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▽レス始

「奥様は・・・〜その3〜(GS)」

kichi (2005-12-24 17:32)
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「ごめん・・・ごめんなぁ・・・ルシオラ・・・」


夕食の後、お風呂から上がり夕涼みのために広い庭の隅に座っていた私は横島さんの独白を聞いてしまいました。

誰も居ない庭で空に向かって話しかける横島さん・・・その姿が私の胸を締め付けます。誰に向かって話しているのかがわかってしまうから。そしてその相手からの返事は決して返ってこないという事も知っているから・・・

アシュタロスとの戦いが終わった後、私は激しく後悔しました。自分とそして神魔族はなんて不甲斐ないのだろう、そしてなぜ全てを横島さんに押し付けてしまったのだろうと。

私があの戦いの後、最も後悔したのはエネルギー結晶を『横島さん自身』に壊させてしまったことです。

もし他の誰かが、例えば私が結晶を破壊していれば横島さんは私を恨む事ができたでしょう。私に恨みをぶつける事で立ち直る事ができたかもしれない。恨まれるのは悲しいけれど、横島さんのためなら私はそれでもかまわない。


・・・でも実際に結晶を破壊したのは横島さんでした。


だから彼は今も自分を責め続けています。自分が幸せになる事は許されないと思い込んでいます。本来誰よりも『幸せ』にならなければならない彼が、その『幸せ』によって苦しめられている。

ごめんなさい横島さん、私がこれからしようとしている事はあなたをさらに傷つけるでしょう。そして私のわがままがその傷をより深いものとする事もわかっています。わかっているけれど、それでも私は・・・


横島さん、あなたが好きだから・・・


            奥様は・・・〜その3〜


朝起きると、両手が動かなかった。

「(まさかこれが俗に言う金縛り!?ていうか仮にもGSのオレが金縛りってのはありえないだろ!?一体何が!?)」

横島は左手の方を見た。
金色の髪が見えた。
横島は右手の方を見た。
銀色の髪が見えた。

・・・シロとタマモが現れた。

「(ってRPGっぽくしてる場合じゃない!なぜオレのベットにシロタマがいるんだ!!いやそれよりもこんなところを美神さんやおキヌちゃんに見られたら・・・)」

そんな事を考えて横島が青くなっていると、不意に左手が引っ張られる。

「・・・おはよう、ヨコシマ・・・」

「お、おう。おはよう(こいつこんなに可愛かったっけ?って違う!違うんや!!わいはロリコンやない!!)」

幸せそうに微笑むタマモを見て一瞬危険な思考にとらわれるも理性を総動員して思い留まっていると、今度は右袖の方が引っ張られる。

「せんせぇ、拙者も起きたでござるよ・・・」

「あ、ああ。シロもおはよう・・・(上目遣いでおとなしいシロって新鮮でかわい・・・って、ち、違う・・・オレはロリコンやない・・・はず・・・あかん!段々自分で自分が信じられなくなってきた!)」

必死に自分と戦っている横島を尻目に、シロとタマモはある一点を凝視し続けていた。そう、横島の下半身のテント部分を。

「・・・あら、朝から元気ねぇ(クスッ)」

「・・・せ、先生ぇ/////(ポッ)」

そう言いつつ軽く頬をそめつつ蠱惑的な笑みを浮かべるタマモと真っ赤になりながらも熱い目で見つめてくるシロを見た横島は・・・


「横島さ〜ん、朝食の用意ができました・・・えっ!?」

「いいか?精神年齢はともかくおまえらは中学三年生、もうすぐ高校生になるんだぞ!そんな年頃の女の子が勝手に男のベットに潜り込むなんて言語道断だ!特にタマモ!男のあの部分を見てあんな台詞を言うんじゃない!『朝から』じゃない!『朝だから』元気なんだ!まったくおまえってやつはいつもいつも・・・」

「・・・・・・・」

「小竜姫様、横島さん起きました?ってどうしたんです?」

「おおおおキヌさん!よよよ横島さんがおかしく!!」

あの横島がシロタマの二人を正座させて道徳?を説くというありえない光景を見た小竜姫は面白いくらいに動揺していた。

「ああ、きっとシロちゃん達が横島さんに何かしたんでしょう。普段はああなのにいざ迫ったら急にモラリストになっちゃうんですよ。」

全くやってられませんよねぇと苦笑しながらそんな事を言うおキヌに小竜姫は驚いていた。ホントにあなたはおキヌさんですか?とか、あんなに奥手だったあなたはどこに?とかいろいろと疑問はあったが、一番聞きたかったのはその口ぶりだとあなたも迫ったことあるんですねだった。

「あの、おキヌさ「はいはい、3人とも早くしないとお味噌汁が冷めちゃいますよ」くっ!」

この少々強引な話の変え方に小竜姫は久方ぶりに会ったライバルの意外な成長を見た。そして三人を連れて行くライバルの背中を見て、密かに自らの更なる努力を誓ったのだった。


「「「「「いただきま〜す」」」」」

朝食は小竜姫とおキヌの合作でメニューはもちろん和食が中心だった。横島は泣いて喜び、シロとタマモは肉が無い!油揚げが無いと騒いだためいつもより騒がしい朝食となった。(それでも美神は起きないが・・・)
一通り食べ終えると今日のスケジュールの確認をする。

「ところでおキヌちゃん、今日の仕事は?」

「今日は夕方からですよ。『夜になるとビルに現れる何かの調査』という依頼ですから夜になるまで動けないんです。」

「そっか、じゃあ今日も学校行けるな。・・・2日連続で登校できるなんてホントに久しぶりだ・・・」

学生としてどうだろうという発言をする横島。(でもしょうがないんです、彼のせいじゃないんです。)


「えっと、その『がっこう』というものに私がついて行ってはいけませんか?」

「「「「はっ?」」」」

お茶を啜っていた小竜姫の発言に驚く一同。神様であるあなたが一体なぜ?と首を捻っていると

「え〜と実は私、勉強は老師に習っていたのでずっと二人っきりだったんですよ。だから友達と一緒に学ぶっていう事にすごく憧れてて・・・」

少し恥ずかしそうに語る小竜姫。それを聞いた他の四人はなんだかかわいそうになってしまった。特に六道女学園に通うおキヌはかつて学校に通うという事に憧れていたためにその気持ちは痛いほど理解できてしまう。シロとタマモにしても学校の事を楽しそうに話すおキヌの事を本当は少し羨ましく思っていた事があったため同様に理解できる。

「・・・別にいいんじゃないかな。ウチの学校で良ければ。愛子もいる事だし、小竜姫様の一人や二人どうって事ないだろ?」

「そうね、ヨコシマの学校なら問題ないわね。」

「あのクラスならきっとすぐに慣れるでござるよ!」

シロとタマモは六道女学園に通うに当たって、まず学校というのがどんな物なのかを知るために一週間程横島の学校に着いて行った事があった。その時に非常に可愛がられたためあの学校の雰囲気を知っていた。(可愛がられすぎて軽くトラウマになりかけたが・・・)

「そうですね、うちの学校よりは横島さんの学校のほうがいいかもしれませんね。」

なまじオカルト関係に通じている六女に神族の者が通うと大問題になりかねない。その点横島の学校なら「神族?ああ横島の関係者か」というくらいで済んでしまうのだ。

「いいんですか!?私がついて行っても?」

「ええ、一緒に青春しましょうか。」(注:愛子ではありません)

不安そうに聞いてくる小竜姫に横島が微笑みながらそういうと

「はいっ!ありがとうございます!!」

本当にうれしそうな小竜姫の笑顔が返ってきた。


そして10分後、制服に着替えた一同が広い居間にそろった。(小竜姫はおキヌの私服)

「あ、横島さん、Yシャツの襟がおかしいですよ。」

「あっ、えっ?」

そう言って嬉しそうに襟を直すおキヌと照れる横島。
その様子を見ていて面白くない者が二匹と一柱。

「・・・なんだか面白くないわね」(ボオッ)

「・・・奥さんみたいでござるな」(キンッ)

「・・・・・・・・・・・・・・」(チャキ)

横で非常に不穏な動きあるのだがそれに気付かずになんだか甘い雰囲気の横島とおキヌ。

「はい!直りましたよ。」

「ありがとうおキヌちゃん。」

「いえいえ、どういたしまして。でもなんだか新婚さんみたいですね/////

えっ!あ、うん、そうだね・・・

やだ、私ったら何言ってるんでしょうね・・・

朝からお前ら何やってんだよ!とツッコミたい恥ずかし空間が展開される。
そんな状況を他の恋する乙女達が許せるわけもなく・・・

「はいはい!さっさと行くわよ!!」

「遅刻するでござるよ!!!」

「行きますよ!横島さん!!」

「「は、はい!!」」

・・・共同生活一日目、なんともあわただしい朝だった・・・


<おまけ>

「小竜姫、わかってると思うけど学校は勉強をしに行くところなんだからね。」

「そうでござる。抜け駆けなどもってのほかでござるよ・・・」

「(ギクッ)」


〜あとがき〜

約二ヶ月半ぶりの投稿です、どうもkichiです。
今までちょっと忙しくてこんなに遅くなってしまいましたorz
見捨てないでいてくださるとうれしいです。

さて今回は風雲美神城朝の巻きでした!(いつか横島城になるかも・・・)
ホントは登校中に小竜姫様が「なぜ過去に行こうとしなかったのですか?」という質問を横島にぶつけるシリアスシーンまで書きたかったのですが、思ったより長くなってしまったのでその場面はもう少し後に持っていきます。

次回は「学校パニック!?ふもっふ〜竜と机のR&R〜」をお送りします!はい、嘘です(笑)元ネタわかる人いるかな?

最後に、今日はクリスマス・イブですので一応メリークリスマス(ハッピーホリデイズ)と言っておきます。めでたくないです!彼女と別れたばっかりで独り身ですので今日はこれから男だけのむさい集まりに行ってきます。ちくしょ〜クリスマスなんてーー!クリスマスなんてーーー!!(横島化)

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