現在AM5:00
まだ朝日も昇っていない時間帯である
< ぎぃ…… ばたん…… >
そんな時間帯に横島家の玄関が開き、スポーツウェア姿の1人の少年と3人の少女達が内から出てくる
3人は、自宅の外に出ると軽く柔軟体操をして朝のトレーニングに出かけていく
そんな4人の姿を、肩にカーディガンを羽織った百合子が微笑みを浮かべ自宅前から見送る
「…全く。かれこれ2ヶ月位かしら。良く続くわネェ…。4人とも。」
と言いつつ、欠伸を一度して、腹をすかせて戻ってくるであろう、息子達を出迎える準備をする為に、家の中へと入っていくのであった
「はぁっ・はぁっ……。」
忠夫達は始めはスローペースで体を温めながら軽く流し、体が温まると一気にペースをあげ目的地に向かって走り出す
トレーニングを始めた頃忠夫は、体力的な事もあり、6キロも走ると息を切らせ座り込んでいたものだったが、今では全速力で約20km先の山の中にある、トレーニング場所である森林公園迄、1時間も掛からず到着できるようになっていた
最初は、忠夫と千姫・幸姫姉妹だけがこのトレーニングを行っていたが、最近になって漸く肉体・霊体的に落ち着きを取り戻したタマモも参加している
途中、犬の散歩をしている人を見かけると、忠夫の表情が何かを懐かしむような感じになり、その表情を見たタマモに
「ヨコシマ?ひょっとして、あの馬鹿犬の事を思い出してるの?」
と聞かれた
「ああ。どうしてもあーゆー光景をみるとな~。
最も、アイツの場合、散歩とゆーよりフルマラソン?いや、犬ぞりレースだったからなぁ。
毎日が一寸した“ムツゴ○ウの動物王国”の簡易版みたいなもんだったぞ?
そのお陰で、肉体の持久力だけは無駄に上がったよなぁ~。
でも…そのお陰で、何台のチャリンコがお釈迦になったことか…(泣)」
と、未来世界でこんな自分の事を“せんせー”と呼んで慕ってくれていた人狼族の少女“犬塚 シロ”の事を思い出す
「…そうね。…そうだったわね。
シロときたら、毎朝アンタの事拉致同然で連れまわしてものねぇ…。
で、ヨコシマ?
今回はあの馬鹿犬の事は如何するの?」
タマモが過去(未来?)の事を思い出しながら、何気なく前を走るヨコシマに尋ねる
「…ん~?シロか?
そうだな。色々考えているんだけど…。
まだ確定した訳ではないんだけど、今回はシロと関わりは持たない方が良いような気がしてな…。」
それに応える忠夫
「それはどうしてですか?忠夫殿?」
と今度はその話を聞いていた千姫が忠夫に問いかける
「それはな…。
おっと、そろそろ公園に着くな。
話の続きは、公園に着いてから休憩をしながら話そうか?」
忠夫が目的地に近づいた事を確認すると、並走している3人に向かってそう告げる
「「「はい。(うん)判りました。(わかった)」」」
3人もその忠夫の言葉に同意すると公園に向かって黙って走り出した
「それで?忠夫さま?先程言っていた犬塚さまの事なんですが…?」
公園に到着し、軽くストレッチをしながら幸姫が先程の話の続きを促す
千姫とタマモも同様で、何故忠夫が今回シロとの関わりを持たないほうが良いと思っているのか判らないらしく疑問の視線を向けてくる
「ああ。その事なんだけど…。
まぁ、一番の理由は、良く考えてみたらシロってフェンリル事件の時、ある事が切欠で、体だけは十台半ば位まで急成長したんだけど、中身つまりは、精神年齢?つーか実年齢って今の俺達と同じか、其れより下…つまり“子供(おこちゃま)”だったんだよな~。
下手すると、シロって今頃この世界に産まれてさえいない可能性もある位な。」
と忠夫が語りだす
「「「ええっ?そうだったのっ?(んですか?)」」」
その言葉に驚きの反応をする3人
それは、この中で一番シロと付き合いの永かったタマモにとっても意外だったらしく、目を大きく見開いて驚きの表情を見せている
千姫と幸姫に至っては、シロについて知っているのはアシュタロスから見せてもらった映像のみが情報源である
その映像も殆ど、忠夫を中心とした記録なので、他の人物についてそれ程詳しく記録されていた訳でもない
そんな3人の反応を見つつ更に言葉を続ける忠夫
「まぁ、俺も忘れてたっつーか、一回別れてから、タマモの事で再会しても、その辺まで認識してなかったからなぁ。
タマモも未来世界では、外見上似たような感じだったけど、シロとは確実に違う。
完全では無いにしろ、前世の記憶や経験が下地にあったから、下手をするとその辺の大人達よりもシッカリとした考えを持ってたからな。
タマモも感じてたろ?
周りに対する従順なシロの反応や、戦闘中の無鉄砲さやお前に絡んでくる時のシロの子供っぽさ。
あれは、狼?つーか犬?の習性ではなくて、只単にシロが子供だったからこその反応なんだよ。
実際、人狼族の大人達は考え方こそ古風だったけど、知的で理性的な者が殆どだったし、キチンと自分自身を律していたからな。
そんな年齢・精神的に子供であるシロを、戦いに巻き込む訳にはいかないだろ?」
忠夫が3人を見ながら問いかける
「「確かに…。」」
と千姫が納得したような表情で言う
2人は何度も過去において大きな戦いを経験している
そんな2人にとって子供は一緒に戦う存在ではなく、護るべき存在なのだ
タマモはというと
「…そう…。そう言う理由なら仕方ないわね…。
でも、どうやってシロが私たちと関わらないようにする訳?
そのフェンリル事件ってこれから先でも起きるんでしょう?
だとしたら、どうしてもシロとは関わりを持つようになると思うんだけど?」
と少し寂しそうな表情でヨコシマに尋ねた
「それについては、俺にも色々と考えがあるし、それに今回はお前に千姫・幸姫までいるからな。
事件が起きるのもまだ先のことだろうし、それに事件が起きる頃には他の逆行してきた仲間達の内、何人かとも合流できているだろ?
これから先、歴史が如何動くかは予想はつかんが…。
でもまぁ、最低でもシロの父親の命だけは助けたいな。
とにかく!一番重要なのは、シロが幸せになることだ。
如何するかは、シロとあった時本人に確認すれば良いさ。」
と“ぽん”とタマモの頭に手をおきグシャグシャと手荒になでる忠夫だった…
それに対しタマモは幸せそうな顔をして“うん!”と一言頷く
「おっ!?もうこんな時間か?幸姫!結界を頼む!
今日は…そうだな千姫!組み手の相手を頼む!
幸姫はタマモと組み手を!」
タマモを撫でるのを止め、忠夫は千姫と組み手をする為に準備を開始するのであった
あとがき?
ども。零式です。
本編<現世>で再開です。
で、さんじゅうきゅうかいめになりました。
今回の<現世>編では一応横島達が関東方面に引越して、中学生活を送るまで続く予定です。
皆さんお待ちかねのあのキャラも登場予定ですよ?
それで、今回のお話なんですが…。
シロファンの方には不評だろうなぁ…^^;
まぁ、彼女については登場はもう少し先のことになりますが…。
レギュラー化するかは今の所正直未定です。
理由は今回のお話の中にもありますが、“体は大人に近くても精神的に言うと未熟”だからですね~。
まさか、子供を過酷な戦いに巻き込む訳にはいかないでしょう…という私の考えによるものですが、今後の話の展開次第でどうなるかはわかりません。
次回は、忠夫たちの学校での様子の予定です。
で、レス返しですよ?
甲本様
こんばんは^^
ヤタのイメージはその通りです。
ふりー○むも考えたんですけどあれって強すぎますからネェ…。
小竜姫様はたぶんでるかなぁ…今回^^;
meo様
まいど~^^
すんません;;
21話で既に光にしてます^^;
他の攻撃については未定…かな?
BLESS様
ちわ^^
……BLESS様って実はM?
メモしとこ…。
番外編ででますか?(笑)
ヤタのえぴおんについては、ノーマルモードのヤタでないと使用できません。
そーゆー設定です。
しー○のMSって強すぎませんか?
2人の“愛・ふぃーるど”の他に、千姫・幸姫が<現世>に登場した頃の戦闘で、幸姫が使用した粒子…。あれは“ヨコシマスキーりゅうし”と命名しましょう!(爆笑)
内海様
どもです^^
そーなんですよー?
2人があーなったのは某魔神の教育のせいなのですよー?
ずっと、おあずけじゃーなー^^;
かぶきあげ様
こんばんは^^
今では私もアシュ様はあれで良いと… (マテ
トンプク様
こんばんは~^^
ヤタのカスタムパーツは他にも種類ありますよ?
そのうち出るでしょう。
ハンマーネタは21でやってます(笑)
紅蓮様
どもー^^
私も見たい…。
誰かイラスト描いてくれませんかね~^^;
whiteangel様
まいど^^
それについては、プッツンするエネルギーを某人物に吸収されていますので^^;
盗猫様
ども^^
その武器の登場は今の所考えてません^^;
強すぎるものw
いりあす様
どんも^^
マリア…?
考えてますよ?
色々とね…(邪笑)
kamui08様
こんばんはー^^
うわぁ~そんな方法あるんですか^^;
あ、ご指摘有難うございます。訂正しておきます。
秋桜様
まいどっ^^
幸姫の技のネタは…
魍魎○記ま○らからなんですけど…
マイナーすぎたかな?
亀豚様
どもー^^
亀豚様って小竜姫様命っすか?
つまり…貧に…
ぎゃあああああああああ!!
こ、今回の一連の話で出すよ…て…
ガクっ!!
DOM様
こんばんは^^
ヤタはキチンと料理を食べるたびにパワーダウンすることもありますよー?
めったにしませんが…。何故かw
以上です^^
では、皆様次回よんじゅっかいよていでおあいしましょう^^