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「ヒーロー見参!! エピソード三十(GS+色々)」

煌鬼 (2006-01-07 00:15/2006-01-07 02:47)
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「・・・・・は!!今のは!?」


妙神山修行場。そこで一人剣の稽古に徹していた小竜姫が突如なにかを感じ取り空を見上げた。すると、空には暗雲が漂っており、何か不吉なものを思い浮かべさせるようだった。


「この感じ・・・・・・横島さん!!」


小竜姫は一気に駆け出すと、超加速で下界へと降りていった・・・。


≪パキーン≫
「・・・え?」


小鳩はふと自分の指にはめられた指輪を見ると、それは真っ二つに分かれ、地面に転がっていた。


「まさか・・・・・横島さんに何か!?」


小鳩は貧に部屋を任せると、急いで走り出した。


「・・・・・・なんなの・・・今の?」
「虫の知らせ・・・・だろうか?」


自由と十兵衛が窓から外を見上げる。すると、身体中に悪寒が感じられ、何か大事な物が無くなっていくような感じがした。


「もしかして・・・・横島くん!?」
「アイツ・・・・・いくぞ!!自由!!」
「うん!!」


二人はそう言うと、家を飛び出していった・・・。


エピソード三十 追撃する悪夢


≪ピッ・・ピッ・・ピッ・・ピッ・・≫


病院に運ばれた横島は、集中治療室に入るなり緊急手術が行われていた。美神たちは廊下で横島の安全を信じ、ただ祈るばかりだった。すると、突如廊下に大量の足音が響き渡り始めた。そしてそれは次第に近づき、美神たちのいる廊下で止まった。そこには・・・。


「はぁはぁ・・・・・・横島さん・・・・は・・・・」
「何が・・・・・あったんですか・・・・?」
「「横島(くん)に何があった(んですか)!?」」


それぞれの予感で駆けつけた、小竜姫・小鳩・菜ノ花姉妹だった。


「アンタたち・・・・・」


美神は四人の悲しい表情を見て、全てを話した。すると、それにより皆は泣き崩れてしまった。


「拙者が・・・もっと強くなっていれば・・・・・」
「今更な事言うんじゃないわよ・・・・バカ犬・・・・」
「横島・・・・・さん・・・・・・」


事務所メンバーもうな垂れる中、何時の間には何時間か経ったのだろう。手術中と書かれたランプの光がフッと消えた。そしてそれと同時に、中から防菌服に身を包んだ時雨が姿を見せた。


「よ、横島君は!?」


代表して美神が尋ねると、時雨は苦い顔をしながら・・・ただ一言答えた。


「・・・午前七時四十六分・・・・・・・・・横島忠夫の・・・・・・・・・・・・“死亡”を確認した」


その瞬間・・・・・・世界は暗転した。


「く・・・・・・・どこや!?」


政樹はバイクに乗りながら辺りを見回していた。そう、雪乃丞やタイガーたちが逃してしまったカラスを探していたのである。そして、辺りが都会から山へと変わった頃、カラスの姿が見えた。


「逃がすかいな!!」
「クァーーーーー!!」


カラスが羽を羽ばたかせて加速すると、政樹はバイクの速度を上げた。そしてそれと同時に政樹の下腹部にベルトが出現した。


「変身!!」


黄金の輝きと共に、政樹はアギトへと姿を変えた。それによりアギトの乗るバイクも“マシントルネイダー”へと姿を変えた。


「待ちなはれ!!トォ!!」


アギトはバイクから跳躍し一回転すると、トルネイダーはスライダーモードへと姿を変えた。そしてそれに乗ると、まるでサーフィンのように滑り出す。


「ギギ!?」
「タァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


トルネイダーは急ブレーキをかけると、アギトはそのまま前方へと飛ばされた。そしてその加速状態のまま、一気にキックを放つ。そしてそれはカラスの身体を貫き、爆発した。


「ふぅ・・・・なんとか倒せたで・・・・」


変身を解いた政樹が一息ついたその時、突如政樹がいる場所に向けて黒い光の弾が放たれた。政樹は間一髪避けると、それが放たれた場所へと向いた。そこには、肩まで伸びた髪に全身を黒い服に包んだ青年が立っていた。


「な・・・・・なにもんやアンタ!?」


政樹は自信の影から鬼丸を呼び出し、青年へと飛び掛らせる。しかし青年は鬼丸を腕で振り払い次の瞬間、手から光の刃を放ち政樹の下腹部を貫いた。


「がは!!!!!!!」
「君の“アギト”は成長しすぎた・・・・・破壊させてもらうよ・・・」


そして光の刃は青年のもとに戻った。そしてその手には、黄金の輝きを放つ光の玉が握られていた。そして青年は・・・・・・・その光を握りつぶした。


「な・・・・・何故・・・・・・・や・・・・・・・・」


足元がふらついていた政樹はバランスを崩すと、後ろにあった滝に気づかず、そのまま滝壺へと落ちていった。


「アギトは存在してはいけないんです・・・・・・人は・・・・・支配されなければいけないのです」


そう言うと、青年は姿を消した・・・。


「ぐす・・・・・うっう・・・・・・・・」


落ち着くために事務所に戻った美神たちだが、横島の死という傷はすぐには癒えなかった。おキヌは自室で泣き崩れ、シロタマは屋根に上って悲しみの叫び声を上げていた。


「アイツ・・・・なんで私の忠告聞かなかったのよ・・・・・」


美神は、自分が力ずくでも横島の変身を止めようとしなかった事に自責の念を感じていた。自分が殴ってでも、自分がしばきあげてでもと考える度、美神の心には自責の念が積もって入った。


「よごじま・・・・ざん・・・・・・うああああああああああああああああああん!!」


横島を心から愛しているおキヌに至っては、目を真っ赤にするほど涙を流していた。その時。


≪きぃぃぃぃぃぃぃぃぃん≫


突如、事務所内に妙な振動が起きはじめた。破壊的な感じであるが、事務所内では特に破壊現象は起きていなかった。しかし・・・異変は起きた。


「み・・・・美神さん・・・・」


突如、おキヌの身体がブレ始めたのである。まるで、ピントのずれたレンズのようにぼやけていた。


「ど、どうしたのおキヌちゃん!?」
「どうしたでござるか!?」
「どうしたのよ!!」


異変に気づいたタマモとシロが降りてきた途端、おキヌの異変に驚愕していた。そう、もうおキヌの身体は透き通るほど存在が薄くなっていたのだ。


「た・・・助けて・・・・横島さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!」


最後の悲鳴を共に、おキヌの姿はまるで灰のように空へと消えた。そしてそれと同時刻、日本各地の神社や寺、教会が地震により次々と崩壊するという事件がおき始めていた。
これが、一つの悪夢の始まりであり、救世の復活の序章に過ぎない事を・・・まだ知る者はいない。


川の下流の岩場。そこでテントを作り、地図を見ながら何かを探っている一人の男がいた。男がふと川辺へと歩いてみると、そこに一人の青年が倒れていた。


「人・・・・・だな。“サバキ”さん!!人が倒れてますよー!!」
「ん・・・・・どした“ダンキ”?」


男がテントに向かって叫ぶと、サバキと呼ばれた男がテントから出てきた。そしてひょいひょいと岩場を歩き、男のもとに駆け寄った。


「・・・あれ?この顔どっかで・・・・・」
「え・・・覚えがあるんですか?」
「ああ・・・・・・どっかで」


二人は倒れている男に、なんらかのデジャブを感じていた。そして、ある結論に達した。


「「ああ!!ヒビキが屋久島で会った男か!!」」


そう。倒れていたのは、黒い青年によって滝へと突き落とされた政樹だったのである。


「とりあえず、これはヒビキに連絡したほうがいいですね」
「だな。更にたちばなにも一応連絡入れたほうがいいかもな」


そう言うと、二人は政樹を担ぎ上げると、焚き火の側に寝かせるのだった。この二人の男が、実は響鬼と同じ関東11人の鬼の戦士。“弾鬼”・“裁鬼”だという事を、政樹は知るよしもなかった・・・。


あとがき
新年初投稿です。あけましておめでとうございます。今回の話は、横島の転機、そして鬼道の転機してもこの話は必ず書こうと考えておりました。次回はついにしずも編へと進んでいきます。あと、この際これだけは説明しておかないとまずいと思うので言っておきます。“ライジング”はないのです!!しかし、ちゃんと隠し玉はありますので(ニヤリ

<ジェミナス様
いやーお久しぶりです本当に。横島ですが・・・・死亡しました(マテ
しかし、そんなアッサリヒーローが立ち退くとは・・・思えませんよね(黒化

<ATK51様
ライジング代わりの隠し玉・・・・楽しみにしててください!!

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