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▽レス始

「霊光波動拳継承者『横島』(改訂版)5話(GS+幽遊白書)」

柿の種 (2005-12-06 20:20/2005-12-07 01:37)
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「さて、早速、調べるとするとするか。それにしても、こいつまだ目を覚まさないのか?」

女魔族3人は横島の魔人形を彼等の母艦、逆転号にまでつれてきた彼女達はされを艦のメインコンピュータに接続された測定器に座らせる。

「じゃ、いくわよ」

 そしてルシオラがスイッチを終えた。その2秒後・・・・・・・

プシュウウウウウウウウウウウ

ピーピーピーピーピーピーピーピー

「な、なんでちゅ!?」

「!? この表示は!!」

 魔人形の身体から煙が噴出し、コンピュータが機械が警告音をあげる。その予想外の事態に慌てるパリピオと計器に表示されたデータを見て事実に気付くルシオラ。実は、魔人形は敵に対するトラップとして無理に調べようとすると自爆するようにできていたのだ。そして、それはコンピュータを巻き込み爆発した。

ドカーン

「けほっ、けほっ、一体何がどうなっているんだい!?」

 咳き込みながら言うベスパとその横でプルプルと震えるルシオラ。そして、彼女は爆発するように叫んだ。

「どうしたもこうしたもないわ!! 私達、あいつにしてやられたのよ!!」

 ルシオラの中にさきほどの横島の顔が思い浮かびメラメラと怒りが湧いてくる。2度も出し抜かれた事もそうだが、何よりも機械マニアである彼女にとって、大切なコンピュータを壊された事が何より許せなかった。

「絶対許せない!! ぶっ殺してやるわ!!」

 そして、二人に状況も説明せぬまま彼女は飛び出していった。



 その頃、ある意味、平和な幻海の家。

「それじゃあ、まず、あんた達の能力について説明してもらおうか」

幻海は横島たち3人を並べ、雪之丞とおキヌの方に視線を向ける。二人は順に答えた。

「ああ、俺は魔装術を一応極意まで極めてる。後は、霊波砲とサイキックソーサーぐらいってとこだな」

「わ、私はネクロマンサーの能力を持っていて霊を操ったり成仏させたり、後少しだけなら人間や妖怪の人にも干渉できます。後は、学校で基礎を」

雪之丞はやや大柄な態度でおキヌは緊張しながら答える。それを聞いて幻海は少し考えてから問い返した。

「魔装術の極意って言ったね。ちょっと見せてみな」

「おう、わかった」

幻海の言葉に答え、雪之丞が魔装術を身に纏う。幻海はそれをしげしげと眺めた後、言った。

「あんたそこから“変化”させる事はできるかい?」

「変化?強くなるたび少しずつ形態が変化してたりはするが、そういうことか?」

幻海の言葉に雪之丞はその意味を理解できず、訝しげな顔で問い返す。それに対し、答えをかえさないまま次の要求を出す。

「じゃあ、次は魔装術を纏わず身体の部分、部分に霊力を集中してみな」

「おい!!質問に答えろよ!!」

「いいから早くおし!!」

疑問に答えない幻海に雪之丞が抗議の声をあげるが、幻海はそんな彼を一喝する。そのプレッシャーに押され仕方なく言われた通りにする雪之丞。右手、左手、右足、左足、身体の各部に順番に霊力を収束させる。そして、それを見て彼女は一人で納得したという顔をした。

「練りが甘いね。横島程酷くはないが、基礎鍛錬がかなり足りなそうだね、こりゃ。とりあえずはそこから鍛えなおして“変化”を目標にしてみるか。それができるようなら“進化”を目指せるよう鍛えてやるのもいいかもしれないね。じゃあ、次はあんた、学校で習っていると言ったが六道のとこあたりかい?」

「は、はい。」

結局答えが得られぬままで不機嫌そうな雪之丞。幻海は彼から視線を外すと今度はおキヌの方にそれを向ける。問いかけに対し、慌てて頷くおキヌ。

「ふん、じゃあ、一通りの基礎は出来ていそうだね。しかし、霊を操るタイプのネクロマンサーか、魔族を相手にするには甚だ不利な能力だねえ。あんたに関しては後で一通り能力を見て他に何か得意が無いか探してやるよ。後、そっちの能力に関しても生かすのに調度適したものがあるから、修業をクリアーしたらそいつをくれてやるから精精精進しな」

二人の修業方針を決定し、そして最後に横島の方に向き合った。

「あんたには特に言う事はない。この3ヶ月に教えた事を鍛えなおしてもらう。」

「えっ、ちょっと待ってください。それでいいんですか!?」

今のままでは力が足りないと言われたから修業を決心したのに今までどおりと言う言葉に戸惑いを受ける。

「あんたは今が一番の霊的成長期だ。下手に新しい技を覚えたりするより、基礎を積みなおしたり技の錬度を上げるほうがよっぽど強くなれる。」

「はあ、そうなんですか・・・。」

「ああ、それからあまり時間もないだろうからとりあえず修業は1週間に絞る事にする。促成栽培な分、厳しくいくから覚悟押し!!」

幻海の言葉にいまいち納得の行かない様子だった3人が気を引き締める。まあ、横島の場合は気を引き締めるというよりビクつくという感じだったが・・・・・・。何はともあれ、3人の修業が開始される事になった。


太文字―――――修業・雪之丞の場合―――――

「ぬぐううううううううううううう」

「もう、へばったのかい?横島でももう少し持ったよ?情けない奴だねえ」

「ぐっ、横島の奴には負けてられねええ!!!」

雪之丞は指一本で逆立ちしていた。・・・・・・・・・・針の上に立って。その状態で既に一時間、霊力を収束して身体を何とか支えているが全身は汗びっしょりである。

「それじゃあ、そのまんま後、7時間続けるんだよ。あたしは他の奴らを見てくるから。言っとくけど、さぼったり、落ちた状態で10秒以上戻らなかったりしたら、即追い出すからね。まあ、最初だから途中で指を変えるのは許してやるよ。甘くなったもんだねえ、あたしも」

そう言いながら幻海は部屋を出て行った。

「お、鬼かあんたは!!!」

一人残された部屋、雪之丞の叫びが響き渡った。


―――――修業・おキヌの場合―――――

「あんた、ほんと鈍くさいねえ」

「うっ・・・すいません」

呆れた目で目つきで見る幻海に対し申し訳なさそうなおキヌ。

「けど、霊力の流れを読む力はまあままのようだね。霊的格闘術の“柔”の技を中心に教えてやる事にしよう。これを会得すればまあ、身を守る事ぐらいはできるようになるだろ。ちなみに、できないようならあんた最終試験の時、死ぬからね」

「は、はい。」

幻海がさらっと言った“死ぬ”という言葉におキヌは気を引き締めた。


―――――修業・横島の場合―――――

「死ぬうううううううううううううううう!!!!!!!!」

 その頃、横島はおキヌが言われた死ぬという言葉の意味を思う存分味わっていた。
*過激すぎて書けません


午後10時、一日の修業が終わり、横島と雪之丞は畳の上でへばり、寝そべり夕食を待っていた。

「うー、腹減ってるんだが、食欲わかねーよ。」

8時間もの間、針の上で指立ちさせられた雪之丞はそう言ってほとんど動かない。
流石の彼も限界のようである。

「てめえなんか、まだいいぞ。俺なんか12時間続けてやらされたんだからな!!けど、あの頃はまだ幸せだった」

横島はそう言って遠い目をする。するとそこにおキヌがやってくる。そして二人はやってきた彼女の姿を見て何重にも驚愕させられた。

「お、おキヌちゃん!?」

「あ、横島さん、そのー、あまり見ないでもらえますか、恥ずかしいんで」

全身に包帯を巻いた痛々しい姿、そして長く綺麗だった髪をばっさり切ってショートカットにしてしまっている。

「全員そろったようだね。それじゃあ、飯にするよ」

そこに幻海が入ってくる。その姿を確認し、横島は彼女に詰め寄った。

「ど、どういうことですか!!これは!!」

「なんだい、そうぞうしいねえ。心配しなくても怪我は見た目ほどひどかあない。治療もしといたし、明日にはすっかり良くなってるよ」

「そ、そうじゃなくてですねえ・・・・・」

何でもないように言う幻海に対し、横島は食い下がる。例え、怪我が治るにしても怪我を負ったこと、痛みを負ったことは事実なのだ。だが、幻海はそんな横島を睨みつけた。

「昼にもいったがあんたこの娘のこと過保護にしすぎやしてないかい?この娘はあんたの仲間、対等な存在なんだろ?苦労は自分だけがしてりゃあいいなんてのは大間違いだよ」

「うっ」

その言葉に横島はまたも押し負ける。だが、もうひとつだけ聞いておきたい事があった。

「そ、それじゃあ、髪は・・・・・。」

「戦うのには長い髪ってのは基本的に不利だからねえ。髪を掴まれたり、目に入ったり。半人前の内は特にね。それから、これは本人の決意の印でもある。あの娘はそれだけの覚悟をしてここにきてるんだよ」

幻海がそう答える。その答えを聞いて横島がおキヌの方をみると彼女は照れたような困ったような表情をしている。それを見て横島は今度こそ何も言えなくなった。

「まあ、ここで修業してれば半年もすれば元通りの長さまで伸びるだろうさ。その頃には髪のハンデなんかあっても気にならない様になる。ま、それまで、持てばの話だけどね。」

そして、最後に幻海がそう付け加える。横島はそれに対し、“どうしたら半年でそんなに髪が伸びるのか?”とか、“それまで持てってのが修業に耐えられるって意味じゃなくて、死ぬって意味に聞こえてリアル過ぎて怖い”、とか色々突っ込みたくなったが、怖かったのでやめておいた。


「・・・・・なんですか、これは?」

夕食が並べられる。幻海とおキヌはまともだが、横島と雪之丞の前に並べられたのは見るからに、怪しい、いや怪しすぎる“物体”だった。多分、植物だと思うのだが、まるで見た事の無い形をしている上に何か動いているし、蠢いている。

「蔵馬って知り合いが修行者用に栽培してくれた特別な薬草を使った料理だよ。あたしみたいな年寄りやこの娘には刺激が強すぎて毒にしかならないが、あんた達みたいに頑丈な奴らには強くなる為の特攻薬さ。」

(あんた、もう年寄りじゃないだろう?)

横島は、そう突っ込みたかったがやはり怖かったのでやめておいた。そして、彼は眼前の料理に再び視線を戻した。

(これを、食う位ならうんこ味のカレーとカレー味のうんこを両方食う方がまだましかもしれん)

だらだらと汗をかきながら横島はそんな事を本気で思う。雪之丞の方も彼と同じような表情をしている。

「雪之丞、まずはお前から食ってみろよ。さっき腹減ってるって言っただろう?」

「い、いや、食欲が無くってな」

そんな二人を見ておキヌは自分の食事を差し出そうとするが、幻海に睨まれ、手を引っ込める。そして二人はやがて決意をし、同時に目のまえの“それ”を口に運んだ。

「「ぐはっ!!」」

そして、両者、同時に声をあげる。苦いとか辛いとかそういうレベルではなかった。まずい、という感覚すらない。ただ、口の中が溶けていくようなというか、侵食されていくというか、だが、確かに体中に力が湧いてくるような感覚はあるのだ。

「さあ、早く食っちまいな。あんた達にはまだ修業の続きがのこってるんだからね」

「ま、まだやるんですか!?」

そんな二人に投げかけられた言葉に横島が叫びをあげる。それに対し、幻海は当然と言った表情で答えた。

「当たり前だろ。何せ、一週間しかないんだからね」

「け、けど、運動生理学とかでやりすぎは・・・・・・・」

鍛えすぎると却って筋力が落ちたりするのは近代体育学の常識である。それを理由に何とか逃れようとした横島だったが幻海の言葉がその理屈をあっさり覆した。

「心配しないでもその飯とあたしの霊光波動拳で超回復は15分は早めてやるから問題ないよ。まあ、急速に身体を回復させる分、ちぃとばしり身体に走る痛みは凄いがね」

 幻海の言う“ちぃと”って一体どの位なんだろう、そんな事を絶望的な気分で考える横島の横で雪之丞がやけくそのように叫んだ。

「くっ、やってやる!!おい、幻海さん!!横島はもっと厳しい修業をやってるって話じゃねえか!!俺ももっと厳しくしてくれ!!」

「ほう、やる気があるねえ。まあ、今、横島がやってるのと同じ修業をすればぶっ壊れちまうだろうが、さっきまでの5割ましで厳しくしてやるよ。」

それを見て楽しそうに笑う。やる気をみせる雪之丞、それを哀れみ、生温かいもので見ながら横島はふと、床の間に飾ってあるものに気付いた。

「あれ? これ、なんすか?」

 横島は早朝にこの家をでて、美神達のもとに戻った訳だが、その時はなかったなんだが薄汚い石が置いてあったのだ。

「ああ、それは殺生石だよ」

 たいして感心なさそうに答える幻海に対し、横島は疑問顔を浮かべた。

「殺生石? なんか、物騒な名前やなー。あれっ、でもどっかで聞いた事があるような」

「おいおい、横島、それ位いくらなんでも知っとけよ」

 相当有名なオカルト関係な品でもあるにも関わらずそれを思い出せなった横島に雪之丞があきれて突っ込む。そして、おキヌが横島に教えて聞かせた。

「横島さん、殺生石っていうのは金毛白面九尾の狐っていう有名で強い妖怪が封じられてるっていう石ですよ。けど、幻海さん、どうしてそんなものがここにあるんですか?」

「あんたが出て行った後、佐藤が拾ってきただよ。いい闇アイテムの材料になるらしい。そしたら、そろそろ封印が解けそうなんでそれまで待つらしいけどね」

「えっ、けど、封印けれた強い妖怪なんすよね? 目覚めたら大変な事になるんじゃないっすか?」

 幻海の答えに対し、不安気な表情をする横島。封印された妖怪と言って彼の頭に思い浮かぶのはさっきのおキヌの話しでも思い出した死津喪比女である。今でさえ、大変すぎる状況なのに、そんなものが目覚めたら手に負えないように思えた。

「多分心配ねえだろ。九尾は傾国の魔物なんて、言われちゃいるが、実際は元から傾いていた国ばかりで、たまたま権力者に身を寄せて身を守ろうとした九尾が悪者にされただけだってのが有力な説だしな」

 それに対し、雪之丞が幻海に変わって説明する。しかし、横島は彼をぎろりと睨みつけた。

「おい、雪之丞、おまえさっきからキャラ違うんじゃねえか? お前はバトルジャンキーのそういうインテリぶった知識を披露するような奴じゃねーだろーが!!」

「あんたが知らなすぎるんだよ。まったく、この3ヶ月で技術的な知識は少しは教え込んでやったけど、他はまだまだだねえ・・・・。この戦いが終わったらそっちもきっちり仕込んでやるから覚悟しとき」

「げっ」

 がっ、結果として墓穴を掘る。その光景を見て少し苦笑しながら横島を助ける為におキヌが話を変えようとする。

「ねえ、横島さん、せっかくですからもっと近くによって見て見ませんか?」

「あっ、うん、そうだな」

そして横島とおキヌ、便乗して雪之丞は殺生石に近づき、間近で見て観察してみる事にした。

「言われてみりゃあ、こいつは結構な妖気を感じるな」

「はい、流石は伝説に残るような妖怪が封じられているだけの事はありますね」

「けど、見た目はほんと只のみすぼらしい石だな〜」

 感心する二人に対し、そう言って手の甲で軽く石を叩く横島。すると、石にひびが入りあっさり割れた・・・・・・・・・。

「「「・・・・・・・・」」」

 予想外の展開に硬直する3人。そして石が割れたその中から一匹の狐がでてきたのだった。


(後書き)
アシュ編終了後じゃ、もう他のキャラが割り込む隙はないな、っと思ってタマモをはやめに登場させてみました。ちょっと唐突な展開かなとも思いましたがどうだったでしょうか?

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