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「願い〜第一話〜中編 その五 (GS)」

水稀 (2005-12-09 23:34/2005-12-12 22:52)
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『 ぼけぇー 』っと横島達の奇行を見守りながらおキヌは


『 ツカツカ・・・』と此方に
足取りを乱すことも、息を荒げることも無く─
着実に此方に向かって歩を進める『鬼』の形相をした美神に


『 あぁ・・・おキヌは死んだのですね、でも・・・此処って
            ──地獄じゃないですかーっ!?』

と大木の作りだした影に潜み
恐怖で『 カタカタ 』 と身体を震わせ蹲っていた。


そんなおキヌを美神は素敵に無視して、
未だ『 野郎のケツで覚醒なんぞしてしまった・・・ 』と俯き語る
横島の傍に辿り着くと


「 よくも・・・悪質なデマを耳元で語ってくれたわねぇ! 」

首を絞めながら『 ガクガク 』と残像を作り出す勢いで揺らし

「 ちょ・・・ぎぶっ─きぶッスっ!! 」

と、GS美神ワールドが炸裂した。


そんな中で
木陰で 「 ファイトっ!横島さんっ!!」 と、呟き
『 グッ 』と右手の小さくガッツポーズ仕草のおキヌちゃんが


一番輝いていた。


       願い 〜第一話〜 中編 その五


「 うぅ・・・何か広いお花畑の所で・・・川を挟んで『田中(32)』に
                      ──逢った気がする・・・。」    

と、物騒な事を呟き、現世へと復帰した横島に


「 丈夫ねぇ♪ 」

話しかけてきたのは、先程霧の様に消えた筈の美女だった。
『 ─あっ!』 と、驚愕の声を出した横島は


「 やぁ。僕、横島忠夫。
     君の素敵な瞳に僕を映す栄誉を授かっても・・・
                         ──いいかな? 」


美女の手を握り『 田中 (故人) 』から何時の間にか盗んだ
『歯牙がキラリ☆ 』 を発動しながら口説いた。


「 あら。 積極的ねぇ?♪─ 」

頬に手を当てながら美女は『 でも─・・・』と続ける。

「 後ろの娘が睨んでいるわよ♪ 」


「 ──へ? 」


と振り向いた横島の視界に
ネクロマンサーの笛を構えたおキヌが映る。

『 ─ふっ! 』


──トス


『 あぁ─おキヌちゃん・・・ネクロマンサーの笛って


         ──吹き矢として使えるんだね・・・。 』


深い闇に落ちていく感覚を感じながら横島は地面へと
糸の切れたマリオネットの如く──崩れ落ちた。

              ・
              ・
              ・


「 ──で? アンタ誰なのよ 」

やっと落ち着いたのか─冷静になった令子が
目の前の美女に尋ねた。


「 ──ん?わらわは姐妃よ♪ 」

「 ってことは、あの銀孤は『華陽婦人』で合ってるのね? 」

「 そうねぇ・・・」


『 んー・・ 』と姐妃は暫く顎に一指し指を添え

「   正確には私達の中で華陽の在り方を
          最も多く引き継いでる妖孤よ── 」

『華陽』でも間違ってないけどね──と続けて呟いた。


「 ─ふぅん、じゃぁ─・・・」

と令子は白金の妖孤を指差し

『 あの妖孤が玉藻前なの? 』と尋ねた。


              ・
              ・
              ・


[ 幕間 ]


おキヌちゃんに吹き矢を射られてから
横島が目覚めた場所は


『 やぁ 少年 』 「 あんたまだいたのか・・・ 」

再び、広大な花畑であった。


「 ─で?何で戻らないんだ? 」


と仕方なく尋ねた横島に『 田中 (故人) 』は 
『 ニカっ☆ 』 と漢の笑みを披露しながら


『 ソフトな指使いはおぼえたかね? 』 


と、素敵に流した。

「 ──いや、まだだけど・・・ 」

胸の内に沸いて出てくる殺意を押さえ──何とか返した・・・が


『 そうかい?なんなら私のお尻で練習するかね? 』


『 田中 (故人) 』の言葉と共に
何故か──横島達の周りで咲いていた数々の種類の花が
薔薇園へと変化したのを切っ掛けに


「 死っ!! 」

と、胸の内にある殺意を開放すると横島の右手には
何時の間にか──物質化した霊波刀が握られていた。


──斬っ!


『 その剣でソフトにやるつもりかね・・・? 』


切り捨てた筈の『 田中 (故人) 』のそんな言葉を聞きながら
再び、現世へと戻れた横島と

同刻『 田中 (復) 』が離れた地で
一緒に目覚めたのは偶然では無いだろう。


追記

目が覚めた横島の右手には霊波刀は無く

一本の薔薇が─その代わりに握られていたのは
本編に関係ないので・・・軽く流しておく。


               ・
               ・
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               ・


「 ─ふぅん、じゃぁ─・・・」

と令子は白金の妖孤を指差し
『 あの妖孤が玉藻前なの? 』と尋ねた。


姐妃はその指された妖孤を一瞬──
悲哀の篭った視線で視た後、すぐさま表情を戻し


「 あの孤は・・・誰にもなれなかった── 」

と呟いた。


瞬間


「 何時まで戯言を語る気かえ─・・・姐妃 」

銀孤が人間の形態に変化する。


「 さぁ?──何時までかしらね?♪」

白銀の髪を靡かせ姐妃と似た雰囲気を持つ女性『華陽』を
姐妃はからかうように答えた。


そんな姐妃に華陽は『 ふっ 』と鼻で一度笑い

「 妾を敵に回すつもりかえ? 」

愉快そうに顔を歪め尋ねた。


「 転生してすぐに、わらわ達を喰らおうとした孤の
              ──言うことじゃ、ないわよね? 」


今までのからかう態度を一辺させ、真剣な表情で答える姐妃。

そう・・姐妃が隈無く隙を窺うように
視線を向けている相手は──人間では無く


銀孤 『華陽』 に対してだった。


『 クックック─・・・ 』 と肩を震わして嗤い

「 三つに分かれた妾達が一つに戻るため
                 ──唯、それだけじゃ─・・・ 」

『にぃ・・・ 』と口元を醜悪に歪ませ華陽は呟いた。


それは間違いじゃないんだけどね・・・と姐妃は
口の中でそっと呟き──会話に混ざれなかった令子に

「 さっきの孤の名前はね・・・
   華陽でも姐妃でも──玉藻前でもないわ・・・。
              ─あえて言うなら タマモ かしらね。 」


と、話しかけた。

考えるように押し黙った令子の隣で


何時の間にか復活した横島が
「 タマモ・・・? 」と小さく呟いた。

「 そう・・。殺生石は本来二つに別れる筈だったの─ 」


と姐妃は一度横島に微笑み
再び華陽に視線を向けたままで続ける。


『魔力の天昇』と『策略の成就』と呼ばれた
『白面金毛九尾の狐』を二つに別け

『華陽』『姐妃』『玉藻前』として過ごした
──大妖 九尾の狐の力を大幅に削ごうとしたのが

玄翁の最初の計画だった。──が


わらわ達は三つに別れた。

その中で華陽とわらわは最初の予定通りのように
『魔力の天昇』と『策略の成就』に別れたわ。


そして、最後の一つは


『魔力の天昇』と『策略の成就』の力を少量だけ受け継ぎ
残りの──三分の二を締める部分は那須の山の地脈の力
を吸い取り、九尾の転生体として復活するはずだったの。


その少ない『魔力の天昇』と『策略の成就』の力の中で
もっとも受け継がれた在り方が『玉藻前』。

でもそれが全てじゃないから──玉藻前を前世として
その名前から『前』の字を取って『タマモ』ね。


そしてあの孤『タマモ』は・・・
殺生石の場所を無理やり変えられたから
その在り方がわらわ達程に完全じゃなく
  
──不完全なソレのままだわ。


銃で撃たれた傷はわらわが治したけど・・・
            ──このままじゃ長くないわね・・・。


詠う様に紡がれたその内容に横島は

「 ──どうしたら助かる? 」

と道化の仮面を脱ぎ捨てた──真剣な表情で姐妃に尋ねた。


人の『本質』を見抜く目を持つ『策略の成就』姐妃は
横島のその変化に──その言葉に嬉しそうに目を細め


「 一つに戻れたら・・・─かしらね?♪ 」


と微笑を浮かべながら答えた。


後書き


リプトン ミルクティを温めて飲んで
        吐いた水稀です(挨拶


中編 その五をお送りしました。


変なデンパを引きずったままだったので
どうにも話しを思ったより進めれなかったのがちと残念ですorz


大まかな流れは既に決まっているので
何度も過去の投稿を見て 矛盾点は無いかを
確かめながら書いているんですが・・・


やっぱり文章へたいっすね・・・と
反省点が多々あります(ノ∀`゜)

が、これからも頑張っていくのでヨロシクですw


>>拓坊様

楽しんでもらえて幸いですw
ギャグパートは・・・シリアスに比べて
投稿するのがドキドキしますねw

明らかに笑いを狙ってスルーされたら・・orz
なんて思いながら書きましたw

>>帝様

書き方はデムパに左右されるようですw

数少ないネタから絞りだしたギャグパートなんで・・
これからシリアス続きになるか・・・新しいデムパを
受信し・・・壊れた話になるかは私にも謎ですw


>>無虚様

初めまして!
5W2Hは無虚様の仰る通りビジネス用語?ですねw
これは横島のオカンがキャリアウーマンだった?ので
ここで使ってみようと思い立ったネタです。


皆様 ご意見・ご感想ありがとう御座いました^^

これからも色々と指摘などなどしてくれますと
私としては嬉しい限りです!

では、次回も頑張って書き上げますので
返信をくれた皆様にこれから見てくれる皆様

これからもよろしくお願いします!

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