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「ヒーロー見参!! 第一部ファイナルエピソード(GS+色々)」

煌鬼 (2006-08-01 13:18)
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―――ヒーロー。それは、悪を許さぬ正義の戦士。


―――ヒーロー。それは、救いを求める者の前に現れる者。


―――ヒーロー。それは、死してもなお、想いの力で蘇える“常識打破”を行う者。


―――ヒーローが“見参”する時・・・・世界は変わる!!


第一部ファイナルエピソード ヒーロー見参!!


「貴様・・・・・一体・・・・一体なんなんぞえ!!」


死津喪比女がヒステリックに叫ぶ中、白き炎を纏った空牙はおキヌを下がらせる。そして、静かにソーサーを展開し始めたのだ。しかし、いつものソーサーとは、何かが違った。


「・・・ねぇ?なんか何時ものと・・・・違う気がするんだけど?」


タマモはその疑問を静流に尋ねた。


「どうやら、今の横島は霊波の質が変化しておるようだ」
「質?」
「そうだ。何時もの横島なら、救いをもたらす優しい炎を纏っておる・・・しかし、今の状態は・・・・・」
「状態は?」
「純粋な怒り。おキヌ殿を・・・・仲間を傷つけたことに対する・・・・静かな怒りが纏われている」
「静かな・・・・怒り?」
「そうだ。救いの意思も無くはない。だが、今回は相手もやりすぎたという事だ。これは、地獄を見るだけではすまないかもしれんぞ」


そんな中、空牙はゆっくりとソーサーを浮かべ・・・死津喪比女に向けて投げつけた。


「フン!!そんなものでこのワシが≪ドゴン≫グアアアアアアアアアアアアア!!」


投げられたソーサーを軽々と受けた死津喪比女。しかし、その瞬間に死津喪比女の身体は異常な激痛に襲われた。


「な、なんじゃ今のは!?」
「・・・それは、300年前に・・・・・お前によって殺された人々の痛みだ」


空牙の言葉に、死津喪比女が驚きの声をあげた。それはおキヌも例外ではなく、何故300年前の記憶を持っているのかと不思議に思えていた。


「・・・この宝玉から、おキヌちゃんの記憶が流れ込んできた。お前という妖怪の自分勝手な暴虐により、多くの人々が命を落とした。・・・命を落とした人たちの魂が・・・・・・俺に力を貸してくれているんだ」


そう、今の空牙の炎が静かな理由はただ一つ。魂となって現世をさ迷っている霊の魂が彼に共鳴し、力を引き上げているのだ。


「悪いけどよ・・・・・今お前と戦っているのは俺だけじゃない。お前によって悲しみを背負わされた全ての人の魂と・・・・・一緒に戦っているんだ!!」


そう言うと、空牙は地面を蹴って死津喪比女へと駆け出す。


「・・・横島君」


美神のその戦いを、心を痛めながら見ていた。今の横島は“相手”を救うために戦っているのではない。相手によって成仏出来ずにいる“魂全て”のために、戦っているのだ。それを理解したのか、おキヌが涙を流している。


「おキヌちゃん」
「大丈夫です・・・美神さん・・・・・だって、横島さん・・・・皆のために・・・・・怒ってくれているんですよね」


おキヌは泣きながらも、彼の戦いを見据える。それは、決して目を逸らしてはいけない。彼の戦いは、真の意味での救いなのだから。


「だから私・・・・・横島さんの戦いを見届けます・・・それが、私に出来る事ですから」


そう言って、空牙を見詰めながら彼女は想う。皆を・・・助けてと・・・。


「く、来るな!来るな!!」


死津喪比女は自己の分身を作りだし、空牙へと差し向ける。しかし、空牙は一歩も下がらず・・・むしろ強く一歩を踏み出しながら、迫り来る死津喪比女たちを迎え撃つ。


「これが、おキヌちゃんを慕っていた子どもたちの分だ!!」


そう言って、空牙はソーサーをナックル状に変化させ、向かってきた死津喪比女を殴りつけた。それにより、分身は一瞬にして燃え去る。


「馬鹿め!!分身をいくら滅ぼしてもしょうが・・・ぐぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」


突如、死津喪比女オリジナルの身体を激痛が襲った。そう、悲しい魂の痛みがまた。


「分身であろうが・・・・存在はお前と同じ。分身がダメージを受ければ、オリジナルのお前にもダメージがくる」


そう言いながら、今度はソーサーを宙に投げた。そして、そのまま落ちてきたソーサーを殴りつける。


「これが、おキヌちゃんの死を嘆いた、村の皆の分だ!!」


ショットガンソーサーが放たれ、複数の死津喪比女を爆散させていく。その度に、オリジナルに激痛が伝わる。


「これが・・・・・・・おキヌちゃんの親友の・・・・メガ姫の分だ!!」


そして、霊力を込めた強力な回し蹴りが放たれ、周囲の分身もろともなぎ払う。
それにより、オリジナルは連続で激痛を味わう羽目になっていた。


「そしてこれが・・・・・・・・・・若くして幽霊になる宿命を背負わされた・・・おキヌちゃんの分だ!!」


その言葉の瞬間、ベルトの中央にある宝玉から聖なる光が放射され、死津喪比女たちは砕け散っていく。


「やめ・・・・ろ・・・・・・もう・・・・・やめろ・・・・」


息も絶え絶えという状態の死津喪比女。そんな中、空牙はベルトに両手を置くと、一気に霊力を爆発させる。


「最後に・・・・・・・・・・おキヌちゃんをこの世から無くしてこの世を支配しようと企んだお前へと・・・・・・」


その言葉と共に、空牙は拳を強く握り締める。そして、その怒りが全開になったと同時に、ベルトが光り輝く。


「この俺の怒りの分だあああああああああああああああああああああああああ!!」


空牙の放った拳は、オリジナルの死津喪比女の頬を捉えた。それにより、死津喪比女が断末魔を上げながら滅び去った。


「はぁ・・・はぁ・・・」


空牙が肩で息をする中、突如その場が揺れた。それと同時に、地面を突き破って
死津喪比女の核である球根が出現したのだ。


「オノレエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!キサマラモトモニホロボシテクレヨウ!!」


そう叫びながら、死津喪比女が迫り来る。しかし、その球根目掛けて、狙う者がいた。


「我が骨子は捻り狂う・・・・・・“偽螺旋剣”!!」


そう。言霊で宝具を放ったのは赤い外陰を纏いしきたろう。


「今だ横島!!」
「美味しいとこ持ってきすぎだぜきたろう!!」


空牙はそう言うと、超人的なジャンプ力で宙へと舞う。そして、狙いを球根へと定めた。それと同時に落下が始まる中、空牙の頭の中に声が響く。


(今代の戦士よ・・・・・・今から君が放つ技は、君のような戦士たちが受け継いできた技だ)
(受け継いできた・・・技?)
(そうだ。それは・・・・・・・“真なる正義の一撃”・・・またの名を、ライダーキック)
(ライダーキック・・・分かった、やってみるぜ!!)


古代の戦士の助言を受け、空牙は歴代の戦士たちから受け継いできた技を叫びながら、死津喪比女との戦い・・・・そして、その因縁に決着をつける。


「ライダァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィック!!」


その一撃が死津喪比女に食らった瞬間、死津喪比女は大爆発と共に地面にひれ伏した。そして、空牙は着地すると同時に、変身を解く。そして・・・・・皆の方を振りかえって・・・・・・サムズアップしながらこう言った。


「不肖横島忠夫・・・・・・ただいま帰還しました!!」


その言葉と共に、なだれ込むように皆が駆け寄るのだった。これにより、一つの物語が終焉した。そして、次の物語が幕を開く・・・・その物語を名は・・・・・・ヒーロー真(まことなる)正(せいぎ)!!


あとがき
遂に、ヒーロー見参の第一部が完結いたしました。
色々ありまして時間が空いたりしましたが、どうにか終了できました。
次回からは、朱株様のアイディアを採用しまして、ヒーロー真正が始まります。
どうか、続編もよろしくおねがいいたします。

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