冥子ちゃんに弟子入りして数日後・・・
俺たちはなんとか生きて弟子入り期間を終えることが出来た。
ちなみに次の仕事からはヒャクメに本格的に手伝ってもらった。
内容はヒャクメが除霊に入る前に霊視をして事前に相手の位置を確かめておく。
次に俺が前衛になって霊を足止め。その間にヒャクメに敵の弱点を調べてもらう。
最後に冥子ちゃんの式神が弱点に攻撃するというものだった。
これで何とか暴走を少しは押さえ込むことが出来た。それでもするときはするんだが・・・
まあ五体満足で無事に終わったんだから良しとする!!
別れ際に冥華さんに本格的に弟子入りしないかと誘われたが・・・逃げました。
まあそんな訳で次の弟子入り先に行くわけだが予定では明日からだった。
ちょうど今日は日曜のため俺はひさしぶりにのんびりしようとしていた。
「しかし何にもない日っていうのも久しぶりなのね〜。」
「そうだな〜。」
私はいつものように横島さんの所に来ていた。
私たちは特にすることもなく、昼食をすました後なんとなくテレビを見ていた。
「なあヒャクメ?」
「なんなのね〜?」
「ちょっと聞きたいこ「すみませ〜ん。」ん?誰か来たのか?」
横島さんは言葉を切ると来客を確かめに玄関へと向かった。私もそれについて行く。
ガチャ。
「はーいっと。あれ?おキヌちゃんじゃないか?どうしたの?」
「はい。美神さんが今日はお休みにするって言ったんで遊びに来ちゃいました。」
来客は美神さんのところの幽霊少女、おキヌちゃんだった。手にはなにか袋を持っている。
「そっか。俺たちも暇してたんだ。なんにもないけどとりあえず上がってよ。」
「はい。失礼しま〜す。」
私がおキヌちゃんを観察していると横島さんが上がるように言った。
おキヌちゃんはふよふよと横島さんの後に続いたが私はその時の顔を見逃さなかった。
おキヌちゃんは満面の笑顔だった。
ピキーーン!!
それを見たときに私の持つ百の感覚器官が一つの情報をはじき出した。
・・・・あんた、あの子にほれてるね?
横島さんとおキヌちゃんは笑顔で話している。二人で!!
(む〜、なんかおもしろくないのね〜。)
私は自分でもわからない感情を感じながら、何とか二人の会話に割り込むべく話題を探している。
「あれ?そういえばおキヌちゃんその袋はなんなのね〜?」
私はとりあえず目に付いた袋のことを聞いた。
「え?ああこれですか?お料理の材料です。」
そう言って袋の中を見せてくれた。野菜やらお肉やら色々入ってる。
「へ〜。おキヌちゃんの料理か〜おいしいんだろうなー。」
「そ、そんなことないですよ。」
横島さんがそう言うとおキヌちゃんは顔を赤らめた。
(横島さん余計なこといわないのね〜。)
「あ、あの、横島さんはいつもお食事どうなされてるんですか?」
「へ?ああ、ヒャクメがいるときは作ってくれるけど一人のときはインスタントが多いかな?」
ピク!
私の名前が出るとおキヌちゃんは僅かに反応した。
ハン○―・チャ〜ンス!
「そうなのね〜。いつも私が横島さんのた・め・に!お料理してるのね〜!」
ヒク。
「へ、へ〜そうなんですか〜。お二人は付き合ってるんですか?」
「ははは、まさか。」
「ふふふ、そうですよね〜。」
(うう、横島さんの朴念仁〜。少しは慌てたりするのね〜!)
「そうだ!今度横島さんにご飯つくりに来てもいいですか?」
(なんですとーーーーーなのね〜〜〜!?)
「へ、い、いやいいよそんな悪いし。」
(さすが横島さん!そう言ってくれると信じてたのね〜。)
「ふふ、遠慮しないでください。私がやりたくてやるんですから。」
「そ、そう?じゃあ今度お願いしようかな?」
(はや!裏切るのが早いのね〜)
「あ、いけない!もうこんな時間!美神さんにご飯作らなきゃ!」
「ああ、もうそんな時間か。おキヌちゃん一人で帰れる?もしよかったら送っていこうか?」
「あ、そう「そうなのね〜。一人は危ないから私が送っていくのね〜!」ですか・・・」
私は慌てて言葉を発した。これ以上二人っきりにしてたまるもんか!
「お、おいヒャクメ?」
「私は飛べるし二人で少し空の散歩にしゃれ込むのね〜。」
私は横島さんの言葉を待たず、おキヌちゃんをつれて窓から飛び立った。
「ねえおキヌちゃん?」
「はい、なんでしょう?」
私はおキヌちゃんにどうしても確かめたいことがあった。
「おキヌちゃんってもしかして横島さんのこと・・・・好きなのね〜?」
「へ!いや、そんなこと・・・・」
私の問いかけにおキヌちゃんは顔を真っ赤にした。
・・・わかりやすいのね〜。
「その反応で充分わかったのね〜。でも横島さんのどこに惹かれたのね〜?」
「そ、その・・・優しいところです。」
「あらあら、横島さんもなかなかスミに置けないのね〜。」
「うう、そう言うヒャクメ様はどうなんですか?」
「へ?私?」
「そうですよ。いつも横島さんと一緒にいますし、どうなんですか?」
私?私は横島さんのことをどう思っている?
罪を償うために私は来た。それは本当。
でもそれだけ?本当にそれだけ?
横島さんは私のことを少しも責めなかった・・・・
横島さんは私を心配してくれた・・・・
横島さんは私をかばってくれた・・・・
私は、私は、・・・・・
「それは正直わからないのね〜。」
「そうなんですか?」
「そうなのね〜。ただ・・・」
「ただ?」
「私は横島さんのこと人としても男性としても嫌いじゃないのね〜。」
私はまだ自分の気持ちをはっきり理解できない。
だからこれが私の答え。今の私の正直で精一杯な答え。
「そうですか・・・・」
おキヌちゃんは私の答えを聞くと少し考え込み、そして次の瞬間に
「私負けませんから!たとえ神様相手でも負けませんから!!」
私に宣戦布告した。
「ふふ、そう、そうなのね〜。私も負けないのね〜。」
私はそれに答え、私たちはお互い顔を見合わせ・・・
「「ふふふ・・・」」
少しだけ笑いあった。
横島さん・・・
私たちはあなたに多かれ少なかれ惹かれています・・・
片方は神族。片方は幽霊。あなたとは違うものだけど・・・
私たちにあなたの心の闇を照らすことはできますか?
あとがき
申し訳ありません!!(土下座)レス返しでおキヌちゃんの出番は弟子入り行脚後と言ってましたが・・・ガマンできませんでした。うう、でも自分的には少し満足。
レス返しです
初めに感想、ご意見を寄せていただいた皆様に感謝を・・・
knt様
それはどうでしょう?次回にある程度答えを出すつもりです。お楽しみに。
ゆん様
今回ヒャクメフラグ本格的に発生!!おキヌちゃんも!!次は誰にしましょう?もしくはこれぐらいかな?
SS様
少しずつ解決もしくは回復させていくつもりですが、まだまだ苦労しそうです。
亀豚様
力の取得はお楽しみに。ただ弓編では一つ新技を予定しています。
内海一弘様
「黒」で思い出したんですが・・・内海一弘様「黒」キヌって・げふんげふん!
技はまだ未定です。お楽しみに。
への様
特技と弊害。実はそれで悩んでます。鋭いご意見ありがとうございます。