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▽レス始

「幸せな世界を・・・・・第二話(GS+オリジナル)」

シマンチュ (2006-01-10 01:10/2006-03-12 03:35)
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世界有数の霊山である妙神山。

神と人間の接点の場のひとつであり、竜神が管理している修業場として有名なところである。

その険しき山中を横島忠夫と藤岡霧恵は登っていた。


・・・・それはもうすんごいスピードで・・・・・・。


それほど時間をかけずに山頂に到着した二人。

横島は若干息を切らしてはいたがそれほど疲れてはいないようだ。

霧恵にいたっては息ひとつ乱れていない。


・・・ちなみに彼らの山登りの際に出していたスピードは車の法定速度並みだったとか・・・・・。


息一つ乱れていない霧恵を見て「さすが霧恵姉ぇ、あいかわらずの化け物っぷり。」と思っている一般的に見て自分もその部類に入っていることに気づいていない横島少年(現在中学三年生)。

まぁ、普段自分をはるかに凌駕する人が近くにいたら自分のすごさに気づかないのも当然といえるだろう。


巨大な門に貼ってある[この門をくぐる者、汝一切の望みを捨てよ]と書かれたプレートを見て「あいかわらず管理人ってのが迫力に欠けてるよな〜」と横島が思っていると、霧恵が門に近づいてゆき門についているでかい鬼の面に、

「久しぶりだな、鬼門。」

と声をかけた。

『おお、藤岡霧恵ではないか、今日はどうしたのだ?』

「うちの弟子を修業させてもらいに来た。」

『ふむ、それなら我らにその力を示せ!!』

「よし、では横島出番だぞ。」

ポカンとしていた横島をほっぽいて鬼門と会話を続けていた霧恵から呼ばれ横島は再起動した。

「霧恵姉ぇ、なぜ鬼門を知ってるんスか?」

「む、一度来たことがあるからだ。それよりもさっさと勝負しろ。」

霧恵の答えにあっさり納得した横島は、気持ちを戦闘用に切り替えた。


『ではいくぞ、左の!!』

『応、右の!!』

右の鬼門が横島にパンチを繰り出す。

それを避けると同時に横島は鬼門の懐に飛び込み、霊力のこもった掌底を放つ。

「破砕衝!!」


ズドム!

爆発したかのような音がし、鬼門の巨体が崩れ落ちた。


『み、右の!?』

右の鬼門がやられたことで気が動転した左の鬼門に一瞬で肉薄し

「豪破脚!!」

強烈な横蹴りを浴びせた。

左の鬼門の巨体が宙を舞い、そのまま地面に落下し動かなくなる。


「ちょっとやりすぎだな・・・。」

霧恵はそう横島につっこんだ。


「そこまでです!」

門が開きその中から角の生えた少女、妙神山を管理する竜神である小竜姫が出てきて勝負の終了を告げる。

「お久しぶりですね、藤岡さん。」

「ああ、お久しぶりです、小竜姫様。」


和やかに挨拶しあう二人。

小竜姫の姿を見て、相変わらず美人だな。と目の保養をしていた横島に小竜姫が目を向ける。

その目は喜びと悲しみ、後悔などさまざまな感情が感じられた。

その目を見て固まった横島に

「この世界では始めましてですね・・・・


 横島さん。」


小竜姫はそう言った。


    幸せな世界を・・・・・
    第二話 妙神山へ


「な・・・なぜ俺の名前を・・・?


 それより、この世界でって・・・・・。」

横島の頭は混乱していた。


「私も向こうから来ましたから。」


「へっ!?」

小竜姫の答えにますます混乱する横島。

「とりあえず、中に入って説明するべきだな。」

「そうですね、それでは横島さん行きましょう。」

そう言って小竜姫は横島の腕に自分の腕を絡めた。


フリーズしていた横島は腕にあたるなにやらやわらかい感触に再起動を果たす。


「しょ、しょしょしょ小竜姫さま〜〜!?」


再起動どころかオーバーヒートする勢いの横島。

「なんですか?」

「いや、あの、そのムネが・・・・・・」

「何か問題でも?」


「全然ナッシング!!!」


「そうですか、なら行きましょう。」(ニッコリ)

横島の腕に自分の腕を絡めたまま小竜姫は歩き出した。

横島はああ、腕に当たるや〜らかい感触・・・サイコーや・・・・・と幸せの涙を流していた。

霧恵はその二人をあきれた目で見ながらついていった。


K・Oされた鬼門は三人の頭の中からすっかり忘れ去られていた。

『のう、右の。』

『なんだ左の。』

『我らはいつまでこうしてなければならないのだ?』

『それは知らん。』


居間に案内された横島と霧恵。


小竜姫の入れたお茶を飲んで和んだ後、横島は本題に入った。

「さて、そろそろ説明してくれませんか、小竜姫さま。」

「わかりました。といっても単純なことです。

向こうの世界であなたがこの世界に記憶を転送したように、私たちも向こうの世界からこの世界に記憶を転送しました。」

「どうやってですか?それに私たちって・・・・」

「神魔の最高指導者の力を使ってです。横島さんが向こうの世界でこの世界に記憶を送ったのを見て、横島さんの助けになるようにと私と斉天大聖老師、ワルキューレとヒャクメ、それと藤岡さんをこの世界に転送しました。」

「霧恵姉ぇも?」

「はい、なぜかはわかりませんが。」

「ということは霧恵姉ぇは向こうの世界にいたってことですよね、でも霧恵姉ぇぐらいスゴイ人なら有名になっているはずだけど・・・。」


霧恵の強さは一緒に修業していた横島はよく知っている。

向こうの世界で最高のGSと言われていた美神令子や、その母親であり令子
以上のGSである美智恵でさえも彼女には勝てないだろう。

へたしたら並みの神魔族より強いんじゃないかと思う。

これだけすごければいくらなんでも無名ではないだろう。

しかし、向こうの世界では彼女の名は聞いたことがない。


「それはそうだ。私は向こうの世界にいなかったんだから。」
考え込む横島に霧恵はお茶をすすりながら言った。

「え、それはどういう・・・?」

「彼女は向こうの世界であなたが死んだ後記憶を転送しようとしていた私たちの前にいきなり現れました。」

「いや〜いきなり目の前に瓦礫の山や怪しい人たちが現れて驚いてしまったよ。」


はっはっはっと笑いながら霧恵はそう言った。


「じゃあ、霧恵姉ぇっていったい何者なんだ?」

「なに言っている、人間に決まってるじゃないか。」

「いや、そうではなくて・・・・。」

「まあ、正確には私はこの世界の住人ではないな。」


霧恵の言葉にショックを受ける横島。

「なっ!?」

「私たちの世界では神魔の存在って神話や物語の中にしかなかったからな。
それにGSという仕事もなかったし。」

「それじゃあ、どうしてこの世界に?」

「ん、いや、道を歩いていたらいきなりすごい雷の直撃を受けて気がついたらあの世界にいた。

で、小竜姫達と一緒にこの世界まで来た。

さすがにこの世界では私は存在しないから神魔の最高指導者に頼んで転生させてもらったけどな。」

とんでもないことをあっさり言う霧恵。

「いやそんなあっさり言うことか?」

横島は関西人の条件反射で突っ込みを入れる。

「別にもうどうでもいいことだからな。

 ただ前世のことを覚えているってだけだ。

 今の私は藤岡霧恵と言うれっきとしたこの世界の人間だからな。」

そう言う霧恵には未練や後悔の念は見られなかった。

「まあ、こっちきてバカ弟子ができたからな。見てて飽きない。」

「む、バカ弟子ってのは俺のことっスか?」

「お前以外に弟子はいないぞ。」

「へーへー、どーせバカですよ・・・。」

「まーまー。」

霧恵にバカ弟子呼ばわりされ、拗ねているのを小竜姫が慰める。


さっきまでの重い空気はすでになく、ほのぼのとした空気か居間を包み込む。


居間の襖が開き、メガネをかけた猿と全身に目玉がついている少女が入ってきた。

「老師、それにヒャクメ!」

「久しぶりじゃのう横島、いや、この世界で会うのは今日がはじめてじゃったのう。」

斉天大聖はそういって笑った。

「そうですね、はじめまして斉天大聖老師。

この世界でもよろしくお願いします。」

横島も笑顔でそう返した。

「横島さ〜〜ん!!」

「ぬおっ、ヒャクメ!!
久しぶりだな。」

「にゅふふふ。」

いきなり抱きついてきたヒャクメを危なげなく抱きとめる横島。 


あ、なんか小竜姫さんから竜気が・・・・・


横島は小竜姫からあふれ出す竜気に反応して体中から冷や汗が噴出す。

「えっと・・・ヒャクメ?
そろそろどいてほしいんだけど・・・・。」

「ん〜〜・・・・・イヤ!」

身の危険を感じ横島はヒャクメに離れるように言ったがヒャクメは飛びっきりの笑顔で力いっぱい否定した。


小竜姫から放たれるプレッシャーが一段と強まった。

「いや、だから・・・ヒャクメ・・・?」

「横島さんは私が触れていたらイヤなの・・・?」


涙目でこんなこと言われたら横島に断ることなどできるわけがなく・・・。

「そんなことない。」

と、やっぱり言ってしまう。

「えへへ、横島さ〜〜ん(はあと)」

ますます横島にくっついてくるヒャクメ。


それを見て小竜姫のプレッシャーはますます強くなる。

あきらかにどっからどうみても好きな人にべたべたしていて、それを見て嫉妬している図である。


(なんでや!?なんでヒャクメが俺に抱きついてきてるんや??

ああ、小振りだけどや〜〜らかいもんが俺の右腕に・・・・ぢゃなくて、小竜姫さまもなんかしらんけど怒ってるし・・・・・・。

俺がいったい何したっちゅーねん!!)


横島は鈍感だった・・・・・・。


小竜姫の竜気がシャレにならないレベルに達したとき、霧恵が小竜姫の耳元になにやらぼそぼそと話しかけた。

すると小竜姫から放たれるプレッシャーが霧散し、横島は安心した。

が、小竜姫は横島のそばまで来るとヒャクメとは反対の腕にしがみついた。


「し、しょしょしょ小竜姫さま!!??」

横島はますます混乱した。

「ヒャクメはいいのに私はだめだって言わないですよね。」

「いや・・・あの・・・・・」

「やっぱり私じゃだめなんですか?」


涙目の小竜姫をつきはなすことなど横島にできるわけはなく・・・

「いえ、無問題っス!!」


やっぱりこうなってしまう。


「えへへ(ハート)」

ますます横島にくっつく小竜姫。


左右から二人の少女にはさまれて横島は


(ああああ〜〜〜天国や。
もういつ死んでもええ〜〜〜〜。)


もうだめだめであった。


「あ〜、そろそろいいかの。」


突然の老師の言葉に三人は飛び上がった。

「ろ、老師!」

「まったく、いちゃつくのはかまわんがすべて終わってからにしてほしいのう。」

老師は呆れたように言った。

「ヒャクメ、横島の魂を調べよ。」

「は、はいなのね〜。」

老師の指示にヒャクメは顔を赤くしながらいつものトランクを開け、横島の体にコードのつながった機械をくっつけ、パソコン(?)にデータを入力していく。


「あの、老師、なぜ俺の魂を調べるんスか?」

横島が老師に尋ねる。

「向こうからお主の霊気構造も一緒に転送されてきたからじゃ。」

「それがどうかしたんスか?」

「お主は向こうでは半魔族として覚醒しておったじゃろ。

しかも上級魔族並みの潜在能力を秘めたの。」

横島も気づいた。

「てことは、この体に取り込んだ霊気構造は・・・。」

「うむ、いくら死に掛けていたとはいえあれだけの力を持つ魂じゃ。

自分と同じ存在が受け取ったとしても下手したらその霊気構造に触れただけで魂が侵食される恐れもあった。」

「そしたら向こうの世界みたいに半魔族化してしまうのね〜。」

「最悪、命を落とす危険もありました。」


「うわ〜〜〜!!なんて危ないもんよこすんだあっちの俺はーーー!!!」


今更ながら後悔する横島。


「結果がでたのね〜。」

そう言うヒャクメにみんなが注目する。

「どうだった、俺は無事か!?、それとも問題ないか!?、それとも無問題かーーー!!??」


「落ち着け。」

「全部同じ意味なのね〜。」

霧恵のカラティ〜チョップとヒャクメの突っ込みで横島は正気に戻った。

「すまん、つい。」

「焦らないね。

結果から言うと横島さんの魂は無事なのね。

というか、向こうの横島さんの霊気構造を完全に取り込んで安定しているのね〜。

正確には横島さんの霊気構造に向こうの横島さんの霊気構造が完全に同化している状態なのね。」

「というと・・・」

「とりあえず半魔族化することはないのね。」

「うおお〜〜!!よかった〜〜〜!!」

その言葉に横島は歓喜の声を上げた。

「あとは小竜姫の修業とか受けて霊格を上げればかんぺきなのね〜。」

「よ〜し!!小竜姫さま、修業お願いします!!」

「わかりました。では行きましょう。」

横島と小竜姫は修業場に向かっていった。


「でもすごいのね、横島さんの魂。

調べてわかったけど普通ならやっぱり向こうの魂に侵食されるのね。

でも横島さんはそれに耐えたのね。それどころか向こうの魂の中にあった魔族因子も活性化されているけど魔族化する兆候はないのね〜。」

「そりゃあ、私が鍛えたんだからな。」

不思議そうに言うヒャクメに霧恵は若干誇ったかのような雰囲気でそう答えた。

「わたしがあれだけ鍛えたんだ。いくら上級魔族とはいえそう簡単にあいつをどうこう出来る訳がない。

ましてや自分自身だ、勝てぬ道理はない。」

「ふ〜ん、嬉しそうね〜、霧恵。


・・・で、どんな特訓したの?」

興味本位でヒャクメが修業内容を訊ねてくる。


「・・・・聞きたい?」

一瞬霧恵の目が光り、怪しい笑みを浮かべる。


「・・・やっぱ遠慮するのね〜!」

ヒャクメは顔を青ざめて言った。


「ほう、わしは聞いてみたいの。」

修業場の主、斉天大聖は横島をあれだけのレベルに上げた霧恵の修行の内容に興味を持ち、霧恵にいろいろと訊ねていた。

ヒャクメはその場にいるのが恐ろしくなり横島たちの下へ逃げていった。


小竜姫の修業を無事に終え、霊格があがった横島は霧恵とともに帰宅することになった。

小竜姫とヒャクメは目に見えて落ち込んでいたが・・・・・。


「それでは、小竜姫さま、ヒャクメ、老師、今日はありがとうございました。」

「また来て下さいね。」

「約束ね〜。」

「またの。」

「はい。」

「あと一ヶ月ほどしたら夏休みに入りますので、そのときにでもまた連れてきますよ。」

「おお、そのときはアレを試そうではないか。」

「いいですね・・・。」

怪しい笑みを浮かべる霧恵と老師を見て、残りの三人は顔を青ざめながら引いていた。

特に横島はシャレにならない程の危険を感じたとか・・・・・。


妙神山のみんなとの別れを済ませ下界へと降りていく二人。

横島は今日一日でいろいろありすぎてかなり疲れてはいたが、どこか嬉しそうな顔をしていた。


〜おまけ〜
夏休みに入って数日後、横島は霧恵とともに再び妙神山に向かった。(宿題は霧恵との地獄の勉強会でとっくに終わらした)

妙神山についてみるとなぜかワルキューレとジークがいたり、ワルキューレに抱きしめられ小竜姫とヒャクメに睨まれたり、霧恵と斉天大聖(なんか最高指導者から修業アイテムもらってきていた)にコンビによる横島修業地獄スペシャルを受けたりしてとても充実?した夏休みを送った横島であった。


続く


あとがき?
さてこんにちは、シマンチュです。
今回は妙神山変をお送りしました。(誤字にあらず)
さて、今回書く予定だった『ハルマゲドンが起きるまで』は気づいたらどこにも書いてね〜し!
どないしょ〜〜。

霧恵「それはお前が坊やだからさ。」

ム、出たなオリキャラ霧恵!ていうか坊やって何さ!ていうかあとがき乱入するな!!

「はっはっは!!さらば!!」

うお、もう見えねえ・・・。
というか、あいつ何しに出てきた?


まあ気を取り直して・・・。

ハルマゲドンが起きるまでの詳細を書くことができず、これから先書く予定もないので、ダイジェスト版で書こうと思います。

まず、横島神族に襲われる→仲間見殺しにされ半魔族化して神族皆殺し→気
絶したところを小竜姫らに運ばれて妙神山へ→老師がぶちぎれて天界に殴り
こみ→目を覚ました横島、神気に反応し妙神山で暴走→冥界の門のバランス
が崩れ魔族が妙神山に襲い掛かる→それを阻止しようと天界から神族乱入→妙神山崩壊→妙神山が壊れたがなぜか冥界の門が開いたまま→そこから神魔族がわらわらと・・・→他の冥界の門でも戦いが起き、次々に神魔が人界へ→もう止まらない・・・。

といった感じかな。

所々変だけど・・・・。

横島や妙神山のみんなと一部の神魔族は人界を守っていたが多勢に無勢でした。横島はハルマゲドンの終焉あたりで、天使(美少女)と戦い胴体真っ二つになって死んでしまいました。この天使は横島と戦った後、人界を守るほうについたとかつかないとか・・・。


あ、ちなみに今回横島が使った技は霧恵の武術の技です。その件も後々書いていくので。


さて、レス返しに参りたいと思います。

>つく様
誤字報告ありがとうございます。
がんばりますので見捨てないでくださいね。

>秋斗様
こちらも誤字報告ありがとうございました。
むしろ小竜姫さまの方が飛び掛ったり・・・。

>kichi様
ええ、光りますよ。
どちらかっていうとキュッピーンてかんじで。


さて、今回はここまで。
次回はどうなるかな・・・。
とりあえず、次のあとがきあたりに今回書き足りなかった設定とか書こうと思います。

ではでは!!

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