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「もし、あの時・・・・・・8(GS)」

柿の種 (2006-01-12 03:13/2006-01-18 04:43)
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<もし、美衣さんと一緒に暮らす事になっていたら>


 猫又の美衣さんを庇う為に初めて本気で美神さんに立ち向かった横島君。美神さんの方も横島君の意図に気付き、わざと負けてあげる事にしました。ところがそこで悲劇が起きてしまったのです。

パサ

 運命の悪戯か、それとも単に美神さんが油断していた所為か、やられた演技をする筈だった所で横島君の刃が実際に届いてしまったのです・・・・・・・・美神さんの“髪”に。

「あ、あの〜、美神さん?」

 自分のしてしまった事におそるおそる声をかける横島君。美神さんは無言でプルプル震えています。
 古来より髪は女の命と申しますが、彼女もその点は例外ではありませんでした。自分の綺麗な髪に彼女はかなりの自信と愛着をもっており、それだけにその怒りは凄まじく、先程まで負けてあげるつもりだった事など忘れて、美神さん烈火の如く怒り出します。

「横島ああああああ!!!!!!!!!

「ひぃぃぃぃぃ、お助けをぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 その怒りを前に横島君は脱兎の如く逃げだしました。己の生存本能の全てを費やして。そして奇跡的にも逃げ切る事ができたのです。

「はあ、これからどうしたらいいんや・・・・」

 けれど横島君、美神さんの報復があまりに怖くて事務所は愚かしばらくのあいだは街にすら帰ろうという気になれませんでした。。行き場所の無くなった彼は仕方なく猫又の美衣さん達と一緒に暮らす事になりました。


 3ヶ月の時が流れました。2ヶ月程は完全に山篭りしていた彼ですが、この1ヶ月は普段は街でバイトしながら学校に通い、休みの日におもちゃや食料を買って帰る出稼ぎのお父さんのような生活をしていました。お父さん、そうお父さんです。実は横島君ケイ君のお父さんになったのでした。煩悩魔人の横島君が美人と暮らしていて間違いを犯さない訳がなく、美衣さんの方も横島君に好意を抱いていましたから、二人はねんごろな関係になり、彼は責任を取って美衣さんの夫となりケイ君のお父さんになったでした。

「ほれ、ケイ、美衣さん、おみやげだ」

「わーい、にいちゃ・・・違った、父ちゃん、ありがとう」

「忠夫さん、ありがとうございます」

 横島君は新しくできた家族との幸せな生活を歩み始めました。事務所の事は気になってはいましたが、美神さんならきっと大丈夫だろう。彼はそう思っていました。


 一方、事務所の方では横島君がいなくなってしばらくして、おキヌちゃんもまたいなくなってしまっていました。死津喪比女との戦いでは、横島君がいなかった事で戦力が低下し、おキヌちゃんは生き返る事ができず、数百年の眠りについてしまったのです。
 横島君もおキヌちゃんも側に居なくなった事で、美神さんの情緒はかなり不安定になってしまいました。そこで、それを心配した唐巣神父がピート君を彼女の助手につける事にしたのです。

「美神さん、よろしくお願いしますね」

 ピート君もそれに承諾し、彼は美神さんの助手になりました。けれど、給料の方は(横島君に比べれば)マシとはいえ、彼女のやり方はまじめな彼にはかなりキツイものがありました。
 そうしている内に一つの転機が訪れます。美神さんを守る為に魔界軍から派遣されたワルキューレに、本来の歴史で横島君がそうされたように戦力外扱いされ、事務所を追い出されてしまったのです。

「ピート君、一体どうしたんだい!?」

「いえ・・・なんでもありません・・・」

 事務所を追い出され、教会に戻ったピート君。唐巣神父に話せば彼も殺されるかもしれないと考えてしまい真実を伝える事ができません。自分の無力さに打ちひしがれていたその時、教会に雪之丞君が現れました。そして、彼が妙神山に修業に行くという話しを聞いて、ピート君は彼と共に妙神山へと修業へ行く事を決意したのです。

「頼む、雪之丞!!僕も一緒に連れて行ってくれ!! 僕は強くなりたいんだ!!」

 そこでピート君と雪之丞は強くなりました。その二人の協力で美神さんを襲ってきた魔族は撃退され、その後雪之丞君はピート君と一緒に、美神除霊事務所に雇われます。これは美神さんがスカウトし、彼女のもとなら、強い敵との戦いを経験する機会も多いと雪之丞君が考えたと言われていますが、このあまりにスムーズに行った流れは、美神さんを守ろうとした宇宙意思の仕業だったのかもしれません。


 そして、ついに運命の時が訪れます。アシュタロスの暴動。この戦いは非常に悲しい結末を迎える事となりました。横島君の“代役”としてこの戦いの中心にたった雪之丞君とピート君は彼に比べ、少しばかり力不足でした。

まず、最初に命を失ったのはピート君。彼は、横島君の代わりに逆転号に連れて行かれ、美神美智恵の策略によって、戦艦ごと撃墜されました。

 次に命を失ったのは美神さん。結晶を奪われ、その魂をバラバラにされてしまいました。

 最後に命を失ったのは唐巣神父。二人の弟子の仇を討つ為に戦い、結晶を取り戻す為の道をつくりましたが、そこで力付き命を失いました。

 結局、雪之丞君によって結晶は砕かれ、世界は平和を取り戻しました。けれど、失われた命は戻ってきません。一方、横島君の方はと言うと・・・・・・


「ケイ、もし、俺が死んだらお前が母ちゃんを守るんだぞ・・・・・」

 コスモプロセッサによって蘇った魔物に森は危険にさらされていました。その危険から家族を守る為に、横島君は再び戦う決意をしたのです。

「父ちゃん!! おいらも戦う!!」

 そう言って、ケイ君横島君から教わったサイキックソーサーをだして見せます。けれどそれはとても小さく、横島君は黙ってケイ君の頭をなでました。

「美衣、ケイとお腹の子を頼むな」

「忠夫さん・・・・・・・・・」

 美衣さんのお腹には横島君の赤ちゃんがいました。横島君の顔には覚悟が、そして父親としての強さが浮かんでいました。横島君についていこうとするケイ君を抱きしめてとめる美衣さん。そして、彼は一人戦場へ飛び込んでいったのでした。


 その数年後、GSになったケイ君は人間と猫又のハーフとして人間と妖怪の架け橋となり、その数年後には彼の弟の忠士君と妹のミエちゃんもGSになって、彼と共に活躍したそうです。


 そして、それから更に300年の時が流れました。

「えい!!」

 バンダナを巻いた少年に体当たりを仕掛ける袴姿の少女。

「遅いわよ。何やってんの!!」

 少年を迎えにもどってくる亜麻色の髪の女性。
彼等を中心に物語は再び始まります。さてさて、彼等は一体どんな物語りを紡ぐのでしょうか?
めでたし、めでたし。


<もし、おキヌの横島殺害が成功していたら―――――後日談4(シリアス?編じゃない方の続き)>


「わかりました。そういう事でしたら、少しご指導しましょう。あまり無能で居られても、同じ神族として困りますし」

 事情を説明した横島君とおキヌちゃんに対し、前例の無い申し出に少し迷いながら、小竜姫様は承諾を示しました。こうして、横島君の修業が始まります。

「横島さん、筋がいいですね」

 独学でやっていた時は、まるで駄目でしたが、一旦コツを掴むと横島君はグングン成長していきました。それはたくさんの才能ある修業者を見てきた小竜姫様でも思わず感嘆の声を漏らす程のものです。

「お褒めいただいてありがとうございます!! お礼はこの身体でー!!!」

「あまり、調子に乗ると斬りますよ?」

「横島さん、いい加減にしてください!!」

 ただ、問題なのが、ことある毎に小竜姫様にセクハラや覗きを仕掛けようとする事でした。まあ、毎回撃墜されるのですが。

「まったく、こうでなければ、立派な神族に慣れますでしょうし」

「すいません」

 小竜姫様が溜息をついて、おキヌちゃんが頭を下げます。二人とも苦労しているようです。そうして、何だかんだで修業開始から2週間の時が過ぎます。

「横島さんは、そろそろ帰らないとまずいですね。同じ神族の拠点にいるとはいえ、土地神である横島さんがこれ以上離れていれば、土地にも横島さんにも悪影響が現れるでしょうから」

 そういう訳で明日には帰る事になった横島君とおキヌちゃん。っと、丁度その日に、新た修業者が訪れたのです。

「お客様のようですね」

「どうするんすか?」

「とりあえず、まずは鬼門の試しですね」

 横島君の修業で割りと退屈を潰せているので、平静に中でまつ小竜姫様。すると、訪れた修業者は僅か8秒で鬼門を倒してしまったのです。

「速いですねえ。新記録ですよ」

 感心しながら、ドアを開ける小竜姫様。そして、そこにいたのは美神令子さんでした。

「み、美神さん!? お久しぶりでーす!!!」

「よ、横島君!?」

 久しぶりにあった彼女に驚きながらも飛び掛る横島君。勿論、撃墜されました。


「へえ、修業だなんて、あんた結構真面目に神様やってるのね」

 横島君がここに修業しにきた事を聞いて感心する美神さん。最も、その直ぐ後には彼が小竜姫様にまでセクハラを仕掛けている事を聞いて前言撤回するのですが。

「それじゃあ、私の方修業お願いね」

 そうして、彼女は妙神山で2番目に難関なスペシャルハードコースに挑戦しました。そこで戦う3体の敵に対し、1体目の剛練武には順当に勝ちますが、2体目の禍刀羅守に不意打ちを受け危機に陥ってしまいます。

「このままでは不利すぎますね。特例として助太刀を認めましょう。横島さん、あなたが援護してあげてください」

「へっ?」

 そこで小竜姫様、横島君に援護を許可し、彼をシャドウの姿に変身させます。その姿は和服と袴を着た道化師でした。

「なんじゃこりゃ!!」

「こ、こんな情けないシャドウは初めてです・・・・」

 その姿に呆れる小竜姫様と流石に恥ずかしそうにするおキヌちゃん。そんな事をしている間に美神さんは更にピンチに陥ります。

「くそっ、こうなったらやったる!!」

 半ば自棄になった武器らしい扇子で禍刀羅守を切りつけます。すると、その腕をあっさり切り落としてしまいました。

「へっ?」

「チャンス!!」

 予想外の威力に自分でして呆気に取られる横島君。その間に美神さん、シャドウを操り落としてしまった槍を拾って、禍刀羅守をひっくり返します。禍刀羅守はひっくり返ると自分で起き上がれないのでこれで勝負はつきました。

「最後の相手は私がやります」

 そして、3試合目、美神さんの相手は小竜姫様でした。相手は竜神、はっきり言って勝てる相手ではありません。そこで、美神さん、言葉巧みに小竜姫様に席を外させると横島君に取引を持ちかけます。

「ねえ横島君、キスしたげるから、ちょっと言う事を聞いてもらえないかしら?」

「その誘惑のっ「駄目です!!」

 キスを餌に横島君の協力を得ようとした美神さん、けれど恋人であるおキヌちゃんがそれを却下します。

「あー、そういえば、おキヌちゃんは横島君の恋人になったんだっけ。こんな奴と付き合うなんて酔狂ねえ。じゃあ、どうしようかしら・・・」

 代替案を考えようとする美神。しかし、彼女が提案する前におキヌちゃんが横島君にお願いしました。

「この戦い、負けちゃったら、美神さん消滅しちゃうんですよね? だったら、横島さん助けてあげてくれませんか?」

「う、うーん」

 おキヌちゃんのお願いですから、横島君も聞いてあげたい所ですが、小竜姫様の強さと怒った時の怖さは身に染みてわかっているので躊躇います。そこで、おキヌちゃん耳打ちしました。

「えと、その、帰ったらさーびすしますから」

「まかせとけ、おキヌちゃん!!」

 そういう訳で話がまとまり、小竜姫様打倒の作戦が練られるのでした。


「反則御免!!」

 小竜姫様が前方の美神さんに気を取られているうちに、後ろから不意打ちをしかけようとする横島君。けれど、そのタイミングで小竜姫様が超加速を発動させ、空振ります。

「くっ、この程度の事で俺の欲望は負けんぞ!!」

 そして、再度のチャレンジ。そこで、彼は超加速に追いつく程のスピードを出し、小竜姫様を捉えます。

「今だ!!」

 そのタイミングを狙って攻撃を仕掛ける美神さんのシャドウ。しかし、シャドウに変身していた小竜姫様がそこで変身を解除し、反則として無効を訴えます。それを聞いて慌てたのが横島君、流石にここではナニすることが出来ず、2週間もお預けくってるのに、“さーびす”が無くなってしまうかもしれません。

「そんなのずるいぞー!!!」

 暴れて手を振る横島君。その時、彼の手から扇子がすっぽ抜け、どういう具合か知りませんが、それが小竜姫様の服の中に入って、そして彼女の逆鱗に触れました。

「どわあああああああああ」

 逆鱗に触れられた事で竜の姿に変身し暴れまわる小竜姫様。横島君達は門の外にまで逃げ出します。

「何と言う事をするのだー!!」

 事情を聞いて焦る鬼門。そして、彼等から、眉間を矢で射る事が彼女を元に戻す唯一の手段である事を聞きだします。美神さんのシャドウの槍を弓に変え、おキヌちゃんが弦に変化します。

「後は矢だけど」

「んじゃ、この扇子を」

 そして、横島君は持っている扇子を矢に変化させました。その矢で小竜姫様を見事射とめ元の姿に戻しましたが修業場は損壊。それを美神さんがパワーと引き換えに、お金を出して修理を引き受け、彼女は見事パワーアップを果たすのでしたとさ。
めでたし、めでたし。


(後書き)
(美衣編について)
かなり妄想に突っ走りましたがどうだったでしょうか?アシュタロスとの戦いの時には、横島君が居なければ、実際に誰か命を失うかというような細かい所は別として、こんな感じになるんじゃないかと思うんですが。ちなみに戦場へ赴いた横島君が生き残ったかどうかはご想像にお任せします。

(前回のシリアス?編について)
文珠を横島君が使えたのは火事場の馬鹿力です。多分、それだけでは納得いかない人もいるかも思いますが、私は文珠の事を収束系を極めた末に到達した技術ではなく、美神家の時間移動能力のように、半ば生まれつき備わった特殊能力の可能性があるのではないかと考えています。
この場合収束系を極めた結果会得したのが文珠ではなく、文珠に近づいていく過程で同系統の収束系の能力を覚えたのではないかという発想ですね。
このように考えた理由は色々ありますが、横島君は特に文珠(又はそのような能力)を習得しようと考えていなかったのに、強くなっていったら勝手にそれを覚えたというのが一番の理由です。栄光の手がただ進化したにしては、同じ修業を受けた二人と比べても特異すぎると感じました。
こういう推測をもとに『文珠は横島君が生まれつき持っている才能であったが為に神となってポテンシャルがあがった彼はそれを偶発的に使えた』っという事です。

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