<アシュタロスのアジト>
「ふむ…。漸く落ち着いたようだな。」
2つの調整槽の前に立ち、中の様子を伺うアシュタロス
その調整槽の中には先日アシュタロス自身が”パパ”になると宣言し、カオスの住む『迷いの森』のアジトの側で保護した双子の赤子が漂っていた
よくよく調べてみると、双子にかけられていた呪詛は特殊な術で”2人の魂を贄とし、術を施した者達を保護する”というものだった
双子という”凶兆をもたらす者達”に更に呪いという負の術をかけることで効果を反転させ、自分達を豊かにする
そんな、双子達を無視した特殊な術
その術の内容を理解したアシュタロスは怒った
そりゃーもー
ほんとーに
遠くヨーロッパの地で火山が噴火するくらい…ね―
ヤタやハニワ兵達も怒りました
(ハニワ兵に関しては表情からは判りにくいが)
それで、アシュタロスは早速”呪詛返し”を行った
この子達にこのような行いをした者達に、地獄のような苦しみが襲うような効果を上乗せして
―その時、予想していなかった事態が発生する
まだ、肉体的にも精神(魂)的にも抵抗力の低い赤子達のこと
呪詛返しで、その無垢な魂に植えつけられていた呪いが術者に戻っていく時に、双子の霊気構造までも大量に持っていってしまった
それを見たアシュタロスは、急いで空いていた調整槽に”命の水”を満たし、その命の水に自分の魔力を与え”自分の意思を持たない使い魔”を創り出した
そしてその、命の水から出来た使い魔の中に双子をいれ、その使い魔の霊気構造を双子に分け与えながら生命力の強化を行ったのである
その結果、双子は純粋な人間の赤子ではなくなった
が、”アシュタロスの魔力から作り出された使い魔の霊気構造を、その魂に宿した事”でアシュタロスと双子は実の肉親と同じ存在になったのである
調整槽に入って早2ヶ月が経過した
赤子の生命力には目を見張るものがある
脅威の回復力を見せた双子は再び、実の肉親となったアシュタロスの腕の中に戻ってきた
その時アシュタロスは…
「(あー、もー、何時死んでも良い!!)」
と心の中で思いながら鼻血を少し垂らしたとか垂らさなかったとか…
そして、これからアシュタロスは双子の姉とも呼べる存在である葛の葉の所に、双子を連れて行くのである
「さぁ、2人ともおねぇちゃんのお家に行こうか?
留守を頼むぞ?
ヤタにハニワ兵達よ!」
ヤタ達の見送りの声を聞いた後、アシュタロスは双子をあやしながら西郷家へと続くゲートを通っていった
<西郷家 ―葛の葉の部屋―>
自分の父親であるアシュタロスが
「ほーら、葛の葉に可愛いおみやげだぞぅ♪」
と言いながら、2人の赤子を差し出すの姿を見た葛の葉の第一声は…
『…お父様…。
すぅっ(大きく息を吸って~)
一体、何処の誰を孕ませやがりましたかぁぁぁぁぁぁっ!!??』
だった
”結界をはっていなければ、その声は都全体に響き渡っていただろう”とは同席していたS氏の証言である
それも当然の事であろう
約一年間なんの音沙汰もなく、暫くぶりで連絡がきて逢いにきたと思ったら、いきなり子連れである
それも2人も…
平静でいられる訳が無い
そんな長女の”魔界の最高指導者をも瞬殺できるのではないか”という凄まじい殺気を”双子を護りながら耐え抜いた”アシュタロスは、何とか事の成り行きを2人に説明し納得してもらった
当然、2人も怒りました
「「子供は国の宝なのにっ!!」」
と言いながら
―何時の時代の人だよあんたらは……(汗)―
なんのかんの言っても葛の葉も女性である
暫く双子の相手をしている内にすっかり双子を気に入り、素直に自分の妹達の誕生を喜ぶ葛の葉
すると急に
「そういえば、お父様?
すっかりお尋ねするのを忘れてましたが、この娘達の名前はなんと言うのですか?」
妹達を愛しそうに見ながらアシュタロスに尋ねる葛の葉
”そんな、大切な事忘れんなよ”と西郷は葛の葉をジト目でみながら小さく呟く
それを”キッ!!”と睨みつけて黙らせる葛の葉とアシュタロス
「ふっふっふ・・・!よくぞ聞いてくれた!!」
とアシュタロスは”まってました”とばかりに何処から出したのか、現在で言うサッカーボール位の大きさのくす玉を用意する
そして、そのくす玉から出ている紐を引っ張った
パカッと勢いよくわれるくす玉
その中からは・・・・
『命名 千姫(せんき) ・ 幸姫(こうき)』
と達筆な毛筆書きでデカデカと書かれた垂れ幕がでてきた
「ちなみに、金髪の子が千姫、銀髪の子が幸姫だ。」
とニコニコしながら名前を発表するアシュタロス
「「・・・・・(汗)。」」
”わざわざ準備してたのか”と2人は思ったが声には出さなかった
「…い、良い名前ですな。
何か意味でもあるのですかな?」
西郷が尋ねる
「…意味…か…。」
今までのお気楽な雰囲気が無くなり、双子を抱く葛の葉を見て微笑みながら
「この子達の名前の意味はな…。
『”千”年後の、お前達の来世を含めたあの者達全員に”幸”が訪れますように』
と言う意味を持たせた。
それに、この子達は双子の女の子だから”離れることなくなく、何時までも仲良くいられるように”と”千”と”幸”の後に”姫”という同じ文字をつけたのだ。
何せ、私との出会いが捨て子という不幸な形だったからな。
せめて名前だけでも良い物をと思って考えたのだ…。」
とその問いかけに答える
―その頃、アシュタロスのアジトの彼の書斎では
『『『『ぽぽ~う。』』』』
と4鬼のハニワ兵がエプロンをつけて”どたばた”と書物の片付けをしていた
書物はどうやら魔界・神界の”子供の名前の付け方”という物がその殆どのようである―
”じ~ん”と感動する葛の葉と西郷
「そうですね。その為にも私達はもっと頑張りませんと…。」
『きゃっきゃ、きゃっきゃ♪』と自分の腕の中で無邪気に笑う妹達を見て、葛の葉が言うと西郷も大きく頷いた
―そう 自分達でできる事は何でもやっておこう―
と新たに誓う一柱と2人であった
(私もいるぞ~~!!) ―カオス―
あとがき?
どもっ!零式っす!!
いや~やれば出来るものですねー^^;
3日連続の投稿って(汗)
この分だと次でアシュ様過去編終われるかな?
双子の名前如何だったでしょうか?
結構悩んだんですけど…^^;
難しいもんすね。
それと2人とも、某人物と同じく作中の理由で純粋な人間ではなくなりましたが、アシュ様と親子関係になれたという事で納得してください。
葛の葉と西郷あんまり崩れなかったな…。
あっさりしすぎ?
さて、レス返しっす!!
内海様
毎度です^^
私も頭の中で似たようなのがながれました^^;
つーか、火山噴火させました。アシュ様。
赤子は呪いが強まるというか呪詛返しの影響でこんな事になってしまいました。
やりすぎたかなぁ?
千姫・幸姫&ヤタのコンビ私も楽しみです。
今後ともよろしく^^
梔子様
お初です。
そして、有難うございます。
頑張りますんで今後、見守ってやってください。
かなりあ様
こんばんわです^^
いつも見守っていただき有難うございます。
まぁ、前回と今回のアシュ様ですが、確かに壊れたように思いますが、私としては、赤ん坊を捨てたという行為に、”このSSのアシュ様が怒ったらどうなるか?”と少ない脳みそをフルに使って考えたらこのような有様になってしまいました。
このお話のアシュ様って素直な子供の面を持った魔神(もどき?)だと最近になって思うようになってきたので。
今回で壊れたアシュ様は一時終了です。
次の登場は何時になるやら…。
今後も見捨てずに見守ってやってください。
BLESS様
こんばんわです。
このようなオチに落ち着くのはひとえに”GS”という作品自体がその方面で名(迷)作といえるからではないでしょーかっ!
双子=忌み子というのは、昔の多くの国で信じられていた事実です。
私は双子ではありませんが、そんな時代に生まれなくて良かったと思います。
まぁ、アシュ様にお持ち帰りされた双子ですが、幸せになれるかどうかはともかく、”退屈”という言葉とは少なくとも無縁でいられるでしょう(笑)
あのかんきょうじゃぁねぇ~~~~^^;
今後、2人+ヤタがどう動くのか?ですねぇ^^
あ~、確かに自分の希望忘れてるっぽいですね。アシュタロス…(汗)
どーなるんだ?
秋桜様
どもっす!!
アシュ様・・・・蝶はかせてぇ~~~~~っ!!
でも、でも・・・。
このSSのアシュ様じゃあ・・・そこまで行き着くのか?
そこが問題。自然な物語の流に任せるつもりなので。
へたにいじるとバランスがくずれるのかな?
それとも私の力不足?ひょっとして?
まともなカオス・・・珍しいな・・・。
自分で書いてて言うのもなんですが・・・^^;
今後もよろしくお願いします^^
亀豚様
ハジメマシテ。
…アシュ様光源氏計画発動・・・?
アシュ様はもともとそんな要素は持っていたと思われます。
創った魔族って全員女性だし、年齢もかなりまちまちだし…。
双子の”たすけて、ぱぱぁ~~~!!”で召還も可能になるのかも・・・。
待て今後の展開!!
(どーーーーなるんだぁぁぁぁぁ!!私にもよくわかりませーん(逃亡))
今後も頑張りますんでよろしくお願いします。
では、次回の更新で!!
(今回は微妙なんで壊れ表示しないでおきます^^)
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