「なんだこりゃ?」
突如、机に突き刺さった精霊石の槍。
「槍・・・ですね。なにか霊的な力を感じますから迂闊に触らないほうが・・・・・・・って遅かったですね。」
小竜姫が注意した時には既に横島が引き抜いていた。
「よっと!お、槍って結構重たいんですね。」
引き抜いた反動で少しよろけながらも、槍を構える横島。
直後槍から光が放たれ、鎧姿の男が浮かび上がっていた。
『む、おぬしは退魔師か?』
「退魔師?一応GSだからそうなるかな。で、あんた誰だ?」
『拙者は明智光秀と申す。』
「そうか、俺は横島忠夫。明智光秀?どっかできいたような・・・」
「明智光秀というと、信長の天下を横盗りしようとして反乱を起こしたあげく猿ごときに負けた人ですね。」
・・・小竜姫の言うことも間違っちゃいないとは思うが、何か別の意味が含まれている気がするのは何故だ?
光秀のおっちゃんひきつっているし。
『現世ではそのように伝わっているのか・・・』
「それで、何がしたくて出てきたの?わざわざ槍に記憶を残すぐらいだから何かを頼みたいんでしょ?」
いままで黙っていたタマモが突如割り込む。
静かだとおもってたら弁当食べてたのか・・・稲荷寿司が全滅している。
『・・・そのとおりだ。現世ではどう伝わっているのか知らぬが、信長は人間ではない。』
「・・・どういうことだ?」
『奴は、吸血悪魔だ。私は退魔師として奴の隙を伺い、本能寺にて奴を倒したのだが、完全ではなかった。
完全に滅ぼさぬ限り時間を置いて復活すると知った私は、奴の復活する時期に合わせ槍が出現するように仕掛けを施し記憶を託したのだ。』
「それが現れたってことは・・・」
『そう、間違いなく奴が復活しようとしている。』
・・・事務所開く前から仕事かよ。
『記憶を保つのもここまでのようだな・・・。横島よ、後の事頼んだぞ。』
そう言い遺し光秀は消えていった。
・・・承諾した覚えは無いのだが。
「小竜姫はどう思う?」
「そうですね。今の話が本当だとすると・・・私達だけでは手が足りそうに無いですね。」
小竜姫で手が足りないってそんなに強いのか!?
「って言ってもさすがに応援頼めるほどお金もってないっすよ?」
「大丈夫ですよ。最近になって日本にもオカルトGメンができたそうですから。彼らに存分に働いてもらいましょう。」
・・・・オカルトGメンって美神さんとロン毛か。
美神さんが大暴れすればストレスで禿げるかもしれんな。
それでいこう。
「とりあえず、この槍どうします?」
もって行けば確実に捕まるか、美神さんあたりに奪われそうだ。
「そんなの横島の影にいれておけばいいでしょ。」
「どうやって?」
そんなやり方俺はしらんぞ。
「あのねぇ。あなたは仮にも大妖といわれた私を式神にしてるのよ?それくらいできなくてどうするのよ。」
んなこといわれてもなぁ。
「まあ、『考えるな。感じろ。』ということわざもありますし、体で覚えてもらいましょう。」
「それ絶対ことわざ違う!」
「ほらほら、いいからさっさよやるわよ。」
こうして、血で血を洗うような特訓が始まった。
二人とも鬼や。
「「何かいいました(いった)?」」
「ナンデモナイデス」
苛烈な訓練の結果、なんとか影に槍を収納できた俺達はオカルトGメンのあるビルの前に来ていた。
「オカルトGメンよ!私は帰ってきたぁぁぁぁぁ!!!」
「・・・何してるんですか?忠夫さん。」
「なんでもないっす。・・・あれ?タマモは?」
あっち、と指さす小竜姫。
その先には、こちらを目をあわさないようにして他人のフリをするタマモがいた。
きっと最近復活したばかりで家族とかそう言うのになれていないのだろう。(違)
恥ずかしがらなくていいのに。(激違)
「おーい、タマモ。そんなとこ立ってないでこっちこいよ。」
「な!わ、私のことはほっといてよ!恥ずかしいじゃない!!」
急に走り始めるタマモ。
追いかけっこか?
「追いかけっこか〜?韋駄天のタダちゃんと呼ばれた俺を振り切るのは難しいぞ〜?」
「だからこっちくるんじゃないわよ!」
そんなに必死に逃げるなんて・・・
きっと遊びたかったんだな。
タマモの本心に気がついた俺はつかず離れずの位置を保ちながらタマモを追いかけ続けた。
決して恥ずかしいから一人だけ他人のフリして逃げていたタマモを怒っていたわけではない。多分。
2時間後、オカルトGメン前では息をきらせて疲れきっているタマモと、何故か元気いっぱいな横島がいた。
「あれくらいで疲れるなんて体力なさすぎだろ、タマモ。」
「じょ、冗談じゃないわよ!大体なんで人間が妖狐の私に普通についてこれるの!?」
「それくらいできないと美神さんと一緒に仕事できんからなぁ・・・」
今、思い返すと良く生きてたよな。俺。
「それはいいですから早く中に入って用事を済ませましょう。晩ご飯の買い物もまだですし。」
「そうっすね。」
疲れて動けなくなったタマモを抱き上げ中に入る。
うらやましそうな顔をしていた小竜姫はともかく、タマモの口元がニヤリと笑っていたように見えたのが気になったが。
「すいません〜」
「おや、君はたしか横島君だったか。いったいなんの用だい?」
美神さんはいないのか。
残念だな。
「ちょっと厄介な情報を仕入れたんで伝えておこうと思ってきたんだが。」
こいつに敬語なんて使うものか。
「そちらは、初対面のようだが?」
「ああ、この二人は俺の式神。」
「なんだって!?」
「はじめまして、忠夫さんの式神の小竜姫です。」
「・・・タマモよ。」
お〜、驚いてるな。
西条はしばらく固まって居たが真面目な顔にもどり取り繕う用に聞いてきた。
「それで、厄介な情報っていうのはなんだい?」
「それなんだが・・・」
とりあえず西条にこれまでのことを伝え始める。
精霊石の槍のことを除いてだが。
明智光秀の記憶が吸血悪魔の復活を告げたこと。
完全に滅ぼさない限り時を置いて復活するということ。
「吸血悪魔ってまさか・・・」
そういって西条は立ち上がると傍にあった端末を操作し始めた。
「・・・やはりな。おそらくそいつはノスフェラトゥという奴だ。
最近東京の結界の要となっていた祠が相次いで破壊される事件がおきてね。
こちらでも調べてはいたんが・・・」
「ってことはその結界の要を押さえれば相手がわかるってことか?」
「たしかにそうなんだが・・・既にかなりの数を破壊されてね。おそらくあと一箇所壊されれば結界は崩壊する。」
かなり不味い状況なんだな・・・。
「で、今無事な祠の場所って何処があるんだ?」
「待ちたまえ。今、地図を出す。」
しばらく待っていると西条が地図を持ってきた。
「この赤い印が破壊されたポイント。この黒い○が無事なポイントだ。
青いポイントはGメンと警察で監視してある場所。
だから手が回ってない場所は・・・・ここだけだな。」
西条が指差した場所を見て驚いた。
最近まで俺が通っていた高校だった。
「一応学校にはこちらから話を通して休校にしてもらっているから誰もいないがね。」
「じゃあ、俺達はそこを見に行ってみるか。」
そういって立ち上がろうとすると電話が鳴った。
「こちらオカルトGメン。」
電話を取る西条。
しばらく話したあと電話を置き内容を教えてくれた。
「不味いことになった。今、高校が襲われているそうだ。」
「誰もいないんじゃなかったのか?」
「令子ちゃんがたまたま通りかかってなんとか防いでいるそうだが学校まで手が回らないと言っていた。」
学校・・・この言葉がやけに気になった。
ふと愛子のことを思い出す。
あいつは机の妖怪だから休みのときは学校に一人ぼっちだと言っていた事がなかったか?
そして美神さんが防いでいるが学校まで手が回らないと・・・
愛子が危ない!
とっさに俺は走り出していた。小竜姫とタマモは俺の突然の行動に驚きながらも影に入ってくる。
「待ちたまえ!僕の車で行ったほうが早い。」
西条が車の鍵を持ち一緒に走ってくる。
だが今は西条などどうでも良かった。
無事でいてくれよ・・・愛子・・・・・・
横島の不安を感じ取ったかのように、さっきまで晴れていた空は暗い雲で覆われていた。
つづくの?
〜あとがき〜
年越し準備してる梅昆布茶美味です。
ノスフェラトゥ戦始まります。
小説など見たのですがあえてオリジナル展開で行きます。
理由?なんとなくw
仕事の合間などをみてちまちま書いていきますので気長に待ってあげてくださいw
いつものレス返し〜
>ゆん様
あの時点では一人占めしたかったようですがw
まあ、小竜姫が眠りっぱなしになった理由が横島の人外回復力のせいと。
いつか番外で詳しく書けるといいのですが^^;
>ヒロヒロ様
ご名答!
明智光秀ですね^^
>korosuke様
情報感謝です^^
でも作者の都合でオリジナルですがw
>whiteangel様
いあいあ、むしろ横島にでんでん太鼓を(爆
ネタわかる人いるんだろうか・・・orz
>獅皇様
目狐って感じのタマモも好きですけどねw
今回はチラッとしかだせなかったorz
>雪龍様
グレートマザーはも少し先ですが・・・
もち来ますよ。ええ。生き残れなければ作品が終わってしまいますねw
>ゆる様
どっちにバレても殺されますねw
劇場版はあまり知られて無いのかな?
この作品はオリジナルでいきますがw
>神曲様
六道・・・十二支に沿って揃える案があったのは内緒
内訳:(子・パイパー 丑・未定 寅・タイガーw 卯・月神族w 辰・小竜姫 巳・メドーサ 午・ナイトメア 未・未定 申・斉天大聖w 酉・ハーピー 戌・シロw 亥・未定)
未定にオリキャラいれるのもなんだかなぁって事で却下したのですが・・・
>夜雲様
グレートマザー?
もちやばいっす。(爆
まだ公務員になって間が無いからギャラ無しに気がつかない美神さん。
反動も大きそうですがw
>tomo様
>無理しない(倒れない)程度に頑張ってくださいね〜(^^)/~
はい!無理せずがんばります!
もう看護婦さんに『おかえりなさい』言われたくないしw
>なまけもの様
一応ピートはノーマルです。
理由は濃すぎるから(ぁ
美神さんは・・・きっと手加減抜きの大暴れをしてくれることでしょうw
>ガバメント様
はい、中退です。でも展開的に・・・ねぇ?
>からころ様
忘れる?まさかw
わりと最初からこのつもりだったりw
>通って縋り付く様
もちっすw
おもしろおかしく書けるといいなぁと思ってますがw
来るのはもう少し先ですね。
>シヴァやん様
ハーレムですね〜。
そのうち最強の敵が襲来するでしょうがw
>獣様
鬼畜へまっしぐら(ぁ
いやいやいやいやいや、まだまだこれかr(爆
>拓坊様
まだまだ増えますともw
作者が素直じゃないので変な展開にはなるかもですが(何
>BD様
美神さんとはわりと普通に関わる予定です(そのほうがおもしろそうだしw
戻ることはないですけどねw
>砂糖様
すくなくともお金には困らなくなるでしょうね
美神さんが連れ戻そうとするでしょうけどw