インデックスに戻る(フレーム有り無し

▽レス始

「GS横島・ミラーワールド(GS)TSあり3話」

ミアフ (2006-03-07 19:51)
BACK< >NEXT

『なぜなにDrカオス!?の巻』

『横島』

金を稼いだのは良かった。
当座の資金は約3億円もある。
活動資金としては十分だ・・・・・・こっちの『美神』さんは案外太っ腹だなぁ。
など、のんきに思う俺。
まあ、生活の金銭的問題は解消された。
腹も膨れ、暖かい寝床を手に入れた俺が次ぎに考えるのは、元の世界への帰還。
元の世界ではデタント維持エージェントとしての役目がある。
とある事情でキーやんとサッちゃんから押し付けられたお仕事だが。
帰らなければならんのだ。
・・・・・・ところがなぜだかわからないのだが文珠でいくつか帰還策を試そうとしたのですが無理でした。
具体的には『元世界帰還』の五文字制御や『平行世界移動』の六文字制御。
だが、な〜ぜか発動しなかったんだよな〜。
一瞬で造った文珠は消えちゃうし・・・・・・いくら無尽蔵に製造できるようになったとは言え、もったいない。
まるで、『外部から移動をキャンセル』されているいような・・・・・・
まさか、ここにとどまれと言うのか?宇宙意思!!
しょうがない。
たしかあの老人が来たのは今日のはず。
文珠の帰還は無理そうなので、ボケ老人の知恵を借りよう。
しかし、ここでは『女』なんだろうな・・・・・・たぶん。

横島タダヨは上機嫌に歩いていた。
この日、令児から受け取ったバイト代でショッピングを楽しみ帰宅する途中だった。
「・・・・・・あれ?」
アパートへ帰ろうと早足で歩いていたタダヨは気づいた。
アパートのまん前に青年が待っていた。
青年は薄汚れたロングコートにスラックス。
頭に紅いバンダナを巻き、変わった形のバイザーを手で弄んでる。
「あら、横島さん。こんばんわ」
「よ!タダヨちゃんおひさッ!」
横島忠夫。
つい最近知り合った正体不明の霊能者である。
ただ、それなりに善い人みたいなのでタダヨは警戒していない。
「ん、買い物かい?」
気安げに横島が声をかけた。
「はい!今日はお給料日だったのでちょっと豪勢にお夕飯でも作ろうかと・・・・・・
そうだ、横島さんもどうです。材料はいっぱいあるからご相伴しませんか?」
その申し出に横島は残念そうに首を振った。
「残念、俺はこれからちょっと用があるんでね。タダヨちゃん、それじゃ」
「じゃさようなら〜」
アパートの階段を勢い良く駆け上がっていくタダヨを見届け。
横島の眼が細魔って、蒼色に染まる。
アパートのすぐそばに潜んでいた彼女に視線を送った。
タダヨをつけて来た人物、カラクリ仕掛けの美女に声を掛ける。
「ほう・・・・・・どうやら『マリア』はこの世界でも同じなのか?
まあ、人造人間だしな。変わりはしないのか、人格交換を企むところも」
電柱の影からレトロなデザインのカチューシャ、チャイナ風ドレスを纏った人造人間、マリアが現れた。
マリアは右腕から機銃を出し、横島へ警告する。
「任務に・障害あります・あなたを排除します」
その言葉に横島は両手を上げ、敵意を無い事を示す。
「マリア、俺をお前の主の下へ案内して欲しい。抵抗なぞせんよ。
俺の名は横島忠夫・・・・・・ご高名な錬金術師に相談ごとがあるんでね」
にやり、と言った表現の似合う笑いで横島はマリアに頼んだ。
マリアは幾らか迷ったような動作をし。
「・・・・・・イエス・ミスター横島」
彼女は僅かに微笑んだ。


都内某地下鉄内、Drカオスの秘密研究所。
「・・・・・・と言うわけ。俺が元の世界に帰る手段を考えて欲しいDrカオス」
これまでの経過を適当に話し、横島は助力を求める。
自分は武闘派な人間で考えることは本来は苦手だ。
ちなみになぜかカオスも男性だった。
たんにこの世界は性別が逆転しているわけじゃないらしい。
なにか法則があるのかもしれない。
「ふん、なかなかそそられる話じゃわい。で報酬はなんじゃ?」
平行世界からの来訪者に知的好奇心が刺激されてようで、カオスも乗り気だ。
その様子に満足した横島。
Drカオスの知力は神すら超えるからだ。
「まずはこれを使ってそのボケた頭脳を治す・・・・・・正直今のままじゃ不安だし」
テーブルに転がしたのは文珠。
入った文字は『肉体』『若返』『記憶』『容量』『増大』『補填』の12個。
「おお!これは文珠じゃな。実物を見るのはひさしぶりじゃ」
「肉体を若返らせ、記憶容量を増やす。で欠けた部分を補填する」
今の横島の文珠の効果なら、人間に対し、効果は長期に渡って続く。
こういう肉体操作系ならざっと数週間。
潜在的な霊的能力が人間以上だからだ。
「俺の文珠の効果が続く内に自分で若返りなり、記憶なりを補助する発明を造れ。
あと資金は前渡しで一億くれてやる・・・・・・」
「うぬ、了解じゃ」
その言葉に横島は頷く。
そして文殊が連鎖的に発動し、数秒後、カオスは見事に若返った。

「ふははははは!小僧、礼を言うぞ。これで私の頭脳も完璧!マリア、おまえの調整も今まで以上にしてやれる!」
高笑いするカオス。
大体の見た目は30代前半。
おおよそもっとも能力のあった300歳ぐらいに若返ってるのだろう。
マリアもどことなく嬉しそうだ。
「で、ちょっと訊く。俺が元の世界に帰還するためには具体的になにをすればいい」
問いに冴えたカオスはふむ、と考え込む。
マリアにホワイトボードを持ってこさせ、XYZ座標のような図を書き出した。
数学で使う三次元図みたいなものだ。
「簡単にいうと、小僧・・・・・・横島のいた世界はここだな」
スティック片手に座標の一つを射した。
若返っている成果で口調も老人口調でなくなっている。
次ぎに適当にスティックで座標に○を書いた。
「お主がこの世界に飛ばされたのは原始風水盤の効果だったな。
本来あれは地脈の流れを使い、一定の世界を使用者の望んだ世界に創り変えるもの。
だが、それを使い、おおよそ二次的効果での平行世界接続を行い、お主を平行世界へと飛ばした。
つまり多次元世界と因果律をもっとも類似したこの世界にだ・・・・・・」
講義口調でカオスはなにやら複雑なことを言い始める。
なにやら本人は上機嫌だが、論理が難しすぎて横島の脳味噌では耐え切れなかった。
横島は蒼い顔で言った。
「頼むカオス。もっと噛み砕いて説明をプリーズ」
「んん?それ程難しいことはまだ言ってないつもりだが」
脳が余計に活性化して、思考のレベルも上昇しているみたいなカオス。
出来の悪い生徒を見るかのように横島を見つめる。
「・・・・・・ぶっちゃけ因果律を操る原始風水版で、お主の世界とほぼ同じ構成のこの世界に半ば強制的に存在させられとるんだなお主は」
「・・・・・・ち。 この世界で文珠がキャンセルされたのはそいつが原因か」
先の文珠の失敗を思い出す。
因果律を操る文珠といえど万能ではない。
「しかも、向こうの世界の原始風水盤の因果律の効果をキャンセルするにはそれ以上のシステムを組み上げねばならん。
それを一から造る手間と費用を考えるとどれだけかかるか。
私の頭脳を持ってしても10年単位・・・あるいは100年かかるやもしれん」
その言葉に横島は頭を抱えた。
「ああッ!?もっと早く済ます手はないのか?既存のシステムを利用するとか」
別に時間は問題ない。
横島が単に耐え切れないからだ・・・・・・その長い間待つことに。
「ぬ、因果律を操るシステムなぞ既存するわけなかろう!そんなものが存在すれば神魔が逆転しかねんぞ」
「ん!?因果律、神魔、逆転?」
横島はカオスの言葉にあることを思い出した。
魔神アシュタロスのコスモプロセッサ。
あれはすべての可能性を秘める究極のシステム。
ありとあらゆることを可能にする機構。
「・・・・・・ってことはあれしか手はないのか?というかあの事件がこの世界でも・・・・・・?」
もっとも類似した世界ではあれに類似した事象が起きる可能性もある。
その時、コスモプロセッサを操作できれば・・・・・・
(そうなると、俺はまた上級神魔級と一戦構えなきゃならんのか?)
思わず其の予想に頭を抱える。
「そういやお主・・・・・・多少なりともヒトではないな。僅かだが魔力を感じるぞ」
懊悩する横島にカオスは尋ねた。
「ん、まあ、アレだ。とある事件で人間の霊気構造に魔族の霊気構造を上書きされてるからないうなれば半魔半人、種族魔人、ってかんじだな」
とんでも無い事をさらりと述べる。
とある事情で内容していた魔族因子を取り込んでしまい、人を超えた存在になっている。
「なら、寿命も不老か?」
横島は頷いた。
「一応な、魔人化することで不老不死になった。あと、一般の神魔と違い、鍛えれば鍛えるだけ成長するくらいかな」
「なら、時間はかかるがなんとかお主を元の世界に戻す機械作って見せよう」
「・・・・・・ああ、一応、こっちでもココロ当りを当ってみる」
「ふ、ヨーロッパの魔王の二つ名、舐めるなよ横島」
そういい、がっちりと握手を交わす二人。
そんなわけでDrカオスは横島と友の誓いを宣言した。

『カオス』

似た時間事象を潜って現れた魔人横島。
平行世界から来たという男の興味に尽きない話に好奇心が刺激される。
自分で言うのもなんだが私は知的好奇心の塊のような男だ。
最早人格交換なんぞどうでもいい。
横島と組むことで私は本来の知恵と知識を完全に思い出した。
文珠の効果が続く内に、完全な若返り薬と、記憶保存法でも編み出そう。
私と同じ不老不死の男か・・・・・・孤高の天才と言われた私だが、これまで友と呼べる存在はない。
いても精々認めた男、どまりだった。
頭こそ悪いが私以上の力を持ち、対等で接する存在がいることは正直嬉しい。
だから友として、横島に誓った。
かならずお主を元の世界に返してやると。
ヨーロッパの魔王の誇りに賭けて、幾月、幾年かかろうとも。
ところでマリア。
こっそり呟いた、
『しっかりした・Drカオス・マリア・ちょっと悲しい』
って発言はどういう意味だ?
私はボケてこそDrカオスと彼女に認識されていたのか?
ちょっと哀しいぞ私は!!
・・・・・・しかし、私はなんで日本に来たのだっけ?
う〜む。横島の印象が強くて思いだせん。
ま、よいか。


『横島』

俺は有り金の3分の1をカオスに渡し、長期滞在してる安ホテルへと戻った。
元の世界に帰るためやるべきことは幾つもある。
それも厳しい条件付きで。
カオスの地道な活動を地道にサポートし、元の世界へ帰る発明を待つ。
どれだけ時間がかかるか分からんが、時間移動も合せて行えば問題ないだろう。
第二に起きるかもしれないアシュタロスの核ジャック事件を利用する。
もっとも類似した世界なら起きる可能性は高い。
もし起きたらそのドサクサ紛れでコスモプロセッサをパクッて、それで元の世界に帰還する。
勿論、かなりの激戦になるだろう。
人間を辞めちゃった身体とはいえ、アシュタロスクラスとは力の桁が三桁は違う。
それで奴を出し抜くのは可能だろうが辛い。
まあ、起きたらどっちにしても世界の危機なので関わるつもりだが。
究極の二択だ。
地道に100年。
命賭け1年。
どっちにしろ、元の世界に帰るのは大分先になるだろう。
・・・・・・明日はこの世界で暮らすために『戸籍』を買いに行こう。
しっかりとした戸籍なら200万もあれば闇ブローカーが用意してくれる。
そして、この世界でもGSならぬDS『掃除屋』稼業を再開するか。
GS免許もあれば便利だしとっておこうか・・・・・・今の俺なら楽勝だし。

『令児』

・・・・・冥夜の野郎。覚えとけ!
といっても奴はのほほんとしてるんだろうがな。
Drカオスに俺を紹介しただと?
毎度毎度俺にどれだけ迷惑かければ気が済むんだアイツは。
もっとも、奴は何にも考えてないだけだろう。
人格交代で身体を乗っ取るだと、誰に向かってそんなことをしようとしてる。
この天上天下無双令児様になに様のつもりだ。
おいぼれが、この俺の事務所に来た瞬間、命はないと思え・・・・・・
このワルサーP38が火を噴くぜぇ!
しかし・・・・・・なかなかこないなぁ。

だが、そんな令児の思惑も知らず、カオスは無事若返る。
横島の介入のせいで。
そのため、未遂すら起きない人格交換事件。
準備万端に備えていたが空振りに終わってしまう。
その後2、3日機嫌の悪い令児。
その煽りをうけていびられるキヌ
なんというか美神GS事務所はとっても平和だったそうな・・・・・・

あとがき

数少ないTSしない人物Drカオス(若)を仲間入り。
若返ったカオスはこれからも横島の友として活躍します。
カオスはお気に入りなので。
次回はたぶん人工幽霊編です。

レス返し

うけけさん

盛り込んでみました。
風水盤で因果律ごと、世界に固定されてるから戻れないのです。

なまけものさん

う〜ん、この横島は恋愛関係に疎いのでカプになれるか?


黒炎さん

今の横島は文珠をほぼ無尽蔵に製造できます。
魔人化でキャパシティがあがっているためです。

LINUSさん

わりと人を見る眼が横島にはあるので。
令児には文珠を安く売ってあげました。

BACK< >NEXT

△記事頭

▲記事頭

G|Cg|C@Amazon Yahoo yV

z[y[W yVoC[UNLIMIT1~] COiq COsI