「おキヌちゃん・・・・・準備はいい?」
「はい・・・」
あの戦いの後、山の神となったワンダーホーゲルによって、おキヌちゃんの反魂の術が行われようとしていた。横島は、右手に霊波刀を出現させ、氷漬けにされたおキヌちゃんを見据える。
「おキヌちゃん、俺がこの霊波刀を刺したらおキヌちゃんは甦れる・・・でも、俺の事を思い出すかまでは正直不安なんだ。だから、これをおキヌちゃんに持っててほしい」
そう言うと、横島はポケットから一つの笛を取り出した。
「これは?」
「俺の言霊で作った笛。おキヌちゃん・・・笛が好きだったでしょ?」
「はい・・・・私、絶対横島さんを思い出しますから・・・・絶対」
「俺も・・・・・待ってるから」
そう言うと、横島は少しだけ迷ったが、霊波刀を氷に突き刺した。その瞬間、氷が砕け散り、おキヌの肉体が落ちてくる。横島は落ちてきたおキヌを抱えると、優しく微笑んだ。
「また・・・・・会えるよな・・・・おキヌちゃん」
眠るおキヌを見ながら、呟く横島。そのまま、起きる前に氷室家に届けようとした・・・・その時。
「横島・・・・・・さん・・・・・・・?」
「え・・・・・・お、おキヌちゃん!?」
キーやんとサっちゃんは、どうもこの話では良い奴のようだ。
(そんな事ありませんよ。ただ、私は彼の行く末を見たいだけです)
(ワイらの最近の趣味は、横島の観察だからや♪)
そんな照れた顔してて、誤魔化せてない神魔の代表者たち。まぁそれは置いといて、新タイトルいってみましょう・・・【ヒーロー真正!!】
エピソード一 新たなる脅威
「またアッサリと、メンバーが揃ったわね〜♪」
美神は朝からご機嫌だった。仕事は軽々と終わり、横島&おキヌのリターンズ、これほどご機嫌な美神は、久しぶりかもしれない。
「ご機嫌っスね美神さん」
「そりゃそうよ。弟分と妹分は無事帰ってきたわけだし」
そう言っていると、美神はふと思い出した事を横島に尋ねた。
「ねえ横島」
「なんスか美神さん?」
「アンタがあの年増植物倒した時、変な宝玉をベルトに埋め込んでたでしょ?」
「ええ・・・・・・あんまりよく覚えてないんですけど」
「覚えてないの?」
「はい・・・・・・あんときは・・・・その・・・・・おキヌちゃんの力を俺に貸してほしい・・・・ただそれだけに集中してたんで」
それを聞き、頬を赤らめるおキヌ。そんな中、フーンと美神が何かを考え始めた。そして、一つの結論に達する。
「横島君。アンタ、一週間ほど妙神山に行きなさい」
「へ?・・・・何故に?」
「今のアンタの力じゃ、正直不安要素強すぎなのよ。これからもっと強い敵が来たとき、そんな未知数なままじゃやりずらいでしょ?」
「・・・確かにそうっスよね。でも、美神さんも仕事のほうは?」
「別に一週間くらいなら全然持つわよ。こっちにはきたろうやシロにタマモもいるしね。おキヌちゃんは・・・・・事務所の整理をお願いしてもいい?」
「はい。今の私に出来ることは、とりあえずしたいですから」
素直なおキヌを見て、美神はいい娘だ〜と感動していたwそんなこんなで、横島は妙神山へ向かう事になった。
「ふ〜。妙神山に向かう以上、ある程度支度していかねえとな」
横島がアパートに行くと、そこには見慣れた顔ぶれがあった。
「・・・何してんだ雪乃丞。それにピートやタイガーまで」
「お、待ってたぜ横島」
「待ってましたよ」
「遅かったですジャー」
そう。横島以外の抑止力である三人だったのだ。
「んで、俺を待ってたってどういう事だ?」
「あ〜実はよ。俺たちは今から妙神山に行こうと思ってんだ」
「もしよかったら、一緒に行きませんか?」
「え、お前等も行くのか?」
「お前等もって・・・・・・横島サンもですカイノー?」
「おう」
「それなら話は早い。すぐに行こうぜ」
「ちょっと待てい!!雪乃丞はともかく、なんでピートやタイガーも行きたいんだ?」
それを聞かれると、二人は苦い顔をしていた。
「あの人骨温泉での一件で、僕は自分の力量が全然足りていない事を知りました」
「ワッシ達は、このままじゃ横島サンの足手まといになってしまうですジャー。ジャから、ワッシらも強くなって、友を護りたいんですジャ」
それを聞き、深くにも涙を流してしまう横島。
「よっしゃ!!んじゃ、皆で妙神山にいくぞ!!」
「「「おーーーーーーーー!!」」」
今ここに、抑止力強化計画がスタートした。
「さ〜て、やっと着いたか」
横島たちは荷物を背負いながら、鬼門の前に立っていた。
「さ〜て・・・・・おい、鬼門!」
「ん・・・・・・・お、お前は!?」
「ま、まさか!?」
鬼門は驚くと同時に、伝心能力である人物を呼んだ。すると、ドドドドドドドドドと凄い音を立てながら、何かが突っ込んでくる音だった。そして、鬼門がドカンと開かれた。そして、そこから現れたのは・・・。
「横島さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!」
涙をグシャグシャに流した小竜姫が突進してきたのである。それにより、横島は流れ的に押し倒されてしまった。
「あ〜・・・・小竜姫様」
「横島さん・・・横島さん・・・」
「泣かないでください・・・・・・俺は、ここにいますよ」
「ぐす・・・・・・・・私を置いて先に死んじゃった人が・・・・それをいいますか・・・・・ぐしゅ」
「すんません・・・・・・本当に」
「もう・・・・・いなくなりませんよね?」
「絶対・・・・いなくなりませんから」
そう言って、小竜姫の頭を優しく撫でる横島。それにより、小竜姫はやっと落ち着いた。
「・・・・そう言えば、どうしてここに?」
「実は・・・・・・・・」
横島は小竜姫に今までの経緯を話した。
「なるほど・・・・それでは、皆さんも横島さんと一緒に強くなりたいと?」
「おう」
「はい」
「その通りですジャー」
「わかりました。今から、超ウルトラデラックスRXコースの修行をしてもらいます。皆さん・・・・・・・・よろしいですね?」
「「「「了解っス(はい)(おう)(分かりました)」」」」
そして、そのまま修行場へと案内された。すると、そこには一匹のサルと、軍服姿の魔族が一人立っていた。
「て、テメエは魔族!!」
「何故ここに!?」
雪之丞とピートが戦闘形態に入ったが、横島とタイガーは敵意を感じなかったため、何だ?とせいぜい?マークを浮かべるだけだった。
「なぁ雪之丞?どうしたんだ?」
「この人からは、何の悪意も感じ取れないですジャー」
人の想いに敏感な二人からすれば、目の前の人物の感情が理解できてしまうのだ。故に警戒する理由もない。それを察したのか、その魔族はかぶっていたベレー帽を脱いだ。
「魔界軍情報士官【ジークフリード】少尉です。よろしく」
そう言って、その青年は敬礼をするのだった・・・。
「それにしても、中々全ての抑止力が揃いませんね〜」
「そうやな〜。そろそろ旧神魔代表者・・・・・・そして、あの者が動き出してもいい頃です」
「せやな〜。やけど、アギトの力を持つ者は力を奪われ行方不明になっとるで」
キーやんとサっちゃんは、まだ発売してないはずの某ゲームをしながら話し合っていた。
「そうですね。確かに彼がいないのは結構な痛手で・・・・・・ここで“らいだーすてぃんぐ”!!」
「甘いでキーやん。“くろっくあっぷ”」
「あ〜〜〜〜!!そのタイミングで!!」
「まだまだやでキーやん。ここで・・・・“らいだーきっく”」
画面の中で動く某ヒーローは、後ろ回し蹴りをかましてキーやんが動かしていたキャラクターを撃破した。
「あ〜〜〜〜も〜〜〜〜〜!!“かぶと”は強すぎますーーーー!!」
「はっはっは〜♪影薄い“ざびー”なんか使うからやw」
そう良いながら、キャラチェンジをしようとしていた時、ふとキーやんがある事を思い出していた。
「・・・そう言えば、“最後の抑止力”は動きましたか?」
「いや・・・・まだ・・・・こんな状態や」
サっちゃんがそう言ってリモコンのスイッチを入れると、そこには液体の中に入れられた一人の少年が眠っていた。銀色の髪をしており、お尻には尻尾が存在した。
「・・・全ての抑止が揃わなければ、世界は終焉を迎えますよ」
「せやな・・・・・やけど、全てはアイツがやってくれるやろ」
「今代の・・・・・クウガですか?」
「せや。あの男ならな♪」
「そうですね」
そう言って、キーやんは“あるてぃめっとめいくあっぷ”なキャラを選択し、サっちゃんは“劇場版限定”の金ぴかを選択した。
「あ〜〜〜〜!!今度は“こーかさす”ですかーーーー!!」
「ははは〜w決め台詞言えない“どれいく”を選ぶからや〜♪」
世界の危機にのん気でいる神魔の二人に不安を覚えつつ、世界はまた動き出す・・・。
あとがき
だい二部しどーーーーー!!
あぶね〜お盆ギリギリでございますですよwいろいろバイトとか劇場版見に行ったりやらで時間を取る暇がありませんでしたw
さて、本筋の流れと大きく違うのはやはりおキヌちゃん即日復活♪たいていはおキヌちゃんが時間かかって復活ですが、あえてすぐにメンツ全員が揃ったらおもしろいな〜と考えてやってみました。妙神山に向かった面々、果たして待ち受けるのは・・・・・次回、お楽しみに!!