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「GS横島・ミラーワールド(GS)TSあり1話」

ミアフ (2006-02-23 22:11/2006-02-23 22:12)
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『もう一度人骨温泉?の巻』


うすれかかる横島の意識。
そのためか戦闘モードの思考から普段の横島の思考に切り替わった。
横島はこれとよく似た症状を以前体験していた。
因果消滅内服液、その名の如く飲んだ人間を因果地平まで遡って消滅させるとんでもない薬だった。
Drカオスが美神令子に復讐する為にケーキに盛ったのを間違えて食べてしまい・・・・・・
(まあ、転移なら消滅ではないだろうな)
次元の狭間で横島は冷静だった。
伊達に修羅場を潜ってない。
だが不安がないわけではなかった。
(もし飛ばされた世界が原始時代とかそれに類する時間帯ならムッチャ嫌だな〜。
ジュラ紀とか白亜紀とか、人類すら存在しない世界だってありえるし〜)
最大の懸念は、
(せめて美人のね〜ちゃんがおる世界に飛ばされたいんや〜)
だった。
横島はやっぱり横島である。
そんな思いを抱き、横島の身体はその次元に具現した。

『???』

それは単純な仕事だった。
温泉宿に現れる女の幽霊。
それを強引に払ってしまえばそれなりの報酬と骨休めに温泉に入れるはずだった。
そんな簡単なことをあの馬鹿弟子が毎度の博愛精神をだして台無しにしたのだ。
成仏できるように身体を探して上げましょう。だ。
とはいえ、彼女の言うとおりにした方が安上がりだし、体力だけの消費ですむ。
だがなぜだ?
いつの間にか幽霊が一人増えているぞ、おい!?

人骨温泉、源泉。
巨大な亡霊相手に青年が神通混を構えている。
赤毛にホスト風のスーツ姿、整った顔立ちと引き締まった身体。
歌舞伎町のナンバーワンホストと言っても信じてしまいそうなくらいカッコいい。
耳にピアスと指にリングそれは全て精霊石製である。
お洒落ではなく、GSとしての切り札として装備している。
青年の名は美神令児(ミカミ・レイジ)
人呼んで、『守銭奴令児』と渾名される凄腕GSだ。
そして。
「わ〜美神さん頑張って〜!!」
黒髪長髪の健康美溢れる少女が黄色い声援を送る。
体型も標準よりかなり上、ジージャンにホットパンツ姿。
その容姿はかなりの美少女の部類に入る。
令児の弟子、横島タダヨ17歳。
結構前、とある除霊に巻き込まれ、その後僅かながら霊能に目覚めたために令児が弟子兼除霊助手として雇った高校生だ。
「だあ〜!?サイキックソーサーで援護くらいしろやタダヨ!それに早く札持って来いキヌ!」
「・・・・・・それが隙間が無くて札が通らないんです〜」
なしくずしに同行してきたキヌというなぜか袴姿の青年の幽霊。
なんでも成仏できないで300年。
自縛をとこうととタダヨを殺そうとした不届き者。
ま、当人とは和解が済んでいる。
どうしても成仏したいらしく、GSである令児達に引っ付いてきたのだ。
まあ守銭奴の令児は金のない奴からは除霊しない。
現金を持たないキヌは依頼料など持っていないのだろう。
・・・・・・成仏は当分無理そうだ。
「く、なんてパワーだ。この悪霊野郎!」
神通混で相手の攻撃を受け止めているがジリジリと押されている令児。
なんでも、温泉を見つけて喜んで足を滑らして死んだというこの悪霊、長年に渡って力を貯め続けてた

のかえらく手ごわい。
死んだ原因は間抜けだがその強さは侮れない。
ここまで連れてきたワンダーホーゲル(女)を使って、長年人間に悪さをしてきただけのことはある。
「くそがぁッ!!」
令児は叫んだ。
ありったけの霊力を込めた神通混を振るいながら。


『横島』

・・・・・・俺、どうなった?
意識を取り戻した瞬間、自分の身体が宙に浮くような感覚に襲われる。
それに周りが滅茶苦茶に熱い。
まるで熱湯の中にいるようだ。
・・・・・・ってか、お湯の中か!?
呼吸しようとして器官にあっつい液体が流れ込む。
水中で呼吸しようとすれば当たり前だ!
俺は犬掻きで水面まで慌てて泳いだ。
あの事件以降、因子のおかげか一般の人類より適応能力が高くなっているのだ。
水面から顔を出して、口に含んだお湯を鉄砲魚よろしく吹き出した。
ところで、なんかどっかで見たことあるような人間がピンチに陥っているみたいだが。


「ま、情報収集も兼ねて、人助けしようかね!」
横島は自分と同じく、水面から身体を伸ばしている悪霊に泳いで近づいた。
悪霊はまったく横島の気配に気づかない。
できうるかぎり、霊力を下げて接近しているからだ。
一気に栄光の手でぐっさりと悪霊の身体をぶっさした。
「GYAAAAAAAAAA!!!」
悲鳴を上げる悪霊。
「な!?どっから沸いて出てたんだお前!?」
うろたえた言葉と共に令児の攻撃が怯んだ悪霊の身体にヒットした。
ちょうど横島と挟撃するような形になった。
横島はアイコンタクトをどっかで見たような男、令児に送る。
(四の五の言わず、霊圧をあげろ)
それに突然の介入者に驚いた令児は頷いた。
「神通混・・・フルパワーァァァァァッ!」
叫びと共に悪霊の身体が消滅していく。
神通混から放たれる令児の霊波が悪霊の霊気構造を崩壊に導いているのだ。
横島の栄光の手の力を強める。
「破ァァァァァ!!!」
横島が縦一文字に消滅していく悪霊の身体を切り裂いた。
これがとどめだった。
人骨温泉に巣食った悪霊は、令児と横島のにわかタッグによって殲滅されたのだ。

「・・・・・・悪霊を倒すサポートはありがとう。だが、お前は誰だ?
ってかなんで温泉から出てきたんだよ・・・・・・怪しい、怪しすぎる」
神通混を仕舞い、令児は警戒心をむき出しにしながら横島に問う。
先刻はピンチだったこともあって、突然の乱入を生かして勝利したが、目の前の男は怪しすぎる。
令児はある意味さっきの悪霊より、目の前の横島を警戒していた。
横島は全身濡れた状態で挨拶する。
「あ〜俺もぶっちゃけよく分からん、ほんのちょっと前まで、香港の地下で『掃除屋』稼業に励んでいたんっすけど・・・・・・あ、俺の名前は横島忠夫22歳。
ちょっと裏稼業な人生送るナイスガイさ」
軽く自己紹介をし、逆に訊ねる。
「それでええと、ここはどこで、貴方はだれ?俺の知り合いに似たような人がいた気がするんだけど」
須狩の話が本当なら、自分は平行世界へ飛ばされてきただろうと検討をつける横島。
貪欲にこの世界の情報を必要としている。
この世界がどんな世界で、どのような情勢なのかは知らねば生きていけない。
令児はいぶかしりながらも名を名乗る。
「ん、俺は美神令児・・・・・・見ての通り、さっきの悪霊を退治しにきたGSだ。
残念ながらアンタとは面識はない」
そして、令児の後ろにいた二人も挨拶する。
「えっと、横島タダヨといいます。美神さんの弟子兼助手をしてます」
「ぼ、僕はキヌと言います。こう見えて一応300年幽霊をしている自縛霊です」
三人の自己紹介に思わず、横島の頭がフリーズする。
(・・・・・・美神に横島にキヌ!?性別こそ違えど、三人の霊波は俺の世界の美神さんやおキヌちゃんと一緒だ。それに、タダヨ?)
思わず考え込む。
「ちなみにここは人骨温泉の源泉、お前が泳いでたのは悪霊が棲家としていた温泉だ」
「・・・・・・ちなみに今何年だ美神さん?」
「ああ199X年だがそれがどうした?」
横島は平行世界であることを改めて感じた。
(この人がこの世界の美神さんで、あの幽霊がおキヌちゃん?そしてあの女子高生が俺かッ!?
この世界、まるっきり人間の性別反転しとる世界なんか?)
思わずガッデムと天を仰ぐ横島。
横島が自分が体感してきた世界と似ているようで微妙に違う世界、平行世界ミラーワールドであることをはっきり認識した瞬間だった。
横島は肩を落し、小さな声で呟いた。
「ルシオラ。お前との約束、どうしよう?」
二度目の約束を守れ無さそうと、横島青年はうなだれた。

結局、横島は令児達一行と東京の美神GS事務所まで行動を共にした。
そのさい、ワンダーホーゲル(女)を山の神に祭ったり、八千万円のお札を破いてしまったキヌが、
「弁償だ。弁償!キヌとか言ったか?お前は俺に日給30円で雇われろ。それで働いて弁償代を稼いでもらうぞ。金が溜まったら、依頼として成仏させてやる」と鬼畜な令児に言われ雇われるなど、
横島のいた世界と微妙に違う出来事が起こっていたりする。
ここらへん男女の差か、キヌにたいして令児は厳しい。
勿論、日給30円のくだりで横島とタダヨはずっこけていた。
また、令児は都心郊外の一軒家で事務所を構えてたりとここらへんも微妙に違う。
そんな微妙な違いに横島はつくづく平行世界の奥深さを感じ入っていた。
そして、三人と別れて。
横島は公園のベンチで黄昏ていた。
考えるべきことは両手一杯ある。
これからの生活。
この世界での行動。
そして元の世界への帰還の方法。
(そうだ、俺は絶対に帰らなきゃならないんだ)
死んだ恋人に誓った、二度目の約束を果たすために。
そして自分をこんな世界へ送ってくれた神魔・人間への報復のために。
ぐーきゅるるるる・・・・・・
「所持金、一万円と三円、こころともなねぇなぁ」
すきっ腹を抱え、横島はねぐらと食料を確保すべく立ち上がった。

あとがき

ええ、第一話、『もう一度人骨温泉の巻』お送りしました。
TSで単なる並行世界じゃつまらないので、アニメ版のTS世界に原作横島が乱入することにしました。
実は某TS小説に触発されてこれを執筆しているので、それに影響された部分が幾つもあります。美神の名前とか(笑)。
そこらへんは笑って許してください。
次はもうチョイ長い予定です。

レス返し


GZMさん。
この横島は魔族因子のおかげで戦闘中と普段とじゃ180度違う予定です。
普段は某魔道探偵並に情けないので。

ラゴスさん

ありがとうございます。
アニメ版の話をなぞりつつ、独自の展開に導ければと思っています。

通りすがりの物体さん

薄っぺらいのはたぶん筆者の筆力不足。
あっさりしているのは横島が先走ったことが影響してます。
また、横島だけがデタントを守ってきたわけじゃないです。

サラクランさん

原始風水盤は異世界に世界をつなげていたから思いつきました。
美神達のことは本編で書いていくつもりです。

うけけさん

あえて、横島っぽくなかったんです。
違和感ありまくりでしたか。
成長したようにかければよかったんですが。

閼伽さん

プロローグはTSじゃないんでつけなかったんですが。
これからはきちっと付けることにします。

hinoさん

自分でも先を急ぎすぎたかな?と思っています。
だんだん、ペースを落して、内容を熱くしていこうと思います。

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