『 ぼけぇー 』っと横島達の奇行を見守りながらおキヌは
『 ツカツカ・・・』と此方に
足取りを乱すことも、息を荒げることも無く─
着実に此方に向かって歩を進める『鬼』の形相をした美神に
『 あぁ・・・おキヌは死んだのですね、でも・・・此処って
──地獄じゃないですかーっ!?』
と大木の作りだした影に潜み
恐怖で『 カタカタ 』 と身体を震わせ蹲っていた。
そんなおキヌを美神は素敵に無視して、
未だ『 野郎のケツで覚醒なんぞしてしまった・・・ 』と俯き語る
横島の傍に辿り着くと
「 よくも・・・悪質なデマを耳元で語ってくれたわねぇ! 」
首を絞めながら『 ガクガク 』と残像を作り出す勢いで揺らし
「 ちょ・・・ぎぶっ─きぶッスっ!! 」
と、GS美神ワールドが炸裂した。
そんな中で
木陰で 「 ファイトっ!横島さんっ!!」 と、呟き
『 グッ 』と右手の小さくガッツポーズ仕草のおキヌちゃんが
一番輝いていた。
願い 〜第一話〜 中編 その五
「 うぅ・・・何か広いお花畑の所で・・・川を挟んで『田中(32)』に
──逢った気がする・・・。」
と、物騒な事を呟き、現世へと復帰した横島に
「 丈夫ねぇ♪ 」
話しかけてきたのは、先程霧の様に消えた筈の美女だった。
『 ─あっ!』 と、驚愕の声を出した横島は
「 やぁ。僕、横島忠夫。
君の素敵な瞳に僕を映す栄誉を授かっても・・・
──いいかな? 」
美女の手を握り『 田中 (故人) 』から何時の間にか盗んだ
『歯牙がキラリ☆ 』 を発動しながら口説いた。
「 あら。 積極的ねぇ?♪─ 」
頬に手を当てながら美女は『 でも─・・・』と続ける。
「 後ろの娘が睨んでいるわよ♪ 」
「 ──へ? 」
と振り向いた横島の視界に
ネクロマンサーの笛を構えたおキヌが映る。
『 ─ふっ! 』
──トス
『 あぁ─おキヌちゃん・・・ネクロマンサーの笛って
──吹き矢として使えるんだね・・・。 』
深い闇に落ちていく感覚を感じながら横島は地面へと
糸の切れたマリオネットの如く──崩れ落ちた。
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「 ──で? アンタ誰なのよ 」
やっと落ち着いたのか─冷静になった令子が
目の前の美女に尋ねた。
「 ──ん?わらわは姐妃よ♪ 」
「 ってことは、あの銀孤は『華陽婦人』で合ってるのね? 」
「 そうねぇ・・・」
『 んー・・ 』と姐妃は暫く顎に一指し指を添え
「 正確には私達の中で華陽の在り方を
最も多く引き継いでる妖孤よ── 」
『華陽』でも間違ってないけどね──と続けて呟いた。
「 ─ふぅん、じゃぁ─・・・」
と令子は白金の妖孤を指差し
『 あの妖孤が玉藻前なの? 』と尋ねた。
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[ 幕間 ]
おキヌちゃんに吹き矢を射られてから
横島が目覚めた場所は
『 やぁ 少年 』 「 あんたまだいたのか・・・ 」
再び、広大な花畑であった。
「 ─で?何で戻らないんだ? 」
と仕方なく尋ねた横島に『 田中 (故人) 』は
『 ニカっ☆ 』 と漢の笑みを披露しながら
『 ソフトな指使いはおぼえたかね? 』
と、素敵に流した。
「 ──いや、まだだけど・・・ 」
胸の内に沸いて出てくる殺意を押さえ──何とか返した・・・が
『 そうかい?なんなら私のお尻で練習するかね? 』
『 田中 (故人) 』の言葉と共に
何故か──横島達の周りで咲いていた数々の種類の花が
薔薇園へと変化したのを切っ掛けに
「 死っ!! 」
と、胸の内にある殺意を開放すると横島の右手には
何時の間にか──物質化した霊波刀が握られていた。
──斬っ!
『 その剣でソフトにやるつもりかね・・・? 』
切り捨てた筈の『 田中 (故人) 』のそんな言葉を聞きながら
再び、現世へと戻れた横島と
同刻『 田中 (復) 』が離れた地で
一緒に目覚めたのは偶然では無いだろう。
追記
目が覚めた横島の右手には霊波刀は無く
一本の薔薇が─その代わりに握られていたのは
本編に関係ないので・・・軽く流しておく。
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「 ─ふぅん、じゃぁ─・・・」
と令子は白金の妖孤を指差し
『 あの妖孤が玉藻前なの? 』と尋ねた。
姐妃はその指された妖孤を一瞬──
悲哀の篭った視線で視た後、すぐさま表情を戻し
「 あの孤は・・・誰にもなれなかった── 」
と呟いた。
瞬間
「 何時まで戯言を語る気かえ─・・・姐妃 」
銀孤が人間の形態に変化する。
「 さぁ?──何時までかしらね?♪」
白銀の髪を靡かせ姐妃と似た雰囲気を持つ女性『華陽』を
姐妃はからかうように答えた。
そんな姐妃に華陽は『 ふっ 』と鼻で一度笑い
「 妾を敵に回すつもりかえ? 」
愉快そうに顔を歪め尋ねた。
「 転生してすぐに、わらわ達を喰らおうとした孤の
──言うことじゃ、ないわよね? 」
今までのからかう態度を一辺させ、真剣な表情で答える姐妃。
そう・・姐妃が隈無く隙を窺うように
視線を向けている相手は──人間では無く
銀孤 『華陽』 に対してだった。
『 クックック─・・・ 』 と肩を震わして嗤い
「 三つに分かれた妾達が一つに戻るため
──唯、それだけじゃ─・・・ 」
『にぃ・・・ 』と口元を醜悪に歪ませ華陽は呟いた。
それは間違いじゃないんだけどね・・・と姐妃は
口の中でそっと呟き──会話に混ざれなかった令子に
「 さっきの孤の名前はね・・・
華陽でも姐妃でも──玉藻前でもないわ・・・。
─あえて言うなら タマモ かしらね。 」
と、話しかけた。
考えるように押し黙った令子の隣で
何時の間にか復活した横島が
「 タマモ・・・? 」と小さく呟いた。
「 そう・・。殺生石は本来二つに別れる筈だったの─ 」
と姐妃は一度横島に微笑み
再び華陽に視線を向けたままで続ける。
『魔力の天昇』と『策略の成就』と呼ばれた
『白面金毛九尾の狐』を二つに別け
『華陽』『姐妃』『玉藻前』として過ごした
──大妖 九尾の狐の力を大幅に削ごうとしたのが
玄翁の最初の計画だった。──が
わらわ達は三つに別れた。
その中で華陽とわらわは最初の予定通りのように
『魔力の天昇』と『策略の成就』に別れたわ。
そして、最後の一つは
『魔力の天昇』と『策略の成就』の力を少量だけ受け継ぎ
残りの──三分の二を締める部分は那須の山の地脈の力
を吸い取り、九尾の転生体として復活するはずだったの。
その少ない『魔力の天昇』と『策略の成就』の力の中で
もっとも受け継がれた在り方が『玉藻前』。
でもそれが全てじゃないから──玉藻前を前世として
その名前から『前』の字を取って『タマモ』ね。
そしてあの孤『タマモ』は・・・
殺生石の場所を無理やり変えられたから
その在り方がわらわ達程に完全じゃなく
──不完全なソレのままだわ。
銃で撃たれた傷はわらわが治したけど・・・
──このままじゃ長くないわね・・・。
詠う様に紡がれたその内容に横島は
「 ──どうしたら助かる? 」
と道化の仮面を脱ぎ捨てた──真剣な表情で姐妃に尋ねた。
人の『本質』を見抜く目を持つ『策略の成就』姐妃は
横島のその変化に──その言葉に嬉しそうに目を細め
「 一つに戻れたら・・・─かしらね?♪ 」
と微笑を浮かべながら答えた。
後書き
リプトン ミルクティを温めて飲んで
吐いた水稀です(挨拶
中編 その五をお送りしました。
変なデンパを引きずったままだったので
どうにも話しを思ったより進めれなかったのがちと残念ですorz
大まかな流れは既に決まっているので
何度も過去の投稿を見て 矛盾点は無いかを
確かめながら書いているんですが・・・
やっぱり文章へたいっすね・・・と
反省点が多々あります(ノ∀`゜)
が、これからも頑張っていくのでヨロシクですw
>>拓坊様
楽しんでもらえて幸いですw
ギャグパートは・・・シリアスに比べて
投稿するのがドキドキしますねw
明らかに笑いを狙ってスルーされたら・・orz
なんて思いながら書きましたw
>>帝様
書き方はデムパに左右されるようですw
数少ないネタから絞りだしたギャグパートなんで・・
これからシリアス続きになるか・・・新しいデムパを
受信し・・・壊れた話になるかは私にも謎ですw
>>無虚様
初めまして!
5W2Hは無虚様の仰る通りビジネス用語?ですねw
これは横島のオカンがキャリアウーマンだった?ので
ここで使ってみようと思い立ったネタです。
皆様 ご意見・ご感想ありがとう御座いました^^
これからも色々と指摘などなどしてくれますと
私としては嬉しい限りです!
では、次回も頑張って書き上げますので
返信をくれた皆様にこれから見てくれる皆様
これからもよろしくお願いします!