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▽レス始

「がんばれ、横島君!! 3ぺーじ目 (GS)」

灯月 (2006-03-21 14:05/2006-03-21 14:13)
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「にぃ! こっち、こっちぃよ!? きゃ〜〜♪」

「パピリオちゃん! まだ服着てないんだから、走り回っちゃダメ〜!」

「に〜たぁ…ルぅたん、ねむよぉ〜」

「あ、すぐお布団行こうね〜。ルシオラちゃん」

「うう〜。ぱぁぱ〜? ぱぱ〜? ふえぇぇ…」

「パパはお仕事だよ、ベスパちゃん。もうすぐ帰ってくるから泣かないでー!!」


三人とも、歩けるようになりました。
行動範囲倍増。油断するとどこ行ったかわかんなくなります!
三対一の子守。実はとっても大変なんじゃないかと今更ながらに思いました。


がんばれ、横島君!!〜横島君とハニワ兵〜


よちよち歩き。まだ上手く歩けないお子様の歩行の名称、だよな?
なんですか? 何でこんなに早いんですか?
ちょろちょろとかちょこまかとか。早い早い。
少し目を離しただけで、どこ行きますか?
明らかによちよちじゃないよ!!
最近は階段を上るのも可能。いや、もちろんはいはい併用で、だけど。
ドアとかも開けられるようになって、いつの間にやら部屋から出て…。
ちっちゃい子の成長速度とか、学習速度とか。正直、すごい。
脱帽です。感動です。
涙が出ちゃう。だって男の子だもん。

バイトです、子守です。
玄関のドアを開けたとたん、可愛い声が響いた。

「にぁたぁ〜、おかーなしゃい!」

「にぃ、だっこ! パピィオたん、だっこ!!」

「にぃに。おかぁなの!」

ルシオラちゃん、パピリオちゃん、ベスパちゃん。
三人そろってのお出迎えはすごく嬉しいです、が! 泥だらけ。
頭のてっぺんから足の先まで、見事に。
玄関から子供部屋に続く廊下に、可愛い足跡が。
ああ、パピリオちゃん。壁に手形まで。うん、しっかりついたね〜。
ハニワ兵たちが雑巾で拭いてる。ご苦労様。

「お庭で遊んでたの?」

聞けば、満面の笑みで頷いて。
俺が来たから迎えに来てくれたんだろう。
子供部屋の窓から入って、ここまで一直線に。
可愛いし、心温まるんだけど。掃除してくれるハニワ兵、気の毒に。
お風呂、入れないとな〜。
三人をバスルームまで連れて行って。

「ルシオラちゃん、ばんざーい」

「じゃーい!」

大根とかを引き抜く感じか。すぽんと着ていたワンピースを脱がせて。
ベスパちゃんたちも同様に。
泥を落とすだけだからシャワーでいいな。

「はい、きれいきれいするよ〜」

ぬるめのお湯が噴き出せば、三人ともきゃあ〜と高い歓声を上げた。
さっぱりしたところで、新しい服に着替えさせる。
このとき脱衣所のドアは確実に閉めて置くように。
でないと裸のまま逃走するから。主にパピリオちゃん! 捕まえるのに一苦労。
はしゃぐ子たちにおやつを食べさせて、また遊んで。それからお昼寝。

「ぽぽぽ〜」

「お、サンキュー。ハニワ兵」

リビングのソファでまったりしてる俺にハニワ兵がジュースを持ってきてくれた。
いつも思うんだが、良くあの腕?でお盆とか持てるな。
むしろ、どうやって移動してるんだ?
アシュタロスさんの魔力を貰って動いてるとは聞いたが、細かい生態とかは謎だ。
変なものが見えたら嫌なので、いまだに深く追求したことは無い。
ルシオラちゃんは時々どこからか持ってきたドライバー片手に、解剖しようとしてるけど。
そーゆー場合は俺が止めるかハニワ兵が自力で逃げるか。バラされるのは見たくないし。

「お前らも大変だな〜」

「ぽぽ?」

俺の独り言。ソファの周りを片付けていたハニワ兵が首を傾げた。
なんでもないと苦笑して。
そーいやこいつらって、全部で何体いるんだろうか?
いつも動き回ってるから。数えたこと無かったな。
聞いてもきっと言葉通じないからわからないだろう。
まぁ、いいか。
霊波砲の乱射がなくなっても、歩けるようになったおかげでプラスマイナスゼロで。
かなり体力消耗したから、俺も一眠りしよう。
近くのハニワ兵にルシオラちゃんたちが目を覚ましたら、起こしてくれと伝えて目を閉じた。

んで。起こされた。

「ぽ〜! ぽっぽ〜〜!!」

何ですか、騒々しい。
リビングに駆け込んできたハニワ兵。

「ど〜したんだよ? 皆が起きたのか?」

半眼で睨めば、そのハニワ兵が抗議するように腕を振り回し。ズボンをぐいぐい引っ張った。
どうやらどこかに連れて行きたいようなので、素直について行く。
行き先、子供部屋でした。

「……なあ、ルシオラちゃんたちは?」

もうベビーベッドではなくなった。ルシオラちゃんたちが三人で眠れるでかいベッド。
寝ているはずのその姿が無くて。
ハニワ兵もわからないと言うように、力なくぽぽぽ〜と鳴いた。
部屋中くまなく探してみてもいなくて。
どこにいったんだ!?
………まずい! 非常にまずい!!
もし子供たちに何かあったら殺される! ええ、確実ですよ!!
屋敷からは出ないように言ってあるし。出ようとしても結界がどうだとかで出れないようになっているとアシュタロスさんが言っていた、気がする!
それに外に出たらさすがに誰か気付くはず!
この屋敷内にいるはずだ!
俺の足元、困った表情でうろうろしているハニワ兵数匹。
それを見下ろして、号令。

「よし! お前たち手分けしてルシオラちゃんたちを探し出すぞ! 他のハニワ兵にも伝えろ!!」

捜索開始!
ハニワ兵二匹が庭へ飛び出し、俺は部屋を一つ一つ調べてゆく。
でかいし広いし部屋もたくさん。
使ってない部屋の鍵もかかってるわけじゃないから。結局全部調べんと。
物置代わりにされている一室。溢れる物の隙間に入り込んでないか丁寧に確認。
三人とも危ないものがあっても、平気で色んな所に潜り込むからなぁ。
キッチンはいないよな? 
あそこに行くにはリビングの近くを通らないといけないから。ハニワ兵が気付く。
念のためにと、そのあたりをうろちょろしていたハニワ兵に聞いてみたけど。
案の定。首というか、全身を振って否定された。
おなかがすいたら出てくるという考え方は…ペットみたいで失礼、だよな。
それに、寝る前におやつ食べたし。
第一その前にアシュタロスさんが帰ってきたら――。
アカン、やばいもん想像してもた!
うう、俺の未来のためにも捜索、捜索!
パピリオちゃんはすぐ見付かりそうなんだけどな〜。
あの子は寂しがり屋というか、一番の甘えん坊だし。
一人になるとすぐにぐずりだして、人を呼ぶ。典型的な末っ子気質。
一階はあらかた調べ終わって、残るは俺の部屋。
がちゃりと扉を開けると、ベッドの上。
シーツの下にこんもりした膨らみが…。
ここかい!
ばさりと勢いよくシーツをはがせば、小さな身体をさらに小さく丸めたルシオラちゃんが。

「あ〜、みゆかっちゃの〜」

「見付かったって、何やってるの? ルシオラちゃん?」

可愛らしく舌を出したルシオラちゃん。
俺の問いに、天使の笑顔で答えてくれました。

「かくえんぼ!!」

そーですか、かくれんぼですか。
俺がこの前教えた遊びです。はい。
リビングに連れて行って、詳しく聞いてみたところ。
目が覚めて、暇だったからかくれんぼをしようという話になったらしい。
鬼は子供たち以外の全員で、だから見付からないようにこっそりと。
隠れてからずっと待ってたらしいけどな。見付かるの。
ベスパちゃんとパピリオちゃんとは別行動したから、どこいるかはルシオラちゃんも知らないらしい。
なんで急にかくれんぼをしようと思ったのかは不明。
するならするって言って。お願い。
子供の思考回路はわからんなぁ。
とりあえず残りの二人を探さないと。
まだハニワ兵も見つけてないみたいだし。

「ルシオラちゃん、お兄ちゃんはベスパちゃんたち探しに行くからここで待っててくれる?」

「あい! にーた、がーばゆの!!」

ルシオラちゃんはハニワ兵に任せて、俺も再び探しに。
一階はあらかた探し終えたから、次は二階だな。
二階にはあんまり行かないが、アシュタロスさんの部屋がある。
ベスパちゃんならそこに隠れそうだよな。
ハニワ兵も何匹か俺にくっついて、一緒にアシュタロスさんの書斎に。
いつもハニワ兵が掃除しているのと、アシュタロスさんの性格もあってか綺麗に片付いている。
本棚や机の上には難しい本が並び、明らかに人類の書物じゃ無いだろ!と言いたくなるものまであったり。
何でマンガまであるんだろう?
別の棚にはフラスコだとかビーカーだとか。なんだかわからない生き物?の標本ぽいのもあるし。
あ。なんか、学校の生物室的な匂いが…。
探してみたがここにはいないらしい。
書斎から続いている扉の向こうは寝室。
厚いカーテンが引かれた部屋は暗い。
う〜ん、他人のプライベートに足を踏み入れるのは罪悪感が。
いや、美人のオネーサマのお部屋だったら喜んで入りますが!
むしろタンスから何から調べつくして、下着まで…!!
――げふん、げふん!
なんでもないです。若さゆえの過ちです。
と、俺が妄想してる間にもハニワ兵はちょろちょろと部屋の中を捜索して。
クローゼットの中もベッドの下も、いないらしい。

「ここにもいないとなると…どこに隠れたんだろうなぁ?」

「ぽぽ〜……?」

首を傾げる俺と一緒に、ハニワ兵たちも身体を傾けて。
仕方が無いので次の部屋に移ろうと思ったら。

「ふぎゃあぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」

盛大な泣き声。
この泣き方は…パピリオちゃんだ!!
慌てて声の方へと駆けつけた。
そこはアシュタロスさん専用の物置というか資料室。
ある程度整理された、けれど適度にごちゃごちゃとして。なんだかよくわからないのもに溢れ。
俺の目にもちょっと面白そうに映るのだ。
子供たちがどう思うかは推して知るべし、で。
いつもは危ないから入らない様に言ってるんだけど。
そうだよな。隙があったら入るよな。
部屋の中。
案の定パピリオちゃんが、大きな棚の傍でうずくまって泣いていた。
周りでハニワ兵が困った顔でわたわたしている。
パピリオちゃんを見つけたはいいが、泣かれてどうしていいかわからなくなったんだろう。
俺はパピリオちゃんを抱き上げて、同じ目線に持ってきた。

「こんなとこにいたんだ。探したよ、パピリオちゃん。
どうしたの? 何で泣いてるのかな〜?」

「う〜。うえぇぇぇぇぇぇぇぇん…」

ぐしぐしと、涙でぐちゃぐちゃになった顔。
ぎゅうっと俺にしがみついてきた。

「にぃ! にぃ〜」

「あ〜。寂しかったんだ? ごめんね、遅くなって」

隠れたはいいが、暗い部屋にずっと一人でいたからで怖くなったんだろう。
いつもならルシオラちゃんたちと一緒だし。最低でもハニワ兵がついてるもんな。
しっかりと小さな身体を抱きしめて。安心させるように背中を撫でてる。
リビング。
ハニワ兵と大人しく待っていたルシオラちゃん。
うん。ルシオラちゃんの面倒を頼んだハニワ兵が怯えた様子で俺の背後に隠れたとか、ルシオラちゃんがクッションの下になにやら金属的な光沢を放つ細長いものを隠したとか。
見ない方向で。
抱っこしてる最中に気付いたけど。どーもパピリオちゃん、オムツも濡れてたので。換えました。

「パピィオ、みゆかっちゃのね〜」

嬉しそうに駆けてきたルシオラちゃんが、俺の足に抱きついた。
パピリオちゃんを降ろして。ルシオラちゃんの頭を撫でる。
残るはベスパちゃんのみ! がんばるぞ!!
でないと、俺の身が…命が…。
ルシオラちゃん、パピリオちゃんの「ふぁいちょ!」という可愛い応援を背に受けて、俺はハニワ兵とともに二階へ向かい――

見付かりません。
どこをどう探しても、影も形もありません。
二階を隅々まで調べ。一階も見逃した場所があるかもと、もう一度調べ。
ハニワ兵を引き連れて再度、庭も見て。
屋根裏にも上ったし。屋根にも上った。
念のためにと屋敷の周りも探しました。
いませんよ? どういうことですか、これは!?
ギブアップだと、出てきてくれと言ってみても効果なし!
ルシオラちゃんたちなんてすっかり退屈して、眠ってます。
これだけ探してもいないなんて。
ベスパちゃん、何かあったのか? 誘拐!? 猥褻!? それとも…。
まずい! まずすぎて、いい感じにや〜な汗が!!

「ハニワ兵、このままべスパちゃんが見付からなかったら俺達の命はないぞ!!」

「ぽ、ぽぽ!!」

「アシュタロスさんのことだ。べスパちゃんの身に万一のことがあったら…殺されるだけじゃすまなくなる。
解剖か! 五十二の関節技の実験体か! それとも…!! 嗚呼! アレやらコレやらソレやら経験する前に…。ちきしょ〜!!」

「……ぽっぽ〜」

我を忘れて叫ぶ俺の肩を、落ち着けというようにぽふぽふと叩くハニワ兵。

「ハ、ハニワ兵…!」

「ぽぽぽ〜!」

「そうだな、諦めたらそこで終わりだよな!」

「ぽぽ! ぽぽぽっぽー!!」

伝わる。伝わるぜ、こいつらの気持ちが!!

「よし、もう一度、屋敷を徹底的に探すぞ! 俺とお前達の安全にためにも!!」

「ぽっぽ〜!!」

雄たけび一つ。俺とハニワ兵が気合をいれ直した丁度そのとき、

「ただいまって、何やってるんだい? 君たち?」

部屋の入り口。
不思議そうな顔でアシュタロスさんが立っていた。

――にやり。

自然と、笑う。
ハニワ兵の目も光っている。
俺達の心は今ひとつだ!

「捕獲〜!!」

「ぽぽっぽ〜!!」

号令と同時にわちゃわちゃとシュタロスさんに群がるハニワ兵ズ。
どこから持ってきたのか。
お札の付いた丈夫そうな鎖で上手にアシュタロスさんの関節を決めて、外せないように縛り上げていく。

「ちょっと待ちたまえ!? なんなのだ、これは! こら、やめろハニワ兵!!」

「ぽぽ〜ぽ〜」

慌てふためくアシュタロスさん。
抗議の声にもハニワ兵は申し訳なさそうに首を振るだけで、一向に手は緩めない。
う〜ん、己が主に対して容赦ないな。

「これは一体どういうことかね、横島君! ――って、なんでハニワ兵たちは君の言うことを優先するんだ!?」

がんばったよー、やったよーとでも言うように、俺の足元。
仕事を終えて集まってきたハニワ兵たちを褒めてやりながら、俺は冷たく言い放つ。

「そりゃあ、日頃のコミュニケーションの差ってやつじゃないですか?」

「納得いか〜ん!!」

アシュタロスさんの喚き声は綺麗に無視して、息を大きく吸い込んで。

「ベスパちゃあ〜ん!! パパ帰ってきたよ〜!!」

「ぽぽぽ〜、ぽぽぽぽ〜!!」

声が屋敷中に響いて。その余韻も消えて。

パコ…。

どこかで小さな音がした。
同時にとてとてと軽い足音。
さほどもせずに、リビングの入り口。赤い頭がひょこりとのぞく。

「ぱぁぱ! おかぁなの〜♪」

嬉しそうにいまだ縛られたままのアシュタロスさんに抱きついた。

「ベスパちゃん、みっけ!」

小さな体を抱き上げて、目線を合わす。

「今までどこに隠れてたの? 探しても見付からないからお兄ちゃん心配したんだよ?」

咎めるように言えば、バスパちゃんはぷうっと頬を膨らませながらも謝った。

「…めんなしゃ〜。あーねぇ、ベェパねぇ、あちょこにかうれぇちゃの!!」

人形みたいな指が差したのは廊下。
見れば。廊下の一部が扉になって上に持ち上がっている。
覗き込めば階段が延々とづく、地下室のような?

「なんだ、これ?」

「おお、ソレはこの間私が――趣味で――作った秘密部屋ではないか!
はっはっは。ここを見つけるとは流石私の子だ、ベスパ!」

いつの間に拘束を解いたのか。
隣にやってきたアシュタロスさんが、それはもう嬉しそうにベスパちゃんの頭を撫でて笑った。

……今何と言いやがりましたかこのバカ親父様は?

「秘密部屋?」

「うむ! もしものときの避難所予定で私一人でこっそり作っていたのだが。いや〜、ついつい力が入りすぎて色々充実した造りになって!
見たまえ、この廊下の木目と一体化した扉を! 継ぎ目なんて一切わからないだろう! 外から見た限りどこに扉があるかなど…。
それに中にも様々な仕掛けを施してちょっとしたシェルターだよ! 食料も水もバストイレも完備! ゆくゆくは大画面のTVやオーケストラを聴いても音質を損なわない……」

キラキラと。まるで少年のように目を輝かせ、地下室のことを語っていたアシュタロスさんがふいに口をつぐんだ。
にこにこ笑っている俺の視線や、自分を取り囲むハニワ兵たちの不穏な空気に気付いたんだろう。
ベスパちゃんをハニワ兵に頼んでリビングまで連れて行って貰って。
一歩。踏み出した。

「あ、あの〜横島君? なにやら…怖いのだが?」

「秘密部屋っすか〜。そんなもの作ってたんですね。まったく知りませんでしたよ。
な、ハニワ兵♪」

「ぽっぽ〜♪」

「なんだねその、語尾についている♪は!?
そしてどうしてじりじりと距離を詰めて来るんだ!!?」

「あははは。やだなぁ、アシュタロスさん。ただちょっとかくれんぼでベスパちゃんが見付からなくて本気であせって、心底心配したその気持ちを半分ほど思い知ってもらお〜かなぁと考えてるだけですよ♪」

「ぽ〜、ぽぽぽ。ぽぽっぽ〜ぽ♪」

「ひ…っ! や、やめ…! ぎゃあ〜〜〜〜〜〜!!

鉄拳制裁。
俺もハニワ兵も手加減とか容赦とか遠慮とか。
一切しませんでした。
――まったく。余計な手間を。


「いい、今度からかくれんぼをするときはちゃんとお兄ちゃんかハニワ兵に言ってからするんだよ?
急にいなくなったらすごく心配するからね。わかったら、お返事は?」

「「「あぁ〜い!!」」」
可愛い返事に俺は頷いて。
その後、ちょっと遅いけど皆で晩御飯を食べました。
聞いてみたら、ベスパちゃんはあの中でうっかり眠っていたらしい。なかなかストロングなお子様だ。
ま、ドタバタしたけど全員無事でよかったよかった。
ハニワ兵との絆も深まったし。
アシュタロスさん? 知りませんよ。ああ、ハニワ兵が廊下のドス紫色の何かを掃除してたな。

子育てには予期せず色んなことが起こると学んだ一日でした。


つづく


後書きという名の言い訳

上手く纏まりませんでした。そしてルシオラたちがしゃべりすぎだ。
何が書きたかったかというと「ばんざーい」「じゃーい!」「捕獲!」「ぽぽっぽ〜!!」だけです。
次、本編からようやく外――GSたちと関わり始めます。
でもその前にパパのいる休日なうらめんを書くかも…。よ、宜しいでしょうか?
皆様、ここまで読んで下さってありがとうございました!

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