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▽レス始

「GS横島・ミラーワールド(GS)TSあり2話」

ミアフ (2006-03-03 22:57)
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『なぜか銀行強盗?の巻』


『横島』

金がない・・・・・・
切実に金がない。
だから俺の居場所は河川敷にダンボールハウスの我が家である。
それに手持ちの金も尽きそうだった。
たった一万少々・・・・・・二、三日で尽きる。
この世界では俺には戸籍をはじめ、一切財産という物がないのだ。
GS免許さえあれば、手頃な悪霊をしばいて金を稼げるのに・・・・・・
ぷりーず、へるぷみー。
と、叫んでも誰も助けてくれない。
なにをするにも現世は金がいるのだ。
一応、裏社会に詳しくなったおかげで非合法に戸籍を買う方法も知っています、俺。
けど、その資金がなかとです。
俺は無い頭を捻って知恵を出す。
今できることで手っ取り早く金を稼ぐ手段は一つだけだった。
ひさしぶりにぎりぎりな生活を強いられた俺には選択の余地はないのだ。
この世界唯一の知人、美神令児さんに『文珠』を売りつけに行こう。
・・・・・・しかし、買い叩かれそうだな。
なんたって『美神』さんだし・・・・・・


「・・・・・・で、なぜ僕はこんな所に連れて来られたのでしょう。
令児さん?」
「ふ、男手が足りんのだ。それにその『文珠』という物の効果を実際に試したい」
令児は足を組み、拳銃(ワルサーP38)の手入れをしている。
令児と横島がいるのはかねぐら銀行本店の近くに止めたフェラーリの中。
後部座席ではおっかなびっくり拳銃(モデルガン)を弄っているタダヨ。
なぜかキヌの姿だけない。
丁度美神GS事務所へ行った所、「仮想銀行強盗」の用意をしている令児に出くわしたのだ。
で、文珠を売りつけようとした所(この世界の美神は文珠を知らなかった)、これから行う強盗の分け前を一割くれるから手伝えと言われ、即答で「はい」と答えてしまい行動を共にしたのだ。
「わかってるだろうが、この防犯訓練でその文珠とやらが使えるかどうかも判断するからな!
もし使えるとわかったら一個、100万で引き取ってやるよ」
ついでに半信半疑の文珠の効果を試す気だ。
しかも買値は相場の100分の1だった。
ぼったくりもひどいところだが、横島はそれで頷いた。
というかむしろ感謝した。
元の世界の美神は事務所にいた頃は、週に一回、文珠を一個、無料で提供させられたからだ。
(・・・・・・う〜ん、ま、強盗に付き合うのもいいか・・・・・・ともかく、もうダンボールハウスで、一日コンビニ弁当一食からはおさらばじゃ〜!!)
気分を切換、横島はこれは単純なレクリエーションだと思うことにしたのだった。

かねぐら銀行はいつも通り営業しようとした。
朝一のお客様は老婆だった。
銀行に取っ付いた悪霊払いも兼ねた「仮想銀行強盗」の日である。
警戒は必要だった。
このゲームのルールは簡単、銀行強盗に扮したGSと悪霊が襲撃し、一日彼らが逃げ切れば奪っただけの金をGSに支払う。
逆に一日の内にとっ捕まえてしまえばノーギャラでGSを雇えるのだ。
かねぐら銀行本店は今まで数回、銀行強盗に遭い、それを自力で退けている。
日本一、異常に安全をモットーとした銀行なのだ。
「いらっしゃいませ〜」
受付嬢が老婆に頭を下げる。
いくら素人が銀行強盗しようとて、絶対に阻止する自信がかねぐら銀行職員全てにあるのだ。
「あの〜」
老婆が受付嬢に近づく。
声が小さいため受付嬢が老婆の口元に耳を寄せ。

ベリッ!?

老婆の顔が引きちぎれ、青年の顔に変わった。
「「「な!?」」」
職員一同がハリウッド顔負けの特殊メイクに驚く。
個人で使用するレベルの変装じゃない。
青年は老婆の衣装を颯爽と脱ぎ捨てる。
そのまま受付嬢の首に素早く手を回し、拳銃を突きつけ、手早く彼女を拘束した。
「悪いね・・・・・・俺もマジに生活かかってんだわ、これが」
横島は銃を天井に向け威嚇射撃した。
その瞬間、それを合図にサングラスをした男と少女、それに銀行に取り付いてた幽霊二人組みが店内に雪崩れこむ。
令児が銀行職員に宣言する・・・・・・ストップウォッチを片手に押しながら。
「全員両手を挙げて壁に顔を向けろ!下手に動くなよ。横島早く、金庫を開けろ!」

令児の命に従い、横島はカウンターを乗り越え、2個文珠を取り出す。
金庫の前で文珠を発動させる。
令児に対する文珠のデモンストレーションである。
込められた文字は『開』『錠』。
文珠の二文字以上の同時使用は作った本人しか使えないが、これの言葉で破れない金庫は人界には存在しないだろう。
大金庫が一秒立たずに開いた。
かねぐらの本店店長があんぐり顎を落している。
最新式の金庫室が苦も無く破られれば誰だってそうなるだろう。
「うっす、令児さん開きました!」
横島の報告。この間、たった五秒であった。
彼らは某三代目大泥棒一味に匹敵する金庫破りだろう。
「おおし、タダヨ、幽霊共、一分以内に入れられるだけバックに金を詰め込め。横島、電話回線は?」
にかっと横島は笑って応える。
いつのまにかまた文珠が2個床に転がっている。
今度の文字は『断』『絶』。
床下の電話回線を文珠の効果で『断絶』したのだ。
いつまで続くか分からないが最低でも警察に連絡が届くのは10分以上かかるだろう。
回線が繋がらないことに驚いている職員が携帯で通報しようとし。
「させん!」
令児のワルサーの悪霊弾でうたれた。
「ふ、時給500円の悪霊弾!」
粘着質な幽霊が携帯電話に取り付いた。
令児はストップウォッチとにらめっこしながら。
「57、58、59、60!よし、タダヨ、いくら入った?」
タダヨが重そうにボストンバックを携えながら。
「10億です。令児さん」
二人組みの幽霊がそれを外のフェラーリに積む。
その手際は並の強盗の比ではない。
「じゃ、撤収〜!!」
令児の言葉に四人は頷き疾風の如く立ち去っていく。
ついでに横島が去り際に文珠を一個使用した。
『痺』である。
いいようにされた職員の身体に痺れが走る。
思うように身体が麻痺して動かない。
「く、くっそ〜覚えてろよ〜。
み、美神令児〜!かねぐら警備隊出動だ〜!」
かねぐら銀行本店店長は呂律の回らぬ舌で恨み節を詠うことになった。

フェラーリを飛行場に向け運転しながら令児は呟く。
「おいおい横島、文珠って無茶苦茶使い勝手良くないか?」
令児は片手で文珠を弄ぶ。
それに自分の取り分一億を確保した横島は答える。
「そうっすね。俺以外の人間は同時使用できないけど、込めた漢字によって万能ですし・・・・・・
100万じゃちょっと安いっすよ〜」
「うう、ならここは思い切って1000万!これでどうだ!?」
「・・・・・・なら、商談成立っと」
ストックしてある文珠を10個ばかり手渡す横島。
「けど変なことに使わないでくださいよ?文珠は使い方しだいで神にも悪魔にもなれるんすから・・・・・・極端な話『死』って文字を込めて使えば、人間どころか下等な妖怪も殺せます。
霊格が一定以上、上の存在には無理ですけどね」
注釈を言う横島。
彼のいた世界では文珠の取引はオカルトGメンがきっちり観察を入れていた程のオカルトアイテムである。
ちょっと売り渡してしまって後悔の念に駆られる横島。
「あ、あの〜二人共、う、後ろ見てください」
タダヨが後部座席から身を乗り出した。
ところで、とっくの昔に銀行強盗二人組は成仏している。
「ああ、かねぐらの私設警備隊か」
横島は後ろから迫る特殊ワゴン車を見て、にやり、
「ほい!」
『滑』の文珠を投げてやる。
其のとたん、ツルッと道路の表面が滑り易くなり、かねぐらのワゴン車がどんどんスリップして、後続

車を巻き込んでいる。
俗に言う玉突き事故だ。
横島は貧困生活からの脱却を目指し、多少の犠牲には眼を瞑った。
責任問題になるのが嫌なのか令児が尋ねる。
「お、おい?いいのかあこまでやって」
「大丈夫っす!単なる運転ミスのスリップですよ。どうせすぐに道路は元に戻って証拠はなくなるんですから」
「なら、よし!」
「良くないですよ〜!?」
タダヨが喚くなか、三人は飛行場に到着した。

「へぇ?私設のセスナっすか。こんなのも所有してるんですか令児さん・・・・・・もしかして高飛び用?」
「うッ!?・・・・・・ノーコメントだ」
ノンキな横島にバックを手渡しながら脂汗を流す令児。
本当に高飛び用に購入したようだ。
「なに言ってるですか・・・・・・本当にこれから高飛びする予定じゃないですか」
タダヨが疲れたように呟いた。
ちなみに目的地は沖縄である。正確には国内なので高飛びではない。
「ま、備え在れば憂いなし、だ」
脂汗を拭う令児・・・・・・彼は高飛びする後ろ暗いことがどれだけあるのか。
操縦席に令児が着いた。
こう見えて、大抵の乗り物の免許を持っている令児。
実は生来の乗り物マニアである。
運転できないのは新幹線くらいなものだ。
電車は某ゲームで呆れるくらい遣り尽した。
令児はレバーを握りエンジンをふかし、セスナのプロペラが回り始める。
ゆっくりとセスナは青空へと飛び出していく。
そしてかねぐら警備隊の面々が飛行場にたどり着いた時のは、令児一行は遥か空の上を飛んでいたのでした。
今回がかねぐら警備隊初の敗北だったと言う。
そして、その報告に意気消沈しているかねぐら本店の片隅で。

カタカタカタカタカタ・・・・・・
凄まじい速さでキータッチする袴姿の幽霊がこっそりいたりなんかする。
もちろん周りにばれないように姿を消してである。
「ええと、令児さんのスイス銀行口座に10億円、送金っと」
この銀行強盗が決まってから、パソコンのオンライン操作を頭に叩き込まれたキヌ。
300年、幽霊をしていたが物覚えはとんでもなく良かった。
寧ろ暗記の天才と言えるレベルである。
実のところ横島が来なかったら、令児は自分を囮にし本命をキヌにする積もりだった。
コンピュータの不正操作による新手の強盗、ネット強盗。
まあ、令児に強奪された10億、キヌに接収された10億。
かねぐら銀行にとっては泣きっ面に蜂、痛い出費だろう。
気づいたときにはもう遅い。
「へへへ、これが成功したらボーナスで今日のお給金倍にしてくれるって令児さんいってたな」
10億という大金に比べ自分の薄給具合に気づかないキヌ。
彼は幸せそうに笑っていたが、とてつもなく不幸だった。
どうも本人は10億の額大きすぎて、残念ながらそのことに気づいてないのだけれども・・・・・・

あとがき

泣く泣く銀行強盗を働く横島・・・・・・金がないので堕ちるところまで堕ちてしまいました。
それにしても伊達に守銭奴令児とモデルが某紋章剣士なキヌ。
キヌ、途轍もなく不幸です。令児にしゃぶられてます。
ま、今回はかねぐら銀行が一番不幸なんですが。
長く書くつもりがこれも短い!
文体を変えようとしたツケがきたみたいです。

レス返し

黒炎さん

横島君はシリアスモードとギャグモードの二面性があります。
この横島は約22、3歳、それなりに成長させたからです。

家獣さん

アニメ版準拠なのはつい最近アニメを借りてみてたからです。
アニメ見てて、あのSSに触発されて書いてるので。
対して違わないです。

りゅーとさん

アニメのネタと原作後半を合せてみたいと思ってます。

なまけものさん

誤字報告ありがとうございます。
次は気をつけます。
時間はかかりますが完結はさせたいです。
某所のSSと同じく、最後までのプロットはできているので。

皇 翠輝さん

横島はかっこよくしようとしても三分でギャグキャラに戻ってしまいます。
ハードボイルドなギャグキャラを目指してるので。

ASさん

一応アシュタロスの代わりは考えてますイ○○タル神なんですけど。
反転しているのは性別だけではないつもりなので。

通りすがりの物体さん

あのSSは絶品でしたから影響はされます。
ロリな人工幽霊はでても、ピート、タイガー、までは手を出しません。
ただ、中世の生まれの人物はTSしないつもりなので。
Drカオスとか。

びょびさん

どうゆう期待か分かりませんが応えられなくて残念です。

らららさん

ありがとうございます。
このSSはぶっちゃけ横島が元世界帰還を目指すための物語の予定です。

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