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「GS横島!!極楽トンボ大作戦!! 第十話(GS)TS有り注意」

球道 (2006-01-15 17:40)
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糸のような軌跡を網膜に残し、白刃が踊る。

振り下ろし、斬り上げ、薙ぎ、突く。

まるで舞の様な洗練された一連の動作は、観る者を魅了し、圧倒する。


私の眼前を鋼が高速で通り過ぎる。

頬が裂ける、血は、出ない、皮一枚で避けている。

安堵する暇などは無い、頭上から、死の気配。

右足を引く、身体を半身にし避ける、紙一重で、否、前髪が数本舞った。

避けたと同時に、一挙動で懐に潜る様に入り込み、膝のバネを活かして突き上げるように肘を叩き込む。

ズドゥム!

軽い衝撃、手応えは無い、彼女は自ら後方へ飛び、衝撃を逃がしている。


頬を汗が伝う、拭う暇などは、無い。

もう既に彼女は体勢を立て直し、正眼に構えを取っている。


楽しい。


心が歓喜に湧き、血潮が沸騰する感覚。

まるで昔に、男であった頃に戻ったような、そんな高揚感。

ただ一つ、ただ一つだけ、昔と違うことがある。

心は熱く燃え滾っているのに、頭だけは物凄く冷えていた。


「うわ……」

感想はそれだけ。

正直、今の俺じゃ目で追うのがやっとだ。

一瞬一瞬が死と隣り合わせ、鍛錬と言えども気を抜けば死に繋がる。

あの二人は今、刹那的な世界に身を置いている。

「俺もあんなことやってたんだなぁ……」

今や一般人に毛が生えた程度の身体能力しかない俺としては、脅威でしかない。

「よく生きてたな、俺」

溜息を一つ吐いて、横島は瞑想へ戻る。


GS横島!!

極楽トンボ大作戦!!

第十話


「では、此処までにしましょうか」

小竜姫様の一言で、今日の修行が終わった。


「有難うございましたぁ〜」

私は小竜姫様に礼をし、修行場にへたり込んだ。

男だった時、二十○歳の頃の自分ならいざ知らず、女で、しかも発展途上の体力では小竜姫様との鍛錬はかなりキツイ。

魔装術が今でも使えたら良かったんだけど……。


今、私は魔装術を使えない。

何故か?簡単だ、魔装術は魔族と契約し、力を借りる秘術。

その契約は、人間の魂と肉体を担保に力を借りる、と言うような契約なのだ。

つまり、契約した魂と肉体があって、初めて魔装術を使うことが出来るわけで。

で、魂だけで逆行した今の私では、パスワードが解ってもIDを取得していない!?と、いった感じなのである。

此処の世界に来た当時は理由も解らずオロオロしたが、横島のおかげで合点がいった。


しかし……、今考えると、昔の『俺』は魔装術に頼りすぎていた様に思える。

魔装術の頑強さを武器に、前線で敵と殴りあう。

ハッキリ言って馬鹿である。

『俺』はマジ○ガーZか??


そんなわけで、今は女である利点、素早さを活かす様な、戦術や技術を身につけようとしているわけだ。

スーパー系がリアル系に乗り換えたような、そんな感じ。

気分はダン○インである。


「おつかれさん、ほれ」

いつの間にか横に来ていた横島にタオルを渡された。

緊張が解けた身体は思い出したかのように発汗し、私は水浴びをした後のようだった。

「ありがと」

タオルはすぐに汗を吸い、重くなった。


タオルを渡して横に座ったは良いが……。

こ、これは……。

ちら、と。

雪之丞を横目で盗み見る。

…………。

これは拙い。

雪之丞は今、汗を掻いているわけだ……。

汗と言うのは水分であって……、つまり、その。

服、が、その、濡れるわけで。

胴着の、下に着ているシャツが、だな……。

「うあ〜、下着もべしょべしょ〜!」

と、言う訳で。

うわ!胴着脱ぐなって!

わ!こっち向くな!

「ほら、汗、凄くない?」

いや、聞くなって!!

「なんかシャツ絞れそうだよ〜」

絞んなくてええちゅーんじゃ!!

臍!臍が!!

こ、これは何処の天国の拷問ですか!?

理性が!理性が!?

「ふ、風呂に入ってきたら如何だ?」

如何にか搾り出して雪之丞に進言する。

「ん、そうだね」

「う、動いた後だから多分気持ち良いぞ?」

が、頑張れ俺!!

ゆ、雪之丞は女の子だけど男!!

男なんじゃ〜!


「じゃ、入ってくるね」

そう言うと雪之丞は修行場の出口へと向かった。


…………。

勝った!!

俺は欲望という強敵に勝ったんや〜!!

良く堪えた!!危うく人の道を踏み外す所やった……。


「ちぇ、結構冒険したのにな……」


…………。

俺は何も聞かなかった。

聞こえなかったんじゃ〜〜〜〜〜!!


小竜姫は喜びに心を打ち震えさせていた。

横島の才能、雪乃の才能、二人とも百年、否、千年に一人でも可笑しくない程の才能の持ち主だ。

そんな逸材が、私の弟子なのだ!!

そんな逸材を、私が導くのだ!!

武神冥利につきる。

「ふふ♪」

自然と笑みが浮かんでいた。


「……さて、汗を掻きましたし、お風呂にでも」

「シャオ、お風呂行こう〜」


「丁度良かったです、私もお風呂に行こうと思ってたので」

「そっか、それは良かった」

雪乃が笑う、鍛練が終わると雪乃は友として接してくれる、それがとても嬉しくて、くすぐったかった。


追記


修行場には一人瞑想する。

と、言うよりは、小竜姫と雪乃の入浴を覗くか否かを考える横島の姿があった。


「の、覗きたい!!し、しかし!覗いたら覗いたで、小竜姫様の信頼やらなにやらが崩れ去ってしまう!!」

「うぐぐ!!雪之丞には……、こ、殺される……!!し、しかし!!み、見たい!!」

「しかし、見たら見たで……、俺の中の何かが壊れるような!?」

「ぅああ!!雪之丞は男!!というか!!漢なの!!」

「でも、水も滴る何とやらで!?ぐあああ!!?」

悩み続ける横島。

「あー、汗もなんか良い匂いで……って、俺にはそんな性癖は無いんじゃ〜〜!!」

「しかし、残り香が……、違うんじゃ〜〜〜〜!!!!」

「……お、俺は、如何したら……!?」


→ 「横島なんだから、覗くしかないだろ?」


  「忠夫なんだから、覗くしかないだろ?」


  「横島忠夫なんだから、覗くしかないだろ?」


「選べるか〜〜〜〜!!!」


横島は小一時間、悩み続けたのだった。


横島の理性が破綻する日は、近い??


あとがき


今回は短い気がします。

ちょっと試験的にバトって見たところ。

う〜ん、難しい。

これは練習の必要があると思いました。


ヒロヒロ様、N,W,様、ミアフ様、ゆん様、眞戸澤様、菅根様、白銀様、LINUS様、山の影様、紅様、BD様、獅皇様、樹海様、鳴臣様、内海一弘様、片倉 希様。

感想、有難うございます!!

少々年末年始にて、中弛み傾向にありましたので、投稿が遅れました。

ごめんなさい。

皆さん、伊達母について、誰々だと思った!とか色々書いていただいておりますが……。

ずばり、琴乃voiceで良いかと思いますよ(笑)

あ、あと、無能じゃないですよ?伊達母は有能です。
ただビールを飲むと豹変するだけです。

最初の設定では、彼女のモデルは雪の町の邪夢オバ……、邪夢お姉さんだったのですが……、何故かこんな事に。

まさに謎です。


次回!!

GS横島!!

極楽トンボ大作戦!!

第十一話!!って、今回十話だよ!?吃驚じゃ!!

に!?

バッチコ〜イ!!

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