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「霊光波動拳継承者『横島』(改訂版)17話(GS+幽遊白書+いろいろ)」

柿の種 (2006-01-02 14:10/2006-01-10 19:20)
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「横島さん、お疲れ様です」

「まあ、あんたにしちゃあ、がんばってきたんじゃない」

 戦いが終って横島を迎えるおキヌ美神。そこで、横島はいきなり接近し、おキヌの手を掴んだ。

「それじゃあ、早速、例の約束を!!!!!!!」

 相手がおキヌの為か、ルパンダイブはしないようだが、彼女がYESと答えた瞬間に、その最後の理性が切れんばかりの勢いである。それに対し、おキヌは笑顔で答えた。

「はい、あの約束は無しです」

「へっ?」

「横島さん、今日は酷いセクハラを、しかも私がせっかく勇気を出して告白したのに、その私の前でしたんですから。罰としておあずけです♪」

 満面の笑みを浮かべたまま、しかし、目だけは笑っていない状態で言うおキヌと言われて硬直する横島。隣ではそのやり取りを見ていた美神が感心したように口笛を吹く。そして、硬直から溶けた横島は泣き喚いた。

「あんまりやー!!!!!! おキヌちゃん嘘つきやー!!!!!!!!」

 盛大に血の涙を流しながら床を叩く横島。そんな横島を美神がどつく。

「こら、横島!! あんまり、みっともないところ、人前でみせるんじゃない!!!!!!」

 周囲にはまだ、GSやオカルトGメンの連中等がいる。GSのメンバー達にとっては、今更だが、オカルトGメンの職員は何事かというように彼を見ていた。

「この私が、胸を触らせてキスまでしてあげたんだから十分でしょうが」

「はっ、そういえば!! あの美神さんが俺にキスするなんて、愛の告白としかー!!! ならば、おキヌちゃんの代わりに俺とー!!!!」

 まわりに聞こえないようにやや声をひそめて言った美神の言葉に横島ががばっと顔をあげて飛び掛る。

「誰が、代わりじゃあああああ!!」

「横島さんの馬鹿あああー!!!」

 それに対し、美神とおキヌから突っ込みが入った。おキヌも霊波柔術を習ってから武闘派が板に入ってきたようであった。

「ぐふっ」

 ダブル突っ込みを喰らって横島は再び沈黙するのだった。


「駄目ですね。私達では詳しく調べるのはやはり無理なようです。ただ、プロテクトの存在だけは確認できました」

 オカルトGメンの調査班が申し訳なさそうに言う。神魔の力も借りてルシオラの体を調べ、あわよくば記憶の引き出しを行おうとしたのだが、ほとんど何もわからなかった。最も、仮にいたとしても、ジャミングによって彼女の力はほとんど使えない状態にあったのだが。ただ、それでもルシオラの言葉通りにプロテクトが存在する事までは確認できていた。

「なら、まずは、何とかしてそれを外すしかないわね?」

「そうですね。プロテクトさえ外せれば供述させられる可能性もでてきますし」

 美智恵の問いかけに職員が頷く。

「ならば、今度はワシの出番じゃな」

 そこで、カオスが自信満々に現れる。傍には何故か、冥子が居た。

「あの〜。私は何をすればいいの〜?」

 のんびりした声で彼女が答える。それに対し、カオスが不敵な笑みで答えた。

「高位の魔族がつくったプロテクト。流石のワシでも骨が折れるが、嬢ちゃんの式神の力を使えば格段に楽になるでのう」

「えっ、私の式神を〜」

「そうじゃ、嬢ちゃんの式神の中に夢の世界に入る能力を持った奴がいたじゃろう。夢の世界は精神の中と同じ。魂のプロテクトも直接操作する事ができるのじゃ!!」

「ハイラちゃんね〜」

 何か異様な程にさえているカオスと、自分が役立てると知って喜ぶ冥子。そして、話を聞いた美智恵が指示する。

「なら、早速実行しましょう。情報は少しでも早く得たいわ」

「まあ、またんか。何せ、こやつらを作ったのは部下の魂にプロテクトをかけるような奴じゃ。何か、罠があるかもしれん。今日は打ち合わせだけにして、十分な準備をしてからにした方がいいじゃろう」

 美智恵をカオスがたしなめる。それを聞いて確かに少し無謀な事を言っていたと気づき、落ち着きを取り戻す。

「そうね。確かに焦りすぎたわ。冥子さん、夢の中へは一体何人まで連れて行けるかしら?」

「え〜、そうね。ハイラちゃんと私は除いて3人位までかな〜」

「3人ね。カオス氏は当然として残り2人か。わかったわ。メンバーはこちらで選出して置くわ。冥子さんは、今日はこれでいいわ。カオス氏は一応出来る限りの検査をお願い」

「うむ」

「は〜い」

 美智恵の言葉に頷く二人。っと、そこで一人の職員が入ってくる。

「美神隊長。報告があります」

「何かあったの?」

「はい、あの魔族の切り落とした腕が消滅しました」

「そう。思ったより早かったわね」

 職員の報告に美智恵は驚愕する。月で横島や美神が分裂したように霊体というのは核が存在し、それ以外のパーツ一つ一つがその本体の分身とでもいうような意思を持っている。しかし、通常人間程度の霊力ではその意思が自我を持つような事はない。しかしルシオラ程の力を持った魔族なら話は別だ。つまりルシオラの腕はそれだけで意思を持ちえるものなのである。ただし、それはあくまで本体の分身でしかなく、本体から切り離され、何の寄り代もなければ、長時間はその存在を維持できない。いずれ、自然消滅する。

「わかりました。それでは、あなたは職務に戻って」

「はっ」

 そうして職員は戻る。しかし、美智恵は気づかなかった。彼女が口に出して言ったように消滅が早すぎる事の意味を。


「まったく、惨めなものね」

 牢の中でルシオラは自虐的な言葉を呟く。色々と検査されている間、まるで自分がモルモットになったような気分を彼女は味わっていた。

「道具からモルモットに格下げかあ」

 自分がアシュタロスの道具である事は理解していたが、それでも半分は部下としての存在も認められていた。けど、今の状況では本当に自分の人権などない。

「こんな事なら、いっそ死んでいた方がよかったかも」

 “助けてくれたあの男(=横島)には悪いけどね”そう思いながら考える。

「変な奴だったわよねえ」

 呟きながら彼女は横島の事を思い出す。
 初対面の時は“してやられた”し、2度目に対面した時は酷いセクハラを受けた、けれどその後、自分を助け真剣に謝ってくれた。やられた事に対する怒りなどもある程度残っていたが、基本的に生きている時間が短い所為かほんのちょっと前の事でも昔の事になり、少しでも最近の事の方が彼女にとっては印象が強かったのである。

「もう、一回会ってみたいなあ」

「そいつは、光栄っすね」

「えっ」

 呟きに重なった声に驚くルシオラ。そして、気がつくと思い浮かべていた男である横島が目の前に居たのだ。

「ども、こんちわっす」

「な、なんで、あなたがここに・・・・」

「いや、もっかい、ちゃんと謝ろうと思って。それから、これを・・・・・」

 そう言って横島が差し出したのはルシオラの切られた腕だった。実は消滅したと思った腕は横島がタマモに頼んで、幻術で職員をごまかし、持ち出していたのだ。

「腕無しはやっぱ酷いだろ。だから、治してやろうと思ってな。ちょっと、こっちによってくれよ」

 そう言って、手招きをする。警戒しながらもルシオラは鉄格子に近づいた。ちなみに彼女の入れられている牢屋は牢屋内全体が結界になっており、さらにその中に局所結界が存在。力の一切が使えないようになっている。

「んで、これで」

 そして横島は自身の腕を伸ばして、鉄格子の中に腕を入れる。そして、傷口をあわせた。

「はあああああ」

 そして霊波動をコントロールして腕をつなげようとする。ここに張られている結界はあくまでルシオラや魔族に合わせたものなので、横島には影響がない。数分間そのまま意識を集中し、横島は手を離す。

「どう、動く?」

「ええ、ありがとう」

 腕をまわし感触を確かめるルシオラ。腕は完全にくっついていた。

「いや、いや、お礼は熱いベーゼで十分!!」

 それを確認すると横島は彼女に向かって飛びついた。それに対し、ルシオラは反射的に飛び引く。結果、横島は鉄格子に顔面をめり込ませた。

「ぐ、ぐふっ」

「お詫びじゃなかった訳?」

「い、いや、その、改めて見るとあんまり美人だったものでつい・・・」

 冷たい目で見るルシオラ。しかし、横島の言葉を聞くと僅かに顔を赤くした。

「ま、まあ。これだけ、お世話になった訳だし、謝罪はちゃんと受け取ったわ」

「そっか。いや、ほっとした・・・・」

「あっ、ちょっと待って。最後に一つ、ちょっと顔を横に向けてこっちによせて」

 これで貸し借り無しとでもすませようかという時に、いきなり、ルシオラがそれを撤回する。そして、言われた通り、顔を近づける横島。そして、無警戒な彼の頬にそっと口付けた。

「!? !? !?」

「こっちの方が少し、恩が多い気がするから、今のはお礼よ」

「ぬぅおおおおおお」

 再び暴走して飛び掛る横島。しかし、再びルシオラが身を引いて、横島は顔面をめり込ませた。

「ねえ、そういえば、あなたの名前、聞いてなかったわよね?」

 既に慣れたのか、そんな横島を冷静に見ながらルシオラが問い掛ける。鉄格子から顔を離し、即座に復活した横島が答えた。

「あっ、俺は横島、横島忠夫」

「横島ね・・・・・。一応、私の名前言って置くわ。ルシオラよ」

「わかった。ルシオラな。それじゃあ、俺、そろそろ行くけど、また、来るから」

「えっ?」

 横島の以外な言葉にルシオラはもう驚く。もう、横島にこんな所に来る理由は無い筈だった。意図が読めない彼女に対し、彼は子供のような表情で説明する。

「こんな所に閉じ込められて退屈だろう。話相手位なら俺だってできるしさ。なんてったって相手がルシオラ見たいな美人なら俺の方だって楽しいしな」

「・・・・そうね。あなたがいれば退屈はしそうにないわ」

 その言葉に嬉しそうな笑顔で答える。

「あっ、やばい!! そろそろ、細工が切れる。それじゃあな!!」

 そこで、横島は慌てて走り出す。そんな彼を彼女は笑顔で見送った。


(後書き)
ルシオラがちょっとツンデレ?
PS.いない筈というか、敵として思われている筈のヒャクメを出していた事に指摘があって、気づきました。無理やり直したので少し、展開に違和感があるかもしれませんが、どうか見逃してください。

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