「美神さん、今、戻りました」
「おかえりなさい、おキヌちゃん・・・・って、その髪!?」
「あっ、はい、修業の邪魔なんで切っちゃいました」
オカルトGメン地下、そこに今美神達は身を隠して居た。美神と連絡を取り付けたおキヌと雪之丞はそこに訪れ、美神等と再会した。そして、美神はおキヌに短くなった髪に驚く。
「へえ、思い切ったのね」
「私も、横島さんや美神さんに負けたくないですから」
「そっか」
そこで美神はそれ以上追究せず、他の話題を出した。
「あっ、そういえば、幻海さんの所から送られてきた佐藤さんって人だけど。彼、ほんとに役に立ったわよ」
そう、彼女には珍しく評価する。
ちなみに佐藤がどんな活躍をしたかというと・・・・・
<1話:妙神山襲撃>
妙神山に向かった美神達、だが、そこにルシオラ達の襲撃がある。老子が天界に召集され、不在な妙神山は圧倒的な技術格差に追い詰められる。だが、その時、現れたのが“蘇る超闘士佐藤”、改良し行き場所を自由に設定できるようになって、まさにどこ○もドアと化した『闇羽衣・改』を使い、見事全員を脱出させたのだった。
<2話:ヒャクメ救出作戦>
救出した小竜姫よりヒャクメが囚われている事をしった佐藤は闇羽衣・改を使い彼女を救出する為、敵の兵鬼の中に乗り込む。しかし、その時、彼女は特撮にでてくるような悪の女幹部というような格好をし、パピリオの演技指導を受けていた。
『わははははは、世界はアシュタロス様のものなのね~』
そんな台詞を言う彼女を見て佐藤は彼女が相手に寝返ったのだと思い込み、そのまま彼女を連れず、帰還し、それを美神達に報告する。小竜姫等はその話を完全には信じなかったもののもし、それが本当ならば、彼女を討つことを決意する。
っと、言うような事があった。ちなみに小竜姫達、神魔は冥界とのチャネルが閉じられている為、十分な霊・魔力の供給が受けられないのだが、妙神山から脱出した際、アイテム類を倉ごと持ち出す事ができたので、普段は休眠して、消耗を抑えつつ、それらに蓄えられたエネルギーを使い何とかやりくりしている。
「それから、小竜姫達だけでなく、ママも今こっちにいるのよ」
「えっ、美神さんのお母さんが?」
驚くおキヌ。そこに美智恵が現れた。
「久しぶりね。おキヌちゃん。早速でわるいけど、これから先、あなたには私の指揮下に入ってもらうわ」
「ちょっと、ママ、おキヌちゃんにそんな事言わないでも!!」
美智恵の態度に反抗しようとする美神。しかし、美智恵はそれを許さなかった。
「令子、私はICPOの責任者として言ってるの。これは人類全体の運命を担っているのだから」
「・・・わかったわよ。おキヌちゃん、ごめんね」
美神は謝り事情を説明する。神魔を救助した後、ICPOが中心となり、一流GSを集め、その指揮下におさめ、神魔達と協力体制でアシュタロス対策部隊を設立しているのだ。
「いえ、気にしないでください。もとから美神さんには協力するつもりでしたから」
「そう。ありがと。ところで、横島君は最後の試練を受けているって話だったけど・・・・」
彼女にしては珍しく心配そうな表情を浮かべる美神。おキヌもそれに感化されて不安気な表情を一瞬浮かべるが、直ぐに笑顔を浮かべて言った。
「はい。けど、横島さんは今度もきっと戻ってきてくれますよ。約束もしましたし・・・」
「約束?」
「あ、はい、実は・・・・・・・・」
そして、横島とした約束。帰ってきたら・・・・うんぬんという事を話した。話を聞いた美神は青筋を浮かべた状態で、額を指で押さえる。
「なるほど、それなら、あの馬鹿は確実に戻ってくるわね・・・・・。けど、おキヌちゃんはそんな約束しちゃってほんとによかったの・・・・なんて、今、聞くことじゃないわね。それより、なんでそんな事まで私に話した訳?」
「それは、そのお・・・・・・やっぱり美神さん相手には抜け駆けしたくないんです・・・・・」
「・・・・・それって、私が横島君を好きだっていいたい訳?」
「だって・・・・・・・そうですよね?」
顔を近づけて睨む美神の追究に言葉に詰まるおキヌ。しばらく睨みあった(?)後、美神は溜息をついて言った。
「いいわ、認めてあげるわ。そうよ、私も横島君が好きよ。全く、自分でもなんであんな奴に惚れちゃったのか理解できないけどね。けど、認めちゃった以上、私はどんな手を使ってでもあいつを手に入れるわよ!!」
「わかってます。けど、私だって負けませんから!!」
美神の答えを聞くと笑顔になり、そして両手を胸の前でぐっと握って答えるおキヌ。美神はそれに対し、優しい眼差しを送った。同時に、彼女を恋のライバルとして強く意識した。
「あれ?雪之丞?」
美神がおキヌを連れてさまざま施設を見せて回っていると、雪之丞の姿を見つけた。おキヌが美神に会いに行っている間に、彼はまず、他のメンバーに会いに行き、そしてこの施設にやってきたのである。
「おう、ここに面白いものがあるって聞いてな。俺も挑戦させてもらう事にしたぜ。」
「まったく、バトルマニアねえ」
それを聞いて美神は呆れた表情をした。そこにあったのは過去に戦った妖怪や魔族のデータをもとにそいつらと戦えるシミュレーション。ただし、強さは平均で約10倍にしてあるし、能力や弱点も変化してあり、100体倒せばプログラムはそこで終了。
当初、これは美神を限界まで追い詰める事で、限界を超えさせる為のシステムとして開発されたものだったが、横島の予想外の成長、神魔の救出に成功した事などから成功可能性の低いこの計画は破棄され、単なる訓練施設となっている。
「んじゃ、早速やらせてもらうぜ!!」
そして、雪之丞はそのプログラムに挑戦した。
「くそっ、後少しだったのによ!!」
挑戦の結果、雪之丞は90体目を倒した所でリタイヤ。後、10体という所で失格になった。それでも、美神が数回挑戦しての結果を遥かに上回っている。
「あんた、ほんとに強くなったわねえ」
「いや、まだまだだな。横島はもっと強い。仕方ねえ、俺も一刻も早くあの技を会得してやるか」
その言葉を聞いて、自分が後輩二人に抜かされた事を理解し、ちょっと、いや、かなり悔しそうな表情をする美神。しかし、味方としては頼もしい事限りなかった。
「じゃあ、次は私がやってみてもいいですか?」
「えっ、おキヌちゃんが?」
おキヌの申し出に美神が驚く。修業前のイメージしか無い美神にとって、おキヌがこういう戦闘に向いているとは思えなかったのだ。
「大丈夫です。私だって強くなったんですから」
そう言って自信あり気に挑戦する。そして、結局彼女は39体を撃墜した所でゲームオーバーになったが、それでもそれは美神の初回記録を上回っていたのである。
「ほんとにみんな強くなっちゃって・・・・」
それを見て美神は三度、親友にしてライバルである少女の成長を実感するのだった。
(後書き)
美神さんとおキヌちゃんのやりとりの辺りを直してみたんですが、どうでしょうか?
マイト数はヒャクメが1000マイトでも結構強い相手と評価してるようなのと、ジーク達は雪之丞とかでもある程度戦えるデミアンとかとあまりパワーの違いが無い様な事などからの推測でこのような設定にしました。
現在のマイト数
横島 215マイト+霊光玉+潜在能力(煩悩)=????マイト
美神 96マイト+竜の牙+ニーベルンゲンの指輪=960マイト
おキヌ 80マイト
雪之丞 108マイト
小竜姫 1250マイト+竜神の装備=2150マイト
ワルキューレ 500マイト+軍の装備(特注)=1200マイト
ジーク 300マイト+軍の装備=750マイト
佐藤 700(2100)マイト