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「霊光波動拳継承者『横島』(改訂版)6話(GS+幽遊白書)」

柿の種 (2005-12-12 00:25/2005-12-12 10:16)
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 殺生石から生まれた子狐はきょろきょろしている。そして、横島と目があった。

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

 しばし、見詰め合うというか睨みあうというか、とにかく目をそらせる視線をぶつけ合う状態。そして、数秒後。

ピョン

 狐は横島に向かって飛び込み。そして、彼の服に顔を擦り付けだした。

「何か、横島さんなつかれてますねえ」

「おう、ほんとだな」

 横から言葉を挟む二人の言うとおり、狐は明らかに横島になついていた。

「あ、ああ、そうみたいだな」

 それに戸惑う横島。すると今度は後ろから声がかかった。

「刷り込みって奴だろうね。殺生石に長く封じられていた影響で、今のそいつは生まれ変わったばかりの赤子と変わらないからねえ。最初に目に入ったあんたを親だと思ってるんじゃないのかい」

「お、親ああああ!?」

 幻海の言葉に思わず声を上げる横島。突然の大声にビクッっとする子狐。

「まあ、とはいえ、狐妖だからねえ。もう少しすれば、ある程度の知能も蘇るだろうさ。そうなれば、本能よりも理性が優先されてその誤解も解消されるだろう」

「そうなんすか。けど、それまではどうしたら・・・・・・」

「まあ、ここで飼うほかないだろうね。修業の邪魔はしないよう、あたしがしっかりしつけといてやるから安心しな」

 そう言いながら、幻海は子狐の首を掴んで、ひょいと取り上げる。横島と離された所為か、幻海の恐ろしさを本能で感じ取ったのかばたばたとあばれる子狐。

「いや、それはその、少し位は邪魔してもらった方が助かるかなーなんて」

 それを見て、自分と子狐の身を案じての横島の呟きは当然の如く無視されるのだった。


 そして、横島達が3人で幻海のもとで修業を始めて2日の時が過ぎた。


修業(3日目)おキヌの場合

 おキヌは全身真っ黒な黒い人型の式紙と戦っていた。凄まじいスピードで攻撃を仕掛けてくる式紙の攻撃をややぎこちなさもありながらおキヌは裁いていく。

「痛っ!!」

 裁ききれなかった攻撃がおキヌの肩口をかすり、おキヌは苦悶の悲鳴をあげる。だが、そこで一気に決めようと大振りの一撃を放ってきた式紙の隙をおキヌは見逃さなかった。

「はっ!!」

 式紙の腕を掴み、そのまま投げ飛ばす。勢いを利用され、大きく放り投げられた式紙は地面に叩きつけられる。そして式紙が起き上がってきた瞬間、おキヌは一気に踏み込んだ。

「えいっ!!」

 掌ていを式紙の胸に叩き込み、同時に横島の霊光寸剄同様、霊力を相手の体内に放つ。相手の力に誘爆させることこそできないが、同クラスの相手にはその威力は強大で、式紙は風船のように膨れ上がり爆発した。

「3日目であのレベルの式紙を倒すなんて、なかなか筋がいいじゃないか」

 戦いを観戦していた幻海は彼女にしては珍しく賞賛の言葉をおくった。

「横島より資質あるかもね。いっそ、横島の代りにあんたを継承者にしてやろうかねえ。」

「そ、そんな、私なんか。」

 そして冗談めかして言う幻海はおキヌが慌てた表情を見せる。それを見て笑った後、表情を厳しくして言う。

「とはいえ気を緩めるんじゃないよ。もともと一週間で技術をものにしようなんて無茶をするんだ。これからは更に厳しくするつもりだから覚悟おし」

「はい!!」

 おキヌも真剣な表情で答える。そして、今度は同じレベルの式紙を2体同時に相手どっての修業が開始された。


修業(3日目)・雪之丞の場合

「おい、あんた、いつまでこんな事続ければいいんだ?」

 雪之丞が受けた修業は初日から3日間、ひたすら基礎、霊力の制御の繰り返しである。一日目こそ、そのハードさに文句を言う余裕もなかったが2日目、3日目と同じ事を繰り返すうちに雪之丞はそれに不満を持つようになってきていた。

「まったく、あんたは飽きっぽいねえ。いいさ、その成果を知れば少しはやる気がわくだろう。ちょっと魔装術を使ってみな」

そんな雪之丞に幻海は溜息をつくと、仕方が無いという風に雪之丞に魔装術を身に纏わせるよう指示する。

「ん?ああ、わかった。魔装術を使えばいいんだな。・・・・・これでいいのか?」

言われた通り雪之丞は術を身に纏う。それを見ると幻海はさらに指示を出す。

「よし、あんた確かサイキック・ソーサーが使えるって言ってたね。魔装術を纏ったままそいつを使うイメージで霊力を右手に集中させてみな。」

そう言われて雪之丞はそれを試す。すると、右腕の魔装が膨れ上がり、パワーが増し、逆に他の部分が薄くなる。

「こいつは!?」

それに驚く雪之丞、幻海はそれを見て満足そうに頷く。

「あんたの霊力が強くなった事と制御力が上がった事でそういう事ができるようになったのさ。今はまだその程度だけど、最終日まで続ければ状況にあわせていくつかの形態に変化させる事ができるようになる。ま、それ以上はあんたの精進と想像力次第だけどね」

その幻海の言葉を聞いて基本的に単純な雪之丞は俄然やる気をだした。そして、修業最終日までに、彼は幻海の想像を超える進歩を見せることになる。


修業(3日目)横島の場合

「死ぬううううううううううううう。今度こそ、ほんとに死ぬうううううううううう。」

「キュゥゥゥゥゥン!!!!!!」

地獄のような訓練と横島の側を離れなかった為、それに巻き込まれた子狐。一人と一匹は必死に逃げていた。右からは槍が降る。左からは、銃弾がとんでくる。後ろからは巨大式紙が追ってくる。足元は地雷原。そして、正面には・・・・・・鬼=幻海

「ほらほら、しっかりかわしな」

 横島はそれらの攻撃をあらゆる手を尽くし、かわし、防ぐ。そして攻撃がやんだ瞬間。

「ほら、いくよ」

 正面から飛んでくる特大霊波砲。それを防ぎきれず、一人と一匹は盛大に吹っ飛んだ。


(後書き)
以前は省略してしまった修業の風景ですが、改訂版では少し丁寧に描写しようと思っています。

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