「や・・・やっと辿り着いたか・・・」
妙神山の門が見える道に佇む心眼。
服はボロボロで所々がコゲている。
「まったく・・・トラックというものがあんなにも危険な乗り物だったとは・・・イナー○ャルドリフトだったか?トラックがあのような曲がり方をするとは知らなかった。」
・・・一体何があったのか?
話は二時間前に遡る。
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現在山道移動中。
「は〜、そっだらその三つ目を治すために山篭りをするだか〜」
「うむ、我が一族は代々成人すると額に第三の目が出現してな。山篭りをして額の目を制御出来る様になって初めて一人前と認められるのだ。」
涼しい顔で大嘘をつく心眼。
「大変だなや〜。」
アッサリ信じる運転手。・・・これで世の中渡っていけるのか心配である。
ブロロロロロロ・・・
「む?後ろから車がブォン!!って速いな!!」
猛スピードで追抜いて行く白黒の車。
「あ!あれは!」
驚愕に目を開く運転手。
「知っておるのか?」
「間違い無ぇだ!あれは伝説のハチロクだべ!」
「・・・はちろく?何だソレは?」
聞き覚えの無い単語に怪訝な表情を浮かべる心眼。
「まさかこんな所で会えるとは思わなかっただ・・・アンタの無敗伝説オラが破ってみせるだ!」
そんな心眼を無視してヒートアップしていく運転手。
「お・・・おい、今はそんな事をしている場合では「行くべ!アクセル全開!」・・・聞ーとらんな。」
みるみる内に白黒の車に追いつくトラック。
しかしそんなトラックの存在に気がついたのかスピードアップしていく白黒の車。
法廷速度をダブルスコアでオーバーしてデッドヒートを繰り広げる白黒の車とトラック。
先にも述べたがここは山道である。
故に直線がいつまでも続くわけが無く。
当然コーナーに差し掛かる。
「おい!こんなスピードで曲がれるわけが無いだろーが!」
「アンちゃん、イナーシャ○ドリフトって知ってるだか?」
(いかん、完全に目がすわっておる・・・)
虚ろな目でワケのわからない事を口走る運転手・・・一度病院で診てもらう必要がありそうだ。
「降ろせー!!降ろしてくれー!!生まれ変わったばかりで死にとーないー!!」
「ウララララァァァァァァ」
ギャリリリイィィィィィ!!
白黒の車が見事なドリフトで曲がっていく。続いてトラックも・・・
ギャリリリリ・・・バゴーン!!!
・・・ドリフトの姿勢のままガードレールを突き破って空中へ・・・
ヒューン
そして地球の重力に引かれて地表へ・・・
ドッカーン!!!
爆発、炎上。
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そして今に至る。
「まったくあの運転手め、私を撥ねたときに無事故無違反とか言っておったがあれでは近いうちに大事故を引き起こしてしまうだろうな・・・。」
ちなみに心眼は着地の直前に車外への離脱に成功しており爆発の余波を受けただけですんでいた。
ハリ○ッドも真っ青のスタントぶりである。
運転手は燃え盛るトラックの横でピクピクと痙攣していたが命に別状は無さそうだったので放置となった。
「さて・・・気を取り直して・・・行くとするか。」
先ほどまで流れていたイヤな記憶を脳の片隅に追いやって心眼は門の前に立つ。
(はて?たしかこの門には何かがあったような・・・)
以前バンダナであった頃に小竜姫の竜気とともに与えられた知識から情報を引き出す
(そうだった、この門は鬼門が守っているのだったな・・・ならば少し脅かしてやるか!!)
「スゥー・・・」
しんがんはおおきくいきをすいこんだ!
「たのもーーーーーーー!!!!」
しんがんはおたけびをあげた!
「「のわぁっ!!」」
きもんAはすくみあがった!
きもんBはすくみあがった!
「フッ・・・。」
何故かニヒルな笑みを浮かべる心眼。
「「何をするか貴様ー!!」」
「おおっ、門がしゃべった。」
相手の絶叫にも棒読みのセリフで返す。
「「・・・」」
落ち込む鬼門s、顔だけで分かりにくいが落ち込んでいる。いるったらいる。
「「と、とにかく我らはこの門を守る鬼、許可なき者我らをくぐるまかりならん!」」
「この右の鬼門!」
「そしてこの左の鬼門あるかぎり!」
「「お主のような三つ目小僧には決してこの門開きはせん!!」」
何とか気を取り直してお約束の台詞を吐く鬼門×2。
しかし!!
ぎーーーーっ・・・
「あら、お客様?」
「五秒とたたずに開いたな・・・」
「「だああっ!!」」
一柱の見目麗しい女神の手によってアッサリと門は開かれた!!
続く!!
「え?え?私の出番ってたったこれだけですか?鬼門達よりもセリフが少ないんですけど・・・」
・・・合掌。
〜あとがき〜
と、いうわけで第三話「心眼、妙神山に着く」を御送りさせて頂きました!
あいも変わらず「短い!」と思われる方もいらっしゃるでしょうがこのお話は一話一話の長さはこんなものと割り切っていただけたら幸いです。
(ちょうどN○Kの忍○ま乱○郎みたいな感じです)
出来る限り一話の長さを長くしようと努力していきますので今後とも宜しくお願いします。