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「GS横島!!極楽トンボ大作戦!! 第九話(GS)TS有り注意」

球道 (2006-01-11 22:39)
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あれから三日、特に何事も無く。

世界は回り続けている。


「う〜ん、困った」

頬に手を当てて、溜息を一つ。

しかし、本当に困っているようには全く見えない。

自分の母親ながら何を考えているのか……。

「本当に困ったわ……」

そんな事を言いながら私の事をちらちらと窺っているのは、私の母親、伊達春奈、今年で42になる。

私はちらちらと感じる視線を避けつつ、牛乳を飲んでいた。

さて、今度は何を持ち出してくるのだろうか?

「困った困った……「今日はなんで困ってるの?ママ」聞いてくれる!?」

「聞くだけなら」

まったく、この人は……、私がそう話を切り出すのを待っていたのだ。

まあ、いつもの事なので、特に文句も無いんだけど……。

今回は何があったと言うのだろうか?


「う〜ん、流石雪乃!私の娘!頼りになるぅ!!」

「いや、聞くだけだってば……」

「そんな事言っていつも助けてくれるのよねー、そこに痺れる、憧れるぅ!!」

「娘に痺れて憧れないでよ……」

いつも思う、『俺』が大好きで大好きで憧れてたママはこんな人だっただろうか?

……まあ、ママはママだから、別にいいんだけどね……。


「で?」

「うん、困ってるのよー」

「なんで?」

「あのね、連絡がつかないのよー」

「誰と?」

「上司の息子さんなんだけどねー」

「ふーん」

「いつ電話してもいないのよー」

「へー」

「お母さん、ナルニアに転勤になった上司の変わりにこっちに戻ってくることになったって、話したじゃない?」

「そだっけ?」

「そうなのよー、でね、上司の息子さんがね?あ、雪乃と同い年の子なんだけどね?日本に居たいって駄々こねたらしいのよー」

「そりゃあ、嫌だろうねー、ナルニアってあんまり聞いたことないし」

「でね、上司の奥さん、って言っても奥さんも私の上司だったんだけどねー、頼まれちゃったのよー」

「上司の息子のこと?」

「うん」

「で、連絡つかないんだ」

「その子の生活費貰ってるから連絡つけないと大変なのよ……」

「生活費ね……」

「上司の息子の生活費を横領だなんて最悪じゃない?」

「そーね」

「だからね?」

「だから?」

「その子探してきて欲しいなぁ〜、なんて」

「ふ〜ん」

「ああん!!なぁんて気の無い返事!?」

「……同じ学校なの?」

「そりゃあもう!同じ学校じゃなかったら頼んで無いって」

「それもそっか、で?」

「??」

「その人の名前、知らないと話にならないじゃない」

「あ、そっかそっか、う〜んと」

ごそごそとバックから手帳を取り出す、ぺらぺらとページをめくり、手が止まる。

「お、あったあった、ただお、うん、横島忠夫君!」


牛乳噴いた。


GS横島!!

極楽トンボ大作戦


第九話


「……、で、そんな訳なの」

昼休み、学校の屋上で横島と雪乃は昼食をとっていた。

「こらうまいこらうまい!!」

ガツガツと弁当を貪り食う横島、目がマジだ。

「でね、今日家に寄ってってくれると嬉しいんだけど……」

「うまっ!うまっ!!うまっ!!!」

「……、横島、話、聞いてる?」

流石に話が伝わっているか心配になったようだ。


「ん?ああ、雪之丞のお袋さんが俺の保護者って事になるんだろ?で、今日お前ん家に行く」

「おっけ、じゃあ、放課後だね」


「しかし、雪之丞、お前本当に料理上手いなー」

「お母さんが働いてるからね、生きるために自然と身に付いたって感じだね」

「ん〜、このきんぴらも俺好みの味だ……美味い」

「ふふん!自信作だからね」

「良い嫁さんになれるぜ」

一言、この一言が、彼の学校生活を大きく狂わせる。

『まさかこんな事になるとは思わんかった……』本人談

「ば、馬鹿、へ、変なこと言わないでよ……もうっ!」

おやおや、満更でもない様で。


横島&雪乃のラブラブフィールド(以後LLF)より、七mの植え込み脇、そこに私は居た。

どうも、瀬戸のどかです。

植え込みの脇でお弁当食べてます。

何故彼等から隠れるようにお弁当食べているかというと、というか隠れてない!

一緒にお弁当食べようと思って近づいたらLLFに弾き飛ばされただけだい!!


それにしても聞いてしまったよ、わたしゃ……。

断片的にしか聞こえなかったけど、あれは確かにこう言った。

「今日お前ん家に行く」

「じゃあ、放課後だね」

雪乃ピンチ!!あんた確か母親と二人暮しって言ってたよね!!!

ヤヴァイよ!!マズイよ!!食べられちゃうよ!!友達なのに美味しそう!だよ!?

私の中で山羊が狼にペロリと食べられてしまうイメージが浮かび上がる。

……ああ!そ、そんな所まで!!そんな物入らないって!いやんいやん!!

はっ!いけない妄想が暴走してしまったわ。

「お前本当に料理上手いなー」

あんですと?

横島、あんたが食ってるのって雪乃の手作りって事かい?

「このきんぴらも俺好みの味だ……美味い」

な、なんてこったぁ!!

手作りですよ!手作り弁当ですよ!!奥さんっ!!

これは完璧ですか!?もう、雪乃は完璧喰われてしまっているわけですか??

よ、横島め!!あれから何があったのさ!?

下校中か!?私が体育教官室で『ゴニョゴニョ』だった時に何があったんだぁーーーー!!!

い、いや、まだ決め付けるのは早い!

雪乃、まだ会って少ししか経ってないけど、私、あんたの事、信じてるよ……。

「良い嫁さんになれるぜ」

はい、アウトー……。

「ば、馬鹿、へ、変なこと言わないでよ……もうっ!」

わー、ダブルプレー……。

こりはかむぺきだ、こいつら付き合ってるっしょ。


雪乃狙ってる男子多そうだからなぁ、大変だぞ〜、横島。


PM7:00

伊達家


「やー、雪乃に頼んで正解だったわー」

目の前にはケラケラと笑う女性。

雪之丞の母、春奈さんだ。

「雪乃、探偵とかになればいいんじゃない?ずばっと参上ずばっと解決!!みたいな?」

十分前に春奈さんが帰ってきてから、ずっと喋りっぱなし、良く喋る人、そして。

プシュ!

四本目のビールが開けられた。

ごきゅごきゅごきゅっ!!

「ぷはぁ〜〜!!」

そして、良く飲む人だ。


雪之丞は台所で、夕飯の準備、エプロンの後姿がちらちらと視界に入ってくる。

「ごめんねー?突然で、お母さんから連絡無かったかな?」

「…………」

後ろで束ねられられた髪の毛が雪之丞が動くたび、右へ、左へと動く、少し楽しい。

「忠夫君?」

「あ、は、はい、何でしょうか?」

「お母さんから連絡無かったかな?」

「あー、電話料金払ってないんで……」

「……、そっかー、電話掛けても繋がらなかったのは……」

「電話料金払ってないですから……」

「繋がらない訳よね〜、私も生活費切り詰められたら一番に切り詰めるわ」

そしてまたケラケラと笑う。

愉快な人だ、そう思った。

プシュ!

五本目が開いた。

……酒豪だ。


「と・こ・ろ・で!」

春奈さんがズイッ!と近寄ってくる、鼻腔を擽る酒と香水の匂い。

何か嫌な予感が沸々と湧き上がる、ハッキリ言って酔っ払いに絡まれて良かった事なんてまったく無い。

嫌な思い出が脳内シネマに上映される。


ソレを振り払うかのように、紅茶を口に含んだ。

「雪乃の事、気になる?」


「ぶふっ!?」

噴いた。

「わ☆ビンゴ!?」

「げほっ!げほっっ!?」


「うんうん、雪乃可愛いもんねぇ〜、成績優秀!眉目秀麗!容姿端麗生ドライ!って感じだもんねぇ。」

「げほっ!いや、俺は」

「いーのいーの!何て言うかイーノって言うかアッバーブ??」

「本当に別に俺は……」

「だってさっきからチラチラ台所見てるしね〜?説得力無いぞ〜?」

「そ、そんな事は……」

「ふむ?無いと言い切れるのかねぇ??」

「いや、その」

「じゃあ、決定で!忠夫君は雪乃LOVEっと」

「それは些か早計ではないかとぉ!?」

「だったらだったら……」

「………………!!?」

「……………!!」

「…………!?」

「………!!」

「……!?」


二十分後


「ご飯できたよー?あれ?横島、如何したの?」

夕飯の準備を終え、リビングにやってきた雪乃、そこには。

「……………、べつに」

燃え尽きたように真っ白でエクトプラズムを吐き出している横島と、

「あははははっはははははははは!!!」

楽しい玩具を買い与えられた五歳児の様に馬鹿笑いをする母の姿があったそうな……。


あほがき


新年一発目、なんかグダグダな終わり方で、ごめんなさい。

あと、休み過ぎ、ごめんなさい。

如何にか落ち着いてPCの前に座れる様になりました。

これから頑張る、本当だよ?


今年もどうぞよろしくお願いします。


それでは新年一発目の。

バッチコ〜〜イ!!

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