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▽レス始

「GSルシオラ?恋闘編!!第24話(GS)」

クロト (2005-12-22 18:04/2005-12-22 20:08)
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「それじゃ氷室さん。荷物は私が持つからあなたはこの連中の写真撮っておいて」
 と京香は横島が背負っていたリュックの中からデジカメを出しておキヌに渡した。
「写真ですか……?」
「そう。殺人未遂と銃刀法違反の証拠よ」
 何せこの傭兵たちは自動小銃やサブマシンガンで武装した上、野戦服を着てヘルメットにフェイスマスクまでつけている。犯罪の証拠は歴然であった。拳王様の正当防衛も証明できるだろう。
「あと……あの妙なメッセージ何だか分かる?」
 と京香が指さした先には、おキヌも1度見たサーヴァ○ト情報の表示が現れていた。

  クラス :アサ○ン
  マスター:横島 忠夫
  真名  :峯 京香
  性別  :女性
  パワー :平常時100マイト/全開時900マイト
  属性  :触角娘、くのいち
  スキル :忍術A、気配遮断C、視聴覚A+、観察眼B、霊的格闘A、霊体触手B、家事A+、料理B−
  宝具  :なし

「あ……あれはサー○ァント情報ですね」
「サーヴ○ント?」
 おキヌが知っていた事を逆に意外に思いつつ、京香がくわしく聞こうとしたところで、
「何をしている、小娘ども。行くぞ」
「「はっ、はいぃっ!!」」
 恐怖の化身とはいえ中の人は横島だけに『本物』よりは穏やかだったが、それでもキヌ京が縮み上がるには十分すぎる迫力である。
 傭兵たちが通ってきた通路をずんずんと進んでいく拳王様から3歩さがってついて行きつつ、
「……で、そのサーヴァン○って何?」
 こそこそと話の続きを始める。
 おキヌは以前聞いたルシオラからの説明をそのまま話した。要するに横島に憑いた『人外』が『世界』にそうと認定された存在である。横島との霊的なリンクができて、霊力がなくなったときは供給してもらえるそうだ。
 特に京香の場合、ものすごいメリットがあった。
 彼女の実力はせいぜい中堅GS程度、人外の域に達したとはとても言えない。それで逆に、サー○ァントになることでそのレベルまで引き上げられてしまったのだ。
 これも拳王様のご威光の賜物である。
「先輩と霊的なつながりかあ……ちょ、ちょっと恥ずかしいな」
 京香は照れたように頬を指でかいているが、喜んでいるのは丸分かりだった。
「でもこうなったら本当に結ばれたいな。2号でもいいから先輩のお嫁さんに「な、何言ってるんですか2号なんて不潔です!」」
 京香の独白をおキヌが遮って、それなら自分の方が先だと言おうとしたところで(人のことは言えない)、
「静まれ」
「「はっ、はいっ!!」」
 拳王様のお叱りを受けて思わず背筋を伸ばすキヌ京。
 むろん拳王様ともあろうお方が小娘どもの雑談などいちいち気に留めたりしないのだが、目の前にいかにもな扉が現れたため注意を促したのである。
「むうん!」
 バゴォッ!
 鉄製のシャッターが拳王様の一撃でひしゃげて入り口ができた。
 ここまでやっても誰も現れないのは、ルシオラがメカミカミというトンデモ兵鬼を出したため茂流田と須狩の注意が完全にそちらに行ったせいである。諸葛ルシの計略がみごと図に当たったのだ。
 何も無い部屋の中央に、壷のようなものが三脚椅子の上に置かれていた。
「「……?」」
 どう見ても罠である。3人がそれをじっと凝視していると、突如壷から白い煙が噴き出した。
 とっさに1歩ひいて身構える3人。煙を吸わないように注意しつつ観察していると、その中からワイルドな感じの美女が1人現れた。上半身はハダカ同然で肌は褐色、尖った耳と小さな角が彼女が人間ではないことを示していた。
「やっぱり罠……でも今までの悪霊とは違う」
 拳王様の後ろで京香が呟く。この女性はゾンビや霊の類ではない。力も強かったが、何よりも知性と自我が感じられた。
 彼女の正体は食人鬼女(グーラー)といって精霊の一種で、茂流田たちの呪法で括られているのだ。
「ハーイ!」
 とグーラーは3人に陽気に声をかけたが、拳王様のお姿が視界に入った瞬間に表情が固まった。とにかくヤバげな存在感が段違いである。こんなのアリですか!?
 そして普段の横島なら「ねーちゃん!」とか言って抱きついているところだが、残念ながら(?)今の彼は世紀末覇者であった。
「女。うぬは刺客か?」
「……」
 ちがいますーっ!と全力で首を横に振りたかったグーラーだがそれはできない。括られた身の悲しさ、いくら怖くても逃げることは許されないのだった。
 グーラーが否定しない、と見た拳王様がずいっと1歩進み出て、


「1つだけ聞こう。北斗七星の横にある星をきさまは見たことがあるか?」


「ありませーん!」
 この質問に正直に答えることは許された。すると拳王様は急にグーラーに興味をなくしたようで、
「そうか、ではまだ俺と戦う時期ではないということだ。どこにでも去るがいい」
 それはグーラーが生き延びるためには実に魅力的な提案だったが、彼女を縛る呪法にまたしても阻まれた。
 仕方なく、ほんっとーに仕方なく拳王様に飛びかかる。

「おろか者が!!」

「きゃあっ!?」
 拳王様の一喝で壁際まで吹っ飛ばされ、そのまま壁を背にしてしゃがみ込む。
「うう……」
 もういやだと思いつつ立ち上がってもう1度攻撃しようとしたグーラーだが、それを自分に強制するものが無くなっているのに気づいた。
「……あれ?」
 信じられないことに、今の一喝で呪法が消し飛んだらしい。
 拳王様が近づいてくるのを見てあわてて顔の前で両手を振って、
「わあ、待って待って! わたしゃもう敵じゃないよ!!」
「何?」
 わずかに足を止めた拳王様に、
「私は呪法で服従させられてただけなんだ! それが今ので解けちまったからもうやる気はないよ」
 と必死で弁明するグーラー。文字通り生死がかかっているのである。
 そして拳王様としては、死兆星を見ていない者が敵でなくなったならもう戦う気はないわけで、
「そうか。ならば行け」
「……あんたらはどーするんだい?」
 グーラーとしては聞く必要のないことだが、一喝だけで呪法を破ってしまったこの化物につい興味がわいたのだ。
「むろん、この拳王に逆らった愚か者には死あるのみ」
「じゃ、私もついて行っていいかい? 私もあいつらにオモチャにされてムカついてたんだ」
「……よかろう」
 こうして親衛隊を3人に増やした拳王様は、グーラーの案内でコントロールルームに向かうのだった。

 一方美神&ルシオラVS茂流田&須狩の方はといえば。茂流田は予想外すぎる展開にしばらく自失していたが、やがて気を取り直すと、
「ふむ、まさか我々以外にも心霊兵器を実用化していた者がいたとは驚いた。いいだろう、我々の全力をもって相手をしようではないか!」
 いきなり熱血な顔つきになって立ち上がり、ばっとスーツを脱ぎ捨てる。悪党は悪党なりに、初めて出会う強敵に魂が燃えてきたらしい。

「いざ!」
 マイクに向かってくわっと大喝する茂流田。ルシオラも笑みを浮かべて、

「尋常に!!」
 そして呼吸を合わせて、


「「勝負!!!」」


 キンッ!
 戦闘開始の合図とともに、メカミカミとゴーレムの睨み合いの緊張で周囲の空気が凍りつく。
 メカミカミが身長170cm、体重60kgほどなのに対して、ゴーレムは身長5m、体重は8tもある。普通ならどう考えても勝負にならないのだが、しかし茂流田には分かっていた。こいつはできる、ということが。
 無言の対峙は数分ほども続いた。茂流田にとっては心地よい緊張だったのだが須狩にはロマンというものが分からなかったらしく、
「何遊んでるのよ。さっさと攻撃なさいな」
 とキーを押してゴーレムを行動させた。
 その命令に応じて、ゴーレムは相撲取りのぶちかましのような勢いで突進してその巨体と重量からは考えられない程の速さで張り手を繰り出した。
「フィン」
 メカミカミが謎の駆動装置で真横に避ける。ゴーレムの掌はそのまま床にぶち当たり、コンクリート製のタイルに大穴を開けた。
「ヒュウ、パワーだけじゃなくてスピードもあるのね」
 ルシオラが意外、といった様子で口笛を吹く。
 こんなモノに殴られたら人間など即死であろう。強度も問題ないし、すでに商品化の段階に達していると思われた。
「フフ、それだけじゃないよ。何しろこいつは軍事仕様だからね」
 と茂流田がキーを押すと、ゴーレムの身体の各所から小型ミサイルや機関銃といった兵器類が飛び出してきた。
「うそっ!?」
「ファイエル!」
 驚く美神に構わず、茂流田が何だか楽しそうな面持ちで発射命令を下す。といっても口頭での命令は単なる気分で、実際の操作は端末のキーを押すことなのだが……。
 ガガガガガガッ! ドドーン!!
 ゴーレムの武装が一斉に火を噴き、メカミカミに襲い掛かる。
「ふむ、終わったかな?」
 茂流田の声はむしろ物足りなさそうだ。が、爆煙が晴れた後にはメカミカミが全くの無傷で立っていた。
「「なにっ!?」」
 今度は茂流田と須狩が驚いて目をむく。ルシオラが得意げに、
「メカミカミの金子力バリヤーにそんな攻撃は通じないわよ。それじゃ今度はこっちの番ね!」
 メカミカミは兵鬼だから、ルシオラがいちいち細かい指令を出さなくても自己判断で行動できる。その両目がピカッと光った。
「レーザー」
 キュヴィッ!
 いわゆる『目からビーム』である。レーザー光線は出力さえ上げれば石でも鉄でも切ってしまう事が可能だ。ゴーレムが右足を切断されて転倒した。
「何っ、バリヤーに加えてビームだと!? くっ、あんな小娘が漢の夢を実現したというのか……!?」
 よほどこだわりがあったのか、地団太踏んで悔しがる茂流田。しかしルシオラの攻撃は終わらない。
「夢!? おまえがそれを見るのはこれからよ。メカミカミ!」
「――リョウカイ、シマシタ」
 メカミカミの右手が変形し、螺旋模様のついた杭のような形になった。それこそまさしく漢の夢、ドリル兵器!
 キュイーーーン、ギャリギャリギャリッ!!
 素早くゴーレムの体の上に飛び乗り、その駆動制御部、頭頂にドリルを突き刺してケリをつけた。

 グーラーの先導で通路を進んでいる最中、拳王様がふと足を止めた。
「どうしたんだい?」
 振り向いて訊ねてくるグーラーに、
「どうやら最期のときが来たようだ」
 グーラーが仰天して、
「最期って……死んじまうのかい!?」
「もともと長くはもたなかったのだ」
 といっても文珠の効果が時間切れになっただけのことであるが。
「だがこのラオウ、天に帰るに人の手は借りぬ!」
 そう言って3人から距離を取る。
 ここの横島には話を合わせてくれる相方がいないので一人相撲になってしまうのだが、拳王様的にも横島的にもこの展開はやらないわけにはいかないのだ。
 3人が呆然と見つめる中で、拳王様は天をつかむかのように右拳を高く突き上げる!!


「我が生涯に一片の悔いなし!!!」


 ズドォォン!!


 こうして北斗の長兄ラオウはみごとな最期を遂げた。
 いや、文珠の効果が切れただけなんですけどね、本当に。
 …………
 ……
「で、これはどういうことなんだい?」
 心身ともに世紀末覇者から貧弱少年に戻った横島に、事情がさっぱり理解できないグーラーが尋ねる。
「ああ、あれはドーピングみたいなもんだ。ちょっとピンチになったんでやむを得ず」
 と答えつつも、横島の視線はグーラーの胸部に釘付けになっていた。それに気づいた京香が横島の目を手で覆う。
「ああっ、何てことを!? せっかく自分から見せてくれてるのに!?」
「「横島さん(先輩)は見ちゃダメです!」」
 じたばた騒ぐ横島をおキヌと京香が押さえつける。グーラーはその光景をあきれ顔で眺めながら、
「……ふうん。ま、助けてもらったんだからいいけどね。で、あんたらどうするんだい? このまま奴らんとこまで行くのかい?」
「……む」
 グーラーにしてみれば、拳王様がいなくなった以上戦力に不安をいだくのは当然だろう。横島もそう思って考え込んだのだが、京香が彼の首すじにしなだれかかって、
「先輩、大丈夫ですよ。私もサ○ヴァントにしてもらえて強くなりましたから」
 確かに全開モードの京香のパワーは下級神魔並みだから、たいていの敵は楽勝だろう。この力を使えるのは自身が危険にさらされた時と、サーヴァ○トの使命を果たす時だけなのだが、今こそまさにそのときではないか。
 ところでルシオラが横島のそばにいないというのはめったにないチャンスである。京香はちょっと悪ノリして、
「サー○ァントがダメでしたらメイドでもいいですから。ねっ、ご主人さま?」
 メイドでご主人さまといえばえっちなご奉仕が定番である。鼻血を噴き出した横島におキヌが頬をふくらませて、
「横島さん、不潔です!! それに早く美神さんとルシオラさんを助けにいかないと」
 正論である。どちらかと言えばおキヌ達の方が助けてもらう側っぽいのだが。
「そうだね。早く行かないと連中がまた罠しかけてくるかも知れないよ!?」
「あ、ああ、分かってるって。一応」
 グーラーにまでせかされてようやく正気に返った横島がふと彼女の名を呼ぼうとして、
「ところでお前、名前は何てんだ?」
「私かい? 茂流田たちはグーラーって呼んでたね。私らは人間と違って個人が名前を持つ風習はないから、グーラーって呼んでくれればいいよ」
「そっか。じゃあグーラー、改めて道案内たのむ。あとボディガードもな」
「……ドーピングって、ここまで正反対の性格になるものなのかねえ!?」
 もっともな疑問を心にいだきつつ、グーラーは先導を再開した。


 ――――つづく。

「サバイバルの館編」今回で終わると思いましたがまだ続きます(^^;
 ではレス返しを。

○拓坊さん
>グッジョブです! 噴きました(笑)
 受けてもらえて何よりです(^^ノシ

○ゆんさん
>デートですか!?横島、君に選択の余地はない!いけ!いかねばならぬ!!
 万難を排してルシを説得するのだ!
>俺はどうしたらいいんやーーーー!<考えるのはクロトさんです
 私はどうしたらいいんだろう<マテ
>このまま勢いでご主人様と呼ばせ・・・
 やってしまいました(ぉぃ
>一言いうなれば自爆装置ってお前はカオスか!?
 かなりマッド入ってますw

○ASさん
>つまり天(クロトさん)は、おキヌちゃんより京香の方がお気に入りということですね
 天は万物に平等のはずなんですが、何故かそういう運命に<マテ
>ルシオラはいつもながらいいキャラしてるし、でも横島との絡みは少なくなりそう…
 戻った後はちゃんと正妻しますので無問題ですv
>メカヒスイ?
 漢のユメが満載です。

○無銘さん
>『この作品は完璧だ。これ以上加えるものも減らすものも無い!』
 そこまで褒めてもらえればこちらも言うことがないですm(_ _)m
>「わが生涯に一片の悔いなし」
 またやってしまいました○(_ _○)

○ももさん
>このリハクの目をもってしてm
 いやリハク、うぬの読みは(以下略)。
>なんか地の文も謙譲語になって凄く面白かったです
 気づいてくれてうれしいですv

○翠さん
>ルシオラが作ったメカは、美神ファンの私にはちょっと・・・
 うーん、そういう方もみえたんですね。申し訳ない。
 今回はもう出してしまったのでご勘弁を。

○花翔さん
>横島なら気にせず浮気を実行しそうですが
 もうやってたり(ぉぃ
>おキヌちゃん・・・もしや落下中に体勢を持って逝ったのでは(誤字に有らず)
 く、黒い、これぞ黒絹!?(怖)

○眞さん
>『…アナタヲ、ゴクラクデス』
 その辺りはまだネタバレ禁止ということで。

○獅皇さん
>メカミカミ<1式>と言うことは後継機も登場するのだろうか?
 機能を追加した2式と3式を開発中……ではあります。

○遊鬼さん
>愉快型はともかく守銭奴は・・・
 もはや雇用主への敬意など欠片も見当たりません(ぉ
>今回はおキヌちゃんの策略以外はオールネタ?
 今回もネタばっかりです(^^;

○レフ・アルイさん
>この調子ならグーラーもフラグが立つ前に瞬殺するんだろうな。恋敵は邪魔だから・・・
 いえ、ルシが瞬殺するのは『敵』であって『恋敵』ではないです。
 もしそうならキヌ京も瞬殺ということになっちゃいますし(^^;

○ncroさん
>文殊って本当に万能なんですねー
 もう反則とか言いようがありません。

○はーとくんさん
>やっぱり効果がきれる時には、天にかえるのかねぇ(ぉ
 帰りました<マテ
 ケンシロウは《北》《斗》《末》《弟》あたりで出来そうですが、今回は拳王様で逝きました(ぉ

○無謀の仮面さん
>基本ですな(マテ
 浪漫ですから(ぉぃ

○ゆうさん
>修行のコース、聖闘○コースとかあったりして・・・
 ますます人外化が進みそうですね(^^;

   ではまた。

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