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▽レス始

「式神作製師横島!その1(GS+α)」

yata (2006-10-01 13:52/2006-10-01 18:33)
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*注*これは複数回逆行を繰り返した横島強めな作品です。
   こういった作品が苦手な方は避けるようお願いします。


「ピ○チューげっとだぜ!」


……何か激しく間違っている気がする。


      式神作製師横島! 第1話


ネクロマンサー鼠を確保した横島は下水を出て部屋へと戻った。
もう一体目星が付いている妖怪が居るのだが、
さすがに今日中には無理なので鼠の式神化の準備をする。

まず用意するのは霊水(札作製時の残り)、密閉できる容器(ジップ○ック)、油性ペンの三点。
容器に油性ペンで霊力を込めつつ邪気を払うための術式と妖魔を封じる術式を書き込む。
平安時代では玉手箱を使ったが現代では台所用品で代用できるのだ。

術式を書き込み終えたら、容器に吸印札を入れ、霊水を注ぎ密閉する。
霊圧を掛けると霊水が札に染み込んで、札の中に居る妖魔の邪気だけを追い出す。
追い出された邪気は容器に刻まれた術式によって払われ、
妖魔は無属性かつ不安定な存在へと変化する。

ここで、ネクロマンサー鼠の特徴について考える。
鼠なので十二支でいう[子]であり、薬師十二神将では宮毘羅にあたる。
死霊術や横島を操った能力など強力な操作能力を持つ。

しかし横島のイメージとしてクビラ=霊視なので、宮毘羅のままではこの式神に適さない。
そこで宮毘羅の別名である[金毘羅]の真言を利用した祝福を与え名前を付け、
善な存在として定着させる。今出せる精一杯の霊力を容器に注ぎつつ、横島は唱える。


「オン・ヒラヒラコンピラ・コンテイ・ソワカ!」

「願い申し奉る、願い申し奉る、金毘羅大将に願い申し奉る!」

「オン・ヒラヒラコンピラ・コンテイ・ソワカ!」

「この者をその庇護の下、護りたまえ! 導きたまえ! 力を与えたまえ!」

「オン・ヒラヒラコンピラ・コンテイ・ソワカ!」

「名は【操鼠】! 現世に未練を残したものを輪廻へといざなう者なり! 封魔転身!!」


名を付けその性質を決定付けた途端、
ふやけていた札が消え去りジッ○ロックが破裂し式神が飛び出した。
*注*この際、霊水がこぼれるのであらかじめ容器を洗面器等の中に置いておくのを忘れてはいけない。

飛び出した式神[操鼠]は水気を切るため身震いをし、そのつぶらな瞳で横島を見つめた。
体長およそ30cm、つぶらな瞳と大きな耳、長い尻尾と柔らかそうな頬と短い手足が特徴的だ。


「…………………………………………ピチュー?」

「なんでピ○ューやね〜ん!!」

「あれか? ポケ○ンごっこしたからか!? ほんならなんでピ○チューやないねん!
 それとも一日に二回も銭湯行くのが勿体無いから禊ケチったのが悪かったんか!?
 しかもよく見たらピ○ューと色違いやんけぇ! 格ゲーで言うとこの2P色やん自分!」

「ピ、ピ、ピチュ〜?」


操鼠の予想外の姿に混乱した横島は関西弁丸出しでパニックになった。
ピ○ュー、いや操鼠も式神として生まれたばかりなのだが、
目の前で叫んでいる生物を主人として認めていいのだろうかと迷っている。

操鼠の姿は、おおよそピ○ューと同じでいいが、二点だけ違うところがある。
一つは色、目は赤く、全体は薄い灰色、胸元と耳や尻尾の先端は黒く染まっている。
二つ目は尻尾の形である。操鼠の尻尾は体長と同じ位に長く、先端が丸く膨らんでいる。


しばらくして落ち着きを取り戻した横島は、目の前に居る操鼠に向かって話しかける。
傍から見ると電波でちょっと可哀相なヒトだが、この際気にしてはいけない。


「まぁ、これからよろしくな、操鼠」

「ピチュ〜♪」


『まぁ、横島だし』で全てが納得できそうな雰囲気である。
それから、流石に疲れたのか横島は寝る準備をし、操鼠を掛け布団の上に乗せたまま眠りについた。


---------------------------------翌日----------------------------------


入学前の春休みなのも手伝って横島は昼過ぎまで寝たままだった。
操鼠も掛け布団の上で横島の霊気を吸いながら熟睡している。

操鼠は式神としては生まれたばかりの赤子同然で、
これから主人である横島の霊気を吸収しつつ成長することになる。
約一ヶ月は急速に成長し、その後は緩やかに育つ。
六道や鬼道の十二神将や夜叉丸はその身に刻んだ歴史の分だけ強力になったが、
もはや一体一体の成長は止まっている。他の式神と取り込んだ場合はまた別であるが…。

操鼠は今現在、半径5m以内の比較的弱い霊を三体ほど導くのが精一杯だが、
一ヶ月後には半径10m以内ならそこそこ強い悪霊でも強制成仏させるだけの強さを持つだろう。

また、操鼠の素であるネクロマンサー鼠は人間も操れたが、操鼠には出来ない。
なぜなら操鼠の存在を決定付ける際に横島は『現世に未練を残したものを輪廻へといざなう者』と定義付けた。
この定義により、操鼠は死霊術専門の式神に生まれ変わったのだ。

しかし、金毘羅大将の力を借りて定義したので操鼠の定義には仏教的な意味合いを含める必要があったし、
式神の能力を一分野に限定することによって、より強力な式神を生み出せるのも確かなのである。


午後二時過ぎ、横島はようやく起き始めた。
体を起こし、大きく伸びをすると布団の上で丸まっていた操鼠がコロコロ転がり足元へ行く。
操鼠が目を回している間に、横島は顔を洗う。
流石に腹がすいたので食事の用意をする。
横島用に生卵と刻んだネギを入れたチキ○ラーメン。操鼠用に安物のチーズに霊気を込めて。

操鼠は別に食べなくても横島の霊気を浴びるだけで十分だが、
一人だけ食べるのも味気ないという事で一応用意する。


「んじゃ、いただきます」

「ピッ♪ ピッ♪」

     ・
     ・
     ・

「はぁ〜、ごっつぉさん!」

「チュ〜」


食後、もう一体の式神候補を捕まえるためいつもの格好に着替え、
吸印札を持ち留守番させるにはまだ幼すぎるので操鼠を影に入れて出かける。


「ふぅ〜〜〜、やっとついたぁ!」

「ピチュ〜!」


来る途中で影から出して肩に乗せていた操鼠と共に、横島は………湖へ来ていた。
スワンボートに興味津々な操鼠はひとまず置いておいて、ココがどこの湖か説明しよう。

皆さんは覚えておいでだろうか? 原作のレポート155〜157での出来事を。
そう、それは『GS六道冥子・極楽大作戦』である。
十二神将を取り上げられた冥子が横島とタイガーを連れて働いた回である。
そのとき冥子が退治した水妖がいる湖がココである。

というわけで、横島は水妖捕獲のために来たのだった。
肩に乗っていたはずの操鼠がいつの間にか頭の上に移動しているが、
横島は苦笑いをしつつ、水面へ向かって微弱な霊波を放射する。

誘蛾灯や蝿取り紙のように、微弱な霊波で霊的な存在をひきつけるようというのだ。
まして三界一の『人外たらし』の横島の霊波ならば効果は抜群である。
しかもその効果は即効性らしい。


ぐがぉぉぉぉお!!

「ピチューーーーーーーー!!?」

「はいはい、そんなビビらなくても楽勝やって。はい、吸印」


ツキノワグマほどの大きさを持つ水柱に浮かび上がる鬼のような顔、
横島はそれにビビって某消費者金融のCM犬並にプルプル震える操鼠を宥めながら吸印札を出す。
『ポンっ!』といい音をさせながら水柱に隠れていたカエルのような水妖はあっさり吸い込まれるのだった。


「よし、後はこの湖の水をペットボトルで持ち帰ればOKだな」

「ピピチュ、ピピチュ、ピ、ピ、チュ〜」


横島は来る途中で飲んだ炭酸飲料のペットボトルを濯いで水妖に馴染み深い湖の水を集める。
操鼠は死霊術の訓練として横島の霊波に寄ってきた雑霊たちを一体ずつ成仏させている。
霊をその赤い瞳で見つめ、尻尾の先から成仏するための道筋を教える念波を発しているのだ。
道筋といっても最寄のお地蔵様の場所を教えるだけなのだが。


「よし、んじゃ帰るぞ〜操鼠ぉ〜」

「ピ〜チュ」


汲み終わった横島が操鼠を呼ぶと、地面に降りていた操鼠はタタッと横島を駆け上り頭の上に鎮座した。
大変気に入ったようなので、横島は好きにさせている。


「………なぁ、次はニョ○モの色違いとかじゃねぇよな?」

「………ピッピチュ〜」


変な汗が出てきた操鼠なのでした。


あとがき

どうもyataです。
沢山のご感想ありがとうございました!
これからもがんばってみます。

それではレス返しです。


>よっしーさん

感想ありがとうございます。
一応一話あたり7kから10k程度に収めようと思っているので短めかも知れません。


>幼心錬金術さん

感想ありがとうございます。
魂の牢獄系二作品は私も拝読しています。
この横島はある理由により魂の牢獄に囚われていますが、あまり磨耗したりしていません。
横島らしさを失わないよう気をつけて書こうと思っています。


>レコンさん

感想ありがとうございます。
実は攻略キャラに節操が無いのも伏線なので、後々明かされるのをご期待ください。


>メガネハさん

感想ありがとうございます。
予定では、六道婦人は下の名前は一切出さないつもりです。
冥菜とか冥華、冥香などいろいろな方が名づけていますので気に入った名前に脳内変換してくださいw


>FeOさん

感想ありがとうございます。
[式神作製師横島!]中ではフルコンプはないでしょうが、横島自身の最終目標はフルコンプとなっています。
後々、理由は本文中に書きますのでお待ちください。


>子猫さん

感想ありがとうございます。
【横島が死ぬことで逆行を繰り返す運命から抜け出そうとするわけでもなく、
 ただ女性キャラを攻略するゲームを楽しんでいる印象を受けます。】
ということですが、ゲーム感覚ではなく横島はある目的のためにある意味真剣にこのような行動を取っています。
後々の伏線でもあるのでネタバレはご容赦ください。


>夢識さん

感想ありがとうございます。
冥子攻略の鍵はやはり六道婦人だと思いますので、横島には頑張って貰おうと思っています。


>kntさん

感想ありがとうございます。
もう一体は水妖となりました。これからも式神は増やすつもりなのでご期待ください。
あと【ネクロマンサー鼠は生きてるので吸印札で封じれるのか?】ですが、
私としてはネクロマンシー鼠は一種の下級魔獣だと考え、
美神令子がかつて吸印札で契約の神エンゲージを封じたところから、
下級とはいえ神さえ封じられるのだから魔獣も大丈夫だろうと考えました。


>Siyさん

感想ありがとうございました。
美衣、ケイ、死津喪についてはネタバレになりますので後々本文で書くことになると思います。


>ZEROSさん

感想ありがとうございます。
逆行の条件ですが、【死亡すれば】となっています。
老衰、他殺、自殺など死因は一切関係ないという設定です。


>1さん

感想ありがとうございます。
【干支の子にちなんでパイパーですか】とありますが、パイパーではありません。
流石に逆行してきたばかりで悪魔と戦えるほどには強くないので。


>レンジさん

感想ありがとうございました。
ご期待に答えられるようがんばります。

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