ルシオラ、ベスパ、パピリオは生まれることすら無くなってしまうので禁じ手として封印しているが。

他にもフェンリルやパイパー、死津喪比女などはかなりの歴史改変を行わないと回避できない。
問答無用で人狼の里で犬飼を殺したり、金の針を美神が手に入れる前に破壊したり、
おキヌちゃんが地脈と繋がっている間に呪いで枯死させたりするのは結構難しいのだ。

今回の逆行では、大きな歴史改変はまだ行っていない。
よって、『何時』、『何処』に行けば『誰』に会えるかということも今は大体わかっているのだ。
そう、『逆行してから一ヵ月後の朝』に『学校へ行く途中の公園』に行けば『神』に会うことは分かっていたのだ。

分かっていたのだが……………


式神作製師横島! 第3話


「ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!」

ドゴォォォォォーーーーーーーーーーーン!!


やっぱり今回の攻略対象はレーコちゃん(ロリコン)にしようかなぁ〜と現実逃避してしまう横島。
一歩足を踏み入れたそこはいろんな怪獣モノをごちゃ混ぜにしたようなカオス空間であった。

辰のアジラが火を噴き、巳のサンチラが電撃を辺りに振りまく。
亥のビカラが木や遊具を押し倒し、寅のメキラはポストやバス停を瞬間移動で飛ばしまくる。

丑のバサラが息を吸い込むと木々の葉や花が毟り取られ、
午のインダラと酉のシンダラは好き勝手に走ったり飛び回る。

未のハイラは木の幹を剣山と化し、卯のアンチラはジャングルジムを切断し、
戌のショウトラは物凄い勢いで芝生や花壇を穿り返す。
子のクビラは木の根をかじり、申のマコラは空手のような構えで物を破壊する。

その中心では泣き伏せる少女(一応20歳)がいるが、よく見ると膝を少し擦りむいている。
すぐ脇に小石が出っ張っているのを見る限り、ちょっとこけただけだろう。


横島は覚悟を決め、腰のポーチに入れてあった吸印札を取り出す。
影から操鼠と自来也を呼び出し、戦闘態勢を整える。
深呼吸を一回、気持ちを落ち着け気合を入れる。


「操鼠、自来也、GO!」

「ピカー!」

「グェッ!」


操鼠は尻尾フレイルでクビラとマコラを牽制し、自来也はアジラとサンチラを水球に閉じ込める。
横島から冥子までの直線間にいた式神が動けないうちに冥子へと接近し、耳元で大声を上げる。


「喝ッ!!」

「ふぇッ!?」


冥子が驚いて目を見開くと、式神たちの動きが一瞬止まる。
その隙に、全力で冥子からショウトラの支配権を奪い、影に潜らせる。
横島の現在の実力では十二神将は一体支配するので限界なのだ。
両手に持った吸印札を式神たちに向けて放ち、一時的に封じ込める。

十二神将ともなるとその霊格は高く、横島の札では長く封じることはできない。
封じては破られ、封じては破られを何度か繰り返し式神たちを疲労させる。
もう札を破れない程に疲労した式神たちは冥子の影へと退避する。

そこまで持っていくのに横島の手作り吸印札はほとんど使い尽くしてしまった。
一ヶ月間平均すると一日5枚作っていて100枚は残っていたのだが……十二神将、恐ろしい子!
自作札じゃなくて買った札だとしたら一回の鎮圧で2000万近い金額が掛かるのだ!

操鼠と自来也も横島の影へと戻り、入れ代わりに横島は影からショウトラを出す。
ショウトラに冥子の膝をヒーリングさせてから冥子の影に返す。


「ふぇ?」

「大丈夫かい? 式神が暴走していたみたいだけど」


混乱している冥子に横島は優しく声をかける。
座っている冥子に目線を合わせるため、屈みこみながら笑いかける。
子供の目線に合わせて話すという手法は保育士も使っているらしい。


「あなた、だ〜れ〜??」

「俺かい? 俺は横島忠夫」

「わたしは〜、六道冥子っていうの〜」


暴走していた式神たちをあっという間に鎮圧した謎の男(横島)に対し冥子はとても無防備である。
普通は不審に思って警戒するだろうに、のほほんとしてる。
まぁ、キリっとしたキャリアウーマンのような冥子なんて想像できないのも確かだが。


「そっか、冥子ちゃんっていうのか。それで、どうして式神が暴れてたのかな?」

「あのね〜、冥子〜お仕事までお散歩していようと思ったの〜」

「そうなんだ? 冥子ちゃんお仕事してるんだ?」

「うん〜。こう見えても〜、GSの見習いさんなのよ〜」

「へぇ〜、それで仕事まで散歩していようとしたんだよね?」

「そうなの〜。それで〜いつもはおうちで散歩するんだけど〜、今日は〜公園にきたの〜」

         ・
         ・
         ・

ここから無駄に長い会話が続くので要約させていただく。

仕事前に散歩をする習慣がある冥子は、いつもは自宅の庭で散歩するのだが、
ちょっとした気分転換に公園で散歩することにした。
公園へ来てみると、綺麗な蝶が飛んでいたので追いかけていたら転んでしまい式神が暴走した。
暴走を止めてくれてどうもありがとう。

要約すればこれだけなのだが、横島はこれを聞くのに30分かかった。
横島は冥子のボケは天然ボケじゃなくて痴呆症ジャマイカと疑ってしまう。


「あ、もうこんな時間だ! 学校行かなくちゃ」

「えぇ〜、忠夫く〜ん、もう行っちゃうの〜?」


30分の間に二人は結構親しくなったようだ。それもそうだろう。
大抵の男は十二神将のせいで冥子に近づく事すら出来なかったのだ。

記憶を振り返ってみても、父親以外でこんなに長く話したことがある男性はいない。
GS試験でお友達(?)になった美神令子と小笠原エミは女性である。
冥子にとって横島は初めての男友達なのである。何気に鬼道のことは記憶の彼方へ。あわれ也。


「ほら、冥子ちゃんもこれから仕事なんだろ?」

「そういえば〜、そうだわ〜。でも〜もっとお話したいわ〜」

「それじゃあ、俺は学校が終わったらココに来るから、
 冥子ちゃんももう一回ココへ来て会おうよ? 俺の方はたぶん五時くらいには来れると思うからさ」


少し愚図る冥子に、横島が提案する。すでに2校時が始まっている時間だ。
冥子と会うのは判っていたので端から1校時目は捨てている。

それに横島としては急いで冥子と恋仲になる必要はない。
嫉妬深いかどうかは未知数だが、浮気する度(浮気前提)に暴走されるとキツイ(外道)。

まずは、友人として親しくなってその間に暴走癖を治せればいいのだ。
幸い、逆行したのは原作開始の一年前なのでアシュ戦までおよそ二年の猶予がある。

そのころにはきっとワルキューレ並にしっかりキャラに………なれればいいなぁ〜(orz)


「また〜、会ってくれるの〜?」

「もちろん、冥子ちゃんみたいな可愛い娘なら大歓迎さ」

「も〜、お姉さんをからかっちゃ駄目なんだから〜」


プチ大樹化した軟派型横島に冥子はお姉さんぶりながらも頬を赤らめる。


「約束よ〜。嘘ついたら(ハイラの)針千本の〜ます♪ 指切った〜」

「あぁ、それじゃあまた夕方に」


エンゲージの契約書並に命にかかわる約束をしたような気がしたが、
横島は学校へ、冥子は自宅へと別れた。


----------------------六道邸------------------------


「冥子〜、あなた今まで何処行ってたの〜!?」

「あ〜、お母様〜。冥子〜、今日はお仕事〜お休みするの〜」

「冥子〜〜!?」


散歩に行った娘が、ニコニコしながらストライキを起こした。
散歩中に何かがあったことは間違いないが、冥子付きの隠密からはまだ報告が来ていない。
しかも、冥子は自分のことを気にせずにルンルン♪ と聞こえてきそうな足取りで自室へと向かっている。


「冥子〜! 待ちなさ〜い」

「うふふ〜。おめかししなきゃ〜」

「何があったの〜!?」

「………奥様、ご報告申し上げます」


混乱している六道婦人に、隠密からの報告が来た。
冥子のストライキはひとまず置いておいて、現状把握に努める。

          ・
          ・
          ・

「……というわけで、冥子お嬢様の暴走を無傷で鎮圧していました。」

「使い魔〜または式神らしきモノを2体確認してるのね〜。影に〜仕舞っているから式神みたいね〜」

「はっ、暴走中とはいえ十二神将4体に対して2体で対応していました。」

「しかも〜ショウトラの制御を一時的とはいえ奪ってるわ〜。
 この〜横島くんって子のプロフィールはもう出来てるかしら〜?」

「確証のない情報もありますが、ここに用意してあります」

「……ふ〜ん。もぐりのGSみたいね〜。
 一度でも〜、GS協会に届け出た霊障には〜手を出してないみたい〜。意外と賢いわね〜」

「しかし、一ヶ月より以前は霊能にはまったく関係のない生活をしていたようです」


六道冥子に接触した人間は、必ず一度は六道の隠密によって調べられる。
六道財閥の力を使えば、一個人の情報など集めるのは簡単なのだ。


「……あ゛〜〜〜! この子〜、村枝の紅ユリの息子だわ〜!?」

「…横島百合子(旧姓:紅井)、村枝のスーパーOL紅ユリですか!?」


そして六道婦人は気づいてしまった。
写真(盗撮)に写っている馬の骨は、ある意味血統書つきサラブレットであるということを……


「強力な式神が2体〜、冥子の暴走を防げる能力〜、紅ユリの血統〜……」

「お、奥様!?」


六道婦人は、一つ一つ確認するかのようにつぶやき、
十二神将を従えていた全盛期に勝るとも劣らない霊圧を振りまく。

日ごろから冥子の暴走を近く(巻き込まれない程度)で観察している隠密すら、
その圧倒的な霊圧に押しつぶされそうになる。


フフフフフフ〜欲しいっ、欲しいわ〜〜〜!!!


「うぉ! なんだか無性に逃げたくなってきた」

「横島ぁー! そんなに授業が嫌なら廊下に立っとれー!!」


あとがき

どうも、yataです。
今回は『破壊神と遭遇』と『狙われた横島』でした。
次回は『狙われた横島パート2』と『?????』です。


ではレス返しです。


>睦月屋さん

感想ありがとうございます。
貧乏性じゃない横島は謙虚な美神くらい有り得ないと思いますw
美神が偉大というかトラウマになっているのかも。


>甚六さん

感想ありがとうございます。
少し早い気もしますが、3話も書いてるのに小竜姫と横島以外に人語を喋る奴がいないのは問題かなと思いましてw
次回もがんばります。


>零式さん

感想ありがとうございます。
対面しましたが、暴走を無傷で止めたのはやりすぎだったでしょうか?
次回もがんばります。


>ミアフさん

感想ありがとうございました。
デジ○ンはあまり意識してませんでしたが、絵的には似てるかもしれません。
普段から横島よりも蟇大明神の神気を好んで摂取してるので、自来也は真面目くんです。
でも、横島が○○○○すると……ニヤリw


>SSさん

感想ありがとうございます。
ナ○トは来てませんよ。エロ仙人のモデルとは言いましたが、このSSではカエルですからw


>内海一弘さん

感想ありがとうございます。
式神<水道代なのは丁稚時代の名残ですw


>夢識さん

感想ありがとうございます。
yataはLv100にする裏技でオニスズメをオニドリルにしていました。

[ツァトゥグァ]は地属性ですが、この場合【カエル】の部分を使った強化なので属性は必要ないということになっています。
横島としては属性強化は十二天を使うつもりだったのですから。


>ZEROSさん

感想ありがとうございます。
一応対応できるという結果にしました。
横島単体では1体だけですが、操鼠と自来也に牽制させるのと、100枚以上の自作札を消費しましたが。

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