*15禁というほどでもないと思いますが一応。
「「横島君(さん)!!」」
「すいません、遅れました!!」
横島の姿を見て美神とおキヌの声が重なる。彼女達に駆け寄る横島。そんな彼に対し、ルシオラは強い殺気を送り睨みつけた。
「この前はよくもやってくれたわね。あなたが仕掛けてくれたトラップでこっちがどれだけ苦労した事か」
「えっ、はは。えーと、美人は怒った顔よりも笑った方がいいから、終わった事と流してくれませんか?」
その強い殺気に横島は笑って誤魔化そうとするが、それで誤魔化されてくれる訳がない。より強い殺気を彼女は送ってきた。
「そんなことより横島君、一度体勢を立て直すわよ。それから、修行の成果ってのはどうなの?」
「えっ?」
問いかけてきた美神に対し、横島は困った顔で言いづらそうに答えた。
「あー、実はですねえ。試練の時に霊力を放出し尽くしちゃって、まだあんまり回復してないんですよ。んで、その残った力もさっきの一撃でほとんど使い尽くしちゃって・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・アホかアアアああああああああああ!!!!!!あんた、一体何の為に来たのよ!!!」
「あーーーー、すんません!! すんません!!」
それを聞いて、横島を全力でどつく美神と平謝りをする横島。
「なんなの、一体・・・・・・」
目の前で突然展開された漫才に、それを呆れたように見るルシオラ達。彼女達の姿を横目で見て美神は溜息をついて横島の方に向き直った。
「しょうがないわねえ・・・・・」
そう言って、そして次の瞬間、横島に口付けしたのだ。その行為に目を白黒させる横島。しかも、更に彼女は口を離すと自分の胸に彼の顔を押し付ける。
プツ
「これで、少しは煩悩が回復したでしょ?」
横島の顔を離し問いかけるが、彼は聞いていなかった。つい、先日、おキヌにキスされたばかりの横島、このコンボがとどめとなり、彼の中で何かがキレタのである。
「な、何、一体!?」
「ふふ、ふふふ・・・・・・」
不気味な笑い声をする横島。それと共に、その場にいるもの全てが驚愕する程に横島の霊力が高まっていく。
「あ、あなた、何者なの!?」
その光景に思わず、問い詰めるルシオラに対し、横島はゆっくりと振り向いて言った。
「とっくにご存知なんだろう? 穏やかな心を持ちながら、激しい煩悩によって目覚めたスーパー煩悩魔人、横島忠夫だ!!!」
「知らないわよ!!」
思わず突っ込むルシオラ。しかし、横島はそれをきっぱりと無しする。
「美神さん、ちょっと後方に下がっててください!! 今から奴等の弱点を見つけて見せます!!」
「えっ、弱点を見つけるって!?」
美神の驚きに答えず、横島は飛び出す。流石は霊光波動拳継承者にしてスーパー煩悩魔人といおうか、10体もの敵の攻撃を器用にかわしていく。そして、何故か攻撃を仕掛けず、造魔に触れるだけを繰り返した。
「んーと、そこ、ここ、あそこ、そっち・・・・・うっし、わかったぞ!!」
何かをぶつぶつと呟き、そこで、多重に展開したサイキックソーサーを造魔に投げつけた。その攻撃が直撃した瞬間、造魔の身体が大きくぶれて、そして弱点があらわにされた。
「これは!?」
「ふふふ、『人の治し方を知るって事は、人の壊し方を知るってのと同じ事だ』、なーんてな」
横島がその位置に攻撃した事により、10体の内8体の造魔の魔力とよりしろの接続点が明らかにされたのである。先ほど西条達が時間をかけてしたのと同じ事を横島は僅かの時間でやり遂げてしまった。造魔に接続点の弱点があること自体は、実はここに来る前に、連絡を取った時に聞いていたのであるが、その位置を暴いたのは紛れも無く、彼の実力である。
生物の霊体を解析する事に適する、これこそが、本来は生物を霊的な方法で治療できる霊光波動拳の真髄とも言える業だった。
「んじゃ、そっちは、後、よろしくお願いします。俺はあっちの姉ちゃん達の相手をするんで」
こうして、弱点を示すと後を美神に達に任せて横島はルシオラ達3人と向き合う。
「くっ」
一瞬にして、形成を崩され冷や汗を流す彼女達。しかし、彼女達は本当の危機に気付いていなかった。今の横島はスーパー煩悩魔人なのである。先ほどみせた凄さなど、彼にしてみればいわば虚像の姿なのだ。
(ぐふふ、色っぽいねえちゃん、色っぽいねえちゃん・・・)
そして横島は両手に6つの文珠を握り文字を込める。込められていた文字は“単”“独”“霊”“波”“共”“鳴”。それを、発動させた。
「これが、スーパー煩悩魔人2だあああああああ!!!!!!!!!」
自らの霊力を内部共鳴させ、その力を増幅させる。その霊力は一時的なものとはいえ、人間の限界をはるかに超え、2万マイト近くにまで達したのだ。
「そ、そんな人間がこんな力を・・・・・・・」
それを見て絶望的な表情をするベスパ。そして、ルシオラが悲壮な決意を固めた。
「ベスパ、パピリオ、私が時間稼ぎをするから、あなた達はその間に撤退して」
「な、何をいうんだい!! あんた、自分が犠牲になろうってのかい!!」
「そうでちゅ、ルシオラちゃん。逃げるならルシオラちゃんも一緒でちゅ」
その言葉に動揺する二人。しかし、ルシオラはパピリオの頭をなでると笑って答えた。
「大丈夫。私も後で逃げるわ。私の能力なら逃げる位は何とかなるわ」
ルシオラは幻影使い。その能力なら撤退には向いていると暗に伝える。それを聞いて、べスパは決断した。
「わかった。けど、あんたも絶対生きて帰ってくるんだよ」
「ええっ、犠牲になんかなる気はないわ」
そう言って、視線を交わすべスパとルシオラ。そして、それを造魔達と戦いながら横で見ていたGS側のメンバーはというと。
「えーと、何か、私達の方が悪役みたいですね(汗)」
「って、いうか、完全に悪役ね。見なさい、あの横島君の嫌らしい顔を」
おキヌが呟き、美神が断言する。横島はいつの間にか下心丸出しの表情へと変わっていた。それに対し、美神はしばいてやろうと思うのだが、造魔に手一杯でそれができない。
「逃がしたりはしないわ!!!」
そんな中、一人、一瞬手の空いた美智恵がべスパ達に突撃を仕掛ける。それを、ルシオラがかばった。
「やらせないわ!!」
「後は頼んだよ!!」
その間にべスパ達は撤退し、姿を消す。美智恵は弾き飛ばされ地面に叩きつけられ、それと、入れ代るようにして横島が飛び出した。
「簡単にやられたりはしないわ!!」
ルシオラが魔力砲を放つが、横島はそれをかわし、カウンター“束”“縛”の文珠を使い彼女を動けなくした。
「しまった!?」
「ふふふふ、さあ、お仕置きタイムだ。」
いやらしい笑みを浮かべ、動けなくなったじりじりと詰め寄る横島。美神が指摘したようにもはや完全に悪役だった。そしてルシオラの方もこの時になって初めて自分が殺される以外の身の危険をさらされている事に気付き始める。
「くっ、こんなもの!!」
「させるか!!」
焦ってその拘束を打ち破ろうとするルシオラ。だが、それよりも速く横島の手が伸びた。そして彼女は・・・・・・あえぎ声をあげた。
「あ、あ~ん・・・」
「ふふふ、力がぬけるだろう?」
邪悪な笑みを浮かべ、ルシオラの肩、胸、腰、尻、足、と順に上から触れていく横島、そして横島に触れられるたびに体に電撃がはしるような感覚を覚え、足元をがくがくさせるルシオラ。
「な、何を・・・だ、だめ!!そ、それ以上さわらない・・で。お、おかしくなっちゃうう・・・」
「ふっ、これが霊光波動拳の力!!」
触れる手を止めぬまま叫ぶ横島。さきほども述べたように霊光波動拳は本来、医療目的の業である。肉体と霊体の構造を熟知し、効率よく壊す事も治す事もできる流派である。それを更に応用すれば、治す・壊す以外にこのように相手に対し、強い快感を与える事もできるのだ。今、横島の愛玩?を受けているルシオラは神経に直接“快感”という情報を流されたのに近い快感を受けていた。
「ほれ、ここか?ここがええのか?」
「駄目!!嫌!!やめて!!」
叫ぶルシオラ。既に全身に力がなく、口からはよだれが垂れてしまっている。しかし、理性が崩壊し、暴走してしまっている横島はそれでもやめない。
「ははは、口では嫌がってても身体は正直だぞ。ほれ、乳首がこんなにぷっくり・・・・」
「「いいかげんにせんか(してください)!!!!!!!!!!」」
しかし、この暴虐に天罰(人罰?)が下された。この光景を色々な意味で許容できなくなった美神とおキヌが怒りで霊力を増幅。相手をしていた造魔をの急所を素早く貫き、横島に手加減無しの強烈な一撃を叩き込んだのだ。しかも、タイミングよく文珠の効果も切れ、横島はボコボコにされる。
こうして、悪(横島)は滅び、ルシオラは捉えられたのだった。
(後書き)
指摘を元に、色々と修正しました。修正箇所が多く、話しの展開事態が変わっているので、編集機能を使わず一度前のを消去しての再投稿としたのですが、どうだったでしょうか?前の方がよかったとかでもいいので、ご意見聞かせていただけるとありがたいです。
(改訂前の感想に対する返信)
>法師陰陽師さんへ
洗脳は流石に(汗)ルシオラフラグは寧ろこっからですね。
>冬さんへ
いや、その法則はいくらなんでも無茶ですって(笑)寧ろボケでシリアスキャラを落とすのがGSの本道でしょうw
>クラインさんへ
まあ、元ネタの悟空だってそれまでも激しく怒る事はありましたし。基本スペックがここまであがったからこそスーパー煩悩魔人になれたって事で。
>よだれ舌さんへ
改訂してみました。
皆さん、感想ありがとうございました。