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▽レス始

!警告!壊れキャラ有り

「妙神山のただおくん37[改定](GS)」

のりまさ (2005-12-19 21:35/2006-01-14 16:31)
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<横島>
「さあ皆さん、起きてください。朝御飯の時間ですよ〜」


「はーい」


「忠夫さん、今お味噌汁を……って何勝手に忠夫さんの隣に座ってるんですか、ルシオラさん!」


「別に席なんて決まってないでしょ? いつも小竜姫さんが隣なんだから偶にはいいじゃない」


「駄目です! のーです、拒否です!
 食卓での忠夫さんの隣は私だと一億と二千年前から決まってるんです! 運命なのです!」


「そんなのあなたの妄想でしょ!? どこに座ろうと私の自由じゃない! 
 それに自由は運命に打ち勝つとどっかのアニメが言ってたわ!」


「く、運命に打ち勝ったのは正義でしょうが!
 いいです、ならば今日こそあなたに正義の鉄槌を下してあげます!」
 

「返り討ちにしてあげるわ!
 ストナァァァァァァァ、サァァァァンシャイン!」


「返り討ちです! 飛天○○流奥義、萌尽小竜閃(もえつきるしょうりゅうきのひらめき)!」


「やれやれ、毎日やってよく飽きないわね、あんたたち」


「そうですねー」


「御飯が冷めてしまいますから、先に食べてしまいましょう、横島さん、貧ちゃん」


「外野、うるさいわよ!
 ……ってタマモちゃん、何いつの間にヨコシマの頭の上に乗ってるのよ!」


「おキヌさんも小鳩さんも! 
 忠夫さんの横を占有しないでください!」


「小竜姉ちゃんもルシオラも。
 とりあえず席に着いて落ち着こうよ」


「忠夫さん! どうしてそっちの味方するんですか!?
 はっ、もしかして胸があるからですか!?
 所詮貧乳はマイナーないらない子ですか!?
 おキヌさんはともかく、小鳩ちゃんの胸の魅力に負けて……」


「私はともかくってなんですか!
 私は皆さんと違って幽霊ですから成長できないんです!
 仕方ないんです!」


「でも、貧乳に変わりはないわよね」


「タ、タマモちゃんまで……もう許しません!
 逝ってください、幽霊の皆さん!
 ごーすと、ふぁんねる!」


「なんとぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」


「きゃあ! おキヌさん、幽霊さんたちを暴れさせないでください〜。
 お食事がひっくり返ってしまいますぅ」


「って小鳩! なんでワイを盾にしとるんや!」


「ごめんね貧ちゃん。でも貧ちゃんなら皆攻撃できないでしょ?」


「染まっとる! あの純粋な小鳩が染まっとるぅぅぅぅぅ!」


 ……………………………………………………………
 ……………………………………………………………
 ……………………………………………………………
 ……………………………………………………………
 ……………………………………………………………
 …………何だこのカオスは。


「なあ、忠夫」


「何、忠介さん?」


「これが日常なのか?」


「ああ、朝は大体こんなもんだよ。今日はまだ大人しいほうかな?」


「……そうか」


 ちょっと待てお前ら


妙神山のただおくん〜来訪者 後編〜


 まあ、そんなこんなで逆行してきたわけだ。
 詳しくは番外編を読んでくれ。
 俺は大まかな事情をこの時代の俺に話し、
 とりあえずその日は妙神山で寝泊りさせてもらうことになった。
 未来の俺、では呼びにくいしばれそうなので俺のことは忠介、
 過去の俺は忠夫と呼びあうことにした。
 ルシオラの霊体を手に入れるまでは俺の正体がばれるのは好ましくないからだ。
 皆には俺は忠夫の遠い親戚で親父たちに頼まれて様子を見にきたっつうことにしてある。
 後は小竜姫様や老子に俺のことがばれないように忠夫を鍛えつつ、
 ルシオラのことを助けるまで影から上手く皆をよい方向へ誘導するつもりだったんだが……。


 なんだこの世界は


 なぜかおキヌちゃんが幽霊のままなのに俺の世界以上に黒いし!?

 なぜかタマモが俺の妹になってるし!?

 小鳩ちゃんと貧が妙神山に住み着いているし!?

 ルシオラがなぜかこの時代に産まれている上にデタントのテストケースとしてここにいるし!?

 その上小竜姫様が俺の姉になってしかも重度のブラコンだし!?


 止めに俺がデタントを揺るがす萌えキャラってなんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!


 くそ、未来で結構シリアスキャラしてたのに、ついつい元に戻っちまったぜ。
 恐ろしや、妙神山!


 って俺が壊れるわけにもいかんしな。
 つーかルシオラがここに平和に生きている以上、
 実はあんまりここにいる意味ねえし。
 忠夫もちゃんと小竜姫様と猿っつう師匠がいるなら
 俺が教えることなんてほとんどないしな。
 せいぜい文珠の作り方や使い方ぐらいだろうが、
 あれは今教えるべきじゃないし。
 文珠は便利だが、それゆえに依存してしまう傾向にある。
 文珠に頼るような戦い方じゃ、一時はよくても先が続かないからな。


 さて、後はルシオラから霊体を貰うだけなんだが……


 どうやって説明しよう?


   ……。


 過去にどうやってもどるかばっかり考えてたから、その辺全然考えてねぇぇぇぇ!


 まあ、正直に言うしかねえか。
 当たって砕けろだ!


「何か用ですか、忠介さん?」


 俺の知ってるルシオラよりもちょっとロリな中学生ルシオラが不思議そうな顔をする。

 にしても今回三姉妹が作られた理由が「忠夫に嫁入りさせるため」って……。


 なに考えてんだあの紫の親父は!?


「ああ、ルシオラちゃん、だっけか。ちょっと話があるんだけど」


「? どうぞ?」


 こういう他人行儀な言葉遣いをすると、少し悲しくなる。
 今すぐこの手で抱きしめてやりたいっていう衝動もある。
 でもこの彼女はルシオラであると同時に俺の知っているルシオラではない。


 それに二十歳越えた俺が見た目中学生のルシオラ抱きしめたら犯罪者だしな!
 実際欲情しているわけじゃないし。


「あの……それで話って?」


 ルシオラは訝しげだ。
 まあ当然だろう、突然やってきた忠夫の遠い親戚がいきなり話があるっていっても
 わけわかんないだろうな。


 ま、さっきも考えたが、結局はなるようにしかならないっつうこった。
 俺はこれまでのことを話していった。

 俺が未来から来た横島忠夫だということ。

 未来では初めは敵同士だったこと。

 でもパピリオにペットとして連れて行かれたこと。

 人間側に捨て駒にされたと思って、一時魔族側についたこと。

 その時、ルシオラを偶然だけど助けたこと。

 そして夕日で染まる逆天号の上で告白されたこと。

 そしてルシオラを助けるためにアシュタロスを倒すと誓い、口付けを交わしたこと。


 そこまで話してちらりとルシオラを見る。
 ルシオラは俯いていた。
 当然だ、まだメインの話をしていないとはいえ、
 きっと今のルシオラには信じられないことばかりなのだから。
 だがこれは全て事実。
 この世界がその方向に進むかどうかはわからないが、
 それでもこれは未来の可能性の一つ。


 ルシオラは、俯いたまま立ち上がった。


「ルシオラ、ショックなのは分かるが……」


 知っているルシオラではないとはいえ、やはりルシオラを悲しませたくはない。
 ルシオラに気遣いの声をかける。
 だがルシオラは顔を上げて、拳を握り締め、


「いやったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 と、どこかの青いコスモスの盟主が戦争の鍵を手に入れた時のような叫び声を上げた。


「やっぱり私とヨコシマは結ばれる運命にあったのね! これでもう小竜姫さんにでかい顔はさせないわ!」


 満面の笑顔だ。

 そうだよ、こっちのルシオラはこうだったよ。


 心配して損したよちくしょう!


「あー、ルシオラ? まだ話には続きがあるんだが」


「あ、そうだったわね。で、忠介さん、私とヨコシマはどうなるの?」


 すとん、と正座をするルシオラ。
 俺は苦笑いをしつつ中断していた話を始める。


 切り札を用意して挑んだ南極での戦いのこと。

 束の間の平和と甘い日々が続いたこと。

 それに終わりを告げるコスモプロセッサの出現。

 ベスパとの姉妹同士の戦いのこと。

 ルシオラを庇い、飛び出した俺のこと。

 そして俺を助けるために、己の霊基構造の大半を与えたルシオラのこと。

 そしてそのために消えてしまったこと。

 普通なら蘇る方法は子供に転生するしかなかったということ。

 そして俺はそれを受けいれられず、
 ルシオラを復活させるためにこの世界に飛んできたこと。


 そこまでを話した。
 コスモプロセッサでの世界かルシオラかの選択については話さなかった。
 そこまで話せばきっとルシオラは責任を感じるだろう。
 そんな辛い選択を俺に強いたことに。
 だがこのルシオラがそんな思いを感じることはない。

 今のルシオラは俺の知っているルシオラではないのだから。

 だが本当は俺がルシオラでなく世界を選んだことを知られることが怖いだけなのかもしれないけどな……。


 俺はまた、ルシオラをちらりと見る。
 やはり顔は俯いたまま。
 さすがに今度ばかりはショックが大きいのだろう。
 顔も青ざめている。
 当然だ。自分が想い人と死別する未来など、誰が知りたいだろうか?
 やはり話すべきではなかったかもしれないと、
 後悔が俺の中で渦巻く。


「大丈夫だ、ルシオラ。
 この世界はどうも俺の知っている世界とは違うみたいだし
 ……つーか明らかに違う。
 アシュタロスがデタント派だっつうんなら
 もう俺の時代と同じ流れになるはずがねえしな。
 お前が死ぬことも、多分ないはずだ。
 少なくとも同じ状況ではな」


 なぜこうも歴史が変わってしまったのだろうか?
 俺より先に時間移動した奴がいるとしか思えないが……。
 だが美神一族の時間移動は歴史を変えることはできない。
 あの時間移動はあくまで歴史の中に組み込まれているものだから。
 俺の知っている唯一の例外が文珠による時間移動なのだが、
 俺以外に文珠使いがいるとは思えない。
 神道真でも作れるのはあくまで雷の文珠のみであるし、
 時間移動できるほどの文珠の多重使用は不可能だ。


 ならば考えられるのは平行世界か?
 だがなぜ俺がこの世界に?
 確かに理論上は時間移動による平行世界への迷い込みはある。
 だが確率的にはほとんどないに等しい。
 存在にはその存在に相応しい、正しい時間軸がある。
 時間移動で平行世界へ行こうにも、恐らく正しい時間軸へ導かれるはずだ。
 それでも平行世界に出てきてしまったというのならば、
 万に一つの可能性が俺に回ってきたってことか?
 確かに俺の悪運は上司譲りだが、いくらなんでもそれは……。


「忠介さん?」


「ああ、黙っていてすまない。
 ここで本題だが、お前の霊体を少し分けてくれないか?
 分けても数日で自然回復する程度でいいから」


 ルシオラは少し考え、やがて頷いた。


「未来の私もあなたのことが好きだったんでしょう?」


「……ああ、あれほどまっすぐに好意を示してくれたのは、
 あいつが初めてだったよ」


 俺は馬鹿だから、すぐに応えてやれなかったけど。


「分かったわ、私の霊体を分けてあげる
 少しでいいのね?」


「ああ。あっちのルシオラに足りなかった霊体は
 ほんの少しだったからな」


「うん、分かったわ」


 ルシオラが手を握ると、そこから光が溢れ出す。
 そして手を開ければそこにはあの時のルシオラそっくりな蛍が一匹。
 霊視してみるが、やはりルシオラと同じ霊基構造。


 ……あそこまで違ったらもはや霊基構造も違うかなーと思ったが、
 大丈夫だったか。


「さんきゅな。これであいつを復活できる」


「うん……」


 ? 元気がないな。珍しい。


「どうした? 霊基構造を取りすぎて身体の調子でも悪いか?」


 ふるふると首を振るルシオラ。
 このルシオラと俺の知っているルシオラは違う。
 とはいえこのルシオラを不幸にはさせたくないと思うのも仕方ない。


「私とヨコシマが未来で恋人になる可能性があるっていうのは嬉しいけど、
 でも、私最近ヨコシマに嫌われてるのかもって思って」


「嫌われてる? お前が?」


「うん、最近ちっとも一緒に帰ってくれないし、
 休みの日はいつもどこかへ行っちゃうし」


 たったそれだけでそう思っちまうのか?
 そういえば俺の知っているルシオラも結構細かいことを色々気にしてたな。
 人間に上手く溶け込めるのかとか、
 俺が美神さんのことをどう思っているかとか。


「おキヌちゃんとかタマモちゃんとか小鳩ちゃんはね、
 皆ヨコシマが放っとけないからここに連れてきて、今居候してるの。
 でも私はあくまでデタントのテストケースとしてここにいるだけ。
 ヨコシマが望んでここにいるわけじゃないの。
 私だけね。だからちょっと今朝なんか積極的に出たけど、
 本当は迷惑がられてないかって思ったりして。
 ……ふふ、あの優しいヨコシマがそんなこと思うわけないのにね」


 ……こりゃちょっと、未来に変える前にやることができちまったな。


「修行してるんだ」


「修行?」


 最近外出が多いことについてそれとなく聞いてみたところ、
 忠夫ははっきりそう答えた。
 その顔に嘘はないが、焦りが見える。


「前に一度魔族に襲われたことがあって、手も足も出なかったんだ。
 タマモも天竜も、雪乃丞も巻き込んだ上に守ることすらできなかった。
 だから強くなりたいって思って、雪乃丞と修行してるんだ」


 なるほどな。どうやらこっちの俺は少しは戦う心構えができてるらしい。
 だがそれだけでは駄目だと俺はよく知っている。
 そう、嫌というほど味合わされたからな……。


『うむ、主たちは今成長期。
 何もせずとも霊能力はレベルアップしていく時期なのだが……。
 主たちはそれでは満足できないらしくてな』


「お前は今、どれぐらい霊能力があるんだ?」


 俺の問いに忠夫は実際にそれを出すこと答える。


「サイキック・ソーサーと、この栄光の手なんだけど……」


 忠夫が展開したのは俺もよく知っている霊能力。
 驚いたな。まさか名前まで一緒とは。


「これ以上強くしようがないんだ。
 栄光の手だってこれ以上の進化の仕方は想像できないし」


 心眼から進化した栄光の手の説明は聞いた。
 どうやら俺の知っている栄光の手よりも進化しているようだ。
 聞けばその能力は文珠に近いらしい。
 驚きもするが同時に納得もする。
 俺は猿によって無理やりに近い形で文珠を覚えたが、
 あの修行は元々これ以上の成長が期待できない者が限界を超えて強くなるためにあるもの。
 だがあの時は成長途中の俺が受けたために、本来覚えるはずだった霊能力を
 段階を無視して一気に文珠にまで発展させてしまったのだろう。
 恐らくこの栄光の手は理論上は俺でも使えたはずだ。

 まあ、それはいいがどうしようか?
 文珠を教えようにも、今の忠夫じゃまだ作れないだろうし……。


 だが強くなるには文珠が手っ取り早いのも事実だ。

 
 よし。


「忠夫、手を貸してみな」


「え? ……こう?」


 恐る恐る出された忠夫の右手を取り、俺は自分の霊波をその中に流す。


「忠夫、右手に霊力を集中させろ」


「こ、こう?」


 忠夫の霊力が右手に集まる。
 文珠を作るほどの霊力はないが……道を作るぐらいはできそうだな。

 俺は自分の霊波で忠夫の霊力をコントロールし、
 自分がいつも作るのと同じ感覚で文珠を生成していく。


「い、痛い!? 右手が焼けるように熱い!」


 忠夫が苦悶の表情を浮かべる。
 そりゃそうだ。通常の人間なら作ることすらできない文珠の生成路を、
 素質があるとはいえ無理やりこじ開けているのだから。
 だが忠夫が力を望むなら、これは避けては通れない道でもある。


「もう少しだ、我慢しろ! ……よし!」


 忠夫の栄光の手が光に包まれ更に圧縮、そこには一つのビー玉サイズの珠が。
 やや出来が悪いとはいえ、間違いなく文珠だ。


「これ、何?」


 忠夫がしげしげと文珠を見つめる。
 これで忠夫には文珠の生成方法を覚えたはずだ。
 霊能力は大体が自転車の乗り方や泳ぎ方と一緒で、一度覚えればまず忘れることはない。


『そ、それは文珠か!?』


「まあな。未来の俺は人類唯一の文珠使い。
 忠夫も栄光の手が使える以上、出来なくはないとは思っていたが……」


 ぽひゅっと音を立てて手の中でその文珠は崩れ落ちた。
 どうやら忠夫の霊力ではまだ完全な文珠を作ることはできないらしいな。


『まさか主が文珠使いになるとは……。あの主が……』


「文珠ってなに?」


 一人話に入れない忠夫が袖を引っ張る。
 説明すんのはちとめんどいしなあ……。


「心眼、お前知ってるんだろ? 後の説明は頼む。
 忠夫、こっちこい」


 俺は何の疑いもなくやってきた忠夫に、インスタントに作った文珠を押し当てる。


『眠』


 油断していたせいかあっさりと眠りに落ちる忠夫に、俺はそっと毛布をかけた。

 
「さて、お前には悪いが……」


 まだ覚醒している心眼に話しかけると、心眼は落ち着いた雰囲気で答える。


『分かっておる。我らの記憶を消すのであろう?』


 相変わらず頭の回転の速い奴だよ。


「ああ。あまり俺の干渉の結果を残したくはないしな。
 皆の分の記憶はもう消しておいたから、後はお前と忠夫だけさ」


 これでいい。俺のことを覚えている必要なんてない。
 きっとこの世界は俺の世界とは違う未来を進むはずなのだから。


『うむ、分かった。だがその前に一つ聞きたい。
 未来の主、つまりお主は今幸せか?』


「正確に言うと、どうしてだかは分からないが俺と忠夫はもはや連続した存在じゃない。
 俺とはあまりにも性格が違いすぎるし、そもそも世界もどこかおかしい。
 だから俺が幸せになるからといって忠夫の幸せが確定するわけではないんだが……」


「だが?」


「俺は今から、幸せになるよ」


「そうか、もはや用事は済んだのだな?」


 心眼が目を瞑りバンダナの中に眠っていったので、俺も文珠を作り出した。
 そして『忘』と込めようして……思い直す。


『封』


 そう込めた文珠を心眼と忠夫に押し当てる。
 そして更にもう一つ文珠を、今度は作るのではなくポケットから取り出す。
 それはいつもの文珠ではなく、
 かつて数個だけ作れたルシオラと間にできた奇跡。

 すこし名残惜しいが、それを忠夫のポケットに忍び込ませた。


「忠夫、修行もいいが、少しは心配してくれている周りにも目を向けろよ」


 この壊れた世界はどこに行くのだろうか?


 だが俺は、自分の未来に進もう。


 俺は文珠を数個作り出し、自身の歩むべき世界への道を開いていった。


おまけ
<忠夫>
「ルシオラさん、何腕を組んで歩いて帰ってるんですか!?」


「小竜姫さんに文句を言われる筋合いはないわ!
 ヨコシマがいいって言ったんだから!」


「な、何ですと!? 忠夫さん、不純異性交遊などお姉さんは許しませんよ!」


「私とヨコシマはとっても純粋よ! 
 あなたの方が不純、っていうか不純の塊でしょう!」


「私のは純粋な姉弟愛です! もう許しません!」


「やる気!?」


 今日も妙神山は大騒動。
 でも俺はこの前からなんかもやもやもすっきりしてるし、
 文珠という神器も作れるようになった。
 心眼はとても驚いていたけど。
 後はこの文珠を完全に作れるようになれば、戦力は圧倒的に増すんだとさ。


『主、それはどこで手に入れたのだ?
 文珠かと思ったがよく見ると違う』


 心眼が手の中で遊ばせている珠を見て言った。
 この勾玉みたいなものは気付くとポケットの中にあったもの。
 最近突然作ることができるようになった文珠と似てはいるものの、
 見た目からして違う。


「妙神剣、ぶいの字斬りぃぃぃぃぃぃぃぃ!」


「一気に行くわよ! ルシフラァァァァァァァッシュ!」


『主、そろそろ止めぬと今夜の寝床がなくなるぞ?』


「ああ、もう二人供! やめなさーい!」


 続く


あとがき
 うーん、微妙です。上手く書きたいところを書けなかったような感じですね。
 未来横島編、実はもう一話だけ番外編が続きます。

 それじゃあ、レス返しです。

>ト小様
 本当に過分なお言葉ありがとうございます。
 上手くシリアスと壊れの対比ができてたら嬉しいです。
 今回は上手く期待ほど面白かったかは微妙ですけど。

>ゆん様
 ありがとうございます。
 そう思ってくださるとこっちの企みは成功です。

>拓坊様
 『アレ』で大丈夫だったかどうかは次回で……

>黒覆面(赤)様
 逆行横島、全然活躍しませんでした(汗)
 でも実はもう少し出てきたりして……

>イステ様
 最初はルシオラが恋人だと皆が知るバージョンもあったんですけど、
 ちょっと上手く繋がりそうになかったので削ってしまいました。
 期待してたなら申し訳ございません。

>54様
 そちらも次回に分かります。
 よろしければ期待していてください。


 さてシリアス分が大目だった未来横島編。
 ちょっと皆さんの反応が怖かったりします。
 次回もちょこっとシリアスで、その次からまた元に戻ると思います。

 ではこの辺で。


P.S 栄光の手の同時展開ですが、諸事情により文珠の生成へと変わりました。

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