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「GS横島!!極楽トンボ大作戦!! 第十四話(GS)TS有り注意」

球道 (2006-02-23 00:51)
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カーテンの隙間から射し込まれる朝の光が、私の眠りを妨げる。

鳥が二羽、愛を囁くように囀り合う。

伸ばした手でカーテンを開け、窓から空を仰ぐ。

今日も空は高く、青い。


枕元の時計はAM5:40を指していた。


雪乃の朝は中々に早い。

朝は一日の始まり、手を抜くわけにはいかないのだ。

手早くパジャマから着替え、身支度を整える。

洗濯機の『ゴウンゴウン』と、言う独特のベースに、台所から響くパーカッション、鳥のコーラス。

「〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」

メロディラインも軽快だ。

生活の音は心の持ち様で生活を彩るBGMに変わり、人を舞台の主役に変える。

雪乃の朝は、ミュージカルで始まるのだ。


どだどだどだどだどどどどどどどど!つるっ!?すてーーん!ごろごろごろー!ぱっかーーーーん!!

二階から聞こえてきた騒音が、階段を駆け降り、廊下で滑り、転がり、玄関の傘立てを薙ぎ倒す。

ストライク。


「〜〜〜♪〜〜〜〜〜♪〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」

そんな騒音に耳を傾けながらもまったく動じる事無く、フライパンを振るう。

中で踊るのは『Aglio,Olio e Peperoncino』、直訳すると「にんにく、オイルと鷹の爪」

一般的に言えば、ぺペロンチーノスパゲッティである。

ちなみに、今日の弁当の付け合せだ。


がちゃ

フライパンから皿にパスタをあげた時、ドアが開いた。


「うぅ〜!時間無い!時間無い!!雪乃〜、ご飯ちょ!」

先の騒音の主、登場。

「……母さん、裸でうろつかないでよ」

頭を抱えたくなる様な母親の姿に若干の眩暈を覚えながらも、それとなく注意する。

勿論、効果などまったく無い。

「別に良いじゃない、女三人家族、男なんて居ないんだからー」

ぶーぶー!と、口を尖らせる母。

「ダーメ!横島だってこの家に来たりするんだから、だらしないのは恥ずかしいでしょ!」

と、指差す先は、黒い丸まった物体P。

「うふー、忠夫君を誘惑されたら困る?ソレ、忠夫君にプレゼントしちゃおっかなー♪」

「ママ!!」

「うひゃー、ゆきのんが怒ったー♪」


着替えながら逃げる母、プンスカと音をたてながら追いかける娘。

これが伊達家の日常、これが親子のスキンシップなのだった……」


「変なナレーション入れんなー!」

仲が良い親子である。


GS横島!!

極楽トンボ大作戦!!

第十四話


「はい、朝ご飯」

春奈の前に料理が置かれる。

「うあーい忠夫君のお弁当の付け合せの絶望のパスタの残りだー」

「……何か?」

ギロリ。

「うっひゃ〜!ぺペロンチーノだ〜!オラ、こいつが食いたかったんだ!ワクワクして来たぞ〜!」

「よろしい」

雪乃は軽く笑うと、台所へ戻っていった。


その頃の伊達家次女。

「くぅ〜〜〜〜、むにゃ……、駄目だよぅ、そんな所舐めちゃやぁ〜、よこしまぁ〜♪」

……中々面白い夢を見ているようである。

「む〜〜〜〜〜、舐めるなら跪いてぇ……、そう、指の股を……、うふふふふふふ……」

…………、幸せな夢、の、よう……か?


「じゃ、行って来るわ、今日からタマモちゃんも学校だから、遅れ無いように連れて行ってあげてね」

ビシッとスーツを着た母、本当に先程までの母と同一人物かどうか、いつも疑問に思う。

いつもこんな感じでビシッ!っとしていてくれればなぁ、と、溜息を吐く。

「あ、タマモちゃん、おはよう♪」

そんな時、タマモが階段を下りて来る。

「ん〜、おはよぅ……、ふぁ、ママは会ふぁ〜?」

欠伸まじりの朝の挨拶、タマモは、母の事を『ママ』と呼ぶ。

母が、『ママって呼んでね♪雪乃はもう呼んでくれなくなっちゃったから〜、ね?』と、泣きついたのだ。

勿論タマモは拒否をした。

しかし母は……、否、これは語るまい、人は誰しも脛に傷を持って生きているものだ、忘れたい物もあって良い筈だ。

と、言うわけで結果的にタマモが折れる形で『ママ』と呼ぶようになったのだった。

「うん、おはよう、タマモちゃん、今日から学校、頑張ってね♪」

「ん〜、ありがと、いってらっしゃい〜」

そう言ってタマモは洗面所に入っていった。


「はい、これ、今日のお弁当」

赤い袋に入ったお弁当を渡す。

「おー、ずっしり!今日も気合入ってるわね〜、忠夫君への愛が詰まってるわ

〜〜その弁当匣の中には忠夫君への愛がぴったり入ってゐた〜〜みたいな?」


「さっさと行け!馬鹿親!!」

雪乃は春奈を蹴り飛ばすように送り出した。


AM7:45


「タマモ〜、そろそろ出るわよ〜」

玄関から雪之丞、ううん、雪乃の声がする。

あ、今日は最初だから早く行かなきゃ行けないんだっけ。

「今、行く〜!!」

部屋の姿見で最終チェック。

髪、良し!

顔、変じゃない!

ニコ♪笑顔良し!

制服も、うん、ばっちし!


「タマモ〜!」

「は〜い!!」


タマモの新たな学校生活が、今日、始まる。


朝のHR前、雪乃の周りに人が集まる。

何処から聞きつけたのか話題は編入生の話、一年生に物凄い美人が編入してくる、と言うのだ。

そう、間違いなくタマモの話である。

「あ、それ私の妹の話だと思う」

隠すことでも無いので雪乃は言う。

「へー、雪乃の妹ねー」


!!!!!!!!!!!!


瞬間、教室で聞耳を立てていた男子女子、総勢二十数名が動きを止める。


……………………。


教室を静寂が支配する。

「??」

雪乃は喧騒を忘れたかのような教室で首を傾げる。


静寂は椅子の音で破られた。

ガタン!

一人の男子生徒が立ち上がる。

「……、俺、ちょっとトイレ行って来る……」

それはダムにキリで穴を開けたかのようだった……。

「お、俺も!」「俺もトイレ……」「……、俺も」

教室の彼方此方で上がる「俺、トイレ」宣言、全て男子である。


「あ!いっけな〜い!私、先生に呼ばれてたんだったー」

「え!呼ばれてたの?私も一緒に言ってあげるよ〜♪」

「私も!」「私も!」

女子は何故か十人以上で職員室へ。

あっと言う間に教室に残っているのは、雪乃とのどかだけになってしまったのだった。


「……皆、如何したのかな?」

「……さあ?」

溜息を吐くのどかと、困惑気味の雪乃であった。


二人だけの教室で、向かい合って話をする。

「妹って言っても、義妹なんだけどね」

「へー、血は繋がってないんだ」

「うん、養子なんだ、今度紹介するよ」

「ん、楽しみにしとく」

ちゃらら〜!のどかの楽しみが1増えた!


その時。

「あ、横島だ」

雪乃が突然ドアの方に顔を向ける。

数十秒後、ドアが開き、

「うい〜す、って、あれ?学級閉鎖か?」

横島が現れた。

横島の反応は当然であろう、後数分でHRが始まってしまうと言うのに、教室の中に居たのがたった二人だったのだから。

「ううん、皆、なんかどっか行っちゃったの」

「へー」

何も入っていないような薄っぺらい鞄を机の上に放り投げ、横島は雪乃達の会話の輪に入っていった。


「それにしても、良く横島が来たってのがわかったね、雪乃」

愛の力かねー?と、ニヤニヤ笑う。

「ち、違うよ!よ、横島の気配が……」

「愛の力だねー」

「違うってば!」


「で、他の連中は何処行ったんだ?」

横島は話題を変える事を試みる。

何だか解らないが、生温かいのどかの視線に耐えられなかったのだった。

「ん?ああ、多分職員室だよ」

「「?」」

首を傾げる雪乃と、横島。

「皆、一年に凄い美人の編入生が来るってんでさ、見に行ったよ」

「へー」

「それだけじゃ、眉唾だったんだけどね、さっき雪乃が……」

「私?」

「そ、アンタ、雪乃が」

「あ!そうか、今日からだっけか?タマモ」

合点がいったのか、ポム!と、手を打つ、横島。

「何だ、知ってるのか、雪乃の妹の事」

詰まらなさそうに息を吐くのどか。

「それでな……」

三人で話に華を咲かせるのだった。


き〜んこ〜んか〜んこ〜ん♪き〜んこ〜んか〜んこ〜ん♪

鐘が鳴っても生徒は帰っては来なかったそうな。


そして。


うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!


歓喜の雄叫びが学校に響き渡った。


追記


その後の昼休み。

当然の如く、横島の教室に現れるタマモ。

そのタマモから発せられる、横島への『愛と言う名の熱視線ビ〜ム』

そして雪乃からの『手作りお弁当』が発覚。

さらに、雪乃とタマモでのツープラトンでの『あ〜ん♪攻撃』


これを見せられて嫉妬しない奴ぁいねぇ!!←男子生徒&若干の女子、心の叫び。

横島はこの日から、男子生徒&若干の女子の心の中で、『敵』と認定されてしまったのだった。


南無。


あとがき


駄目だ!!

中々GS本編に絡まない!!

と、言うより思ったよりタマモで時間が!!


さくさく書かねば!!

レウ!レウ!!


LINUS様、箒柄様、徹夜覚悟様、とんちゃん様、ゆん様、内海一弘様、ミアフ様、シヴァやん様、まさ様、aki様、諫早長十郎様、コーヤ様、kj様、白銀様。


感想、毎度有難うございます。

この作品も、早いことで十四話、自己最長を更新いたしました。

それもこれもどれもあれも、皆様方の感想あればこそで御座います。

拙い文でありますが、これからも温かく見守っていただければ恐悦至極に御座います。


時が経つのは早いもので、後十日もしないうちに、三月になるのですね、私が今生の生を諦めかけつつも手術を受けてから、七ヶ月経ちました。

体調も万全と行かないまでも、普通に朝を起き、昼に活動し、夜に眠れるようになりました。

……、と言うわけで。

四月から学業に復帰しますよー!

嬉しいな、嬉しいよ!

……申し訳ない、関係なさすぎでした。


次回もこのチャンネルに!!(チャンネル?

ばぁぁぁっちぃぃっ!こぉぉぉいっっ!!

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