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「GSユータロー極楽大作戦二話(GS)」

ミアフ (2006-09-21 20:00)
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二話『絶対不幸ダブルメン』


崩壊したマンション。
元は高級な高層マンションだったその建物は見事なまでにガレキへと変貌していた。。
なぜか下半身が石化した優太郎は隣で巨大な毛むくじゃらに咀嚼されている横島に訊ねた。
「あはは・・・・・・生きてるかい。横島君?」
ハムハムと上半身をぱっくりバイトされている横島は足をじたばたさせて叫んだ。
「おおい、芦・・・・・・頼む。早く俺をここから引っ張り出して」
「そうしたいのは山々なんだが・・・・・・僕の方も動けなくてね。ごめん」
「私が引っ張り出します!式神さん横島さんを離して!う〜ん、よっこらっしょっ!」
おキヌちゃんが横島の足を大根を畑から引っこ抜くように持って引っ張っている。
が元々それ程腕力がないのが災いして横島に苦痛を与えるだけに留まっている。
この惨状の原因は今回の仕事のパートナーだった六道冥子が原因だった。

12匹の式神を操る冥子。
その霊能力は極めて高いもその精神力は極めて低い。
その精神年齢は小学生、いや幼稚園児レベルかもしれない。
令子と共同でマンションの除霊に当っていたのだが、ほんのちょっと悪霊に顔を切りつけられ、式神を暴走させてしまい、マンションは全壊。
優太郎は暴走に巻き込まれ下半身を石化。
横島は式神に喰われかけている。
のほほんと式神を暴走させてすっきりした冥子は令子にしなだれかかって、
「失敗をわかちあえる友達がいて嬉しいわ〜」
などとのたまってる。
深いため息をついて令子はがっくりと肩を落としている。
付き合いが長い分、六道冥子の厄介さを知り尽くしているのだろう。
諦めの混じった表情で生返事を返していた。
まったく悪気のない様子の冥子に温厚な優太郎も流石に頭にきた。
「すみませんが六道さん、遊んでないで僕らのこと何とかしてくれませんかね!」
珍しくフェミニストな優太郎は怒りを抑えず発言する。
下半身が石化していた所為で式神の暴走から逃げそびれ、来ていたYシャツがボロボロ、眼の下には青あざが一つ出来ていた。
暴走する式神にど突かれたらしい。
「ああ〜ごめんなさい〜」
まったく反省してない冥子。
思わず叫んだ。

「こんな危ない女性、GSにしたのはどこの誰だ〜!!」

それは六道冥子の存在を知っている大半の人物が抱く疑問である。

翌日。
「あ〜昨日は酷い目にあった」
コキコキと肩をならしながら横島は優太郎に言った。
「うん、僕も関節が痛いよ」
「私、幽霊だから、疲労って感じないんですよね」
他愛無い会話を交し、優太郎、横島おキヌは街中を歩く。
「おお、あそこが厄珍堂だな」
結局昨日の仕事がきっかけで体力と霊力と精神力を消耗しつくした令子は熱を出した。
健康管理をしっかりしていたはずだが、ここのところ雪山やら大海原など寒い場所での除霊が続いていたのが原因なのかもしれない。
それにより受けていた仕事をキャンセルすることに。
だが備品の注文をしていたので、三人をお使いに出したのだ。
「へ〜、私の時代の旅籠みたいな建物ですねぇ」
ふとおキヌがビルとビルの間に建った厄珍堂を見てそう言った。
確かに、江戸時代の銭湯と旅館を足して二で割ったような二階建ての建物だ。
凝ったことに今時珍しい木造建築らしい。
「なんか胡散臭い雰囲気を醸し出しているな・・・・・・」
GS助手をやり始めてから真っ当な性格の人間に出会わなくなった優太郎。
令子の話では店主の厄珍なる人物も相当変わっているらしい。
三人は厄珍堂の暖簾を潜った。

「ねぇ怖がることないのよ、タカシ君」
ふと店の奥からTVの音声が流れてくる。
背の小さい初老の男が食い入るようにTVの画面を見つめていた。
TVには高校生を誘惑する女教師と奥手な高校生の昼メロドラマが映っている。
じれったい高校生タカシ君に感情移入しているのか男は握り拳を作って「そこで押し倒すアル!」などと叫んでいる。
「そうだ!そうだ!」
なぜか横島もいつの間にかTVに魅入っている。
ある種声のかけ難い雰囲気を放つ二人に優太郎とおキヌは思わず顔を見合わせた。
そのまましばらく待っているとドラマも佳境に入った。
ブラを外そうとする女教師からタカシ君が逃げる。
と、そこでテロップが入り『つづく』と表記される。
横島と男がアイコンタクトで何かを交す。
「なめとんのかコラー!!」
「てめえそれでも男かー!!」
「シナリオ書いた奴出て来い!!」
男が鉄バットでTVを叩き壊す。
ひとしきり嘆いた後、やっと優太郎達に気が付いたようだ。
「ぬぅ!この厄珍に気配を悟らせないとは何者ある!?」
「いや、すみませんが10分近く前からいましたが・・・・・・」
やや呆れたように優太郎は男に言った。
厄珍という男がどういう人間か何となく理解してしまった。
「あの〜美神除霊事務所の者なんですが〜」
おキヌが申し訳無さそうに頭を下げた。

「ふむ、吸魔護符と霊体ボーガンの矢あるよ。全部で十億よろし」
風呂敷包みをおキヌが受け取ったのを見て、優太郎は小切手を取り出す。
「あ、領収書よろしくお願いします」
「オーケーある。令子ちゃんによろしくな」
さらさらと領収書を書く厄珍。
物珍しそうに店内の品物を物色している横島。
ふと、横島は厄珍に聞いた。
「なあ、おっさん」
「何あるか?」
至極真面目な表情である。
「スケベな欲望を必要以上に満足させる道具ってねぇの?」
「んなもんあったら私が使うよろし」
思わず優太郎とおキヌがずっこけた。
ふと厄珍が懐から何かを取り出す。
「ふむ、ボーズとはなんか気が合うみたいね。お近づきの印にこれなんかどうか?」
取り出したのは白い風邪薬のパッケージっぽい箱。
「これ、某超能力研究機関が開発したお薬あるよ。どんな凡人も一時的にエスパーになれる薬。
『カタストロフーA』ね」
一粒取り出して横島の口にほおりこむ。
「うわぁ!飲んじまったじゃねぇーか!」
「おい大丈夫か横島君?」
ううっと横島がうずくまるのを見て厄珍の顔色が変った。
(あり?やっぱ副作用がキツイか・・・・・・?)
だが横島はなんか黄金のオーラを漂わせながら立ち上がる。
「おお!コレで俺もスーパーサ○ヤジンだ!カカ○ットぉぉぉぉぉッ!」
空中に浮かび上がりながら良く分からないことを叫んでいる横島。
「う〜ん大体超度5くらいあるか。一粒で300秒効き目があるよろし」
「む!事務所が見える!」
そう言ううや否や、パっと横島の姿が消えた。
「あ、てれぽーとですよユータローさん!すっごいです。幽霊の私でも難しいのに」
「・・・・・・事務所までいくなら荷物も持って行ってくれればいいのに」
慌てて横島を追いかけていく優太郎とおキヌ。
それをハンカチを振りながら見送った厄珍は呟く。
「あのボーズが生きて戻ったらウチで扱うことにするよろし」

とあるデパート。
「おい横島君、本気でやる気か?」
そう言って横島を引き止めるのは優太郎。
「そーですよ美神さんにバレたらどうするんですか!」
おキヌも横島を止めようと説得する。
そう、二人が事務所に帰って来た時には横島は勝手に除霊を引き受けていたのだ。
ちなみにGS免許のない除霊は法律違反である。
「ダイジョブだっておキヌちゃん。黙ってりゃわからないし。俺にはこれがある!」
カタストロフーAを取り出し、自信ありげに胸を張った横島。
やたらとその様子に二人は不安な様子を隠せない。
荒れ果てたデパートのフロアには日本刀を持った落ち武者姿の亡霊がうろついていた。
こそこそと隠れていた三人に気づいたのか亡霊が刀を振りかざしながら迫ってくる。
「き、来たぞ横島君!?」
「ふっ・・・・・・」
カタストロフーAを一錠飲む横島。
右手を突き出し叫ぶ!
「ビック○ンアタックッ!」
伏字の必殺技が亡霊の身体を破裂させる。
「見たか!これがサイキッカー横島の真の実力!」
わーはっはっはと笑う横島。
依頼料を独り占めできるのが嬉しいらしい。
だがそんなに世の中は甘くできていなかった。
破裂した亡霊が自己再生をはじめ、刀を構えなおして三人に迫る。
「だから止めた方がいいと僕は言ったんだ!」
そういいダッシュで横島を見捨てて逃げる優太郎。
意外と薄情な男だった。
「ならもう一度!」
もう一回念動力を使おうとする横島。
だが。
プスン。
そんな音が手から出た。
「あああ!?もう効果切れ!?」
迫る日本刀。
慌てた横島はカタストロフーAを一気にありったけ飲む。
「よっしゃぁぁぁぁぁ!これで吹っ飛べファイ○ルフラッシュぅぅぅ!!!」
プチ。
力んだ拍子に額の血管が切れる。
その途端、過剰に増幅されたサイキックパワーが暴発した。
横島の体から眩い光が迸る。

「で、この調子なわけ・・・・・・まったくアホなんだから」
優太郎から電話を受けた令子が現場にやってきた。
逃げた後、携帯から連絡を取ったのである。
まあ、悪霊は完全に除霊はされていたのだが。
「あの、一応悪霊はやっつけたし、あんまり怒らないであげてくださいね」
恐る恐る令子におキヌは提言する。
「この姿見りゃ、そんな気も失せるわよ」
「そうですね・・・・・・」
令子の言葉に深く賛同する優太郎。
当の横島は・・・・・・
「&$#*@#|¥!?!?!?」
人には聞き取れない言語を口走りながら、ゾンビの如くフラフラ徘徊している。
口からは白い煙を吐き、着ていたジージャン、ジーパンはボロ布と化していた。
まさしくリビングデット(動く死体)状態である。
結局報酬は令子に取られ、横島は自爆し損だったという。

あとがき

う〜ん、基本的にGS試験まで、優太郎という突っ込み役が増えたくらいで大幅な変動はないんですね。
原作準拠?
一応、ある人物が伏線のため未登場だったりするくらい。
逆を言えばGS試験以後はかなり変動する予定だったりするので。
しばらくはさらっと原作を流す微妙なギャグパートが続く予定です。
細かいギャグばっかりですが。
レスが少ないとさびしいのでなにか感想があったら書き込んでください。

レス返し

azumaさん

某八百屋さんがはまっているあれです。
そのうち、他のシリーズもでるかも。
優太郎さんは良くも悪くも純真な人なので、はまるとのめり込む性質なんです。


内海一弘さん

横島は美形でモテル男は嫌いですが、美形でもモテナイ男にはシンパシーを感じているので。
優太郎がもてないのは彼の趣味ととあるトラウマが原因です。
そのうちそれも書くつもりですが。
美神さんの今のところの気持ちは、優太郎→有能な会計のお兄さん。横島→安上がりな煩悩少年。ってかんじです。


スケベビッチ・オンナスキーさん

ヒーロー願望は前世の在り方と現世のトラウマが原因です。
実は英国のロンゲが深く関わっていたり。
その辺は大分後に書く予定なので今はちょっとだけ。
期待に沿えるよう頑張ります。

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