小竜姫はメリュジーヌを包んだ光の膜を見て、1つの推論を立てていた。
(あれはおそらく魔法使いの防御結界……ならば、初撃に全力を尽くして砕くのみ!)
彼女には武術の心得はないだろう。武神として大勢の修行者に接してきた経験がそう告げている。
事実メリュジーヌの横に回るのは簡単だった。そして渾身の一撃を横薙ぎに叩き込む。
が―――
キィィン!!
「なっ!?」
鋼すら断ち切るその一閃が、1ミリの傷をつける事もできぬとは。
「あんたとやるために作ったって言ったろ。そんな攻撃ムダだよ」
メリュジーヌがそう言って杖の宝珠を防壁の一角にくっつける。そこに生じたエネルギーの高まりは―――!
「……っく!」
背筋に冷たいものを感じた小竜姫がとっさに半身になって避ける。その後を虹の光が通り過ぎて行った。
それは七色に輝く霊波砲―――いや、剃刀のように薄いそれは霊波刃とでも呼ぶべき凶器だった。今のはかわせたものの、まともにくらえばおそらく貫かれてしまうだろう。ちなみに虹を竜とする伝承も世界各地に存在する。
メリュジーヌは小竜姫が今の攻撃をかわしてくれた事を内心で喜びつつ、彼女の青ざめた顔を見てくくっと笑った。
「何を驚いてるんだい? ボールの中に閉じこもってるだけの刺客なんているわけないじゃないか」
メリュジーヌは今の一発で小竜姫を殺そうというつもりはなかった。彼女にとって最上のシナリオは、天龍と小竜姫に完全な敗北感を与えた上で、『あえて』とどめを刺さずに引き揚げることである。つまりなるべく憎まれないように、かつ恐怖あるいは忌避の感情を与えることだ。それゆえ簡単に死なれては困るのだった。ただし防壁の維持には膨大なエネルギーが必要なので、そう時間をかけるわけにはいかないのだが……。
「余の家臣に手を出すなぁっ!」
小竜姫がいったんメリュジーヌから離れたところで天龍が霊波砲を放つ。パワーに比べてコントロールが未熟なので、2人が近づいているときに撃つのは危険なのだ。小竜姫が。
ドウッ!
「……! 何て力……!!」
激しい衝撃に防壁が揺らぐ。破壊はされなかったが、こんなものを何発も食らったら修復ですぐエネルギーを使い切ってしまう。
やはりメドーサに撤退を決意させただけのことはある。放っておくわけにはいかない、とメリュジーヌは天龍に向けて霊波刃を飛ばした。
「させません!」
そこへ小竜姫が超加速で割って入る。天竜の体をかかえて虹の刃の軌道から逃れた。
「小竜姫よ、あれに勝てるのか……!?」
超加速を解いた小竜姫に天龍が不安げに話しかける。神剣も霊波砲も効かない相手とどう戦えばいいのか。
「はい、まだ方法はあります」
小竜姫は天竜を元気づけるため、あえて明るい声で答えた。
確かに敵の防御は強大だが、まだ勝機はある。それは超加速で霊波刃が遅くなったこと。つまり敵の攻撃をよける事はさほど難しくないわけだ。
「今度こそ……!」
超加速で接近し、神剣を振り下ろす。防壁には傷1つつかないのは承知の上、間髪入れず同じところにもう1度打ちつけた。
どんな優れた木こりでも斧の一振りで大木を倒すことはできない。しかし10回、20回と同じ所を切りつけていればいつかは倒れる。
がむしゃらに剣でがんがん叩くのはあまり格好のよい姿ではなかったが、見栄えにかまっている場合ではなかった。
ビシィッ……!
それは何回目の剣撃だったか。堅牢無比な結界に、ついに一筋のひび割れが入ったのだ。勢い込んだ小竜姫は次で決めるとばかりに大きく剣を振り上げたが、そのとき防壁の中のメリュジーヌがすっと杖を動かした。
「え……!?」
驚きに眼を見開いた小竜姫の目前でメリュジーヌが杖を防壁のひびが入った辺りにくっつける。宝珠から放たれた光が防壁に吸い込まれ、あっという間にひびが埋まって元通りになった。
「な……」
大量の霊力を消費する超加速を使いっ放しにしてやっとつけた傷をこうもあっさり直されるなんて。呆然とそれを見つめる小竜姫に、メリュジーヌは生徒の間違いを指摘する教師のような口調で講釈した。
「着眼点は良かったけどね。これは物質的なものじゃないから、こうやって修復することもできるんだよ。ついでに言うとこの中には超加速の効力も届かない」
ルシオラが月で使った『全て遠き新婚旅行』と同じ発想である。作戦も同じ、超加速をあえて使わせて小竜姫の消耗を誘ったのだ。
「……くっ」
小竜姫が超加速を解き、再び距離を取る。
残る手段はただ1つ、メリュジーヌが結界を維持するエネルギーを使い切るのを待つことだった。あれほどの力場、そういつまでも保てるはずがない。まして天龍の霊波砲を受ければ相当に傷むはずだ。
(我慢比べですね)
小竜姫の方も霊波刃から天龍を守るためには超加速を使う必要がある。どちらが先に力尽きるか、もしくは、
(横島さんとルシオラさんが来てくれれば)
それを待つのが1番確実な方法かも知れなかった。武神としては少々情けなくはあったけれど。
ルシオラとタラスクスの戦いは完全なワンサイドゲームになっていた。
ルシオラが次々と飛ばして来る武器の前に、タラスクスは接近することさえできない。キャルタンの剣といえども衝撃を撥ね返すものではないので、強烈な打撃を受ければ吹き飛ばされてしまうのだ。
人間の姿でも使える遠距離攻撃方法として、伝承でも謳われた『毒の息』という切り札もあるのだが、
「斬り抉る蛍の剣、2発目ーーー!!」
相手の必殺技の後から使ってなおそれを制圧するという卑怯な攻撃によって妨害されていた。それに見た目GSどころか一般人並みの霊圧しか感じないのに、どんなカラクリでこんな派手な技を連発できるのか。
フルンディング?
「赤原猟蛍ーーー!!」
赤く光る矢のような剣が飛んで来る。タラスクスは自らの剣で打ち払ったが、それは空中を鳥のように旋回して彼の背中にぶち当たり、爆発した。
「ぐはぁっ!?」
傷は負わないものの衝撃は消えない。すっかりペースを乱されたタラスクスは、ぜえぜえと息をつきながらルシオラに向かって悪態をついた。
「て、てめえ、いい加減まともに戦いやがれ……」
「そうね、じゃあそろそろ終わりにするわ。あなた帰したら仕返ししに来そうなタイプだし」
ルシオラは意外なほどあっさりと彼の言い分を受け入れた。
それは今までの戦いでタラスクスの不死身の秘密を読めていたからでもある。口に出すほどお人良しではなかったが。
「霊圧抑制術式3号2号1号開放。状況B『逃亡阻止』発動による承認認識。目前敵完全沈黙までの間、能力使用限定解除開始」
ズンッ!!
ルシオラの霊圧が一気に千倍ほどに膨れ上がる。タラスクスが驚いて、
「なっ、小竜姫並みの霊圧だと……!? さては貴様、力を隠していたのか!?」
「まあね。普段の仕事じゃ抑えてた方がやりやすいけど、大きな技は使えないから」
「……クッ! だがどんな技だろうと俺を傷つけられるものか!」
タラスクスが霊波噴射機を全開にしてルシオラに襲い掛かる。こうなったら最速の一撃で、反応される前に仕留めるしかない。
しかしそれは敵がいま最も望んでいることだった。
そう、剣の加護で傷つかなくなっているのなら―――
「私のこの手が光って唸る! 巨乳を砕けと轟き叫ぶ!! くらえ、愛と怒りと悲しみのっ、シャイニング蛍パンチ!!」
まずその剣を砕いてしまえば良いのだから。
振り下ろされるキャルタンの剣をルシオラは己の拳で叩き折り、そのままタラスクスの胸板を打ち抜いた。
大竜姫とペルーダの戦いは双方とも決定打に欠ける状況になっていた。
大竜姫はとにかくペルーダの炎の吐息を避けつつ、彼の横や後ろに回り込んで斬りつけるのが戦術のすべてだった。一方ペルーダはすでに1人で大竜姫を倒すことは諦めており、他の2人が応援に来るまで時間を稼ぐことに徹していた。つまり自分からは攻勢に出ず、炎で大竜姫の接近を阻むことを主眼に戦っているのだ。
これではいかに大竜姫が強くとも、冷艶鋸の間合いまで近づくことは難しい。負ける気遣いこそ無かったが、勝つのもなかなか難しい、という事態になっていたのだ。
「くっ、卑怯者! 逃げてばかりいないで正々堂々と戦いなさい!」
「いやいや、これもあんたの強さと美貌に敬意を表してのことだよ。うん」
強さはともかく、美貌に敬意を表するなら炎など使うべきではないとも思われるが、この男にそういう突っ込みはするだけ無駄というものである。
「何をわけの分からぬことを!!」
「おっと!」
真横に迂回して迫ってくる大竜姫にガエ・ジャルガを向けて牽制しつつ、霊波噴射機で加速して距離を取るペルーダ。
―――そのどこか締まりのない戦いの流れを変えたのは、彼の同僚の断末魔の声だった。
「……タラスクス!?」
聞こえた絶叫とシャイニング蛍パンチの轟音にペルーダは思わずそちらを振り向いた。愛用の剣ごと五体を砕かれたタラスクスの最期が見えたが―――竜神の聖戦士と向き合っている今の彼には、その一瞬の隙が命取りだった。
大竜姫が上から隼のように急襲してくる。もはや炎の吐息は間に合わない。落ちてきた冷艶鋸をペルーダはとっさにガエ・ジャルガの柄で防いだ。彼女の腕力で打たれれば、その勢いで飛ばされるから距離が取れる。
と思ったが、受けた槍から伝わってきた衝撃はほとんど無いと言っていいくらい軽かった。大竜姫は衝突の瞬間に冷艶鋸から手を離していたのだ。そしてペルーダの槍の柄をつかむ。
「……! しまっ……!」
大竜姫の右手が拳を握るのを見て、ペルーダは戦いを捨てた。このまま彼女に殴られたらそれで終わりだから。槍から手を離し、後ろに向かって加速する。
その直後。
「妙神山昇龍覇ーーー!」
大竜姫にとってはアッパーカット、ペルーダにとっては正面からの右ストレートが彼の顔面を直撃した。
妙神山の大瀑布(あるのか?)を背景に、その筋では名高い車○ぶっ飛びを披露しつつ消えていくペルーダ。大竜姫はガエ・ジャルガを手に持ったまましばらく彼が戻って来るのを待ったが、とうとう彼は戻らなかった。
ペルーダは一応意識はあったが、もう戦う力は残っていなかったし、そもそもガエ・ジャルガが無ければ勝ち目など全くないので、吹っ飛ばされた勢いのまま逃げたのだ。
ルシオラが大竜姫に近づいて声をかけた。
「そっちも終わったみたいね。大丈夫?」
「ええ、あなたのおかげで。助かりました」
「……。ものすごく違和感あるから元に戻ってくれる?」
ひどく不機嫌そうなルシオラに大竜姫は黙って頷き、文珠の効果を解いた。大竜姫の姿が消え、代わりに元の横島が現れる。
横島はルシオラに脇の下からささえてもらいながら、
「ルシオラ、この槍どうしようか。魔法を破る力があるらしいんだが」
何しろ大竜姫の超加速を完全に防いだ代物である。銘は分からないが、大変な逸品である事は間違いない。
「そうねぇ。アパートに置いとくのも何だし、小竜姫さまに預かってもらえばいいんじゃない?」
ぶっちゃけ銃刀法違反だし。
「おお、さすがは俺の軍師。頼りになるぜ」
「……どう致しまして。ところでその設定、いつできたのかしら」
「臨海学校のとき自分で言ってなかったか?」
「……」
そう言えばそんな気もする。横島に知恵を貸すのは望むところなのだが、どうも余計な仕事まで背負っているような気がしてならないのだ。
「で、このまま小竜姫さまの所まで行くのか? この体勢じゃ戦えんだろ」
「そうね、じゃあ神装術で行きましょう。その槍があれば少しはやれるでしょ?」
「分かった」
ルシオラがバンダナの姿になって横島の額に巻きついた。横島はいつもの和装に道化師帽子、白い仮面の神装術をまとって妙神山の方角に全速力で移動する。
やがて強烈な霊的戦闘の気配とともに、小竜姫と刺客の姿が2人の視界に入った。天龍が少し離れた所からときどき霊波砲で刺客を攻撃しているが、彼女を包む球体に弾かれているようだ。
心眼で戦闘の様子をとらえたルシオラが横島に話しかける。
『あれは魔法の結界よ。ちょうどいいわ、その槍で破壊できるんじゃないかしら』
「おお、そりゃ確かにちょうど良かった」
天龍の霊波砲が通じないようでは、自分達の攻撃もどこまで効くか分からない。まことにラッキーな展開だった。
『でも気をつけてね。あの結界、外側に剣みたいなの飛ばせるみたいだから』
「任せとけ」
横島の気配がすーっと薄くなっていく。今はルシオラがいるのでしていないが、かって美神の入浴を覗いていた頃に実戦で鍛えられた気配遮断の技術だ。
「俺のテンションは今、覗き少年時代に戻っている! 俺が美神さんのシャワーを覗いていたあの当時にだッ! 卑屈! スケベ! その俺が奴を倒すぜ!」
この台詞だと返り討ちに遭ってしまうのだが、まあ横島だから大丈夫だろう。
『……』
ルシオラもすっかり呆れ果てていたが、確かに気配は消えているので黙っていた。
(クモのよーに近づき……)
壁を這う蜘蛛のようにかさこそとメリュジーヌの背後から近づいていく。
「ハチのよーに刺すっ!」
バキィン!
横島がメリュジーヌの結界にガエ・ジャルガを突き立てると、あれほどの頑強さを誇った防壁がまるでガラス細工のように砕け散った。
「で、ゴキブリのよーに逃げる!」
「な、何事!?」
それで初めて横島の攻撃に気づいたメリュジーヌが振り返ったが、そのときにはもう彼の姿は見えなかった。横島は彼女の真後ろから攻撃してすぐさま真下に逃げたから、メリュジーヌの視界には入らなかったのだ。
「チャンス……!!」
小竜姫も横島の接近には気づいていなかったが、おそらく彼らの仕業だろうとは察しがついた。即座に超加速を発動し―――メリュジーヌの杖を神剣で両断した。
「さあ答えてもらいますよ。あなたは何者です、なぜこんな事をしたのですか」
と地上に降りた小竜姫がメリュジーヌへの尋問を始める。これほど用意周到な相手だから、何らかの背景があるはずだ。
メリュジーヌは杖も霊波噴射機も破壊され、ルシオラに後ろから取り押さえられているため身動きすらままならなかった。しかし昂然と顔を上げ、はっきりした口調で答えた。
「私の名前はメリュジーヌ、ただのはぐれ竜族だよ。どうして天龍を狙ったのかはむしろこっちから説明したいところさ。地上の竜族はあんたらを歓迎していない……正確には、歓迎してない者も大勢いる、という事を理解してもらうためだよ。口先だけじゃ分かんないだろうから、身をもって、ね」
メリュジーヌが一気にそこまで話すと小竜姫は怒りを面に表して、
「そんな事のために殿下のお命を狙ったと!?」
「そんな事、か。あんたらから見ればそうだろうね。だけど私たちにとっては重大なことなんだよ。そうでなきゃこんなヤバい事しないさ」
地上の竜族というのは、竜族の中で『神』の属性も『魔』の属性も持たない者たちだ。
彼らの経歴はさまざまだが、大まかに言って、小竜姫たち東洋の竜は神あるいは霊獣として崇められ、信仰の対象にもなっているのに対して、メリュジーヌたち西洋のドラゴンは悪の象徴、サタンの化身として聖者や英雄たちに退治されてきた(むろん全てではないが)。
そういう存在律の違いから、竜『神』に対しては隔意を持っている者が多いのだ。竜神王が仏道に帰依したことで、さらに距離が開いたと感じられた。
竜神王が神界入りするのは彼の勝手だ。しかしその時点で自分達とは相容れない存在になったのだから、もう関わらないでもらいたい。こちらからは何も口出ししないのだから、相互不干渉でいいではないか。
「別に是が非でも殺すってつもりじゃなかったよ。死んでも仕方ない、ぐらいには思ってたけどね。
目的からすれば竜神王を襲うべきなんだろうけど、私たちじゃどうやってもかなわないし警備も厳重だ。だから天龍が来なけりゃ何もしなかったさ。でも前にメドーサに襲われたくせにまた大した護衛もつけずに遊園地で遊ぶなんて、私たちなんて眼中にないような振る舞いじゃないか。
まあこうして掠り傷1つつけられずにやられてるんだから、それでも仕方ないんだろうね。仲間のことまで喋る気はないから、なるべく痛くないように殺してくれるとありがたい」
横島と天龍は2人のやりとりを少し離れたところから見ていたのだが、このとき天龍がメリュジーヌに歩み寄って声をかけた。
「お前たちの言い分はよく分かった。今回は逃がしてやるゆえ、その仲間の元に帰るが良い」
「何!?」
「なっ、殿下!?」
正気を疑うような視線が天龍に集中する。天龍は不満げに、
「別にとち狂ったわけではないぞ。今回のことでは余も反省しておるのじゃ。余が我がままを言ったばかりに家臣を危険にさらしてしまった」
そこで一息入れて言葉を続けた。
「余のすることは余1人だけにはおさまらぬということがよく分かった。逃がしてやるのはそれを教えてくれた礼じゃ。今後はもっと考えて行動するゆえ、お前たちを刺激することもそうはなかろう」
「……」
ルシオラが小竜姫に視線を送ると、小竜姫は黙って頷いた。
拘束を解かれたメリュジーヌはゆっくりと立ち上がると、
「やっぱり甘ちゃんだね。でもまあ、今の台詞は仲間にも伝えとくよ。じゃあね、せいぜいいい王様になりな」
そう言い残して飛び去って行った。
「……小竜姫、不満か?」
「いえ。正直に申し上げて、殿下がこれほど成長して下さるとは思ってもみませんでした。デジャブーランドにお連れして良かったと思います」
小竜姫が言いたいと思っていたことは、すべて天龍が自分でさとってくれた。メリュジーヌを逃がしたのは確かに甘いかも知れないが、しかしこれで彼らの感情も少しはなだめられるだろうから、案外正解かも知れない。
「そうか。うむ、我ながら名君であるな。ではさっそく……」
「デジャブーランドに戻ろうなどとは仰いませんよね!?」
「と、当然であろう……」
小竜姫の眼光を受けて天龍がすくみ上がる。どうやら戻る気があったらしい。その辺はまだ大人になり切ってないという事だろう。実際竜王家としてはまだ子どもの年齢なのだ。
その視線から逃れるように横島とルシオラに顔を向けて、
「今回もその方たちのおかげで助かった。改めて礼を言わせてもらうぞ」
「へへー」
横島が調子を合わせて頭を下げると、天龍はすっかり上機嫌になって扇子を広げた。
「では行くとしようか、竜さん、ルシさん、横兵衛。しっかりついて参るのだぞ!」
「誰が横兵衛だっ!?」
こうして天龍の俗界漫遊は無事に終わりを告げた。
ちなみに横島が奪った槍は小竜姫の鑑定でケルトの魔槍ガエ・ジャルガと判明して妙神山の武器庫で保管されることになり、横島とルシオラには追加報酬で小判30枚が与えられた。
なべて世はこともなし。
―――つづく。
これでGS試験前のお話は終わりになります。
ではレス返しです。
○ASさん
大竜姫はアルクや拳王様と同じ扱いですねー。特にルシには嫌われてますしw
>≪漫≫≪才≫≪化≫等で、ギャグモードに持っていけば敵はいないと思います
なるほど、横島君はギャグなら不死身ですからねぇ(ぉぃ
>ルシエウが圧勝の気がしてならないです
確かにスペックではこの2人が最強ですが、他の面子にも策はあるのですよー。
○遊鬼さん
>天竜
原作でも横島を庇おうとしてましたしねぇ。
今回ちょこっと成長しました。
>もしかしたら小竜姫さまにも見せてから逃がした方が八つ当たりでパワーアップしてた?(w
横島君がダブル嫉妬アタックで沈む危険の方が大きいかとw
○蒼き月の夜さん
>ルシオラ、しょっぱなから何やらいい笑顔ですね
もはや逃げる以外に生き残る術はありません(怖)。
>ふと、顔もその人自信になるのかな?と疑問に思いました
変身技は全身、服装や装備品もその人のものになりますー。
>《操》《作》
んー、生き物はとにかく乗り物とかは動かせそうですね。飛行機とか。使えるかも?
○ゆんさん
>大竜姫ですかw見た瞬間吹きましたw
やー、それこそ我が望みでした。
>しかし、煩悩全開にするんなら文殊を何個か作れるような気が
それだと事実上文珠はいくらでも作れるということになってしまうので出来ないということになってます。
○新聞寺さん
はじめまして、よろしくお願いします。
>想像力または妄想力のすごい横島なので強さはすごいことになるんでしょうね
うーん、むしろその存在の定義次第ですね。
小竜姫の師匠と定義すればそれだけの強さになりますし、へっぽこなのをイメージすればそうなってしまいますので。
>《幻》《想》《殺》
前にも出たような気がしますが、確かに使い方しだいですねー、むむ。
○影(仮)さん
えっと、マンキンネタとは何でしょう??
○のえみんさん
ネタ解説ありがとうございます。デモンベインですか。すでにお分かりでしょうがやってないです○(_ _○)
>「範」「馬」もしくは「陸」「奥」なんかだとどう転んでも強そうですね
格闘少年ですな。しかし陸奥は悪霊相手には無力のような気がしなくもないです(^^;
○ももさん
>本編並みに長いレスもお疲れさまです(違
いやいやレスが来るのはうれしいですから。
>ひぃ、妄想を「模」しますか!すげーぜ。流石ルシの特訓の成果だ(違
ルシは真面目に指導してるつもりなんですが、横島君ですからw
>今回の敵
横ルシ対策まではしてなかったのが不幸でした。
天龍は強さより人格的に成長という感じですねー。
○LMさん
はじめまして、よろしくお願いします。
>横島の趣味も加味されてある部分も≪大≫なんですねぇこれじゃ小竜姫様の前では色々な意味で使えません
ルシにも嫌われてます、1つだけの意味でw
>≪極≫≪男≫
これは確かに凄いですねぇ。最初から光線撃てば3分も要らないですし(マテ
○通りすがりのヘタレさん
>いったいどんな特訓をしたのだよルシオラさん。明らかにベクトルがずれてますよ
ずらしたのはむしろ横島(以下略)。
やってることは凄いんですが。
>彼が持っている装備の能力が本来の聖剣の鞘に酷似していたり、ゲイボルグに(名前が)似たガエジャルガが出てきたり
それくらいの物持ってないと超加速には対抗できないんですよね、ほんと。
>≪天≫≪使≫≪兵≫≪器≫or≪十≫≪字≫≪架≫≪砲≫
うーん、名前からすると凄く強そうに思えますが??
○pさん
はじめまして、よろしくお願いします。
>大竜姫も是非にサー○ァントに
うーん、大竜姫は実在しないんですよ、これが(^^;
>≪竜≫≪人≫≪闘≫≪気≫
むしろ双竜紋とか使いそうです。
○LINUSさん
>《破》《壊》《神》
それだと筆者的にはアンスラサ○スの方に(ぇ
しかし他のも名前だけ見るとアシュより強そうですな。
○ジェミナスさん
>タラスクスさんに幸有れw
無かったです(ぉぃ
○わーくんさん
小竜姫さまの活躍についてはご期待にそえなかったかも……。
>しかし、これで大竜姫様本人が出てきたらど〜なるんでしょうか?
一応作中世界には実在しないヒトなので大丈夫ですw
>《鷲》《羽》
琥珀とどっちがよりマッドでしょうかね(マテ
>いったいバストいくらあるんでしょうかね?
美神と同等以上かと思われます。
>ってルシオラさんに当たる方々ってみんなこうなってる?(爆)
そういう仕様です(ぉぃ
○流星さん
>ルシオラの八つ当たりの対象となった奴・・・、ご愁傷様でした、としか言いようが無いですね
狙撃したのはタラスクスじゃなかったですからねぇ。
考えてみれば理不尽です。
>「署」「長」、「魔」「法」「父」
あう、分かりません○(_ _○)
○榊さん
>『明』『明』『星』でさっちゃんになったり『基』『督』でキーやんになったりできると言う事ですか!?
男はできません(爆死)。
煩悩全開の対象は美女だけですから。
>ネタ
はう、ナルトは分かりませんorz
○無名の本屋さん
はじめまして、よろしくお願いします。
>ネタ
すいません、知りませんです○(_ _○)
○カイさん
はじめまして、よろしくお願いします。
>ネタの使われ方が最高に面白かったですw
そう言っていただけるとうれしいです。
>ところで、諸葛ルシよりも諸葛蛍(しょかつ・けい)の方が語感がよくはありませんか?
確かにその方がかっこいいですね。
でもギャグにならな<マテ
○HEY2さん
>骨子から解明以下略、概念(フルヌード)に全投影力を注いだんだろうなぁ
それはもう、(ピー)から(ピー)に至るまでイメージしきってこその技ですから(ぉぃ
>そして横島の入浴シーンは見れるのか(誘爆
女性に変身した場合、男湯か女湯かどっちに入るべきなんでしょうねぇ(爆死)。
ではまた。