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▽レス始

「心の声が はじ目(GS)」

寿 (2006-07-03 00:19)
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ここに一人の少年がいた。少年の名前は横島忠夫。

ごく普通の少年だった。ミニ四駆が得意で全国大会での優勝経験こそあったがそれ以外は普通といって差し支えないただの明るい少年だった。

少年はある日あるものに出会う。それは偶然だった。家族で山にハイキングに来ていたときにそれを見つけてしまった。それは不思議なものだった。淡い光を放ちながらこちらを見つめるひとつの眼。

その眼は一瞬だけ強い光を放つと姿を消した。それからだった。少年に見えざるものが見えるようになり人の心の声が聞こえるようになったのは・・・・・

それから数年。少年は高校へ入学する歳になっていた。あの出来事以降人の心の声が聞こえるようになり少年は変わった。以前に比べあまり人と関わらなくなった。当たり前だろう。人の心は成長するにつれ純真とはいえなくなる。まして少年の時に大人の心、この場合は本心と言おうかそれが理解できるわけがない。少年は壊れかかった、しかし壊れることがなかったのは両親が、そして少ないながらも少年に心を開く友人がいたおかげだった。


少年は今ある山を登っている。山の名は妙神山。この歳になり両親がナルニアに転勤になってしまい少年も両親についてくるように言われたが少年はそれを拒否した。友人と別れることを嫌ったこと、そしてなによりナルニアに行ってしまえば少年は完全に他人との付き合いをたってしまうのはわかっていたから・・・

「しかしまだつかんのかその修行場というのは?」

少年の両親は少年の力を封印するためにGSに依頼をした。しかしその力が強力すぎるために幾度となくその試みは失敗した。

「唐巣神父の話だとそこに神様がいるらしいが・・・」

両親が最後に行き着いたのが唐巣神父だった。日本で数人しかいないSランクのGS。しかし彼の力をもってしても封印はかなわなかった。そのときにわかった事が俺の力はどうやら神様が関わっているらしい。困ったときの神頼み。ではないが俺は一縷の望みをかけて神父に紹介状をもらい妙神山を訪ねることにした。

『この門をくぐる者 汝一切の望みを捨てよ 管理人』

「管理人って・・・・」

そこは「妙神山修行場」という看板が掲げられ門には鬼の顔が二対いておりその両側に巨大な首がない体がたたずんでいた。

「んで、そこのお二人さん門の振りしてないで開けてくれないかな?」

「ぬお!?気づいておったか。」

そりゃおまえさんがたの考えが聞こえていたからな。人驚かして喜ぶなよ。

「まあな。」

「ぬう、やるな。しかしこの右の鬼門!!」

「そしてこの左の鬼門があるかぎり、お主のような未熟者には決してこの門は開きはせん!!」

ぎーーー

「あら、お客様?」

「・・・・5秒とたたずひらいたな。」

門を開けたのは一人の女性だった。頭から二本の角が生えているところ見ると人間ではないらしい。

「しょ、小竜姫さまぁぁぁぁ!!!」

「不用意に扉を開かれては困ります!我らにも役目というものが・・・」

「カタいことばかり申すな!ちょうど私も退屈していたところです。」

俺は彼らのやり取りを聞きながら一つの感動を味わっていた。ひさしぶりだ・・・あの人の心の声が聞こえない・・・ただ俺には理解できないほど強い力を感じるだけで。

「んっ?あなたは?」

「ああっ、おっ、いえ私の名前は横島忠夫。唐巣神父に紹介状をいただきまして・・・」

「ああ、あの方。かなりスジのよい方でしたね。人間にしては上出来の部類です。」

そういって改めて俺を見る。

「ふむ。あなたもなかなかの素質をお持ちのようですがまだここに来るには早いようですが?それにその力は・・・」

「いえ、おっ、いえ私は・・・」

「ふふ、無理に口調を変えなくても結構ですよ。」

「そうですか?ありがとうございます。俺は修行に来たわけではありません。詳しいことはこちらに・・・」

そういって俺は紹介状を彼女に渡す。

「ふんふんふん・・・・・・・」

紹介状を読み進めるにつれて彼女の表情が引きつっていった。

「ふふふふふふ・・・・どうしてくれましょうか?」

読み終わると彼女はなにかに怒っているようだった。

「あの・・・・」

「ああっ、失礼しました。事情はわかりました。あなとの力の原因と封印については心当たりがあります。」

「本当ですか!?」
俺は耳を疑った。本当にできるのか!?

「ええっどうやらこの件は私たち神族に原因があるようですし・・・とりあえず中へどうぞ。」

「しょ、小竜姫さま!?まだ試しがすんではおりません!」

鬼がそう呼びかけてきた。・・・・いたんだ。

「かまいません。彼は修行をしに来た訳ではないようですし、少々問題が起こりました。特別に許可します。」

「「しかし」」

「この件に関しては以上です!!」

「「・・・はっ!」」

そう言って門が開いた。

「あの?」

「ああ、申し送れました私は小竜姫。竜神のはしくれでここの管理人です。」

そう言って中に入っていく。俺はあわてて彼女の後を追った。


ここから少年の時は動き出す。

この門の向こうに少年の人生を変える原因とこれからの人生を変える原因がまっていたから・・・・


あとがきというかあいさつ。
お初にお目にかかります寿と申します。このたび初めての長編に挑戦してみました。お見苦しい点もあるかと思いますが感想などを頂けると嬉しいです。

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