俺たちはパラシュートを使い、無事飛行機から脱出できた。
その後近くにいた船を徴発(汗)。
ごめんなさい、見知らぬ男性。俺には美神さんは止められない・・・
「しかしあのコウモリの群れはなんだったんですか?」
「そうね。ピート、いいかげん敵の正体ぐらい教えてくれてもいいんじゃない?」
「・・・・敵の名はブラドー伯爵。最も古く最も強力な吸血鬼の一人です。」
吸血鬼。俺でも知っているぐらいメジャーな奴だな。
美神さんたちはその後も話を続けているが、俺はヒャクメとおキヌちゃんに問いかける。
「なあヒャクメ?吸血鬼ってよく映画なんかに出てくる奴だよな?」
「そうなのね〜。大体横島さんの知ってるとおりなのね〜。人間をはるかに超える力を持ち、相手の血を吸うことでいのままに操る。だいたいそんなとこなのね〜。」
「へ〜。怖い相手なんですね〜。私も気をつけなくちゃ。」
おキヌちゃん・・・キミから血を吸うことは出来ないと思います・・・・
そんなやり取りをしながらも無事に目的地らしき島が見えてきた。
「ピート!あの島か?」
「ええ、あそこが目的地、ブラドー島です。」
俺たちは島に上陸した。
そこは強力で邪悪な波動に包まれた島だった。・・・美神さんのうけうりだが・・・
島にある村を訪れた俺たちが目にしたのは人が一人もいないさびしい風景。
そしてなぜか無事なドクター・カオスとマリア。・・・普通死にます。恐るべしマッドサイエンティスト。お約束どおり自分の発明の爆発では死なないみたいだ。
最後に・・・メガネ・・・唐巣神父の物のようだ。くっ、無事でいてくださいよ。
俺たちはとりあえず比較的大きな民家で夜を明かすことになった。
それはいいんだが・・・なんで宴会になるんだ?カオスは食いまくってるし、美神さんはワインを飲んでいる。エミさんはピートに迫ってる。冥子ちゃんは「キャンプみたい〜〜」なんて言ってる。俺にはその余裕がわかりません。
「横島さん、ちょっといいのね〜?」
「なんだ?」
とりあえず食事を終えた俺にヒャクメが声をかけてきた。
「実は私今、たいした力が使えないのね〜。」
「は?」
ヒャクメの力が使えない?どうゆうことだ?
「この島どっちかって言うと魔の力が強いのね〜。さすがにこんなとこでは神族の私は本来の力を使えないのね〜。」
「ふ〜ん、まあなんとかなるだろう。」
「まだあるのね〜。横島さんの力は使えるのね〜?」
「ちょっとまて、誰かに頼んで試してみる。えっと・・・冥子ちゃん?」
「な〜に〜?」
「すいませんが少し力を使えるか試したいんで、えっと・・・今したいことを考えてください。」
「いいわよ〜。」
そう言って冥子ちゃんは考え込む。彼女はいい意味でも悪い意味でも裏表がない。修行中でもそうだったが、今まで知り合ったどの人間よりも俺の力を気にしない。
(令子ちゃんと〜UNOがしたいの〜〜。あ、やっぱりみんなで〜〜。)
「ふむ。使えるみたいだぞ。あ、冥子ちゃんありがとうございました。もういいですよ。」
「そう〜。横島君も〜UNOしましょうね〜。」
「はは、わかりました。」
そう言って冥子ちゃんは美神さんたちのところに戻っていく。
「横島さん、今冥子さんの心の声しか聞こえなかったのね〜?」
「ん?そういえばそうだな。」
「やっぱりいつもより力が使えないみたいなのね〜。普段なら周りの声も聞こえるはずなのね〜。」
「そうか、俺的には歓迎できることだがなにか問題でもあるのか?」
「少しあるのね〜。おそらく神装術はいつもより弱くなると思うのね〜。」
ふむ。まあヒャクメの力を借りるんだから当然か。使いたくもないが・・・
「でもそれぐらいなのね〜。横島さん本来の霊力には影響はあんまりないみたいなのね〜。」
「そうか。でもまあ、これだけのGSがいるんだから何とかなるだろ。」
言いながら美神さんたちがいるほうに視線を向ける。
そこにはUNOをする美神さん、おキヌちゃん、冥子ちゃん、マリアがいた。
?ピートとエミさん、それにカオスがいない。
「?美神さん?ピート達はどうしたんですか?」
「ああ、ピートなら少し前に見回りに行くって出て行ったわよ。」
「横島さん!いやな予感がするのね〜!!三人を探しにいくのね〜!」
「ああ、わかった。」
俺は取り合えずヒャクメの指示に従い入り口へと向かう
「ちょっと待ちなさい!いくらなんでも危険よ!」
「大丈夫なのね〜。私は神族だから吸血鬼に血を吸われても操られたりしないのね〜。」
ヒャクメは入り口の前で振り返ってそう言う。
バン!ガン!
「気をつけろ!!来たぞ!!」
カオスがいいタイミングでドアを開けて入ってきた。それはいいんだがズボンぐらいはけ!!
「へ、変態ーー!!」
あ、美神さんにしばかれた。
あれ?ヒャクメは?
「い、痛いのね〜。いったいなんなのね〜?」
あ、開いたドアで頭を打ったらしい。涙目で頭をさすっている。
ん?そういえばカオスがなんか言って入ってきたな。たしか「気をつけろ」だったかな?
気をつけろ?気をつけろって事は敵か!?
「あれ?エミさんちょうどよかったのね〜。今から探しに行こうとしてたのね〜。」
いつの間にか来ていたエミさんにヒャクメが話しかける。
あれ、エミさんの様子がおかしい・・・それにピートはどうしたんだ?
俺がその疑問を口に出そうとした時
カプ。
「あう。」
ちぅ〜〜〜〜〜〜〜
ヒャクメがエミさんに噛み付かれ、血を吸われた。
「ちっ!エミが吸血鬼にやられたか!みんな!気をつけて!敵がきたわ!!」
「ああ、わしのセリフ!!」
美神さんの言葉に皆が身構える。冥子ちゃんはさっきのカオスの姿を見て気絶してしまったが・・・
ポン!
エミさんがヒャクメから口をはなした。
吸血鬼に血を吸われると操られてしまう。でもヒャクメの話では神族は大丈夫らしい。
ヒャクメは俺達の方に振り返り、いつもの笑顔を向けた。
「・・・・みんなごめんなのね〜。操られちゃったのね〜。」
「「「「へ?」」」」
そこには可愛らしい牙をはやしたヒャクメがいた・・・・
・・・・ヒャクメ・・・・お前は本当に神様なのか?
あとがき
吸血鬼化したのはエミさんとヒャクメでした。力が弱まっていたので操られてしまったようです。うう、しかし今回マリアとエミさんがしゃべってない。とりあえず次でブラドー編は最後です。
レス返し
初めにご意見、ご感想を寄せていただいた皆様に感謝を・・・
EVE様
すいません。あんまり驚きはないですね。次は少しシリアスを書くと思いますのでメリハリには気をつけたいと思います。
亀豚様
横島くんとヒャクメのかけあいはあんな感じです。それにおキヌちゃんの天然が加わると・・・
しあわせうさぎ様
どうしても原作の話を追おうとすると美神に絡んでしまいますね。うう、もう少しオリジナル性を出していけるようかんばります。
ゆん様
美神さんが吸血鬼化すると前衛をつとめれるのがマリアだけになってしまうのでやりませんでした。申し訳ありません。
内海一弘様
ヒャクメは基本的にはそんな感じです。私的にはやくたたず属性は活かしていきたいので。
meo様
もしかしたらそうかもしれませんね。(笑)ルシオラはまだまだ出てきませんが書く時に参考にしてみたいと思います。
への様
少し強引かなとも思いましたが美神を使いました。ほかの候補に冥子ちゃんが上がってたりしてましたが、おキヌちゃんを出したかったのでこちらに。
kamui08様
ご意見に賛同させていただきます!!やっぱりヒャクメはこんな感じでした。
スケベビッチ・オンナスキー様
うう、やってしまいました。子供の頃のうろ覚えだったんで少し悩んだんですが・・・訂正させていただきます。ご指摘ありがとうございました。