『け!!テメエらみたいな奴等!!なぎ払ってやるぜ!!そして、俺は美神令子に復讐するんだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』
悪霊が降り、邪犬の口から喋っていると、それを聞いた美神が反応する。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!!なんで私に復讐なんかするのよ!!」
『き、貴様は美神令子!!忘れはせぬぞ・・・・あの日、私の会社に取りついた悪霊を払おうとして、同伴の女を泣かせてしまってビルを倒壊させたあの日の事はな!!』
「え・・・・・・あ、思い出した。○×建設の社長ね。悪霊になっていたのね・・・・ってちょっと待ちなさいよ!!あの時ビルぶっ壊したのは冥子でしょ!!』
『ええいうるさい!!何もかもお前が悪いんだーーーーーーー!!』
「ちょ、それって八つ当たり!!」
そう言い、邪犬が襲い掛かる。美神は神通棍を取り出し開放すると、邪犬に向けて振るおうとする。
「ダメです美神さん!!その子は利用されてるだけなんです。もし美神さんが攻撃を仕掛けても、そのままじゃその子が怪我しちゃいます!!」
「ちぃ!!厄介な相手ね全く・・・」
第三章 小さな命を救え!!六道学園大騒動!?(後編)
「な・・・・・あの横島さんが・・・・・隊長」
「そ、そんなはずありませんわ!!あのセクハラ男だったあの男が!?」
魔理と弓は当然の反応を示す。無理もない、彼女たちは2年前の横島しか知らないのだから。するとおキヌは、ゆっくりと語りだす。
「横島さんは2年前・・・・アシュタロス大戦で大切な人を失ったんです。それ以来、横島さんは表には出さないけど悲しみを内に秘めていました。そしてそれからしばらくして、横島さんは突然事務所を辞めてある場所に行く事を選んだんです。それが・・・」
「霊能救急捜査隊って・・・・・事?」
「はい」
魔理の言葉に頷くおキヌ。今だに信じきれてない弓だったが、おキヌの顔色、そしてコート内でレッダーと化している横島の姿を見て、それが本当なのだと悟った。
「横島さん・・・・その子を助けてください・・・」
おキヌの祈るような思いは、コートに立つレッダーへと向けられるのだった。
「あんにゃろ・・・・・犬に憑依するとは・・・・」
「タチの悪い野郎だぜ・・・・・」
「同感です」
三人は悪霊に怒りを覚えつつも、邪犬から意識をそらさない。レッダーは腰から霊波シャフトを引き抜き、ブルースとキースはリボルバーを引き抜く。
「よし、それぞれ散開して攻撃のチャンスを待つぜ!!タイガー、霊波消化砲で目晦ましを頼む!!」
「了解ですジャー!!」
その言葉と共に、三人はバラバラに散った。そしてタイガーは車の荷台に装備された霊波消化砲へと乗り込む。
「喰らえですジャー!!」
タイガーはトリガーを引くと、そこから消化弾がエネルギー状となって放たれ、邪犬に命中する。すると、邪犬の動きが少しずつ鈍くなりはじめていた。
「よし、ブルース!!キース!!雷撃弾であの犬を麻痺させるんだ!!動きさえ止まれば、なんて事はねえ!!」
「「了解!!!!」」
二人はそう言い弾丸のモードをチェンジしようとした、しかし・・・。
『勝手な事をされてたまるかーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』
突如邪犬はブルースとキースに向かって強引に体当たりをかました。それによりジャケットから火花を散らしながら、結界の外へと出されてしまう。そして邪犬は腕で強引に、おキヌを捕縛したのである。
「嫌!!離してください!!」
「貴様!!おキヌどのに何をするでござるかーーーーーーーーーー!!」
「離しなさいよ!!」
我慢できなくなったシロとタマモは強引に結界内に入ると、邪犬へと攻撃を仕掛けようとした。
『動くな!!動けばこの女は死ぬ!!』
「く・・・・・・卑怯でござるよ!!」
「最低ねアンタ。・・・それは悪霊になりさがるわね」
「う、うるさい!!」
そう言うと、もう片方の腕を動かし、シロとタマモを捕縛したのだ。
「テメエ!!皆を離しやがれ!!」
そう言葉と共に駆け出すレッダー。
『邪魔をするな!!』
しかし邪犬は皆を盾にした。それによりレッダーの動きは止まり、その隙をついてレッダーを蹴り飛ばした。
「がはっ!!」
火花を散らしながら地面を転がすレッダー。しかしすぐに立ち上がると、再び駆け出そうとする。
『動くな!!それ以上俺に攻撃を仕掛けるなら、この女どもを殺す!!』
「く・・・・・・」
その言葉により攻撃の出来ないレッダー。それを見た邪犬は、レッダーを踏みつけると、そのまま何度も何度も踏みつけた。それにより、レッダーのジャケットからは大量の火花が飛び、地面にめり込んでいく。
「やめて!!やめてください!!」
「止めるでござる!!お主、それでも人間でござるか!!」
「・・・下種になりたくないならすぐにやめなさい!!」
三人が悲痛な声を上げるが、邪犬の攻撃はやまず、レッダーの動きが止まった瞬間、踏みつけるのを止めた。
『死んだか・・・・まぁいい。これで美神令子を殺せる』
そう言うと、邪犬は横島を蹴り飛ばした。すると宙を舞い、結界外へと飛ばされた。そしてそのまま、地面へと叩きつけられた。
「横島君!!しっかりして!!」
「横島!!」
「横島さん!!」
美神・ブルース・キースの三人が駆け寄るが、レッダーからは全く動きがなく、完全にボロボロの状態となっていた。
「く!!あのクソ野郎が!!」
「許しませんよ!!神の裁きを受けさせてあげます!!」
二人が怒り狂いながらコートへ向かおうとするが、美神がそれを止めた。
「アンタたちが行ったとしても、結果は同じよ。私が行けば・・・それでいいのよ」
「な!!本気か!?」
「ダメです美神さん!!アイツは美神さんを殺したからって、止まるような奴ではありません!!それにおキヌちゃんたちだって解放するかどうか」
「それでも・・・・行くしかないのよ」
そう言い、美神はコート内に入った。するとそれを見た邪犬がニタリと笑う。
『フン・・・・やっと来たか』
「来たわよ・・・どうするなりは自由でいいわ。けど、私の従業員は解放してもらえる?」
『お断りだ。コイツらを放した瞬間、お前は全力で私を消そうとするだろう。それを分かってて、開放する気なんぞない』
そう言うと、邪犬はいきなり美神を蹴り飛ばした。美神はなんとか受身を取ったものの、ダメージはかなりのものだった。
「く・・・・・こんなものなの・・・・アンタって?」
『だ、黙れ!!』
美神の挑発的な言葉に、邪犬は更に蹴りを放った。それにより、美神は宙を舞い、地面に叩きつけられた。
「「「美神(さん)(どの)!!」
捕縛された三人が悲痛な声をあげる。美神は神通棍を杖にしてなんとか立ち上がるが、もう限界なのは誰が見てもそうだった。
「いい加減にしてください!!なんでこんな酷い事を!!」
「そうでござる!!貴様、腐っているでござるか!!」
「無駄よシロ。こんな○ー○イ野郎にそんな言葉は」
タマモの挑発的な言葉を聞いた瞬間、邪犬はキレた。
『何をぬかすかこの小娘が!!」
そう言うと、邪犬は爪で強引に三人の衣服を切り裂いた。それにより、おキヌの袴が短く破け、シロのジーンズは裂かれた場所から血が滲み出て、タマモのワンピースは、かなりボロボロになった。
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
おキヌの悲鳴を聞きニヤリと笑う邪犬。しかし、それが邪犬にとってしてはならない境界線であった・・・。
「あの・・・・・・・・クソ野郎!!」
「もう限界です!!僕は行きますよ!!」
もう限界だった二人は飛び出そうとするが、それを突如タイガーが止めた。
「あの~お二人サン。横島サンは“どこに”行ったんですケンノー?」
「な・・」
「なんですって!?」
その言葉に横島が倒れていた場所を見た。するとそこには陥没した地面しかなく、レッダーの姿がなかったのである。
「「まさか・・・」」
二人が何かを思いコート内を見た瞬間、それは起きた。突如コート内を、バチバチと光始めた。すると、邪犬の動きが止まってしまったのである。
『な、なんだ!?動け!!動け!!!』
邪犬が混乱していると、突如捕縛されていた三人の姿が消えた。そして次の瞬間、美神のいる場所にレッダーが姿を現したのだ。それも、掴まっていた三人を抱きかかえて。
『な、何ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?』
邪犬が驚く中、レッダーは右手に霊力を込め文殊【癒】を作り出すと、美神の前でそれを発動させた。すると、みるみる内に先ほどまでの傷が無くなったのである。
「・・横島君」
「後は・・・・・任せてください」
「分かったわ。頼むわよ」
「うっス」
そう言うと、レッダーは邪犬と対峙する。それを見ていたおキヌは、レッダーに尋ねる。
「横島さん・・・大丈夫なんですか?」
「なんとか・・・・・正直倒れそうかも」
「じゃぁなんで立ち上がるんですか!!そんなボロボロになって」
「嫌なんだよ」
悲しみの篭った言葉に、おキヌの口は止まる。
「あんなクソ野郎に・・・・・シロ、タマモ・・・・そしておキヌちゃんが傷つけられるのが嫌なんだよ・・・・だから俺は立つ。俺は戦う!!」
その言葉と共に、レッダーの右手に再び文殊が作られる。しかし、今度はなんと【分/離】と二文字が込められたいたのだ。そしてそれをリボルバーに込めると、邪犬に向かった撃ち放った。すると、それを受けた事により犬と悪霊が分離したのである。
『な!?何故こんな事に!?』
「超加速でお前に近づき、【縛】の文殊でお前の動きを止めた。それからもう一度超加速で皆を助けたって事さ」
『貴様!!一体何者なんだ!?』
「俺か・・・・・俺は、“元”時給250円の丁稚だぜ!!」
そう言うと同時に、左手で文殊【転/生】を作り出し、霊波シャフトへと当てた。すると、眩い光を放ち、霊波シャフトからすざまじい霊波が放たれる。
『な、なんだとーーーーーーー!!時給250円だとーーーーーーーー!!』
「お買い得だろ!!喰らいやがれ!!」
その言葉と同時に、レッダーは空へと跳躍した。そしてそのまま落下し・・・悪霊を真っ二つに切り裂いた。
『納得いかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!』
悪霊はそのまま消滅すると、天に向けて光となって昇っていったのだった。
「ふぅ・・・・疲れた~」
レッダーはメットを取ると、汗だくの横島が笑顔を向ける。
「横島さん・・・」
「先生・・・・・」
「ヨコシマ・・・」
三人は熱っぽい表情で横島のほうを見る。すると、そのまま横島に抱きついたのであった。その後、試合は再開され、無事おキヌたちのチームが優勝を納めたのである。勿論その影には、横島という大切な人の応援があったという事は、公然の事実である。
あとがき
第三章へと突入してみました。とりあえずこれで六道編は終わりですが・・・・続けようかな?w次なんの話を出そうと考えても、ネタが・・・・wどうせだしエクシードラフトネタでも使おうかと悩んでいますwまぁ続編希望者がいましたら、やろうかとw
<拓坊様
ブルースキース出番うすw
タイガーには一部出番がありましたが、どうだったでしょうか?
<流星様
<赤い仮面に力と技の風車
確かにそうですねwただ、私の中では「日本じゃ二番目だ」が永遠のかっこいい男なんですw
ヒーローも頑張ってやっていきますので、是非ともレスを(ベキ)ぐは!!
<だぶる・そふと様
タイガーは出番ないといやですねw私的には横島→タイガー→雪乃丞→ピートの順番なくらいタイガーは好きですねw
<帝様
<このテのヒーロー達はワリと力押しで解決が多いので憑依系など霊的な
状況をどう対処するのか
これは私のどうするか考えました。その結果、文殊による解除、そしてそこからはお約束の物理攻撃w
メット外しは毎回なのがお約束ですw
<ペテン師様
本部長は出さないとw
おキヌちゃんが知っているのは・・・まぁ聞かないでください(汗
<彗星帝国様
<って同伴していた女って冥子じゃないか?!
美神令子のせいではないだろ
そうなんです(爆)美神というか冥子が直接的な原因なのですwしかし悪霊は聞き入れず、八つ当たりに出たのですw