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▽レス始

「心の声が とおあまりここのつ目(GS)」

寿 (2006-08-08 01:23/2006-08-10 00:18)
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妙神山を無事に下山した翌日。俺は学校に来ていた。

ちなみにアレからヒャクメは姿を現していない。

今日は特に予定はないので別にかまわないのだが・・・また黒ア○トになるぐらいのリアクションですめばいいんだが・・・

そんなことを考えながらも時は進み、放課後となった。

俺は特に予定もないのもあって、帰るでもなく教室でグラウンドを見ていた。

「あら横島君、まだ帰ってなかったの?」

唐突に声をかけてきたのは机妖怪の愛子。先日俺の事を取り込んでくれた妖怪の少女だ。

ちなみにその時愛子の体内の異空間に取り込まれたわけだが・・・すぐに愛子が妖怪だと気づきました。

なぜって?俺が取り込まれたのを見ていたヒャクメが教室を訪れると、一瞬の隙をつかれて(ヒャクメ談。どうせ気をぬいていたんだろう。)机に取り込まれた。そこまではいい。ただヒャクメを異空間に送り込んだはいいが、さすがに神族を取り込めはしなかったらしく・・・愛子が苦しみ出すと同時に・・・ヒャクメを吐き出した。

後はそのときの影響で以前から取り込まれていた人たちの催眠も解け、みんなで愛子を説得。もとの世界に戻ると学校側に説明と説得して現在に至る。

まあ愛子は結局「学校の備品兼生徒」となっている。

ちなみに吐き出されたヒャクメは気を失って保健室へ。しばらくみんなから忘れ去られ、俺が迎えにいくまで保険医の先生(おばちゃん)と談笑していた。それはいいが・・・話題が「人をおちょくる50の方法」ってどうよ?

「ああ、なんとなくな・・・」

俺は愛子の経緯を思い出しながら返事を返す。

「ふ〜ん。ずっと外を見てるけど、なにか面白いことでもやってるの?」

「いや、別に。」

「じゃあただぼうっとしてただけなの?」

「まあそんなとこかな?」

俺がそう返事をすると、

「そんなの駄目よ!!いい!青春は一度しかないのよ!その限られた時間を有意義につかわなくてどうするの!!」

そう力説する。

「ああでも、教室で一人何かに悩む。これも確かに青春の1ページ!若いが故に思い悩む。いいわ!もろ青春って感じだわ!!」

愛子さんがその後5分近く青春という名の暴走に入ります。

「で、何に悩んでいたの?私でよければ相談に乗るわよ?」

「急だなおい。」

「いいから!友達の悩みに共に頭を悩ます、ああ、青春だわ!!」

こいつは・・・

「いや、別に悩んでいたわけじゃないいんだが・・・」

「へ?な〜んだ。それじゃあなに考えてたの?」

俺の答えに拍子抜けした愛子は残念そうな顔をしている。

「いや、別にたいしたことじゃあないんだが。」

「いいから!話してみて!」

俺は愛子の真顔に根負けするかたちで話し出す。

「いや、楽しいなって・・・」


俺はとある山で眼を見つけてから心の声が聞こえるようになった。

俺の意思に関わらずその声は聞こえてくる。

最初はたいしたことはないと思っていた。両親にそのことを話した時に両親の心配する声が聞こえてきたが、俺の両親は俺に対しては裏表なく接してくれていたので言ってることも考えていることも大差なかったから・・・

ただ俺のその楽観的な考えは翌日に打ち砕かれた。

朝起きて友人と共に学校に行く。そのいつも道すがら俺は心の声を聞いた。

友人は俺のこの力を聞いてもいつもと変わらない対応をしてくれた。

ただ俺のそのときの家はそこそこ都会にあったので人も大勢いた。

道行く人たちの心の声、多くは眠い、とかだるいと言った愚痴に近い。

ただその中でも一際大きく聞こえてくる声・・・それは憎しみの声・・・

あいつのせいで・・・あいつマジで殺してやりたい・・・あの女いい気になりやがって・・・

決して声には、表には出さない心の声。

頭が痛くなるような感じを受けながら学校にたどり着く。

そこで俺の心は打ち砕かれる。

俺の力を知った友人の一部が俺に嫌悪の声を上げた。口からも、心からも。

それはまだよかった。俺のために本気で怒ってくれて友人たちもいたから。

一番嫌だったのは大人たちの、先生たちの態度の変化。

あからさまに俺を避け、心の中で厄介者扱いする。

はっきり言えよ!!俺に近づいて欲しくないんならそう言えよ!!顔は笑ってるのになんでそんなこと考えられるんだよ!!あんたたちの今までの態度は全部嘘だったのかよ!!

俺はついに耐え切れなくなって教室を飛び出した。その後はどこをどう走ったかは覚えていないがどうにか家へとたどり着くと、突然の帰宅に驚く母の声も聞かずに部屋へと閉じこもった。

それからしばらくして母親の声、その後には俺を心配したらしい友人たちの声、そして普段ならこの時間には聞くことのない父親の声が聞こえてきた。

それぞれがドア越しに俺に声をかける。その心配する言葉に嘘はない。言葉と共に聞こえてくる心の声もいっしょだったから。

だが、俺は部屋から出ない。もしこの人たちまであんな声を上げたなら俺はもう耐えられない。

そんな考えに恐怖を覚えながらどうしていいかわからず、俺はただ布団に包まって脅えていた。

それからどれほどの時間が経ったのだろう。俺はいつの間にか寝入っていた。表はすでに暗くなり、時計は日付が変わったことを示していた。

俺は周りを見渡す。そこは変わらない俺の部屋。もう何も聞こえない俺の部屋。両親と友人はもうあきらめたのだろうか何も聞こえなかった。

俺はそのことに安堵した。声が聞こえてこないことに安堵した。

その時俺の腹が鳴った。よく考えてみれば朝食から何も口にしていない。

少し思い悩んだが俺は結局食欲に負け、扉を開いた。

俺はそこで思っても見ない光景にぶち当たる・・・両親と友人たちがドアの前でそこを囲むように寝入っていた。

まさかずっとここにいたのか!?俺のために?俺なんかのために?

俺がその光景に驚いていると、俺の気配を感じ取ったのか母親が起きてしまった。

次の瞬間、母親は俺に向かって手を上げた。

怒られる!!俺はそう思って体を強張らせる。

しかしその手は振り下ろされることなく・・・・俺を優しく抱きしめた・・・

俺が突然のことに混乱していると、父親と友人たちも起きだした。

父親は軽く俺のことをこずくと、「あんまり心配させるな。」とだけ、いつもの笑顔で言った。

友人は口々に俺に言葉を、心からの言葉を口にする。

母親は俺のことを抱きしめたまま言葉を紡ぐ。

「あんたがどんなことを聞いたかは私にはわからないけど、それを私達にも教えてほしい。おかんもおとんも、忠夫のこと裏切ったりしない。忠夫が聞いたこと、感じたことを教えてほしい。そうすれば、あんたの悩み少しはわかるから。」

ねっ?と言いながら俺に笑顔を向ける。

俺はその言葉と心の声、何よりその笑顔を見て泣いた。ただ大きな声で、母親に抱きついて泣いた。俺を再び抱きしめる母親と、それを見つめる父親と友人たちに感謝しながら・・・

その後俺は全てを話した。皆はただそれを聞いてくれた。ただそれだけの事。

友は俺と共に有り、俺と共に悩むことを。

親は俺と共に有り、俺を救うことを。

そう誓う心の声を俺は聞いていた。泣きそうになるのをただこらえながら・・・

翌日から俺はいつもの生活に戻った。

変わったのは俺が友人たち以外の存在から距離をとるようになったこと。

両親が俺を救うすべを求めて方々を駆け巡るようになったこと。

それから一年後、俺は転校することとなった。両親は悩んだようだが俺はそれにしたがった。

その少し前に俺の一番親しかった友人が転校して行ったが、たまに電話や、手紙をくれていたので、離れていても友人が変わるわけではないとわかったから。

それから中学に入り、現在の高校に入るまで、俺は人とは距離をとり、力を隠してきた。

それは楽しい学校生活とはいえなかった。友人がいないわけではなかったが表面的な付き合いでしかなかった。部活もなにもせず、ただ過ぎる日々。

両親はその後も色々調べていた。病院、大学、神社、寺、はては町の占い師なんかにも尋ねたらしい。

そして中学卒業とほぼ同時期に訪ねた一つの教会。そこから俺の生活は一変した。

神に会い、力の制御と師。そしてなにより友人、いや、相棒を手に入れた。

それから多くの人と出会い、今の生活を手に入れた。

いろんなことがあった。危険な目にだってあった。でもあいつが、

いつも笑顔で、どじばっかりだけどなぜか憎めない相棒がいたから・・・楽しかった。


「てな事を考えてたんだ。以前に比べれば俺はほんとに今の生活が楽しいんだよ。」

俺の言葉を愛子はただ聞いていた。

「そっか・・・大変だったんだね・・・」

「ああ・・・」

しばしの沈黙・・・

「ねえ、横島君?」

その沈黙を破ったのは愛子だった。

「それじゃなおさら、青春を楽しまなきゃだめだよ?今までのぶんを取り戻すぐらいの勢いで楽しまなきゃ!」

青春か・・・

「そっか・・・そうだな。」

「そうよ!いっしょに青春を謳歌しましょう!」

その愛子の態度が・・・俺の話を聞いても変わらない態度が俺は嬉しかった。


その後愛子と別れて帰宅した。外はすっかり暗くなっていた。

俺は部屋へと入ると、一枚の紙がテーブルの上に載っていることに気がついた。

それには・・・

『竜の巣(妙神山)で滅びの言葉を聞いたので今日は立ち直れません。
           PS、ヒャクメは死なぬ!何度でも蘇るさ!!
                   らぶりーひゃくめんより。』

ラ○ュタかよ!?しかもまた某ム○カ大佐になってるし・・・

俺はそのメモに呆れながらも今日のことを思い出す。

そしてふと思いついて、受話器をとる。

自然に動くほど掛けている番号を押す。まずは・・・

プルル、プルル・・・・がちゃ!

「あ、横島です。・・・ええ、お久しぶりです。何とか元気でやったます。あの、銀ちゃんは・・・」

「ああ、ひさしぶりやな、元気か?・・・うん、ならええけど・・・実はな、あの力、何とかできるようになったんや・・・うわっ!でかい声ださんでも聞こえてるて・・・ほんまや、ほんま・・・」

俺はその後一人目の大切なの友人とたわいのないことを話した。そして受話器を置く。

そして俺は再び受話器をとり、もう一人の友人へと電話を掛ける。

プルル、プルル・・・・がちゃ!

「あ、夏子か?俺や、横島や。・・・いや、しばらく連絡しなかったのは謝るから・・・ああ、実はな、さっき銀ちゃんにも話したんやけどな・・・いや、順番なんてどうでもいいやろ・・・怒るなや、実は俺の力あるやろ・・・うん、あの力。あれ制御できるようになったんや・・・うん、ほんま・・・泣くなや・・・うん・・・」

俺はその後も友人と話を続けた。あの時と変わらない、友情を確かめながら・・・


あとがき
ヒャクメ出番なし!!愛子を出せたんで自分的には問題なし。ヒャクメのらぶりーひゃくめんは賛否両論になりそうだな〜とか思ったりしてます。次はパイパー編を予定してますが・・・横島君戦いません!!というかパイパー出てきません!!少し暴走する予定です。
というかわたしの好きな某キャラを使う予定ですのでお楽しみに〜。
追伸
スケベビッチ・オンナスキー様のご指摘を受けましてあとがきのバイパーの誤りをパイパーに訂正いたしました。スケベビッチ・オンナスキー様、ご指摘ありがとうございました。

レス返し
初めにご意見、ご感想を寄せていただいた皆様に感謝を・・・

零式様
一番おめでとうございます&ありがとうございます。ヒャクメはボケ担当なんで、小竜姫様とからむとこんな感じになります。しかし横島の代替・・・言われてみると・・・

甲本昌利様
それは考えたんですが、目玉焼きのレシピだと、書くことがすくなかったのでやめました。一応追美味しんぼなみにかいてやろうかと思ったんですが・・・

内海一弘様
今回はお休みでした。それでもボケだけはしていきましたけど。生きた証がアレなのはヒャクメらいいかなとも思ったんであんなんにしてみました。

亀豚様
南無〜。いやいや、小竜姫様は暴走させやすいんですが、ヒャクメと絡むとあんな感じです。喧嘩?するほど仲がいいと思ってください。(汗)

寝羊様
小竜姫様の神装術は考えたんですが、現在の横島君の霊力では問題ありそうなんで不可に。でも面白そうなんで構想としてはとってあります。もしかしたら?

スケベビッチ・オンナスキー様
言われてみれば多いですね。これからはかわいい胸と!決して貧乳とか、ナイチチではないと!って仏罰下されそうのことを口走ってみました〜。

ゆん様
確かに感度は大ってなんか来たーー!!なんか太くて長くてにょろにょろして、うわぁぁ火、火はやめて〜!ただでさえ暑いのに〜!

ラッフィン様
更新速度は自分でも速いとは思うんですが、なんとなく二日で書きあがるんですよね。ラッフィン様のようにオリジナルキャラ使えればいいんですが・・・う〜ん難しいですね。

kamui08様
私はよく小竜姫を商流姫と変換ミスします。商いの神様になってしまします。それはそれで原作の横島くんや、美神さんと絡ませればおもしろそうですが・・・

にく様
美神さんは絡むことが多いんですが出番は少なめです。節目節目の大きな事件以外のときによそに行く形にしていくつもりですんで、今後ともご期待下さい。

への様
そこは原作どうり秘密と言うことで。しかし確かに小竜姫様の貧乳ネタはどこから始まったんでしょうね?

うけけ様
ギャグキャラはそう簡単に死にません!!人界では横島君が危険な目にあうことが多いので妙神山ではヒャクメに体張って頂いています。

無虚様
それは見てみたいですね〜。私が見たことあるのは横島のおかげで大きくなった小竜姫様ってのですね。どちらにしても見てみたい。

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