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!警告!インモラル、女女の絡み、男女の絡み有り
18禁注意

「スタンド・バイ・ミー・フェイズ・ツー!![後編](GS)」

NEO−REKAM (2006-04-02 19:31)
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12.暗闇の底へ
令子は最初の修復地点に辿り着いた。殆ど魔方陣の最外縁である。通路の角度が少し悪かったので、念をこめて少し回す。そして細い指先に念をこめながら、神語の文字をゆっくりなぞっていく。消えかかっている部分も、令子がなぞった後は再び明るく輝き始める。だが、この修復部分は結構広く畳2枚分くらいあり、びっしりと書かれた文字を修復するのには結構時間が掛かりそうである。

悪霊達は、おキヌの笛が見事に食い止めていた。横島は周りを見渡して、特に異常がないことを確認した。
「おキヌちゃんいいぞ、その調子」

(この調子なら、俺も1箇所くらい魔方陣を直しにいけるかもしれない)
「美神さーん!俺もどれか1箇所、魔方陣を直しに行きましょうかーっ!?」
美神はちょっと考えていたが、
「だめよ!そのままそこにいなさいっ!」

(横島クンは、こういう緻密な作業に向いていない)
令子はそう思っていた。実は、それは間違っているのだが。

2時間ほどが経ち、ようやくその部分の修復が終了した。令子は、額の汗をぬぐうと、立ち上がって、リングを走り、別のスポークに辿り着くと、修復箇所を目指して、スポークの上を内側に向かって走り始めた。次の修復点は、中心から20メートルぐらいの所で、最初の部分に比べると、かなり中心に近い。

修復する広さは、畳一枚分ぐらいだった。ネクロマンサーの笛の力は、おキヌを中心にして、ほぼ魔方陣の大きさくらいの球に悪霊を入れないだけの力があった。最初に比べると、半径が10メートルぐらい小さくなっているが、令子の作業には全く問題がなかった。もちろん遠い所から順に修復を行っているので、最後はもっとおキヌに近いところで作業できる。

その時、轟音を立てて、天井の溶岩が砕けて、無数の岩が3人の上に降りかかってきた。令子は平均台を舞う体操選手のように、ひらりと側転して岩をかわした。横島はおキヌに覆い被さっておキヌを庇い、サイキックソーサーを背中の上に張って身を守った。

「性懲りもなくまた来たか。ゴーストスイーパー」
令子から10メートル程離れた空中に、それは浮かび上がっている。
「!!」
太腿のベルトに引っ掛けてあった神通棍を、引き抜き、構えて霊力を込める。神通棍がまばゆく輝いたかと思うと、鞭になっていた。
「ほほう、ネクロマンサーの笛とはまた珍しい道具をお持ちだ」

(こいつは、たしか・・・)
荒野の悪魔アザゼル。そうか、こいつが・・・

「あんたが今までのゴーストスイーパーを殺したのね?」
令子は、悪魔を睨みつけ、静かな口調で話し掛けた。
「まさか!ワシが出る必要など少しもなかった。皆悪霊共が片付けたよ。ワシを引っ張り出したのはお前達が初めてだ。誉めてやるが、死霊使いの笛はワシには効かんぞ」

アザゼルが頭の上で手をくるりと回すと、今度は天井から幾筋もの溶岩の滝が降ってきた。
令子は、今度はスポークからスポークへとひらりと飛び移って、この灼熱の滝を避けた。おキヌと横島のいる島の上には、溶岩の滝は降ってこなかった。

(すごい!)
虚空に浮かぶか細い足場の上で、華麗に舞う令子を見て、おキヌは思った。たぶん世界中を捜してもこれほど強く美しい人は他にいないだろう。一瞬の後、おキヌは再び笛を吹くことに集中していた。

「美神さん!大丈夫ですかっ!!」
横島が叫ぶ!
「慌てるんじゃない!これは皆本物じゃないのよ!こいつが作り出した幻覚なの!」
「えっ?」
その時、近くの溶岩の滝からほんの小さな火の粉が飛び散り、横島の腕に触れた。
「うわちちちちぃぃぃぃ」
横島は言い返した。
「うそつけ熱いぞっ!!」
「本当だとも、ワシの幻覚は普通の幻覚とは違う。幻覚とはいえ本物同様、岩はお前達を砕き、溶岩はお前達を溶かすのだ。幻覚だと分かっていても、お前達に防ぐすべはない」
アザゼルが満足そうに言う。
「じゃ、本物と一緒じゃねーかっ!」
令子がふふんと笑いながら言う。
「バッカねー横島クン。全然違うじゃない。幻覚ってことは・・・」
令子は、ノーモーションで神通鞭をアザゼルに放った。
「こいつを倒せばすべて消えるってことよ!!!」
アザゼルが後ろに跳び退る。令子は、ひらりひらりとスポークを飛び移りながらアザゼルに迫ろうとした。しかし、アザゼルはさらに上に浮き上がり鞭の届かないところまで離れてしまっていた。

「どうする気かね?空を飛べないものにワシを倒すことはできんぞ」
アザゼルが再び岩を上から降らせてきた。令子が避ける。
「ワシはこうやって、お前に、魔方陣の修理をさせないようにしておくだけでいいのだよ。そのうちにお前達の霊力は吸い取られ、やがて悪霊達がお前達を片付けてくれるのだ」

再び溶岩の滝が降ってきた。令子はスポークを飛び移って再び身構えた。
「美神さんっ!!」
横島が助けに行こうとする。
「来るなっ!おキヌちゃんがやられたら私達はおしまいなのよっ」
「くそっ!」
令子は、島に戻ろうとしたが、退路はもう絶たれていた。島に戻りさえすれば、魔方陣を再起動して、こいつらを再び地獄に押し戻すことができるのだが。

「アザゼル、そんなところで逃げてないで、男らしく私と戦ったらどう?」
だめで元々、挑発してみる。
「いや、遠慮しておこう。ワシは気が長い方でな。お前達がじわじわと絶望に追い詰められていくのを見て楽しむことにするさ」

「いい趣味じゃない。でもこっちにはまだ切り札があるのよ!」
令子はアザゼルを睨みつけながら叫ぶと、陣痛鞭を構えながら、片手でベルトを抜きとって、背中のジッパーをはずす。服がはらりと足元に落ちて、令子は下着姿になった。

今日の下着は全て黒で、セクシーなのを揃えていた。ブラジャーはシースルーになっていて乳首が薄く透けているし、Tバックのパンティは、令子のまろやかなヒップを少しも隠してはいない。ガーターベルトとストッキングも艶かしい。

「横島クン!これだけサービスしてるのよ?駄目だったらただじゃおかないからね!?」
下着も脱がないとだめかなあ?内心令子は冷や冷やしていた。下着も全部脱ぐと、胸が揺れて動きにくいので困るのである。

十分だった。横島は令子の柔らかい身体を想像しながらハンズオブグローリーを抜き放った。金色の光がほとばしり、その長さはゆうに50メートルを超えている。だが、アザゼルはすばやくかわした。

「これはまた見事なものだ。だが、当たらなければどうということはないな」
この隙に、令子はスポークを6つ飛び移り、島に向かって全力疾走しようとした。だが、少し内側に走っただけで、新しい溶岩の滝に止められてしまった。

横島は、アザゼルを倒そうと、立て続けにハンズオブグローリーを抜き放ったが、アザゼルは軽々とかわし続ける。笛の効力の半径は、既に30mを切り、もう少しで第2の修復地点が、有効範囲の外に出ようとしていた。悪霊の壁が令子の目の前まで近づきつつある。

(お前達みたいな雑魚霊にやられる私じゃないわよっ!)
迫りくる悪霊たちを見て令子は思った。しかし、悪霊の数は無限である。一つ一つは弱くても、やがて令子の身体は削られていき、やがては切り裂かれてしまうだろう。

「横島クン!文珠で魔方陣を再起動しなさい!」
魔方陣を再起動すれば、メンテナンス通路はなくなり、令子は奈落の底に落ちてしまう。だが、横島とおキヌは助かる。
「何言ってるんスか美神さんっ!!!」
令子は胸元に手を当てて叫ぶ。それに、うまくいけば・・・
「もう他に方法はないわ!」
「あんたそういうキャラじゃないやろっ!?」

その時、おキヌが立ち上がり、笛を吹きながら、スポークの上に登った。
「おキヌちゃん!何するんだ!」
横島が、捕まえようとしたが、それより早くおキヌは令子に向かって走り始めていた。

(笛の力が弱まるなら、私が美神さんに近づけばいい!)
「おキヌちゃん!戻れっ」
令子が叫ぶ!だが、既にアザゼルはおキヌの背後にも溶岩の滝を落していた。おキヌにももう退路はない。アザゼルは愉しそうに笑っている。

「くそっ!!!!」
横島は再び刀を放ったが、アザゼルは笑いながら悠々とかわした。

おキヌは令子の方へ歩きつづけたが、溶岩の滝があるため、令子の直ぐそばまで近づくことはできない。おキヌは立ちつくした。

「おキヌちゃん!あんたも脱げっ!!」
令子が叫ぶ。いちかばちか、それしかない。

おキヌはびっくりして、躊躇したが、片手で笛を吹き、もう片手で、するすると衣装の結び目をほどき始めた。頬が赤く染まっていた。

(そうね。どうせ死ぬなら、最後に横島さんにサービスするのも悪くないわ)

おキヌはそう思う。それに、美神さんを一人で死なせたりしない。
袴が落ち、すらりと綺麗な脚があらわになる。横島も、なんとか別のコースで、を令子とおキヌのそばに向かって行けないか探したが、もう、その道はなかった。

おキヌは、上衣の結び目も解き、左右片方ずつ、上手に袖をはずした。はらり、と上衣が落ちた。上衣そのままひらひらと下に向かって落ちていき、やがて、悪霊たちの壁に達してずたずたに引き裂かれた。

おキヌの下着は白だった。令子のようにセクシーなものではなかったが、おキヌの下着姿は、みずみずしい身体の、清楚で健康な魅力を発散していた。

(横島さん。見せてあげるね、もっと見たかったら、下着も脱いであげる・・・)

横島は、令子とおキヌの二人をしばらく見ていたが。意を決して、ハンズオブグローリーを抜き放った。

人間の目では捕らえられないほどの速さで金色の光がアザゼルをめがけて疾走した。先程より数倍速い。アザゼルの顔から笑みが消えた。

だがアザゼルはかろうじてかわしきった。慌てて後ろに跳び退ろうとする。横島の刀は鋭く切り返して、再びアザゼルを襲った。しかし、それもかわされた。

アザゼルの目に再び笑みが戻った、が、次の瞬間にその笑いは凍りついた。

横島の左手からも、もう一筋の金光がほとばしったのである。攻撃を避けて体勢を崩したアザゼルの身体に、もう一本のハンズオブグローリーが突き刺さった。そして、返す右手の金色の刀がアザゼルの両足を胴体から切断した。

横島は頭の上で両手を合わせた。2本のハンズオブグローリーは重なって1本になり、限りなく細く、地殻を突き破って遥か地上に達し、天に向かってどこまでもまっすぐ、そして、何よりもまぶしく輝いた。

「この野郎!!俺の女に!!!!」
横島は叫んで、大上段からまっすぐアザゼルに切りつけた。アザゼルは真二つになり、そして、呪いを吐きながら奈落の底に落ちていった。

溶岩の滝が全て消えた。おキヌはその場に座り込んでしまった。しかし、それでも笛は吹き続けていた。令子は立ち上がって、何も言わずにおキヌの頭を優しく撫でると、再び2番目の修復地点に戻って、魔方陣の修復を始めた。2番目の修復が終わると、令子はおキヌを連れて3番目の修復地点に移り、さらに修復を始めた。3番目の修復地点は、島から10メートル位しか離れていない。

笛の有効範囲はどんどん狭まっていった。おキヌは常に令子と横島の中心にいるように位置し、最後の修復が終わったときには、もう少しで3人を覆い切れなくなくなるところだった。3人のすぐ周りを悪霊たちがうようよと泳いでいる。

令子とおキヌが島に戻ろうとしたとき、3人の頭上で爆発が起こり、轟音とともに無数の岩が降り注いできた。アザゼルの最後の呪いだった。

おキヌは、岩を避けようとしてバランス崩し、足を踏み外した。ネクロマンサーの笛が手から離れて奈落の底に落ちて行き、悪霊の中に沈む・・・

「おキヌちゃん!!」
叫びながら令子は走っていた。そして、猫のようにしなやかに飛ぶ。空中で神通棍を左手に持ち替え、右手を伸ばしておキヌの左手をつかもうとした、そのとき、目の前に岩が降ってくるのが見えた、が、避ければおキヌには届かない。大きな音がして、岩で額を削りながら、令子はおキヌの左手をつかみ、振り返りながら神通鞭を島の上の制御装置に飛ばして引っ掛けようとした。

「おキヌちゃん!!」
横島は、おキヌと令子が、通路から落ちて悪霊に飲まれていくのを見た。もちろん、悪霊の渦は横島にも迫っていた。文珠を取り出して制御版に打ち込み、すかさず「動」の文字をこめて魔方陣を再起動する。そして、二人を助けに行こうとしたとき、降ってきた岩が後頭部に強く当たり、意識を失った。

魔方陣は、数回またたいた後、赤から青に変わり、明るく輝いてゆっくりと回り始めた。悪霊たちは呻き声をあげ、魔方陣の力で本来あるべき場所に押し戻されていく。辿り付く先は、地獄である。

再び静寂が訪れたとき、令子とおキヌは空中にぶら下がっていた。令子の左手から伸びた鞭は、島の中央にある制御装置に巻きついている。右手は、おキヌの左手首をしっかりつかんでいた。

おキヌは少しの間、気を失っていたらしい、気がつくと自分が宙吊りになっていることを知って息を呑んだ。上を見ると、令子が自分をつかまえていてくれている。

「美神さん!」
おキヌは令子を呼んだ。
「大丈夫よ、おキヌちゃん。今引き上げてあげるから、ちょっと待ってて・・・」
令子がか細い声で答えた。そのとき、おキヌは、自分の顔にぽたぽたと何かが落ちてきているのに気付いた。令子の血だった。よく見ると、令子の額は血まみれで、そこから血液がぽとぽとと流れ落ちているのだ。令子の顔は苦痛に歪んでいる。おキヌが見ている間にも、令子の顔から血の気が失われて白くなっていくのが分かった。令子にはもう、おキヌを引き上げる力は残っていない・・・

「横島さん!横島さん!」
おキヌは必死に叫んだが、返事はない。

「横島さん!横島さん!横島さん!」
おキヌは叫び続けた。
令子の瞳が少しずつ力を失っていくのが分かる。おキヌを握る令子の手も、少しずつ冷たくなっていく。
「横島さん!横島さん!横島さん!美神さんが死んじゃう!!」
おキヌは泣き始めた。

その時、令子の胸元から、何か光るものが3個、落ちていくのが見えた。
(精霊石・・・)
精霊石は、淡く青白い光を放ちながら落ちて行ったが、暗闇に溶けてすぐに見えなくなった。底に着いた音も聞こえてこず、どのくらい深いのか見当もつかない。

おキヌは泣きながら、令子の手をはずそうともがいた。自分が落ちて軽くなれば、美神さんは助かるかもしれない。自由な方の右手も使って令子の指をはずそうとする。だが、どうがんばっても、念をこめて固めてある令子の指をはずすことは出来なかった。令子の額からは、次から次へと血が流れ、ぽとぽとと落ち続けていく。

「美神さん!この手を離して!」
おキヌは泣きながら叫んだ。顔を真っ赤にして自分の身体を持ち上げ、令子の手に思い切り噛み付いた。それでも令子の手は外れない。

「横島さん!美神さんが死んじゃう!!美神さん離して!!」

その時、令子がかすかに微笑んだ。おキヌは目を見張った。

「・・・死んでも離さない・・・」
朦朧とした意識の中で、令子はかすかにそう言った。おキヌの目から涙が溢れる。そして、もう一度、かすかに唇を動かすと、目の前が暗くなり、令子の意識は遠のいていった。

神通棍から霊力が失われ、二人を支えていた鞭が消滅する。二人は暗闇に向かって落ち始めた。声は届かなかったが、おキヌには令子が何と言ったか分かっていた。

「おキヌちゃん、ごめんね・・・」

気を失っても、おキヌの手首を握る令子の手は外れなかった。

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13.世界で一番大切なもの
令子とおキヌは、暗闇の中をいつまでも落ちていった。前が全く見えないので、どこまで落ちるのか見当もつかない。おキヌは、冷たくなった令子をぎゅっと抱きしめた。

(美神さん・・・)
美神さんと横島さんは、いつだって私のことを守ってくれた。幽霊になって闇の中にいた私を救い出し、氷付けにされていた私の身体を外に出して、私を生き返らせてくれた・・・

今度は私が皆を助けなければいけないのに、私にはその力がない。令子とおキヌはものすごい落下速度に達していた。

(横島さん、ごめんなさい。私達がいなくなっても元気で暮らしてくださいね・・・)

やがて、前方にかすかな3個の青い光が現れた。さっき落ちていった精霊石だろう。あそこが終点・・・二人に残された時間はあとたった500ミリ秒。

おキヌは、ふと、昔同じようなことがあったのを思い出した。あの時は横島さんが「柔」の文珠で地面を柔らかくして、墜落する私とルシオラさんを守ってくれた。

(文珠が一つあれば・・・柔・・・)

一瞬で精霊石の光が目の前に迫った。おキヌはぎゅっと目をつぶった。二人の身体が溶岩の岩肌に叩きつけられる。しかし、二人は砕け散らなかった。二人の身体は岩肌に優しく包み込まれ、そのまま、速度をゆっくり落しながら伸びきったと思うと、やがて、ゆっくりと元に戻った。二人は、断崖の底に身体を横たえていた。

おキヌが周りを見回すと、近くに、さっきの精霊石が転がっていた。いや、とおキヌは目を丸くした。そこにあったのは、二つの精霊石と、一つの文珠だった。文珠は、もちろん、令子が横島からくすねていたものである。

「柔」の文字が刻まれた文珠は、自分の仕事を終えると、すっと優しく消えていった。

そして、おキヌは令子の額に手をかざしながら、必死にヒーリングを始めた。血まみれの令子の顔に涙をぽろぽろとこぼしながら。

「先生っ!横島先生っ!」
シロが、横島を揺り起こしていた。タマモはきょろきょろと周りを見回している。
「・・・」
横島はようやく目を覚ました。頭ががんがんする。どうやら大きなたんこぶもできているようである。記憶が少し混乱していた。
「ああ、シロか・・・」
「美神どのとおキヌどのは?」
シロが尋ねる。横島は思い出した。
(落ちた!!)
「二人ともいないのか!?」
慌てて島の縁までいって、下を見る。誰もいない。見えるのは暗闇だけである。
「美神さんとおキヌちゃんが落ちたっ!!タマモっ!」
タマモは名前が呼ばれる前に、腕を翼に変えて深遠に飛び込んでいた。そのまま下に降りていこうとしたとき、下からおキヌの幽体があがってきた。

「ああ、横島さんも無事だったんですね。良かった」
おキヌは少し涙ぐんだ。横島は、
「あああっ、おキヌちゃんがまた幽霊にっ!くそっ」
といって、地面に頭をぶつけ始めた。
「違いますよっ」
おキヌは笑いながら、
「美神さんも私も下で無事にいます。美神さんは怪我をしたのでちょっと弱ってますけど。上に戻れないので助けてもらいに来たんです」

「・・・そうか、良かった」
それから、ちょっと考えて、
「タマモー、ちょっと下まで降りて二人を引き上げてきてくれ」
ぴき!とタマモの顔がこわばる。
「ちょ、ちょっと待ってよ、これってどのくらい深いの?」
おキヌにタマモが聞く。
「1キロくらいかしら?」
「えっ?」
「ところで、お前らどうやって入ってきたんだ?」
見ると、入り口の岩が綺麗になくなっている。
「入り口のすぐ近くにオリハルコンの板が落ちてて、美神どのが喜ぶと思って拾ったら、それが鍵だったでござるよ」
「大人2人を1000メートルも持ち上げたら私死んじゃうわっ」
タマモの額には冷や汗が光っている。
「そんなこと言ってもなあ、1キロの長さのロープなんか持ってないし・・・」

横島の頭の上に豆電球が光った。
「そうだ、お前らが持ってきた7番装備には何が入ってるんだ?」
「さあ?重たかったでござるけど・・・」
わざわざ令子が取りに帰らせたぐらいだから、何か便利なものが入っているに違いない。そう期待して開けてみると、中にはクーラーボックスと、またその中には、缶ビールがぎっしり詰まっていた。

「溶岩の湖がよっぽど暑かったんですね・・・」
4人は顔を見合わせると、がっくりと肩を落した。結局、タマモが二人を担ぎ上げるしかなかった。ふらふらになりながら令子を運び上げ、次に、死にそうになりながらおキヌを運び上げた。タマモは、二人を運び上げると、目をぐるぐる渦巻きにしてひっくり返ってしまった。

「ところで、美神どのとおキヌどのはどうして下着姿なんでござるか?」
シロの疑問はもっともである。令子とおキヌは顔を見合わせて笑った。横島はちょっともじもじしている。これはね。と、まじめな顔をしておキヌが言った。
「必殺技なの」
「必殺技?」
「そう、必殺技。シロちゃんも試してみる?」
おキヌは横目でちらっと横島を見ると、うふふと笑った。シロはもちろん意味が分からなくてきょとんとしていた。それから、二人は荷物の中からレインコートを出して羽織った。

7番装備については、シロとタマモがえいっ!と溶岩の湖に蹴り落してしまった。令子は、
「あああっ、あんたたちなんてことするのっ」
とわめいていたが、横島とおキヌにも睨まれたため、しぶしぶ黙った。

令子は衰弱して歩けなかったので、横島が背負うことになった。荷物はシロが担ぐ。おキヌとタマモは空身である。

「横島クン、あんたは落ちてもいいけど、私を落すんじゃないわよっ!」
帰る途中、令子がこう言うと、おキヌがそっと令子の耳元によって、ささやいた。
「美神さんのうそつき」
令子は耳まで真っ赤になり、黙り込んだ。おキヌはまた、うふふ、と笑うと令子の手を取って握った。令子の手には、おキヌの歯型が残っている。そして、縄梯子のところに着くまで、ずっと令子と手をつないでいた。

ジープに戻ると、日本に帰るために無線でヘリコプターを呼び、令子とおキヌは新しい服を着た。

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14.トリニティ
日曜日。ぽかぽかと暖かいすばらしい天気の日だった。

美神令子所霊事務所のメンバーは昨日の真夜中に帰国した。横島はそのまままっすぐ自分のアパートに帰り、後の4人は事務所の建物に帰ってきた。帰国が遅くなった理由は、令子の体力が回復するまで休ませたことと、アイスランド政府が、5人を景勝地に是非ご招待差し上げたいといってきかないため、いろいろと観光をしてきたからである。飛行機の中では、令子は今回の仕事のギャラが振り込まれた通帳を見てご終始ご機嫌だったし、あとの4人は下に座り込んでトランプをやったり、おしゃべりしたりして楽しく過ごした。

「ふわ、おはよーっス」
横島が眠たそうな顔で事務所にやってきた。仕事もないし、日曜日なので別に来なくてもよかったのだが、どうせアパートにいてもやることもないし、後片付けかなんかがあるかもしれないと思って出勤したのである。

「おはようございます」
にっこり笑っておキヌが出迎えた。
「朝ご飯は済みました?」
「いや、でも、あんまり食欲ないなあ、時差で頭がおかしくなってる」
「ですねー、でも、なんか食べた方がいいですよ。トーストでも焼きますねっ」
おキヌは、トーストを焼きながらコーヒーを淹れた。自分の分も用意して二人でテーブルに座って食べ始めた。
「あれ?シロとタマモは?」
「シロちゃんは、里にお土産を持っていくといって今朝早く出かけましたよ。水曜日に帰ってくるって言ってました。タマモちゃんは遊園地に行くと言って、朝からお弁当を作って出かけました。帰るのは夕方になるって」
「ふーん、あいつらは元気だなあ・・・ま、妖怪だからな・・・」
「美神さんは?まだ寝てるよな」
「はい」

二人とも、食べ終わるとおキヌが食器を下げてがちゃがちゃと洗い始めた。たいした量の食器じゃないのですぐに終わり、食器を拭き始めた。

横島はしばらくおキヌの後姿を見ていたが、やがてまじめな顔になって。
「・・・おキヌちゃん、俺・・・」
「なんですか?」
台所でおキヌが振り返り、にっこり笑いながら聞く。横島はまた少し口篭もったが、やがて決心して、
「美神さんとつきあってるんだ」
「知ってますよ」
笑いながら、おキヌが答える。
「へ」
「私は、美神さんと横島さんの事なら何でも知ってるんです」
「そうだ、今から美神さんを起こしにいってあげたらどうですか?」
そういって、横島の手を引っ張って立たせ、そのまま令子の寝室まで押していった。
「ちょうどシロちゃんもタマモちゃんもいないし、しばらく一緒に、いちゃいちゃしてていいですよっ」
おキヌはニコニコしながらそういうと、どん、と横島を令子の部屋に押し込んで、パタンとドアを閉めてしまった。

(うーん、いちゃいちゃって・・・)
横島はドアを入ったところに立って、どうしようかと思ったが、ここまで来たんだから、起こすだけ起こしとくか、と思ってベッドの方に近づいていった。

令子は横島が入ってきたときに目が覚めたらしく、
「んー、誰?横島クン?なんでこんなところにいるの?」
「おキヌちゃんに、美神さんを起こして、いちゃいちゃしろといって連れてこられたんですよ。どうなってるんスか?」
「は?なにそれ?」
令子は体を起こしてベッドから出ると、うーんと伸びをした。下着姿で寝ていたらしい。そのまま洗面所に行って歯磨きを始める。がらがら、ぺ。じゃー、ばしゃばしゃ。タオルで顔を拭きながら洗面所から出てきて、下着姿のまま、ベッドの脇に腰をかけた。

(美神さんはどんなときでも綺麗だなあ・・・)
横島は思う。
「じゃ、おキヌちゃんがそういってくれてるなら、いちゃいちゃしよっか」
「へ?」
横島は目を丸くする。
「私はいいわよ」
横島は令子のほうに近寄りかけたが、
「でも、おキヌちゃんが建物の中にいるし・・・なんかちょっと・・・」
と言いながら窓際に行った。令子はくすっと笑うと、そのまま横島を見てじっとしている。横島は、しばらく窓の外を眺めていたが、そのうちに、ドアに鍵をかけて、令子の横に腰を下ろし、令子を見つめて、それから、キスをしようとした。

そのとき、ドアからすっと手が出てきて、かちゃっと鍵を開ける音がした。おキヌの得意の幽体離脱である。令子と横島がびくっとして、ドアの方を見ると、シャワーを浴びて、体にバスタオルを巻いただけのおキヌが入ってきて、えへへ、と笑った。

横島は悪いことをしようとして見つかった子供のような顔で、令子は、少し期待するような顔をしておキヌを見た。

おキヌはにっこり笑って、
「一緒にまぜてもらいに来ました。だめですか?」
と言ってから、令子の顔をじっと見つめた。

(えええ!?一緒にって・・・)
横島は冷や汗をかき、もうパニック状態で、助けを求めるように令子の方を見た。

令子はしばらくおキヌの顔を見つめていたが、くすっと笑うと、
「いいわ、おキヌちゃん。こっちにいらっしゃい」
と、おキヌを呼び寄せて、自分の膝の上に座らせた。おキヌの頬は桜色に染まっていた。

「横島クン、おキヌちゃんにキスしてあげて」
どひー。
「ちょ、ちょっと美神さん!・・・」
「おキヌちゃんは死ぬ程勇気を出して来てるのよ。女のコに恥をかかせる気!?」
「は、はいっ」
おキヌは、横島の方を向き、目をつぶって、かすかに震えている。
(かわいい・・・)
令子とはタイプが違うが、おキヌもすごく美人である。横島は両手でそっとおキヌの頬を包むと、おキヌの唇にそっと口づけした。そのあと、おキヌの額にもキスをし、もう一度唇を重ねた。再び顔を離してみると、おキヌの顔は真っ赤に染まっていた。

令子は、胸から体を隠しているおキヌのバスタオルを解いた。はらりと落ちると、バスタオルはもう、腰のあたりしか隠していない。令子ほど豊かではないが、形のいいバストと、可愛らしいピンクの乳首があらわになる。

「ほら、横島クン。見慣れてるかも知れないけど、今日は触ってもいいのよ」
令子は少し意地悪を言った。
「ち、ちょっと、見慣れてるって、美神さん!」
横島の額には冷や汗が浮かんでいる。
「あんたがしょっちゅう文珠でおキヌちゃんのお風呂を覗いてたのは知ってるのよ。人口幽霊一号はだませても、私の目はごまかせないわよ?」
(え!?横島さん?)
おキヌは思わず横島を見た。悪事をばらされた横島は冷や汗をかきながら真っ赤になっていて、おキヌの顔を見ることが出来ない。それから、横島は両手を伸ばして、おキヌの両方の乳房を下から持ち上げた。おキヌは緊張して、はっきりとがたがた震え始めた。

(うーん、このままじゃ無理かなあ・・・)
令子はそう思い、
「横島クン、冷蔵庫にこの水は使うなっていうラベルの貼ってある瓶があるから、それと小さいスプーンを持ってきてちょうだい」
横島は、え?と思ったが令子の言うとおりに、部屋を出て、言われたものを取りに言った。

令子はもう一度バスタオルでおキヌの身体を包んで隠した。
「おキヌちゃん、怖い?」
「怖いけど大丈夫です!私は横島さんと美神さんと一緒になりたいんです!」
「私もそうよ。おキヌちゃん」
令子はおキヌを後ろからぎゅっと抱きしめる。
「おキヌちゃん・・・私を信じて。どんなことがあっても、絶対に幸せにしてあげる」
「・・・」
「だから、私を信じて。お願い」
おキヌはこくんと頷いた。おキヌを抱きしめる令子の腕に力が入る。
「横島さんが私のお風呂を覗いてたってほんとですか」
「本当よ、しょっちゅう。止めようがないから騒ぎにならないよう黙ってたんだけどね」
おキヌは、顔を赤らめながらも、ちょっと嬉しかった。それなら誤差の範囲じゃないのかも。令子は、そんなおキヌの思いには気付かず、
「あーあ、私達ってば、何であんな男がいいのかしらねー」
と言って、笑った。

横島が戻ってきた、瓶には、「この水は使うな!令子(ハートマーク)」と書かれた紙が張ってある。スプーンと一緒に令子に渡して、令子とおキヌの横に座りなおした。

令子は、一目見て、
(あれ?)
と、思ったが、思い直して、瓶をあけて、スプーンに慎重に少し垂らした。
(こんなもんかな?)
「おキヌちゃん、これを飲んで」
「はい?」
おキヌはスプーンの中の液体を口に入れて、こくんと飲み下した。水と同じで、匂いも味もしなかった。

「なんスか?これ」
と、横島が聞く。
「媚薬よ」
「びやく?」
「こっそりあんたたち二人に飲ませて既成事実を作っちゃおうと思ってたのよ。少しだけだけど役に立ってよかったわ。今くらいなら、少し身体が敏感になって、リラックスする程度の効果しかないの」
「コップに半分くらい飲ませると、理性で性欲を抑えられなっちゃって、どうしても相手と結ばれるまで止まらなくなっちゃうんだけどね」
令子はほほほっと笑いながら言う。
(やっぱりたちが悪いなあ)
と、横島とおキヌは、苦笑しながら思う。
(美神さんらしいけど)

そうこうしているうちに、薬が効いて来た。おキヌの身体が少し火照って、瞳も少し潤んでくる。
(そろそろいいかしらね)
「じゃ、キスからやり直し」
横島は、さっきよりもっと強くおキヌの唇を吸った。おキヌの唇をあけて、舌を中に入れる。唇を離すとき、おキヌは少し甘い吐息をもらした。再び令子がバスタオルを解く。横島は、力強くしたいのを我慢して、優しくおキヌの乳房に触れた。そして、そっと乳首に口づけする。

「あ・・・」

おキヌの口から、吐息がもれる。おキヌはもう震えなかった。可愛らしいおキヌの声に勇気付けられて、横島は、思うままにおキヌの乳房をおもちゃにした。下から包んで持ち上げたり、強く揉みしだいたり、優しく撫でさすったり。おキヌは、気持ちよさと恥ずかしさで、ぼーっとしてきた。

(これが弓さんの言ってた、舞い上がっちゃうって事なのね・・・)
横島は、乳首に触れないように、指が乳首の周りを円を描きながら乳首に近づきながら乳房を触っていく。遂に、指は乳首に触れる。

「んっ」

おキヌがびくっと身体を反らしながら反応する。オナニーもしない娘が、初めてでこれだけ感じるというのは、やはり媚薬の効果なのだろう。おキヌの反応を見て、横島も興奮が高まってきた。

(おキヌちゃんの乳首をおもちゃにしたい!)
横島は不器用ではなかった、子供の頃はミニ四駆を作る名人だったし、令子は、自分も経験が少ないから分からなかったのだが、横島は令子が一度気持ちよかったところは、よく覚えていて、正確にその場所を刺激できるのだった。だから、経験は浅くても、横島はかなり上手だった。同じ事は令子にも言えるのだが。

横島はおキヌの乳首を思うままに味わった。摘み、捻り、撫で、吸い、優しく噛む。令子とした経験から、おキヌが気持ちよさそうなところを愛撫し、おキヌの反応を覚えていく。おキヌは声が出そうになるのを必死にこらえていた。

「んっ、んっ」
「・・・おキヌちゃん、声を出してもいいのよ。その方が横島クンも嬉しいし」
令子の言葉を聞いて、もう我慢できなくなった。横島に乳首を強く吸われたとき、おキヌはたまらず可愛い声を出した。
「ああっ、あっ、あっ」

「あん、横島さん」
「こうすると気持ちいいの?」
おキヌが強く反応する部分を重点的に責めながら、ちょっと意地悪く横島が聞く。

(そんなこと言えない!横島さんの意地悪)
と、おキヌは思うのだが、答えなくても、喘ぎ声で横島には知られてしまう。

「あん、あっ、はぁん」
おキヌの乳首はもうすっかり硬く尖っていた。

「美神さん、ベッドの上に行きましょう」
横島は、そう言うと、おキヌをベッドの真中に促した。おキヌの瞳は、もうすっかり潤んでいて、体中が火照っている。おキヌを包んでいたバスタオルは剥ぎ取られて、おキヌは生まれたままの姿で仰向きに横たわっていた。

令子は澄ました顔をして、おキヌの左側に横になった。しかし、令子の頬も上気していて、パンティにしみができているのを横島は見逃さなかった。すかさず令子のパンティの横から指を入れ、既に蕩け始めている秘所に指を差し入れた。そのまま令子の目の前に濡れた指を近づける。

「美神さんも、後でたっぷり可愛がってあげますから、待っててくださいね」
令子は、横島の意地悪、と思いながら、真っ赤になってくこんとうなずいた。おキヌが横でそれを見ているのが分かる。
(もう、恥ずかしい・・・)
と、令子は思った。

横島は、おキヌの膝を少し立てて、脚を少し広げさせた。おキヌは恥ずかしくて、両手で顔を覆った。黒いヘアの下にあるおキヌの秘所はピンクで可愛らしかった。全てが令子よりちょっと小さなつくりである。横島はいきなり顔を埋めると、クリトリスを舌で転がし始めた。手は、太腿から脚を撫でさする。

「あっ、そんな、、横島さん・・・、あっ、あっ、ああん、はあっ、あっ、」
令子はおキヌの横で、じっと我慢していたが、待っているのに耐え切れなくなって、おキヌの胸を弄び始めた。おキヌは4本の手と、横島の舌で、敏感なところ探られ、休むまもなく責められ続けて、すっかりおかしくなっていた。すでに、顔を覆う手にも力が入らない。おキヌは上を向いて、喘ぎつづけた。

横島が中指で、蜜壷の入り口をくるくると愛撫したとき、限界が来そうになった。
「あああああああああああ・・・・」

それを聞くと、横島は慌てて愛撫を止めた。
「ああん」
と、おキヌは腰をくねらせる、蜜壷はもうすっかりとろけきっている。おキヌはイかせて欲しいだろうが、この状態で入れたほうが、おキヌも楽だろう。

横島も服を脱いだ。令子がおキヌの乳房と乳首をおもちゃにしていた。それを見て横島も思わず我慢できなくなりそうになる。
「美神さん、お願いです。俺のを唾で滑りやすくして下さい」
令子は、理由を察して、唾液をたらしながら、横島自身を食べていく。ちょっと意地悪して、濡らすだけでなく、横島の感じるところをわざと刺激した。令子の唇と舌のあまりの気持ちよさに、横島は急に我慢できなくなって、
「うっ!」
と、令子の顔にぶちまけてしまった。令子はくすくす笑って、
「さっきのお返し」
と言った。令子が胸で挟みながら、また少し舐めると、横島のモノはまたすぐに固くなってそそり立った。

おキヌの蜜壷はとろとろに蕩けている。横島は、正常位でおキヌに覆いかぶさって、ぎゅっと抱きしめると、おキヌの入り口にあてがい、ゆっくりと挿入していく。しっかり濡らしてあるので、ぬるぬると中に入っていく、美神さんより少しきついなあ・・・もちろんおキヌは初めてなので、途中でつかえるところがあった、横島は一気にそこでねじ込んだ。

「!!!!」
おキヌの身体に激痛が走った。思わず涙が頬を伝う。横島は、すぐにおキヌの下腹部に手を当てヒーリングで破瓜の傷を治した。

それから、ゆっくりと抜き差しを始めた。おキヌはもう、少しも痛くなかった。横島は、おキヌが痛くなさそうなのを確かめると、速度を速めた。奥まで着いて、横島の身体がおキヌの身体に当たるたびにぱんぱんと音を立てる。その度におキヌはクリトリスに刺激を感じて声をあげる。

「あっ・・・あん・・・あん・・・あっ」

令子は再び、おキヌのバストを弄んでいる。おキヌはまた、自分がおかしくなっていくのを感じた。横島がおキヌを貫く。おキヌの喘ぎ声が次第に大きくなり、間隔が短くなっていく。

(もう駄目・・・)
「ああああああああああああああ・・・・・」
おキヌは、仰け反ってびくんびくんと痙攣すると、少しの間息ができなくなり、絶頂を迎えた。横島も、おキヌの可愛い顔を見て我慢できなくなり、おキヌの中に精子をぶちまけて絶頂に達していた。

「ああ・・・・・・・・・・・・・・・」

(まるで宙を浮いているような感覚を感じだった)
落ち着いてくると、おキヌはそう思った。横島と令子はそれぞれ、おキヌの身体の火照りを慰めるために、ゆっくりとおキヌを愛撫してくれていた。

おキヌは恥ずかしくて顔が真っ赤になっていたが、幸せ一杯だった。
「そろそろ落ち着いた?」
横島が尋ねる。おキヌはこくんと頷いた。
「じや、美神さんの下着を脱がして胸を触ってあげて。美神さんももう我慢できないみたいだから」

おキヌは、簡単に令子の下着を脱がせて裸にしてしまうと、なれない手つきで、令子の胸を触り始めた。横島は令子とディープキスをしていて、舌が絡まっているのが見える。
(美神さんのオッパイ、柔らかくて気持ちいい)
触りながら、おキヌは思う。母親を思い出すのかどうか分からないが、例え同性愛傾向がなく、性的欲求を満たすためでなくても、女の子もオッパイは好きであることが多い。

(どうすればいいのかしら)
おキヌは、さっき自分がされたように、胸を揉んだり、乳首を摘んだり、吸ったりしてみる。その度に、令子の口から吐息がもれる。

(美神さんも気持ちいいみたい・・・)
おキヌは嬉しくなって、もっと激しく令子の乳房と乳首を嬲り始めた。横島は、令子の秘所への攻撃を開始していた。指で令子の感じる部分を弄びながら、令子の耳元で意地悪をささやく。

「美神さん。クリトリスがすっかり硬くなってますよ。マッサージして柔らかくしてあげますね」
横島の指が令子の一番弱い所をいやらしく撫でさする。
「あれ、マッサージすると余計に硬くしこってきますね。どうしてかなあ」
「はぁ、はぁ、横島のバカ、意地悪、あん」
そういいながら、令子の声は蕩けそうである。
「欲しくなったら言ってくださいね。そうしたら入れてあげますから」
クリトリスをこすってから、そのまま蜜壷の方へ指を動かし、入り口で小さな円を描く。そのまま愛液がたっぷりついた指を、クリトリスに戻して弄ぶ。

(もうだめ・・・)

「あん、もうだめぇ、横島クンお願い、入れてぇ・・・」
潤んだ目で、令子が横島にお願いする。横島の肉棒はまたすっかり硬くなっている。令子を嬲っているように見えるが、実は横島自身も爆発寸前である。

令子の中に入れて、抜き差しを開始すると、もう限界になっていた二人はすぐに絶頂に達してしまった。二人が崩れ落ちると、おキヌが幸せ一杯の笑顔で二人をぎゅっと抱きしめた。横島もはぁはぁと息を切らしながらも二人をぎゅっと抱きしめ、令子もはぁはぁと息を切らしながら、にっこり笑っておキヌと横島の頭を優しく撫でた。

そのあと、裸で抱き合って余韻に浸っている間に、横島はぐーぐー眠ってしまった。おキヌは、まだ上気してぽーっとしながら、今日のことを、かおりと魔理に話したものかどうか考えていた。

(二人ともびっくりするわね)
魔理はともかく、かおりは令子の大ファンだから、怒り出すかもしれない。うーん。黙っていた方がいいかしら。でも、やっぱり話した方がいいよね。友達なんだから。そして、二人の驚く顔を想像して、くすくす笑っているうちに、眠気が襲ってきて、すーすーと可愛い寝息をたてて眠ってしまった。

令子はすぐに眠ってしまった二人を見て、あらあらと思ったが、
(ま、いいか)
と思い直し、むっくりと起きて、裸の二人に毛布をかけると、自分の身支度をした。春の柔らかい日光が部屋の中に降り注いでいる。窓から外の景色を眺めながら思う。幸せなときに見る景色は幸せな色。

春のかすみを見ているうち、令子は、愛する男と、その男の住む世界を守るために、たった一つしかない自分の命を捧げた優しい少女のことを思い出した。

(いつか安心して産まれておいで。あんたの守ったこの世界は、こんなにも素敵なところよ・・・)

そして、何かを食べるためにドアを開けて部屋の外に出た。ドアを閉めるときに、二人がベッドの上で眠っているのを見て、こう思った。

私達は、三位一体。三人で一つ・・・

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15.遊園地でデート!
東京デジャヴーランドは、タマモと真友康則が初めて出会った場所である。その後、二人は、電話で話したり、手紙を書いたり、時には二人でデートをしたりして、年相応の清い交際を続けていた。康則は、タマモが妖狐であることを知っていたが、そんなことは全然気にしてない。

アイスランドから帰ってきたのが昨夜の夜中で、時差などの影響も考えれば、普通の人間の少女ならこんなに元気でいられるわけではないのだが、九尾の狐の生まれ変わりであるタマモにとっては大した事ではなかった。

今朝は、大好きな康則のために、早起きして、サンドイッチをたくさん作ってきた。自分の分は大好きな油揚げの入っているカップきつねうどんである。あと、飲み物にカルピスとお茶を持ってきていた。

二人は全部のアトラクションに乗ろうと、朝から手をつないで何時間もアトラクションからアトラクションへと遊園地中を走り回った。タマモは妖怪なので、そのくらい全然平気だが、康則はさすがに3時間もすると少しくたびれてきた。

「タマモちゃん。ちょっと休もう」
「うん、いいわよ。疲れたの?」
タマモはにっこり笑う。康則は、タマモの笑顔を見るだけで嬉しい。
「ちょっとね。結構乗ったなあ」
二人は、空いているテーブルを見つけて腰掛けた。タマモはデイパックを下ろして、中から水筒を取り出そうとした。
「お茶とカルピス、どっちがいい?」
「お茶がいいな。冷たい?」
「うん」
タマモが水筒からお茶を注いで、康則に渡す。康則はごくごくと飲むと、ふぅ、と言って、コップをタマモに返した。タマモもコップにお茶を少し注いで、ごくんと飲んだ。

「今朝、面白いことがあったの」
「?」
「カルピスを作るときに、冷蔵庫の中に冷やしたお水が足りなくて、美神さんのお水をつかったの。美神さんってば、面白いのよ。水を冷やした瓶に、この水は使うな、令子って書いてあるの。笑っちゃった」
「あはは。どうしてだろ」
「さあ?自分専用の水なのかな?だいぶ使っちゃったから、後から水を足しといたけど。そうそう、今日はお弁当も作ってきたよ。サンドイッチ」
「へー、楽しみだなあ」
康則の言葉を聞いて、タマモも嬉しくなり、ちょっと頬が赤くなった。

「だいぶ回ったな」
「うん。この調子だと今日中に全部回れるかな?」
康則はパンフレットをじっと見て、
「うーん。はじめて出会った時より、だいぶアトラクションの数が増えてるし、どうかなあ」
タマモは、両手で頬杖を着きながら、パンフレットを見ている康則を見て、
(頼もしくなったなあ)
と思う、初めて会ったときは、まだ康則は小学生だった。私はあのときからあんまり姿が変わっていないから、だいぶお似合いに見えるようになってきているはず。
(それでもまだちょっと私の方がお姉さんかな?)
もっとも、この姿も本当の姿ではないので、外見はどうにでも変えられるのだが。

康則は、タマモが自分をじっと見ているのに気付いて、少し顔を赤くした。タマモは、そんな康則ににっこりと笑いかけて言った。
「まだ11時だけど、先にお昼ご飯食べよっか」
「うん、早めに食べて、また頑張ろう」

タマモがデイパックからサンドイッチを出して康則に渡し、自分のカップうどんにポットのお湯を注いだ。
「きつねうどん。好きだね」
タマモはにこりとする。
「世界中の食べ物が全てきつねうどんになっても平気よ?私は」
「お稲荷さんは?」
「そういえば、お稲荷さんも捨てがたいわね」

「飲み物はどうする?」
「サンドイッチだから、お茶がいいかな?でもカルピスも注いどいて」
「私はカルピスにしようっと」
「きつねうどんにカルピスかあ・・・へんなの」
康則がサンドイッチをほおばる。

「おいしい」
タマモは、ありがとう、と、嬉しそうに答えてから、うどんをかき回して食べ始めた。康則がカルピスを飲もうとコップを口に近づけたとき、近くで遊んでいた子供がぶつかってきて、全部こぼしてしまった。子供は、ごめんなさい、と謝って走っていった。
「あーあ」
「注ぎなおす?」
「あとでいいや」
と、お茶を一口飲んで、またサンドイッチを食べ始めた。

タマモは、おいしそうに油揚げを食べた後、カルピスをごくごくと飲んで、続けてうどんを食べ始めた。

しばらくして、タマモは、自分の身体の異常に気がついた。身体が火照って、頭がぼーっとしてくる。あれ?私、どうしたのかしら。そのうちにタマモは、我慢できなくなり、立ち上がって、ふらふらと康則の近くによって、言った。
「キスして!」
「え!?」

康則は固まってしまった。タマモの瞳が潤んでいる。康則がタマモのほうを見ると、タマモは目をつぶった。
「タマモちゃん・・・」
ドキドキドキドキドキドキ。
心臓が飛び出るのではないかと思ったが、康則は、勇気を出して、そっとタマモの唇に自分の唇を合わせた。

タマモは、潤んだ目を開けると、真っ赤になって、そのまま身体からバチバチと静電気のようなものを出すと狐の姿に戻ってしまった。そのまま目を閉じて起き上がらない。
「タマモちゃん!!」
康則は子狐を抱いて、途方にくれた。どうしよう・・・

「美神オーナー、お客様がみえました」
人口幽霊一号が令子に告げる。
「誰?」
「記録にありませんが、タマモ様もご一緒のようです」
「?」
おキヌも横島もまだ寝ているらしい。仕方ないわね。令子が玄関を開けると、中学生くらいの眼鏡をかけた男の子が、タマモを抱いて立っていた。

「・・・君は真友クンね?タマモから話は聞いてるわ。どーしたの?」
令子が聞くと、康則はタマモを令子に渡して、キスしたことを除いて、事の顛末を話した。令子は、タマモの口の辺りに顔を近づけて、くんくんと匂いをかぐと、変な顔をした。それから、水筒の中身を見て、
(やっぱり。あの薬を使ったのはタマモだったのね?道理で薄くなってると思った)

毒のある成分は入ってないから大丈夫だと思うけど・・・
「君は飲まなかったの?」
「はい」
(あぶないあぶない!大変なことになるところだったわ・・・)
令子は冷や汗をかきながら、タマモの額に顔を近づけて、念を送って調べると、どうも寝ているだけのようだ。

(道理で薬の瓶には、子供の手の届かないところに置くようにって書いてあるはずよね・・・)
などと、見当違いな事を考えながら、
「このコは間違えて魔法の薬でカルピスを作っちゃったの。今は寝ているだけだから大丈夫よ。薬が抜けるまで目を覚まさないと思うけど・・・」
令子は康則に言った。この薬は妖狐には眠り薬になるのね・・・。

「良かった」
康則は安心して、ようやく他の事を考えられるようになった。
(綺麗な人だなあ・・・赤い髪だから美神さんって人かな?)

「今日はもう起きなさそうですか・・・?」
「そうねー、夕方くらいまでは無理かも・・・」
「そうですか」
康則はがっかりしたが、でも、タマモが無事だったんだから、と気を取り直して
「じゃ、僕はこれで失礼します。タマモちゃんが起きたら電話をくれるように言ってもらってもいいですか?」
「わかったわ」
ぺこりと頭を下げて康則が走って去っていく。

(いい子そうね・・・)
令子は、大声で康則を呼び止めた。50メートルくらい向こうで、康則が立ち止まって振り返る。

「タマモはね!」
と、令子は叫んだ。
「君と遊園地に行くのをとっても楽しみにしていたの!もし良かったら、来週くらいにまた誘ってあげてね!お金が足りなければおねーさんがおごってあげるから!」

(まあ、タマモも今回の仕事では結構がんばったから、少しくらいボーナスとして臨時にお小遣いをあげてもいいかな?)
康則は、嬉しそうな顔をして、
「はいっ!」
と言って手を振ると、走り去った。

(ほーらタマモ。人から脅し取ったお金なんかでデートに行くからばちが当たったのよ?)
令子は、タマモの寝顔を見ながら笑った。

でも、令子は知らない。タマモが今日一段、大人への階段を登ったことを。

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16.人狼の里
人狼の里は人里離れた山奥にあり、さらに結界で周囲を囲ってあるため、余程のことがない限り人間達が入って来る事が出来ないようになっている。その集落のたたずまいや、住人のいでたちを見ると、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのようである。

シロは、夕方に里に着くと、持ってきたお土産とか大量のドッグフードとかを配り、長老に向こうでの生活の報告を始めた。美神除霊事務所での生活は、あくまで、修行の一環ということになっているのだ。

人狼族のほとんどは、滅多に里を出ない。人狼たちにとってシロの話は珍しいものばかりだったから、長老に報告しているときには、野次馬が一杯周りに集まっていた。というか、ほぼ里の全員が集まっていた。話をすることは山ほどあった。

横島先生が夢魔インキュバスをやっつけて美神どのを救出したこと。

お屋敷の除霊では、横島先生が目の覚めるような居合いを見せてくれたこと。

火事の起きたビルの除霊では、おキヌどのが失敗して、自分も大活躍し、おキヌどのはそのあとずっと叱られ通しだったこと。

アイスランドへは飛行機に乗って行ったこと、それから、ヘリコプターにも乗ったこと。人狼で飛行機やヘリコプターに乗ったのは、シロが初めてだった。とても珍しい体験なので、皆固唾を呑んで聞き入っていた。

地獄の入り口を封印したこと。これは、自分はその場にいなかったので、先生やおキヌどのに聞いた話をまとめたものである。ここで横島先生は両手から霊波刀を出すという、すごい技を使ったらしい。美神どのとおキヌどの必殺技については、聞いても笑ってばかりで教えてくれなかったのでよく分からない。

アイスランド観光をしたこと。これも皆興味津々だった。

あ、そうそう、とシロは最後に付け加えた。

「言うのを忘れてたけど、夢魔との戦いのとき、横島先生と美神どのは結婚したでござるよ」
この前の水曜日は雨だったでござるよ、というくらいのさりげない口調だった。シロにとっては大した事件ではないらしい・・・
「バカ狐のタマモには分からなかったみたいだけど、拙者は匂いですぐに分かったでござる。そのあとも3回くらい結婚してるでござるよ」
人狼の感覚は、大昔の日本人の感覚と同じで、男女が結ばれることは、イコール結婚である。

「となると、おキヌどのはどうなるのだ?」
長老が聞く。
「拙者の乙女のカンでは、おキヌどのは今日くらいに、美神どのや横島先生と結婚してると思うでござるなあ・・・」
シロにも乙女のカンがあるのか、と、皆突っ込みたかったのが、誰も口には出さなかった。
「そうか・・・3人でか・・・」
長老は目を細めて笑った。
「それはめでたいことじゃ。本当にそうなら、人狼族からも何かお祝いを贈らねばならんな?」

シロは、はい、と返事をして、輝くように、にっこりと笑った。

(了)

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