過去の事を懐かしそうに語りだす水華
「盲目の少女は名を”めい”といいました。
私と美麗は2人で相談してとりあえず私たちが其処に留まる間だけでも彼女の面倒を見ようという事になりました。
その事を彼女に伝えると申し訳なさそうに”良いの?”と聞いてきたので私達はこんな所で逢ったのも何かの縁でしょうと諭し、納得させました。
あの時の彼女の嬉しそうな表情は今でも忘れられません。
私たちが境界を定める地は、地脈などが入り組んでいて境界を定める事が難しく、暫く時間が掛かりそうでしたので…。
実際、私と美麗の2人掛りで約半年以上掛かりましたから。
そういう事で、3人で暮らし始めたのです。
私達はめいに『なるべく住処から1人で離れないように』と言い聞かせて境界を定める作業を続けていたのです。
3人で暮らし始めて約一ヶ月位経った時でしょうか。
突然めいが私たちが結界を張っている所に握り飯を持ってやって来たのです。
私達は驚き、めいを叱りました。
”何故、1人でこんな所までやって来たのか””転んで怪我をしたり、川や谷に落ちたらどうするつもりだったのか”と。
すると彼女が『幼い頃から目が見えなかったので、今までも何となく物が持っている気配を感じる事が出来ていたんだけど、最近、その感じがハッキリと感じる事が出来るようになってきたので試しに2人に食べ物を作って持って行ってみようと思った。』と屈託の無い笑顔で言うのです。
彼女の姿を見てみると、確かに転んだ跡や、ぶつけた様な痕跡が見当たりません。
おまけに彼女の作ってきた握り飯もとても美味しいものでした。
驚いた私と美麗は彼女を霊視してみました。
すると、彼女の霊脈が普通の人間の数倍の密度を持っていたのです。
おそらく私達の竜気や、あの地の地脈や色々な霊的な影響を受けたのでしょう。
その後も彼女の霊力というか、霊脈の密度はどんどん上がって行きました。
その物を感知する能力も精度を増す一方。
その能力で私達の仕事も効率が上がって行きましたし、何より彼女が私たちが感謝したときに見せる笑顔がとても純真なものでしたので、私達は彼女の事を実の妹のように感じるように迄なりました。
そして、それから5ヶ月後、その地の境界線を定める結界を張り終えた私達は、神界へ一端戻らねばなりません。
私達は、めいを如何するのか悩みました。
悩んだ私達は、一端彼女を連れて神界に戻り、彼女を私達の人間界での活動を補佐する者として認めてくれるように、竜神王様に願い出るように決めたのです。」
と、水華は一端此処で話を切りアシュタロスたちを見る
アシュタロスは何処から出したのか椅子に腰掛け、真面目な表情で彼女の話を聞いている
…ヤタは…
アシュタロスの頭の上に乗っかり羽根を休めながら”何かチョンボしないかなぁ?”という気体に満ちた目で彼女を見つめている
その光景は真面目な雰囲気を”なんだかなぁ~~”な雰囲気にするのに十分な威力をもっていた…
― コホン ―
1つ咳払いをし、その光景を見なかったことにする水華
何故か?
頭の中で”突っ込んだら負け確定!”という警報が鳴り響いたからである…
気分を切り替え話を続ける水華
「その後、竜神界に戻った私達は早速、竜神王様に謁見を願いでました。
その願いは直ぐに受理され、私達はめいを連れて謁見の間へと向かいました。
どうやら、めいの事はその霊力と能力の事を含め既に竜神王の知るところとなっていた様で、私達の願いは受理されたのです。
私達3人は竜神王の御前であることも忘れ手を取り合って喜び合いました。
その後に悲劇が待っているとも知らずに…。
それから十数年の間に私達3人は次々と任務をこなしていきました。
境界を定め結界を張る仕事や、それこそ魔族との戦など。
到る所で私達3人は共に過ごし成功を収めて行ったのです。」
その話を聞いたアシュタロスは”確かそんな事があったなぁ…。”と思い出していた
その頃、魔族側の作戦が次々と失敗し、内部に神族との内通者がいるのではないかという噂が立った程である
そんなアシュタロスを知ってか知らずか話を進める水華
「その様な状態が続くと、当然私たちを嫉む者達も出てきます。
そんな基本的なことも忘れ、私達はある任務に3人で赴きました。
その任務は人界に逃げ込んだ魔族を退治するという物でした。
その魔族を探し当て、私達はある所までその魔族を追い詰めました…。
逆に私達が追い詰められているとも知らずに。
追い詰められた魔族は、最後の力を振り絞り、私達3人に向け強力な魔力砲を放ちました。
私と美麗はめいを護るべく彼女の前に立ち、前方に防御壁を張りました。
魔力砲は大きな爆音と光を放ちながら防御壁と衝突しました…。
その時です。
突然私達の背後に3つの気配が現れました。
その気配は私達3人に其々襲い掛かりました。
武人でもあった美麗は、自分に向かってきた者の攻撃をかわし反撃する事が出来たのですが、私とめいは其々深手を負ってしまいます。
美麗を襲った者は左腕を抑えながら、他の者はそのまま何処かへと転移していきます。
美麗は私とめいに其々ヒーリングを行いました。
程なく私は回復することができ、美麗と共にめいをヒーリングしました。
が、如何しても出血が止まりません。
すると美麗は、突然、持っていた小刀で自分の左手首を切りつけ、めいの傷に其処からあふれ出た血を垂らし始めました。
私はその行為が意味することを知っていましたので、美麗を止め様としましたが、何を言っても彼女は聞きませんでした…。
その頃、神族が人間にその血肉を与えることは禁忌とされていました。
禁忌とされている行為を行うことは、それだけで神族である資格を失う可能性があります。
それだけではありません。
”神の血”をその身に入れた人間にどの様な影響がでるかも判らないのです。
アシュタロス殿もご存知だと思いますが、怪我や病気が治るだけなら良いのですが、神族になったり、又、魔族や妖怪等といった嘗てと違う存在になることもあるのです。
…めいの場合出血が止まった後直ぐに肉体的な変化が現れました。
見た目では、額に第三の眼が出現し、光を失っていた両目もその機能を取り戻し、そして肉体の到る所に目の様な機関が現れたのです。
しばらくして、額の第三の眼以外は見えなくなりましたが、それでも一目見ただけで彼女は人間の姿とは完全に違った存在になってしまったのです。」
水華はここで一息入れる
アシュタロスはこれまでの話を聞き、頭の上に”見事な鼻提灯を創って船をこぎ始めたヤタ”を乗せつつある事を思っていた
「(…まさか…。その”めい”という少女は…。あの”ドジで間抜けでオッチョコチョイな神族№1”の彼女の事か?)」
彼の後頭部に垂れる大きな汗
「その後、魔族を倒した私達は、まだ眼の覚めぬ彼女を連れ竜神界へと戻りました。
変わり果てた彼女を治療所に預け、私達は竜神王様に事の次第を報告すべく謁見の間に向かいました。
そこには…。
竜神王の他に、何柱かの竜神族の男性がいました。
そして、その男性竜神族は竜神王の御前で、美麗がめいに自分の血を分け与えた事を報告したのです。
…幾らなんでもあの事から数時間も経っていないのに、明らかにおかしいと私と美麗は感じました。
私達はその男達の様子を観察し始めました。
するとその内の1人が、明らかに自分の左腕を庇うような動作で、身振り手振りで報告しています。
それを認めた美麗は私が静止するのも聞かずに、その男性竜神族の左腕をひねり上げ、服の袖をめくり上げます。
すると其処には、間違いなく美麗の霊波の波長が残った傷跡がありました。
私も王の御前である事を忘れ、その男性竜神に問い詰めました…。
すると、観念したその男は突然、隠し持っていた短刀で美麗に切り掛かり、かすり傷を負わせ逃亡したのです。
あまりの出来事にその場にいた者達、竜神王様でさえ呆然と事の成り行きを見つめていましたが、突然、美麗が苦しみだしたのです。
慌てた私達は彼女に近づこうとしましたが、その時彼女の体から膨大な魔力があふれ出してきたのです。
次の瞬間、彼女の姿は謁見の間から消えていました…。
それから数日後、人界と魔界の狭間で、その竜神族の男性の物と見られる小刀を握ったままの右腕が発見されましたが、他には何も見つからずに今に至っています。
後日、その短刀からは、魔竜の血が付いているのが確認されました。
それと同時に美麗の”堕天”は決定的になったのです…。
因みに、あの竜神族の男性がどうなったのかも判っていません。
美麗の事だから無事でいるとは思っていましたが、まさかあのような事に…。」
と言葉を詰まらせ涙を流す水華であった…
あとがき?
ども?零式ですよ?
それで……。
しゅく!!さんじゅっかいれんぞくとうこうたっせい!!
どんどんどん♪ぱふぱふぱふ♪
うーむ。やればできるもんだなぁ…。 ( ゜Д゜)y─┛~~
しかしまだ、蛇女の過去おわらんな。
次回でおわらすぞ^^;
でレス返しっすよ?
トトロ様
こんばんは^^
信じたでしょうねー^^
完璧に^^;
はっ!?殺気!?
SS様
どもっす^^
あ~、やっぱり?
あはは^^;
盗猫様
こんばんわ^^
あ~、やっぱり? その2w
壊してしまいました。
BLESS様
どんも~~^^
喜んでいただけて幸いです^^
メドーサこんなんなりました。
まさか、某ドジ女神が関わってくるとは……。
さすがに零式も予想が付かなくなってきたぞ?
どーしよ?
ミアフ様
こんばんは~^^
あ~、やっぱり? その3
油断大敵ですよ~~?
ってゆーか、壊れ表記必要だったデスカね?前回^^;
whiteangel様
まいどっす^^
水華さんはまだ神族っすよ?
まぁ、ヒャクメが神族でいられるんだから一寸位のお茶目しても良いでしょw
殺されるの覚悟でならw
紅蓮様
どんも^^
あ~、やっぱり? その4
お?ヤタファン誕生?ひょっとして?
秋桜様
いつもどもっっす^^
さんじゅっかいいきましたよ?
ってか、秋桜様って、小竜姫様と同ぞ… げふっ! 痛いw
って
あ~、やっぱり? その5
何か今年の夏風きつくないっすか?
豚亀様
こんばんわです^^
さんじゅっかいたっせいっすよ?
おもしろければそれでいいのだ?
ヤタに専用の武器っすか?
考えておきます。
への様
どもっす^^
はい、
あ~、やっぱり? その6
まぁ、元魔神もお笑いにはしりつつありますし^^; (マテ
ヤタがMVPかぁ…。
なら、水華さんは?
前回のメドーサの堕天の理由の冗談の方反応いいなぁ…。
やはり小隆起もといw小竜姫様の影響力ってつよいのね?
ちゅーわけで、又次回おあいしましょー^^
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