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「GS横島・ミラーワールド(GS)」

ミアフ (2006-02-22 20:24/2006-02-22 20:26)
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プロローグ『その男、横島』


200X年、香港、某所。
そこは薄暗い、ジトリと湿った血の匂いにむせ返る洞穴。
知る人ぞ知る、『魔神殺し』と呼ばれる者はそこで刃を振るっていた。
とある情報を得、確かめるためにこの場に来た。
偵察のつもりだったのでレザージャケットにジーパン、ラフな姿だ。
無残に斬り捨てられたのは無数の妖魔。
それも人造魔族。
とある組織が軍事利用のために作り上げたテクノロジーの産物だった。
その屍骸の中に男が一人・・・おそらく二十代前半だろう青年が荒く息を吐く。
GS・・・・・・現代の悪魔祓い師の中でも1,2を争う戦闘能力を青年は持っていたのが、それでも敵は数を生かし攻めてきたのだった。それでも敵わなかったが。
疲労と霊力切れで、青息吐息な青年は呟いた。
「・・・・・・いくら魔族と言った所で雑魚は雑魚・・・・・・俺に勝てないとなぜわからない?
いや、雑魚な分、知能が低いというワケか・・・・・・」
青年、横島忠夫はシニカルに嗤った。
「けど、これほどの戦力、噂は本当だったのか?」
そして事態が逼迫していることに気づき、急ぎ走る。
何かが起きようとしていると気づいて。


横島が聞いたのは『原始風水盤が復活した』というもの。
それを聞いた横島は一路香港に向かってやって来た。
GS稼業の傍ら、人界を揺るがす事件の芽を事前に摘むという役目を己に課している。
そう、彼女の復活の可能性の芽を摘んだあの日から。
美神GS事務所のメンバーと決別した3年前から。


・・・・・・199X年、香港のとある地下道で原始風水盤とよばれるものを巡って、神と魔、人がか
らんだ闘いがあった。
そこに当時、荷物持ちだった横島も参戦した。
自分の師匠である美神令子を助けるために・・・・・・成り行きで。
それから早5年、少年から青年になった横島は戻ってきた。
初めて、自分から戦うことを決めた因縁の地に。
「人造魔族に原始風水盤・・・・・・まさかアンタが絡んでいるとは思わなかったぜ」
原始風水盤とよばれる巨大な装置の前に一人、白衣の女が立っていた。
金髪巻き毛の知的美人、だが瞳に宿るは憎悪と狂気、そして飽くなき知的探究心。
横島は自らが名づけた変幻自在の霊波刀『栄光の手』を発現させながら叫ぶ。
「・・・・・・須狩だったか・・・・・・原始風水盤の発動をただちに止めろ!!
それは人の手に余る神魔のオーバーテクノロジーだッ!!」
彼女は無表情に答える。
「・・・・・・ふふ、流石は魔王アシュタロスを倒した真の英雄。
あの時は単なる変態少年だったのに、化ければ化けるものね」
両手を広げ、須狩は哄笑しながら横島を見据える。
見れば彼女の周りには四つの影が鎮座している。
それはガルーダ、彼女が作った人造の魔神。
人間の身体能力を超えた身体能力と霊的構造を一撃で破壊する能力を持つ魔鳥。
横島は栄光の手を油断無く構え。
「風の噂に貴様が出所していたとは知っていたが、地脈を操り膨大なエネルギーを操る原始風水盤で何を企んでいる?答えろ!?」
その言葉にガルーダが動きだす。
怪鳥音が四つ木霊し、横島を襲うガルーダ群。
横島は手に握っていた文珠、『速』を発動させ、なんとか四匹の攻撃を凌いだ。
文珠使い、横島が人類最強を名乗れる最高の霊能力。
須狩はその様子を見、
「知りたい?教えてあげるわ・・・・・・それは!!」
おもむろに原始風水盤を操作する。
それに横島も焦る。
出来るだけ早く須狩の行動を阻止しなければならないと霊感が働く。
だが、四匹のガルーダは連携の取れた動きで横島の前に立ちはだかる。
「ッ!邪魔なんだよ!?」
横島はジャケットの内側から改造した霊弾用拳銃、カスール改『蛍火』を引き抜いた。
連射!連射!連射!連射・・・・・・!!!
全24発、44口径精霊石弾をガルーダ達に放つ。
ガルーダ達の四肢が砕け、完全に沈黙した。
こう見えて銃の扱いは手馴れている・
「手間とらせんじゃない」
怒りすら滲ませながら横島。
そんな横島に須狩は語る。
「私の目的はずばり、貴方。横島忠夫の抹殺」
その言葉に横島は、「またか?」と言ったかのようにため息をついた。
「裏で手を引いてるのは誰だ?魔族デタント阻止派か?それとも神族?
あるいは俺のあれを脅威に思っている人間のだれかか?」
命を狙われる心当りがありすぎ、戸惑う横島。
この5年、月に一度は命を狙われるような生活を強いられていた。
西にデタント阻止派魔族がいると聞けば殲滅、東に神族過激派がいると知れば消滅、
南に非道なオカルト研究所があれば即壊滅。
デタントを・・・平和を守るために行動してきたのだ。
『彼女』に貰った命を燃やして横島は闘い抜いた。
「ふふ。その全部。貴方は強すぎた・・・・・・だから三者が手を組み、貴方の抹殺をバックアップしてくれたわ。だから私もここまで戦力を整えられた。そりゃ私だって美神令子や氷室キヌ、それに横島忠夫に復讐したかったしね」
「そりゃご盛大なことで、で、罠を仕掛けるためにこんな大掛かりな仕掛けをこさえたか?
にしては今一つ、原始風水盤を使う理由がわからんけど?」
横島はありとあらゆる事態に備え、構えている。
「じゃ、教えてあげましょ。こうよ!」
須狩の操作が終わった。
横島は突如身体が重くなったように感じた。
「?なんだこの感じは!?」
須狩の哄笑。
横島は思わず自分の身体を見て驚く。
足が半透明になり動かない。
「あはは!!!原始風水盤を使って貴方のいる空間を転移させたのよ」
「く、身体が動かない・・・・・・」
じょじょに横島の身体が透明になっていく。
原始風水盤の操作の中にいたせいで、身体を別の次元に持っていかれてるのだ。
「原始風水盤をもちいれば世界の創造や接続は至って簡単!さよならお元気で『魔神殺し』
これで魔族も神族も人間も貴方がいないおかげで好き勝手できるわ」
須狩の言葉と共に横島の意識が薄れていく。
横島は消えかかった顔で精一杯強がった。
「・・・・・・俺がいなくなっただけで、世界は変わらんぞ」
「さあ?貴方こそがこの世界の免疫機構・・・・・・一気にデタントも崩壊かもよ。なら最後に言いたい言葉は?」
「なら願わくば、三界に幸あれ、だ」
そう言い残し、横島は消えた。
この世界から。
そして、守護者を喪った世界の未来は暗い。

あとがき

某所に逆行物を連載しているミアフです。
ここでは初の連載です。
一応ジャンルはTS逆行(アニメ版)のつもりなので。
この横島はシリアスでハードボイルドで行きたいと思っています。
おおらかな眼で見てください。

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