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!警告!壊れキャラ有り

「一つの可能性 (2) (GS)」

ダヌ (2006-07-26 08:32/2006-07-27 23:43)
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アシュタロスとの決戦から数日後、都庁本部にはGSメンバー達が集結していた。
アシュタロス事件における報告書を作るために、当事者となった美神や横島をはじめ、主だったメンバーが集められたのだ。
体は小さいままながら、ルシオラやベスパも参加している。
もっともルシオラはある部分に関しては以前よりも大きくなっていたが…。


「結局アシュタロスは一種の適応不全だったわけね。あいつは自分が魔物であることに耐えられなかったのよ」
美神のその言葉にワルキューレが応える。
「奴の気持ちも多少は分からんでもないよ。押し付けられた秩序には…思うところもあるからな…」
その言葉に異論を挟む者はいなかった。
ベスパから伝えられたアシュタロスの想いに、少なからずも同情を、あるいは共感を覚えてしまっていたからだ。

どこか重たい雰囲気を打ち破ったのはやはりあの男だった。

「ともかく、済んでしまったことをあれこれ考えてもどうしようもないっすよ!
あいつの中で譲れない想いがあったように、俺たちにも譲れないものがあった。
俺たちは精一杯あがいて…今を手に入れたんです!
胸を張って、前に歩く。
それが、俺たちがあいつにやってられる唯一のことなんじゃないんですか!?」


一つの可能性 (2)


「ヨコシマ…」
「横島クン…」

横島の言葉にその場にいた者たちは一様に驚きながらも、彼の言葉を胸にかみしめていた。
横島の言ったことはただの綺麗事かもしれない。
だが、この煩悩少年はあれほどの闘いの後に、その言葉を吐いたのだ。
横島はすでに前を向いて、歩き出そうとしている。

「確かに…そうかもね…それにアシュ様は望みを果たすことができたんだ。アシュ様もお前たちに感謝…はわからないけど、恨んでるなんてことはないはずさ」
最もアシュタロスを理解し、敬愛していたベスパからもそんな言葉が洩れる。

そして横島に目を向けると…
横島は美知恵に迫っていた。

「で、俺とルシオラはいつから一緒に住めるんすか!?」
「え!?…ええっと…」
「まだお預けなんすか!?やっと…やっとアシュタロスを倒したのにまだお預けなんすか!?」
ルシオラたちはアシュタロス戦での貢献を認められたとはいえ、様々な問題も重なり、いまだ本部に留まらざるをえない状態であった。
もちろん横島も本部にいるのだが、たくさんの人がいる環境というのは彼にとっていろいろ問題らしい。
具体的に言えば、『煩悩』だが…
「俺なんか一生ヤれずにカリカリしとれとゆうんすかー!?彼女がいる横島は横島じゃないとかぬかすんすかー!?俺は前を向いて歩いていくとあいつと約束したんんすよ!前を向いて!一歩一歩!大人の階段を昇るって!そうだろ?アシュタロスー!!」
そんな約束をいつしたのかは定かではないが、横島は血の涙を流しながら空に向かって叫び続ける。


そしてもちろん…
「あんた全然成長してへんやんかーーーー!!」
という美神のツッコミと共に神通棍が横島に突き刺さった…


空には菩薩のような笑みを浮かべたアシュタロスの顔が浮かんでいた…


血まみれになって部屋の端に転がっている横島。
先ほどまでは小刻みに痙攣を起こしていた彼も、今はピクリとも動かない。
ルシオラが必死に呼びかけているが、全く反応を起こさない。
普通の人間ならば入院ものだが、誰も気にすることなく話は続いていく。


「で、ルシオラたちの処遇はどうなったの、ママ?」
あらためて質問する美神。
「そうね。ベスパさんとパピリオちゃんの処遇は一応決定したわ。ベスパさんは魔界正規軍への入隊、パピリオちゃんは妙神山で修行…ルシオラさんはようやく決まったわ…」

ルシオラの処遇の問題になっていたのは横島のことである。
横島の霊体には多くのルシオラの霊体が混ざっている。
現在は問題ないが、前例のないことであり、どのような事態が起きるかは全く分からないのだ。
そのため、霊体を制御できる可能性を持つ自分は常に横島の側にいなければならない、とルシオラが主張したのだ。


実は…全く根拠はないのだが…


もちろん横島と一緒にいるためである。
愛する男のためならどんな適当なことも言えるらしい…


「ルシオラさんの主張が通ることになったわ。たぶん今日中に通達が来るんじゃないかしら。横島君は特例でGS見習いからS級GSへと昇格。これは今回の多大な貢献と『人類唯一の文珠使い』としての能力を考慮した結果よ。そのうえで、彼がルシオラさんを保護する、という形になると思うわ」
「そう…結局一番いい形に落ち着いたと思うわ…」

少し淋しそうに美神はつぶやく。
意地っぱりな美神だが、さすがに自分の心のなかにある想いに気づいていた。
しかし、彼女の性格からして横島に対してアプローチをかけるようなことはできなかったし、そもそもルシオラが現れたことで気づかされた想いだった。
行動を起こすには遅すぎた。
それに彼女はいつまでもウジウジと悩むような性格ではない。
彼女は『美神令子』なのだ。

「ま、何があっても私にとって横島クンは丁稚よ。これからもこきつかってやるんだから!」
「ほどほどにしなさいよ…令子…」
娘の意地っ張りさに少し呆れながら、美知恵は話を進めるのだった。


美知恵の言っていた通達は予定どおりその日の午後に届き、横島とルシオラはようやく横島の部屋へと帰ってくることができた。

「やっと…やっと俺の望みが!時代が!やってきたぁぁぁぁぁぁぁ!!」
本日二度目の血の涙を流す横島。
美神にしばかれたことを考えれば、今日一日で『さんりったー』は血をながしているだろう。
軽くトランス気味の横島にルシオラが話しかける。
「ねぇ、横島。文珠を出してくれない?」
「ん?別にいいけどなんに使うんだ?」
「ある程度時間が経てば元の大きさに戻れるとは思うんだけど、文珠を使えばすぐに戻れると思うの。それに…この大きさじゃ、その…あれ…なんて、で…できないじゃない…」
と言いながら俯くルシオラ…
一気にリミッター限界まで上がる横島の煩悩!!
「いくらでも持ってけ、こんちくしょぅ♪」
訳の分からないセリフを言いながら10個近くの文珠を渡す横島。


そして…ついに待ち焦がれた瞬間が訪れた…かにみえた…


「そ…そんな…」
「ど…どうしたんだ、ルシオラ!?」
「な…ないのよ…」
「な…何が!?」
「む…」
「む?」
「胸がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
狂ったように叫ぶルシオラ。
何故かルシオラの胸は元のAカップに戻っていた。
そもそも大きくなった理由も分からないのだから、小さくなった理由もわからない。
これも宇宙意思なのか…


そして…

アシュタロスとの死闘が終わった数日後…

再び人界(主に横島の家)に…

魔王が降臨した!


「これが…これがアシュ様の言っていた宇宙意思なの!?憎い!この世界が憎い!私は必ず抜け出してみせるわ、この『貧乳の牢獄』から!アシュ様!あなたの意思は私が受け継ぎます!」


夜空には菩薩のような笑みを浮かべたアシュタロスの顔が浮かんでいた…


〜おまけ〜
この話を聞いたさる神族の女性は、喜びと憎しみ、二つの感情を浮かべながら、こうつぶやいたと言う。
「仏罰です!」
彼女もまた『貧乳の牢獄』であがく者だった…


あとがき
美神さんがあっさり身をひくのに違和感を感じるかもしれませんが、姉さんキャラのイメージにしてみました。
ご都合主義通り越して、理不尽主義になってるとこも含め、ご指摘お待ちしております。できれば生暖かい目で見て頂けるとありがたいです。
では、よろしくお願いいたします。

レス返し
○寝羊様
横島の叫びのモデルは変態仮面です。今回の壊れも楽しんでいただければ嬉しいです。
○SS様
すいません!巨乳ルシは燃え尽きてしまいました。いつか…復活させたいです。
○かなりあ様
オリジナルも考えていますが、最初は原作の流れでいきたいと思っています。
すでに壊れてる、とツッコまれるかもしれませんが…
○亀豚様
お言葉ありがとうございます!最初はシリアスにするつもりがいつもまにか…
お気に召していただけて嬉しいです。
○やぷ〜様
すいません、結果として、やっぱり仲間に…小隆起さまよりもルシオラの方に自殺の可能性が…
○ローメン様
楽しみと言ってくださったバトルを消すようなマネをしてほんとすいません。
小隆起様とは絡ませたいと思っています。
○kamui08様
笑っていただけて、ほんと嬉しいです!
あの一撃は『煩悩と煩悩のラブラブ天○拳』ってことにしてます。
○HEY2様
黒キヌちゃんというより、黒ルシになってしまいました…すいません!
壊れ註釈いれました!ご指摘ありがとうございました。

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