闘龍寺での修行期間も終わりを告げた。
これで美神、六道、小笠原、闘龍寺の唐巣神父に紹介された4ヶ所は全てまわった。
とりあえず、以前よりは霊力を扱えるようになったと思う。自分では詳しくわからんがヒャクメが霊気が安定してきたと言っていたので修行の成果だと思う。
たしかに以前よりサイキック・ソーサーを作っても疲れなくなったし、長く出せるようになった。
神装術は・・・使えるには使えるが3分で頭が限界。ウル○ラマンか、俺は?
それ以外にもいろんな人と知り合えた。俺は実はそれが一番嬉しかった。
力を制御できるようになった前と後では大違いだ。
弟子入り修行最終日の翌日。
外はあいにくの雨。俺たちが唐巣神父のもとに報告へ行こうとした時に俺の部屋を訪ねる者がいた。
「あ、おキヌちゃんいらっしゃい。」
「いらっしゃいなのね〜。」
訪問者はおキヌちゃんだった。
「横島さん、ヒャクメ様こんにちは。」
そう言っておキヌちゃんが挨拶をする。おキヌちゃんはこうしてたまに遊びに来る。
俺たちは唐巣神父の所へ行くことを話すとおキヌちゃんも来るというので一緒に行くことにする。
「そういえばおキヌちゃん、今日は美神さんの所の仕事はどうしたのね〜?」
「あ、今日はこんな天気なんで美神さんがお休みにするって言ってました。」
「雨が降ったらお休みって、どっかの王様みたいだな。」
「?」
「ハメハ○ハ〜なのね〜。」(クネクネ)
俺の言葉におキヌちゃんは疑問の表情を浮かべるが、ヒャクメはクネクネ踊りながら答えた。
「さておキヌちゃん。早く唐巣神父のところに行こうか。」
「は〜い。」
俺の呼びかけにおキヌちゃんは元気に答える。
「ちょ、つっこむか止めるかして欲しいのね〜!」
ヒャクメの叫びが聞こえたが気にしないで俺たちは教会へと向かった。
「ひどいのね〜!!」
そんなやり取りをしながも教会についた。
しかしここで問題が発生しました。あいにく唐巣神父が留守でした。
「それでどうするのね〜?」
「う〜ん。留守だしな〜。出直すのが無難かな?雨の中待ってるのは辛いもんがある。」
「それじゃ、美神さんのところにいきませんか?今日はお休みだから暇そうでしたし。」
おキヌちゃんがそう提案してくる。
「それもいいのね〜。」
「そうだな。修行もひと段落したし、美神さんの所に顔を出すのもいいか。」
「それじゃさっそく行きましょー。」
俺たちはおキヌちゃんを先頭に美神さんの事務所へと向かった。
だが、そこで俺たちを待っていたのは
「あ、おキヌちゃんいいところに。大口の仕事が入ったから準備して!横島くんもいいところに!あんた暇?暇よね!あんたも荷物持ちでついてきなさい!ヒャクメは・・・どうでもいいわ・・・」
「ひ、ひどいのね〜!どうでも良いってなんなのね〜!!」
「ま、まあまあ・・それはいいんですけど美神さんいったいどこに行くんです?」
「地中海よ!!」
怒涛の勢いの美神さんの地中海への強制というの名のご招待でした・・・
数日後、ローマ空港・イタリアに俺たちはいた。
詳しく話を聞くとその仕事は唐巣神父からの依頼らしい。唐巣神父には世話になりっぱなしだから、多少でも役に立つならと思い付いて来た。まあ、拒否権はなかったんだが・・・
「横島さん、どうしたんですか?」
俺に話しかけてきたのは金髪の男、ピート。なんでも唐巣神父の弟子らしい。
「いや、気にしないでくれ。顔見知りが多いんでびっくりしてただけだから。」
俺はそう答える。ある意味嘘は無い。
目的地へと飛び立った飛行機の中には顔見知りが多くいた。
まず美神さんとおキヌちゃん。次に小笠原エミさん。このとき初めて知ったんだがこの二人仲悪かったんだな。
次に六道冥子ちゃん。あいかわらずのほほんとしていた。
顔見知りはこのくらい。ちなみにヒャクメは「留守番は嫌なのね〜。」と言って付いて来た。
「そうなのね〜。これで闘龍寺の関係者がいれば横島さんの弟子入りしてきたところが全部そろうのね〜。」
「闘龍寺といえば一応依頼したんですが、なんでも代表の方がうなされていて話にならないらしくて断られてしまいました。」
「ヒャクメ?」
俺はピートの言葉を聞くとヒャクメに問いかけた。
「何のことだかわからないのね〜。(汗)」
あやしい・・・まあ正元さんがまたなにかたくらんだのがばれたんだろうな。南無―。
「そういえばあそこのご老人は知らないな。」
俺はそう言って大きな縦長な箱を傍らに置き、黒いマントを付けた老人に視線を向けた。
「ああ、あの方はドクター・カオスです。かつてはヨーロッパの魔王とまで呼ばれた方ですよ。」
ピートが親切に説明してくれた。ふむ。挨拶ぐらいしておくか。
「なんじゃ小僧?」
「いえ、今回ご一緒するのでご挨拶をしようと。はじめまして俺は横島忠夫と言います。」
俺はそうカオスに挨拶をする。
「私はヒャクメなのね〜。」
「ぬお!?こいつは神族か?小僧、妙な連れを連れとるのう。」
「妙ってなんなのね〜!」
ヒャクメがむきになって反論する。いや、普通神様連れて歩かんだろう?
「まあいい。わしの名はドクター・カオス。ヨーロッパの魔王にして不死の錬金術師じゃ。ほれマリア、おまえも挨拶せい。」
カオスはそう言って箱に声をかける。
「イエス・ドクター・カオス。初めまして・横島さん・ミスヒャクメ。マリア・です。」
「うお!?」
箱の中から女の子が出てきた。
「へ〜、アンドロイドなのね〜?流石ヨーロッパの魔王は伊達じゃないのね〜。たしかに千年生きてるだけあるのね〜。」
「千年!?」
「なんじゃ小僧、人の話はよく聞くもんじゃぞ?先ほど言っただろう不死の錬金術師だと。」
は〜いくらかこの業界にも慣れてきた気がしてたんだがまだまだだな。
ザァァァァァァ・・・・
俺が呆れていると外からおかしな音がした。
な、いつの間にかコウモリに囲まれてる!!
周りが騒がしくなる。まあコウモリぐらいなら飛行機の中に入ってこないからいいんだが、俺は見てしまった。パラシュートをつけて脱出するパイロット達を・・・
「これは流石にやばくないか?」
俺がボソッとそう言う。ピートが必死に落ち着かせようとしているがお前さんが一番あわててるよ。
「諸君、ここは私にまかせたまえ。」
そう言ってドクター・カオスが前に出る。
「こんなこともあろうかと!!マリアにジェットエンジンを積んでおいたのだ!!」
カオスが満足そうに言う。こんなこともあろうかと、か。なんかその言葉を聞くと爆発しそうで不安になります。李○蘭?ウリ○タケさんでも可。
「行けマリア!天才の頭脳が燃えないゴミから造り上げた新兵器の威力を見せるのだ!!」
「イエス、ドクター・カオス!」
・・・不安は的中しました。マリアはドクター・カオスを連れて飛び立ち、飛行機の壁を破壊して戦線を離脱。数秒後爆発。お約束だな〜。
「なんであんな奴呼んだのよっ!」
美神さんがそう叫んでます。さてと・・・
「やばいワケ!この飛行機どんどん落ちてるワケ!」
「え〜〜、どうしようかしら〜?」
「大丈夫です。死んでも生きられます。」
「み、皆さん落ち着いて・・・」
「やばいのね〜!」
皆さんあわててますな。つーかヒャクメ、お前には言いたいことがある。
「皆さん、はい。」
そう言って俺はヒャクメとおキヌちゃん以外にそれを渡す。
「「「「へ?」」」」
「パラシュートです。さっき見つけました。」
そうなんだ。俺が落ち着いてたのは先ほどこれを見つけたからなんだ。
「ちょ、なんで私にはないのね〜!?」
ヒャクメは俺に食って掛かる。
「お前は少し落ち着け!お前瞬間移動できるし、第一!お前飛べるだろうが!!」
「あっ!」
ヒャクメはそう言ってごまかすように笑みを浮かべた。
・・・・こいつ、普通に忘れてやがったな。少しはおキヌちゃんを見習え!!
あとがき
今回からブラドー編です。今回はピートとカオスの紹介でした。今回は2,3話で構成する予定です。正直、ここで悩んでいるのは吸血鬼化する人選です。おそらくエミさんは確定。あと一人か二人・・・おキヌちゃんとマリア以外で。
レス返し
初めにご意見、ご感想を寄せてくださった皆様に感謝を・・・
秋桜様
ギョロギョロ動く目は良いですね。おそらく使わせていただくと思います。ご意見ありがとうございます。
甲本昌利様
今回からブラドー編です。かおりも出そうかと考えたんですが、実力的に無理かと想い断念。
寝羊様
神族化は考えてますけど、使うかはわかりません。道具代わりに使われる・・・う〜んありそうですね〜。
ゆん様
乙女は強いですから、ある意味神様超えますね。神装術は副作用のため3分が限界としました。変身もののおきまりかですかね。
内海一弘様
このネタはヒャクメを使うならいつかやってやろうと考えていたものです。自分的にはかなり満足してたりします。
EVE様
今回のブラドー編はもしかしたらギャグが強くなるかもしれません。横島くんのつっこみにご注目下さい。
亀豚様
横島くんの弟子入り先は唐巣神父が帰ってきてからですね。お楽しみに。
SS様
ヒャクメのヒロインフラグはこれからもちょこちょこたててくと思いますが、横島君が気づきタイミングが難しいですね。というか気づくのかな?
古人様
妖怪仕置き人・・・それで違う話が書けそうですね(笑)
meo様
in韋駄天八兵衛で思い出したんですが、前回ボツにした技名でひょーいがっ○いinヒャクメなんてものがあったりします。
kamui08様
「心眼」の鋭いご意見ありがとうございます。実はGS試験用のネタで思いついたものに「心眼」が関係するものがあったりします。どうなるかわかりませんがお楽しみに。
への様
ご想像の通り接近戦が出来ない為、しばらく前衛にガード以外で横島くんがでることはないと思います。一応そのことは考えてありますがもう少しあとになると思います。
ういっす様
正元さんはギャグキャラにしてしまいました。しかも今後その実力を見せる機会はあるか微妙です。・・・ほんとに成仏してください。