「さて、まずあなたの力についてですが・・・」
その後中へと案内された俺は和風な部屋でちゃぶ台をはさんで小竜姫様と向き合っている。
「あなたは人の心の声が聞こえる。つまり人の考えが読めるということで間違いないですね?」
「はい。」
「それはいつからですか?」
「子供の頃に山で光る眼を見てからです。」
「はぁ。やっぱり眼ですか。」
そういってため息をつく小竜姫様。
「それとそれから幽霊が見えるようになりました。」
「それはおそらくその眼の力を得たときにあなたに霊力が目覚めたせいだと思います。」
霊力。その答えは唐巣神父からも言われたので驚きはしなかった。俺は人よりは強い霊力をもっているらしい。まあ一般人の俺にはそんな物の使い方は知らないからどうでも良い事だが。
「さて、あなたのその力なんですが唐巣さんの言うとうり確かに神族の力を感じます。しかも私のよく知る者の・・・」
そう言って小竜姫様は立ち上がりすぅぅと息を吸う。
「ヒャクメ!!どうせ見ているんでしょう!!早く姿をみせなさい!!早くこないと仏罰を下しますよ!!」
いきなりそう怒鳴る。
「・・・・そうですか。いい度胸です。」
ぽん!
「はいはーい!来たから罰はかんべんしてほしいのね〜。」
そう言っていきなり明るい声をした女性が姿を現した。ヒャクメと呼ばれた女性は大きな眼のついたバックを手に持ち、体のいたるところに眼がついていた。あの眼はどこかで・・・・
「あーーーーー!その眼!その眼だ!!俺が見た眼は!!」
「はぁ。やっぱり・・・」
「ははは・・・」ぽりぽり
俺が叫ぶと小竜姫様はため息をつき、ヒャクメと呼ばれた女性は苦笑しながら頬をかいた。
「小竜姫様、これはいったい!?」
「彼女はヒャクメ。神族の調査官です。」
「どうも〜。」
ヒャクメはそういって笑顔を浮かべながらこちらに手を振った。・・・なんというか・・・軽い。
「そしてあなたにそんな力を与えた原因です。」
「ちょ、もう少し遠まわしに言ってほしいのね〜。」
「事実です!大体なんでそんなところにあなたの眼が落ちてるんですか!?」
なんというか小竜姫様・・・こえぇ。
「そ、それはあそこはちょっとした霊山なのね〜。それでそこの監視が以前の私の仕事だったんだけど・・・」
「だけど?」
「その後回収するの忘れてたのね〜。」
わ、忘れてた・・・俺は忘れ物にこんな目にあわされたのか!?
「そんなもの忘れるんじゃありません!!だいたいあなたは・・・・」
「ひ〜、勘弁してほしいのね〜。」
説教が始まってしまった。めちゃくちゃこえぇ。
「しょ、小竜姫様?」
「はっ、・・・失礼しました。つい・・・」
「た、助かったのね〜。」
「ヒャクメ、この話は後でしっかりしますからね!」
「ひ〜〜〜。」
南無〜。
「ほらヒャクメ!そんなことしてないで早く横島さんの力をどうにかしてあげなさい。」
「わかったのね〜。少しじっとしててほしいのね〜。」
そう言ってヒャクメは俺をじっと見つめる。
「あの?小竜姫様?」
「心配ありません。彼女は情報の収集と分析が仕事です。それに百目の名のとおり100の感覚器官をもっていますのであなたの状態を確実に理解してくれます。」
「はぁ。」
「むぅ〜〜〜。わかったのね〜。」
おおっさすが神様!
「結論から言うと無理なのね〜」
へっ!?
「ちょ、ちょっとまちなさいヒャクメ!無理とはどういうわけですか!?」
「私の眼は完璧に彼と同化してるのね〜。これを封印しようとすると霊力を完璧に封印しなきゃいけないのね〜。」
「なるほど・・・困りましたね。」
「ど、どういう事ですか?」
「あのね、人間は誰でも大なり小なり霊力をもっているのね。それを本人も無自覚だけど自分を護るために使っているのねそれを完璧に封じてしまうと身を護るものがなくなってしまい多分悪霊のかっこうの餌になって死ぬか体を乗っ取られてしまうのね〜。」
「そ、それじゃ俺は死ぬまでこのまま?」
ははっ、泣けてきた。
「そう悲観したもんじゃないのね〜。あなたは幸いなかなかの霊力を持っているのね〜訓練すれば封印は無理でも制御することはできるのね〜。」
「ほんとか!?」
「ほんとなのね〜。」
「それはいい考えですね。今回のことはこちらに原因があることですしあなたが良ければ稽古をつけてあげますよ。」
小竜姫様・・・
「はい!よろしくお願いします!」
よーしやるぞー。
「がんばってね〜。それじゃ私はもどるのね〜。」
がしっ!
「あら?どこにいくんですか?」
そう言って小竜姫さまはヒャクメをつかんだ。
「どこって仕事に戻るのね〜。」
「あら、あなたには横島さんに制御方法を教えてあげないと。」
「へ?小竜姫様が教えてくれるんじゃないんですか?」
「残念ながら私は人の心は読めませんし、なにより元はヒャクメの力です。彼女に教わったほうがより確実です。それに・・・」
そう言いながら小竜姫様はヒャクメに笑顔を向けた。
「まだヒャクとの話が途中ですから。」
「覚えてたのね〜〜。」
さいですか。ヒャクメ・・・再び南無〜。
「ああ、それと私もあなたに稽古をつけてあげますから。」
「へ?」
「ふふふ、一から人に教えるのは初めてです。腕が鳴りますよー。ちょっとまっててくださいねー!」
そう言ってヒャクメを引きずっていく小竜姫様は笑顔だった。ヒャクメはこちらにあわれみにみちた眼を向けていた。
・・・・・なんとなくヒャクメとは親友になれそうだ。
あとがき
みのほど知らずにも連日投稿です。
とりあえず皆様の予想道理原因はヒャクメでした。次は修行に入ります。
レス返しです。
初めに感想、ご意見を寄せていただいた皆様に感謝を・・・
ピカ様
最初の感想ありがとうございます。期待にこたえられるようがんばります。
nao様
やっぱりばれますか。がんばりますので今後も感想、アドバイスを頂けると嬉しいです。
kkhn様
横島並みの回復力を期待します・・・・小隆起さまですが・・・ぐふ!ま、まきぞえ・・・
meo様
九十九目にはなってませんよ〜。たぶん。今後それを書くかもしれません。
SS様
ご期待にこたえれるようがんばります。ダメ神族・・・そのとうりですね。
ゆん様
おそらく人外にすかれる属性はそのままです。理由は微妙にかわると思いますが・・・
内海一弘様
今後めずらしくヒャクメを多様するつもりです。がんばりますので今後も読んでみてくださいね。