インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

!警告!壊れキャラ有り

「ひのめ にんぽうちょう 巻ノ03(GS)」

摩夜摩夢 (2006-08-20 17:57)
BACK< >NEXT

 子供にしてはえげつないブラックジョークの威力で、不快な汗が染み込んだシャツやパンツ、特に背中と首周りが気持ち悪い横島。
 濡れタオルで懸命に拭うが一向に不快感が取れない。
 流石に美神が怖いのか、シロタマは名残惜しそうに帰っていった。 食事の時間に帰ってこないとおキヌの機嫌が悪くなるのも理由の一つだが。
「(餌付けされた野生動物って、もう、ペットだよな…)」
 しみじみと、弟子とその友の不憫さに、心の中で涙を流す横島だった。


「しゃぁねぇ。 風呂にでも行くか」
 気になりだしたら止まらない、財布の中身を確認して風呂桶にちびた石鹸、垢すりタオル、トニックシャンプー、バスタオルや下着などを用意する。
「あ〜〜〜… 風呂に行くけどケイはどうする?」
 ひのめはいそいそと準備をしていたので、ケイだけにたずねる横島。
「みぃ… おいらはほら、猫だから…    えっと、かぁちゃんと一緒にいくよ」
 こめかみにでっかい漫画汗をたらしたケイは腰を引いたまま逃げ出した。
「お風呂から帰ってきた頃にもう一回来るからねぇ〜〜〜〜」
 流石猫。 あっという間に部屋から姿が消えた。 
 るんたった♪ と聞こえてきそうなぐらいひのめはご機嫌に見える。
「(おにいちゃんとおはだとおはだのおつきあい… おにいちゃんにからだのすみからすみまで。 いやん、そんなところを… まわりのひとがみているのにおにいちゃんってば♪ これがこれがしかんぷれいなのねぇ〜〜〜〜♪ 
 ひのめとんじゃうかもしれない♪)」
 ぞわっとした嫌な予感に振返れば、ひのめがその小さな身体全身でグネグネしながら踊っていた。 ちらりと見えるひのめの横顔は『某嵐を呼ぶ幼稚園児風』、デッサンから狂いまくっていた。 >ね○ちゃん?
 そんな崩れたひのめを見ないように横島は壁の柱を軽く叩く。 暫くして隣部屋から同じように柱を叩く音が聞こえた。
「じゃぁ、ひのめちゃん行こうか」
「うん」
 ひのめに靴を履かせてから、火の周りの確認、施錠。 ひのめの手を取り外に出ると小鳩が風呂道具を抱きかかえ待っていた。
 あれから5年、小鳩は横島も認める美人に変身していた。
 仕事が終わったので三つ編みをほどいた髪は、風に揺られ流れるように波を打ち。 白いサマーセーターにベージュ色のスカート、うす桃色したスニーカーを履いていた。
 生活苦からくる野暮ったさも消え、当時から破壊力を撒き散らしていた胸はたわわに実り、横島の記憶上最高レベルの存在を誇っている。 胸の形・大きさは美神母子と同位だが、補正下着を装着していないのにつんと立った張りのある胸は、18歳の頃から変わらぬ佇まい。
 母親は無事に再婚、義父の元で二回目の結婚生活を楽しんでいる。 同居人の福の神のビンも居るが、今までの生活習慣が抜けないのと、横島に対する恋心をいまだに持っている為、普通に暮らせるようになっても住み続けていた。 ちなみに告白済みである。
 『友達以上恋人ぐらい?』 な微妙な立場でも、小鳩は横島の側で待っている、横島を愛したままで。


 ひのめを真ん中に車道側の右には横島が、左には小鳩が手を繋いでひのめの速度にあわせて進んでいく。
 ひのめの父はいまだアマゾンの奥地から帰ってこず、母はオカGの苦しい人材不足を補う為に働いている。 姉はひのめに対して何かしら壁を作っている。
 この両手を繋ぐという行為が、まだまだ幼いひのめにえもいわれぬ安心感を与えている。 嬉しくて嬉しくてひのめのテンションは上がっていく。
「ねぇ、おにいちゃん、おねえちゃん。 ぶらんこいい?」
「ええ、いいわよ」
「おっ、任せとけ」
 横島たちも慣れた様子で、ひのめの体を引っ張りあげる。
「きゃっきゃっ♪ すごいすごい♪ ぶらんこぶらんこ♪」
 前に後ろに、他の人に迷惑をかけない様にゆらゆらとゆらす。 
 夕日が三人を照らし、バックコーラスに蝉時雨が聞こえてくる。 遠くで豆腐屋のらっぱが微かに響き、商店街の賑わいも心地いい音楽だ。

 小鳩は今晩のメニューを考えながら商品のチェックをしている。 横島は人の波から二人を庇う様、周囲に微妙にプレッシャーを与えていた。
「忠夫さん、今晩どうします?」
「そうだなぁ、ひのめちゃんが居るしひのめちゃんに聞くか? ひのめちゃん何が食べたい?」
 三人は邪魔にならない様に立ち止まる。 横島に聞かれて一生懸命考えるひのめのしぐさはとっても愛らしい。
 ひのめの食生活はよほどの事情が無いかぎり、美智恵の手作りなのでコンビニ弁当の味をそんなに覚えていない。 よほどの事情の場合は令子の所か横島の所だ。
「えっと、ひのめね。 おさかなさんがいい、でも、ちいさなほねはいや」
 ひのめの答えに小鳩は少し考えて。
「じゃぁ、さつま揚げにしましょうね。 お風呂から帰ってくる頃にはタイムサービスですし、今日はあまり売れてないみたいですから」
 魚屋に並ぶ魚は確かに何時もより多く売れ残っていた。
「ほねささらない? いたいのいや」
「大丈夫ですよ、忠夫さんがごりごりと潰してくれますから」
 空間動作ですりつぶす様子をひのめに見せる小鳩。 すりこぎを回す動作をするたび胸に腕が当りぽよんぽよんと震える。
「うん♪」
 二人の会話に横島の顔もほころんでくる。
「じゃぁ行こか」
「はい」
「うん♪」
 幸せ家族的な雰囲気をまとい三人は銭湯へ歩き出した。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

G|Cg|C@Amazon Yahoo yV

z[y[W yVoC[UNLIMIT1~] COiq COsI