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▽レス始

「GSユータロー極楽大作戦一話(GS)」

ミアフ (2006-09-19 19:55)
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一話『ほわいと・あうと』


「君はそこの所有者に多大な迷惑をかけている!!」
工事用の黄色ヘルメットを被り、突入用チタニウム合金盾を構えた青年、芦優太郎は叫んだ。
「抵抗をやめて成仏したまえ!!」
この調子で30分ばかり説得をしていたのだ。
その途端。
「ここは俺の工場だー!!」
無数の窓ガラスや椅子、机が宙を舞った。
都内某所にある、とある廃工場。
叫んだのはこの工場に居座って悪霊化した元持ち主の霊である。
「うわッ・・・・・・これがポルターガイスト現象というものか!」
飛び交う物体を盾で弾き飛ばしながら優太郎は逃げ惑う。
その様子を見ていた悪霊は高笑いしながら言う。
「再開発など許さん!!失せろ!!」
「失せるのは貴様の方だ!」
「誰だッ!?」
悪霊の背後に一人の少年が現れる。
一枚の破魔札を構え、役者が大見得を切るように宣言する。
「天呼ぶ、地呼ぶ、人が呼ぶ・・・・・・悪霊倒せと俺を呼ぶ!」
ビシッと指を悪霊を指し。
「GS横島忠夫が、お前を極楽に逝かせてやるぜ」
ジージャンにジーパン、紅いバンダナの格好をした横島がニヤリと笑った。
「く、悪魔祓いかぁ~~~!!!祓われてたまるか~~~!!!」
一気に悪霊は横島へと踊りかかる。
「うわぁ!?助けて美神さぁぁぁん!!!」
「ったく、この程度の悪霊でビクビクしないのッ。男の子でしょ」
さっきまでの威勢のよさは何処へやら、横島は後ろにいた美神令子に泣きつく。
吸引紙を構えた令子は悪霊に言った。
「吸引ッ!!」
「のわぁぁぁぁぁ!?!?!?」
きゅぽんッ!
ユーモラスな音を立てて悪霊が封印される。
ぱんぱんと手をはたきながら令子は呟く。
「一丁あがりっと」

「ふー、ぼろ儲けのあとは気分がいいわね」
真昼間から缶ビールを空け、ぷはぁと令子は酒を楽しんでいる。
優太郎はその様子を見ながら、除霊のスケジュールを確認している。
「令子さん、今日はこれでお仕事は終わりですね」
「いいよなぁ。芦は・・・・・・俺なんて今日は悪霊の盾代わりにされたんだぞ」
横島が不機嫌そうにポリポリと頭を掻いた。
美神令子、芦優太郎、横島忠夫。
これが新しく立ち上がった美神除霊事務所のメンバーだった。
ちなみに優太郎は事務兼依頼人の護衛、横島が除霊助手兼荷物持ちである。
肉体的に横島の方が負担が大きい。
「・・・・・・嫌なら辞めたらどうだ?いくらなんでも250円で命を懸けるのはお勧めできないよ」
「ふッ。あのチチシリフトモモを手に入れるためだ。それぐらい覚悟してらぁ!」
つい先日、令子にセクハラしている横島とともに優太郎はGS助手として雇われることになった。
バイトで時給1980円。
横島の約8倍である。
いや、本来令子は優太郎だけ雇うつもりだった。
話はつい一週間前に遡る。

「芦さん、だったかしら?」
纏わり付く横島を肘でど突きつつ、令子は優太郎の手に持っていたアルバイト情報誌に注目した。
「貴方、もしかして仕事を探してるのかしら」
どことなく猫撫で声っぽい令子。
「ええ、まあ」
優太郎は視線を合せないように眼を逸らして答えた。
なぜか分からないがやたら令子に対して負い目を感じる。
理由はわからないが。
「ならちょうどいいわ。私、GSの美神令子って言うんだけど、今、美形のアルバイトの助手を探してるのよ。うん、貴方のルックスなら時給1980円出してもいいわ」
「ルックスで助手を決めるのかい君は?」
やや呆れながら優太郎はアルバイト雑誌を見た。
一般的な時給はだいた800~980円くらい。
GS助手の相場を知らなかったのと前から持っていたGSに対する憧れが優太郎に災いした。
少し考えながら優太郎は答える。
「僕、実はオカルトGメン志望なんです。オカルトに対する講習を受けれるならお願いします」
優太郎は約半年後に日本にできるオカルトGメンへの就職のため、稼業を蹴った。
霊能力はないが、オカルトGメンならば一般人でも入隊試験さえ受かれば入隊できる。
それでも、ある程度霊障に関わっていることは将来のためになるだろう。
そう判断した優太郎は令子の誘いに乗った。
ちなみに。
「お姉さま!ついでに僕も雇ってくれませんかッ!」
セクハラしていた横島が便乗し、令子が諦めさせるために言った『時給250円』で雇われることになった。
主な仕事はGS助手兼荷物持ちとして。
後に令子は呟いた。
「馬鹿と鋏は使いよう、ねぇ?」

優太郎には理解できなかった。
横島が令子に虐げられてまで一緒にいたいと思う理由が。
「確かに美神さんは美人だとは思うが、そこまで酷使されてでも雇われるような人か?」
「くッ!この美形め!テメェはもてるからって不細工をハブる気か!それともお前も美神さんを狙ってるんか!」
ガルルルと威嚇する横島。
「いや、そう言う訳じゃないが・・・・・・あ、美神さん明日は人骨温泉での除霊が一件です」
缶ビールを飲んでいた令子に明日のスケジュールを告げる優太郎。
事務所のマネージメントを一手に担っている。
「あ、そう。なら今日はもういいわよ二人共。明日は事務所前に集合ね」
「ういっす」
「分かりました。ではこれで」
優太郎が一礼して部屋を出て行く。
横島と令子はそれを見届けると。
「美神すわぁぁぁぁぁんッ!」
「鬱陶しいわぁぁぁぁぁッ!」
最早日課になったルパンダイブを敢行する横島。
そしてそれを迎撃する令子。
で、ドアの向こうからそれをジトっとした眼で見ていた優太郎。
明らかに致死量を通り越した出血で床を汚す横島。
真っ当な生命体なら、当の昔に天の召されている。
「なんで死なないんだろう、横島君」
その疑問はきっと永久に解けることは無い。
しいて言うなら、それはギャグキャラだから・・・・・・なんだろう。

巨大な荷物を背負った横島。
ざっと見るだけで100kgはありそうである。
それを後ろから押している優太郎。
「二人共、遅いわよ~」
遥か前方には令子が手ぶらで後ろを振り返っていた。
疲労の色など全く見えない。
「はぁはぁはぁ・・・・・・美神さん死ぬ。つーかアンタ俺の命へともおもってないっしょ」
「く、流石に標高が高いと、なんかクラァっとするな」
二人は尻餅をついて道の端に座り込む。
ここは標高数百メートル。
空気は少なく、下手にハードな運動は高山病を招く場所だ。
「すみません美神さん。僕らを置いて先に人骨温泉に向かってください。一休みしてから後を追いますから」
疲れ切った優太郎は令子に頭を下げる。
「ん、じゃ先に行って待ってるわね」
テコテコと令子は二人を置いて先に行ってしまう。
「うぅ、水」
呻く横島に荷物に入っていたミネラルウォーターを渡す優太郎。
「おうサンキュ・・・・・・」
横島が一気に水を飲み干した。
優太郎は酸素スプレーを使って呼吸を整えている。
「もう少し休んだら、後を追うか」
「ウッス」
この二人を岩陰から眺めている一人の幽霊がいた。
「あの二人、人が良さそう・・・・・・」

休んでいた二人の前にその少女はよろめきながら現れた。
「うう、そこの人・・・・・・」
黒髪の巫女服姿の少女。
苦しげに胸を押さえて地面にうずくまる。
ゴホゴホと咳き込み。
「ちょっと大丈夫か、巫女服の似合あうお嬢さん!」
慌てて荷物を放り出し介抱に向かう横島。
下心満載である。
優太郎は横島が投げ出した荷物を確保。
優太郎も少女に近づこうとしたが。
(ん?この感じは・・・・・・)
少女から良く分からない違和感を抱いた優太郎。
ゴホゴホと咳き込みながら少女は横島に言う。
「うぐぅ、持病の癪が」
「それはいけないお背中をおさすりしましょう!」
ワキワキと手を動かして横島は少女の背後に回る・・・・・・どうでもいいが鼻息が荒く、血走った眼なので痴漢にしか見えない。
少女も微妙に顔を引きつらせ。
「・・・・・・あ、あの、ちょうどそこにお薬があるので取ってきていただけます?」
「薬?」
二人は少女の視線の先をみる。
そこには『薬』とでかでかと書かれた看板と台座に乗った薬ビン。
花輪にイルミネーションまで付いている。
怪しい。
見るからに怪しい。
つーか、ついさっきまでそんな物は無かった。
「い、いや、しかし、こんなアホな」
横島も流石に呆れたが。
「お願い!」
少女に抱きつかれた。
「オーケイッ!」
ダッシュで薬ビンまで駆けて行く。
横島に理性など殆ど存在しないのだ。
「馬鹿か!こんな怪しいものに近づくなッ!」
ズベシャァァァ!!!
慌てた優太郎が薬ビンに近づこうとした横島にライダーキックをかました。
その直後。
ドンガラガッシャン!
岩石が薬ビンのあった所に落っこちてきた。
「ああ、また失敗・・・・・・せっかくいい人そうだったのに」
シクシクと泣きながら少女の身体が消えていく。
「あ~やっぱり幽霊だったか」
蹴りを喰らって気絶した横島に渇を入れながら優太郎は呟いた。

「で、殺されそうになったんすよ!」
「あっそう」
人骨温泉にたどり着いた二人は、道中でであった巫女服幽霊について報告する。
特に死に掛けた横島は力説するが。
「あんたらのどっちかが金出してくるんなら祓うけど?」
筋金入りの守銭奴には意味が無かった。
「・・・・・・ま、いいわ。二人共、これから山に登りなさい」
令子が数年前に遭難して死んだ幽霊、通称ワンダーホーゲルを連れて来る。
なんでも二人の到着を待っている間風呂に入ってたら、今回の霊障の原因であるワンダーホーゲルがやって来たらしい。
自分の死体を見つけてくれれば成仏すると言っている。
優太郎の隣で「ちっきしょー!美神さんの艶姿見そこねた!」と横島が叫んでいるがスルーする。
「自分が死体の場所まで案内するっス!」
やたらと自分に熱っぽい視線を送ってくるワンダーホーゲルをうざったく思いながらも優太郎はスキーウェアを着込む。
(雪山登山・・・・・・嫌な予感がするぞ)
その勘はばっちりと当る。

吹雪。
30センチ先さえ見えない猛吹雪。
氷点下10℃。
四月とは言え、まだ山には雪が降る。
突然の吹雪に襲われた横島と優太郎はワンダーホーゲルの助言もあり、一時死体捜索を中断し、テントを張ってビバークすることにした。
「ふぇっくしゅ!」
横島が毛布に包まりながらくしゃみをする。
固形燃料で手際よくお湯を沸かし、インスタントコーヒーを作成するワンダーホーゲル。
流石は元山岳部。
優太郎はちらっとテントの入り口から外を眺めた。
吹雪の他に雷鳴まで鳴っている。
「しまったな。このまま一晩ここに足止めかもしれない」
今日は日帰りの予定で除霊に来た。
(一応もしもに備えてビデオはいつも録画してるんだが)
明日の朝7時30分から始まる海洋戦隊シー○ンジャーを生で見れないこと本気で悔しがっていた。
東都大在学中、特撮同好会の会長を務め、重度の戦隊ヒーローマニアである優太郎。
ちなみに、ワンダーホーゲルのコーヒーを飲みながら食べているお菓子は戦隊ヒーローのおまけのカードが付いたスナックである。
もちろんおまけのカードが目的だ。
自宅のマンションにはまだ箱買いしたスナック菓子が1ダース程残っている。
「しっかし、俺嬉しいッスよ」
「「はぁ?」」
コーヒーを淹れていたワンダーホーゲルがなぜか顔を赤らめて言った。
「死んだ後もこーして男同士で夜の山を過ごせるなんて・・・・・・ああ、もう!」
なんか一人で感じ入っているワンダーホーゲル。
なにか男としてヤバイものを感じた優太郎と横島は顔を寄せ合ってヒソヒソ相談する。
「おいおい。アイツもしかしてホ○?」
「たしかに山男にはそう言うの多いって聞くが・・・・・・」
「俺、幽霊に穴掘られるのやだかんな」
「僕だって御免だ。そんなマニアックな趣味はない」
「じゃあ、あいつは『うっほ、いい男』?」
「なら僕らは『やらないか』か・・・・・・拙いぞ横島君」
二人は緊張感があるんかないんかはっきりしない会話を交わす。
そんなやり取りの中、毛布を持ったワンダーホーゲルが訊ねてくる。

「二人共、寒くないっすか?」

その眼は獲物を目の前にした凄腕のハンターのようだった。

「「逃げろーーー!!!」」

「ああ、二人共何処へ!?」
優太郎と横島は吹雪く雪山を一心不乱に走った。
そりゃあもう、スノーモービル顔負けの速度で走った。
後ろかから迫ってくる山男の幽霊に捕まった日にはお尻を押さえて何か大切なものを喪失するだろう。
「このままだと死ぬッスよ~!戻って男同士の熱いもののやり取りを~!」
・・・・・・やっぱり、そっちの趣味の幽霊らしい。
「くっそ~死んでたまるか!まだピーなまま、カマ掘られて死にたくねぇ~!美神さぁぁぁんッ!」
「やま○ゅんネタは嫌いだッ!」
テンパった横島とデンパった優太郎は必死に走る。
「ん?アレは!」
横島の視角がそれを捕らえた。
林の陰からこちらを覗っている巫女服の少女。
○モに襲われそうになり、本能まるだしになった横島は巫女服の少女に向う。
「おっじょうさぁぁぁん!」
「キャァァァ!」
いきなり吹雪の中パンツ一丁で横島は少女にと飛び掛る。
伝説のル○ンダイブ。
「き、君!逃げるんだ早く!」
それを見た優太郎が慌てて少女の手を取って走り出す。
「逃げろッ!」
「誰か!誰か!」
「ねーちゃぁぁぁん!」
「横島さぁぁぁん!」
雪山に響く4人の魂の声。
これが雪崩れを引き起こすことなるのは簡単に予想できただろう。
惜しむらくは4人ともパニクって、正常な意識を失っていたことである。

「「「「うわぁぁぁぁぁ!!!」」」」

雪崩に巻き込まれ、4人は人骨温泉まで流された。

「ふぅ、昨日は酷い目にあった・・・・・・」
人骨温泉から帰ってきた優太郎は自宅でくつろいでいた。
自室のTVの前で海洋戦隊シー○ンジャーの本放送を見ながら思い出す。
結局、ワンダーホーゲルは成仏しなかった。
横島に襲われていた巫女服幽霊・・・・・・おキヌの代わりに山神になったのだ。
おキヌはどうも神様になるため生贄になったらしいのだが、300年たっても神様になれず、思い余って別の人を殺して神様になってもらおうとしたらしい。
人骨温泉まで流された後、事情を聞いた令子がワンダーホーゲルを代わりに括って入れ替えたのだ。
雪崩れが起きた所為で死体探しに行くのが面倒になったので。
だがおキヌは成仏することができず、その場のノリで日給30円で令子に雇われた。
(せめて、時給にしようよ美神さん)
雇い主のごうつくばりっぷりに涙する優太郎。
「あの人に雇われたのは間違いだったかもしれないな」
朝食代わりにスナック菓子を貪る優太郎はそう呟いた。
たぶんそれは正しいだろう。

あとがき

う~ん一話はいろんな人が書いてるのであんまり新鮮味が。
ここでちらっと芦優太郎の趣味と目標が出てきました。
一応、横島とは逆のベクトルのキャラ付けしたいんですが。
横島がボケなら優太郎は天然ボケ。
横島がノリツッコミなら優太郎は真っ当な突っ込みを。
後半がちょっとぐだぐだ気味。
もっと文章力をつけねば。
ちなみに優太郎が見ている番組の元ネタはどれくらいの人が分かっただろう?

レス返し


スケベビッチ・オンナスキーさん

かる~いノリで最後まで行きたいので。
ユータロー君のイメージは原作の芦優太郎をちょっとおちゃめにした感じ。
あと他のSS書きさんのアシュがデンパで入っております。

レイジさん

あの二人はやってることならシリアスだけど、目的は至極単純なことを目指してます。
どういう経緯でああなったかはそのうちに。
再登場は割りと早いですし、ちょこちょこ出番があります。たぶん。

SSさん

いや、たぶん迷作?
書いている人間がイマイチ文章力が低いので。
最後まで続けたいとは思ってます。

ZEROSさん

かなり既存のGSのSSとはかけ離れたものになる予定です。
受け入れられるかは書いてる本人も微妙だと思います。
広い心で見守ってください。

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