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!警告!壊れキャラ有り

「妙神山のただおくん31(GS)」

のりまさ (2005-11-15 17:57/2005-11-15 22:38)
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<小竜姫>
 今日はとても久しぶりに竜神王様によって神界に呼ばれました。何年ぶりでしょうか、神界に戻ってくるのは。以前まだ赤ん坊の忠夫さんを連れて帰った時は「小竜姫が子供を作ったぞー!」と、とても大騒ぎになってしまいましたが、今回は一人なので特に大騒ぎにはなりません。


「それでな、小竜姫……」


 中学校に入ってからの忠夫さんは妙に大人になってしまってあまり甘えてくれません。成長するのは少し嬉しいですがそれが寂しいというのも本音です。まあ、見た目はまだまだ子供なんですがね。


「息子の天竜が下界の……」


 ですが寂しいことには変わりません。それに最近ルシオラさんという夏子さん以来の強敵が現れましたし。彼女は忠夫さんと同じクラスなのでいつも一緒にいられるという大きなアドバンテージがある強敵です。しかも同年代ということで一番忠夫さんとは特に緊張もせず話せます。私も普通に話したいんですが、最近は忠夫さんとまともに正面から見つめるとどうも赤くなってしまいます。いいなあ、ルシオラさんは。
ですが彼女には私以上の貧乳という大きな欠点がありますからね。ふっふっふっ、ざまあみろです。


「で、あるからして、明後日から天竜を妙神山に……」


 ですがらいばるはまだまだいっぱいいます。特にタマモちゃんのアタックが最近顕著になってます。私とルシオラさんが忠夫さんを賭けて戦っている間にタマモちゃんがその間をするりと掻い潜って漁夫の利を得る、これが最近よくあります。
 タマモちゃんは強敵です。妹属性という大きな強みがある上に、前世のことを考えると成長性も大です。多分胸などきっとたゆんたゆんに……………想像したらムカついてきましたね。


「だから……小竜姫! 聞いておるのか!」


やはり今の内に豊胸ぶらを……ってはいっ! き、聞いていましたよ、竜神王様。やはり忠夫さんにはまだ半ずぼんが似合いますよね!」


「誰がそんな話をしおったか! まったく、竜神王の前で心ここにあらずとは……。だいたい忠夫くんにはもうそろそろ半ズボンではなく、偶にはそう、ひらひらのスカートでも……


「あの〜竜神王様?」


「はっ! ……ごほん。もう一度言うぞ。天竜の奴が久しぶりに下界に遊びに行きたがっておってな。それでその世話役をお前と横島忠夫にしてもらおうと思ってな」


 そういえば殿下と忠夫さんはお互いに初めてできたお友達でしたね。忠夫さんも殿下と最後に会ったのは3,4年近く前ですから、喜ぶことでしょう。忠夫さんの喜ぶ姿が目に浮かびますね♪


「だが気をつけるがいい、小竜姫。私が言うのもなんだが天竜は神界ではVIPだ。その上あいつはまだ角が生え変わっていないため力も満足に使うことができんため、一番狙いやすい。警備もしっかりな」


妙神山のただおくん〜子狐の歌 前編〜


<タマモ>
 私の名はタマモ。戸籍上は一応人間ということになっているけど、本当はかつて平安を騒がせた金毛白面九尾の狐という有名な大妖。以前は玉藻前と名乗ってたけど、今は前世のことを断ち切るという意味も含めて「タマモ」が私の名前。大体前世なんてほとんど覚えてないしね。
 蘇ってから数年がたったある日、私は一人の人間に助けられた。遊び半分で人間に殺されかけていた私を、助けてくれた。傷ついた私を優しく撫でてくれた。
 その名は横島忠夫。私の戸籍上の兄で今夢中な人。ただライバルが異常に多いのが難点。それに小竜姫が純粋に育てすぎたのか、いつも色々と遠回りにアピールしているつもりなんだけど……全然気付いてくれない。まあライバルが多ければ多いほど、難しければ難しいほど奪う楽しみがあるってね。傾国の大妖の名が伊達ではないこと、いつか見せてあげるわ。


「ん? タマモ、そろそろお前の小学校だぞ。頭の上で寝てないで起きたらどうだ?」


 一応考えごとしてたんですけどね。私はしゅるしゅるっとヨコシマの頭から降りると、人間形態に変化した。うん、ばっちり。お気に入りのナインテールもいい感じ。ただ胸がぺたんこなのが少しむかつく。……ふん、いいわ。どうせ私は成長すればぼいんぼいんになるんだから! 成長のない小竜姫やおキヌちゃんと違ってね!


「それじゃあタマモ、良い子にしてるんだぞ」


「分かってるわよ、もう。子供じゃないんだから」


「小学生は十分子供だと思うぞ」


「何よ、自分がちょっと先に中学生になったからって」


 ヨコシマは一足先に中学生になってしまった。おかげで私とヨコシマは離れ離れ。ずるいわ、ヨコシマがいるっていうから学校に行くって決めたのに。私はヨコシマにあかんべすると、さっさと校舎に向かっていった。ちょっと後ろを振り返ると、ヨコシマの右におキヌちゃんが、左にはルシオラがぴったり張り付いて談笑している。二人は同じ学校だから私より多くの時間をヨコシマと過ごせる。


「……ずるいわ、やっぱり」


 こうなったら何か他のライバルたちからリードする方法を考えなければならない。やはりデートが一番いいか? しかし小学生の私では大した予算はないしあまり大人っぽいところにもいけないだろう。
 うーんと考えながら退屈な授業の始まる教室へ行くと、一人のクラスメイトが話しかけてきた。


「あ、横島さん。ちょっといいかな?」


「……何?」


 ああ、こいつか。何かというと私に擦り寄ってくるうざいやつ。幼いとはいえ、かつては時の権力者を魅了させた私の妖気は小学生の男子相手には十分通用する。もっとも宿題だのなんだのと色々と面倒なことをやらせるために使っているのだが。だがこいつだけは正直寄ってくるとうざい。必要以上に馴れ馴れしい上に全ての女子が自分を好いてくれると信じて止まないらしい。確か親が大会社の社長ならしいが、そのせいで周りからちやほやされて育ったのだろう。できればあまり近寄りたくないしいつかぶん殴ってやりたいが、問題を起こしてヨコシマと離れ離れになるのが嫌だから我慢している。


「実はね、パパから遊園地のチケットを貰ったのだが、どうだい? 行かないかい?」


 差し出されたチケットを見てみると、そこには「デジャブーランド」と大きく書かれていた。確かテレビで宣伝しているところを見たことがある。面白そうだったしヨコシマも行きたそうにしてたな。


 ……使える。


「くれるの? ありがとう!」


 私はとびきりの笑顔を見せてやる。嫌いな奴だが、何か貰ったら礼ぐらいはするのが人界の常識らしいし。


「あ、ああ喜んでもらえて光栄だよ。それで日時だが……」


「えいっ♪」


 私が軽い幻術をかけると、奴はロッカーに向かってぶつぶつ一人で喋りだした。時々「はっはっはっ、やっと僕の魅力に気付いてくれたのかい?」とか「ええ、最終日にそこまでしてくれるのかい?」とか言っているが、まあ気にしない。一緒に行くとは言ってないしね。礼は私の笑顔で十分でしょ BY 大原部長。


<忠夫>
「天竜じゃないか! 久しぶりだな、元気だったか?」


「うむ、横島こそどうじゃ? 元気だったか?」


「まあな、おかげさまで病気一つないよ。にしてもお前……変わってないなあ」


「ほっとけ。余は人間と違って成長が遅いのじゃ」


 天竜は俺にとって初めて出来た友人だ。最初に会ったのはもう十年近く前だったが、当時は同じくらいだった背は今や大きく離れてしまっている。実際、タマモと同じかそれ以下だからなあ。だが見た目に差がでたからといって俺たちの間に友情があることに変わりはない。


「にしても、いきなり放課後に来るから驚いたよ。小竜姉ちゃんも」


「すみません。殿下が早く忠夫さんに会いたいと言うもので……」


「ん? 余はそんなこと言っとらんぞ。余は帰ってきてからでいいと言ったのに、無理やりに近い形で連れてきたのは小……」


 めきゃっ


「……痛いぞ、小竜姫」


 泣くな、天竜。小竜姉ちゃんも仮にも上司の息子なんだから少しぐらいは手加減してあげようよ。


「ねえヨコシマ。それでこの子は一体どなた?」


 あまり口を挟めなかったルシオラが聞いてくる。そういえばルシオラは初対面だったか。


「ああ、紹介するよ。俺の初めての友人で竜神王様の息子の天竜童子だ。今日は人界に遊びに来たんだって」


 竜神王の息子という立場のせいか、天竜はあまり遊びに行くことができない。最初に会ったのが十年近く前の割りに、俺とも遊んだのはわずか数回。だから天竜が来た時は思いっきり遊ぶと決めている。


「うむ、そなたは確かデタントのテストケースとして派遣された魔族だったな。天竜童子じゃ。天竜と呼ぶが良い」


「初めまして、ルシオラです。横島とは……


いずれ結ばれる仲です♪


 ぶっ!


<ルシオラ>
 天竜童子。アシュ様が教えてくれた横島の親友の一人。こちらに来る前に言われたアシュ様の言葉を思い出す。


『いいか? 彼を攻略する時はまず外堀から埋めていくんだ。多少強引でもいいから彼の親友たちに自分と忠夫くんが公認のカップルだと認識させるのだ。最初は彼も否定するだろう。だが周りから囃し立てられる度に彼はお前のことを意識し、彼はお前といるだけでドッキドキ。そしていつの日にかそれは……恋に変わるのだ!』


 ふふふ、これがアシュ様に教えてもらった横島忠夫攻略法その337の49項、「外堀から洗脳せよ」よ!


「おお、横島よ! お主も隅に置けぬな、いつの間にそん「何言ってるのですか、ルシオラさん!」こと言って……って小竜姫?」


「何って、何がですか? 小竜姫さん?」


 ふふんと私がヨコシマの腕を自分のそれを絡めると、小竜姫がむきーと怒った。横島は間であたふたしているだけ。


「何がって、さっきの発言と、その腕です! 忠夫さんを放しなさい!」


「何言ってるのよ、ヨコシマは嫌がってないんだからいいでしょ? ねーヨコシマぁ?」


 うろたえるヨコシマに、私は胸をぎゅっと腕に押し付ける。ふふ、可愛いわ。


「あ、おい、ルシオラ、その……」


「あら、なあにヨコシマ?」


 ちょっと赤くなってるわね。少しは意識してくれたかしら?


「ルシオラさん? 忠夫さんが痛がっているじゃないですか? そんな硬いものを押し付けられて」


 ……なんですと?


「ふ、ふふん、負け惜しみかしら?」


「いいえ、単なる事実ですよ♪」


……………………………………………………………。


「勝負よ、小竜姫さん!」


「望むところです!」


 私と小竜姫はこれで通算500回を越える戦いを始めた。


「ふ、二人とも! こんな街中で暴れちゃ駄目だよ!」


「無駄じゃ、二人とも聞こえておらぬようじゃ。それにしても、お前たちはいつもこうなのか?」


「そうですねー。いつもこうですねー」


 おろおろする横島と他人事のように会話する外野たちを尻目に、私たちの戦いは激しさを増す。


「覚悟しなさい! ゴォォォォォォォォォォォッド、ラムゥゥゥゥゥゥ!」


「ラァァァァァァァァァァァァァ!」


「街が、街が壊れるー! 二人ともやるなら妙神山でやってよー!」


<タマモ>
 私が帰るといつの間にいたのやら、天竜が来ていた。ここに来たばっかりの時に一度だけ会ったことがあるが、相変わらずちびだ。これで何百歳も生きているのだから神族というのは見た目では分からないものだ。
 まあ、それは今は関係ない。隅っこにでも置いとこう。今私はヨコシマの部屋に向かっている。もちろん朝に貰ったデジャブーランドのチケットを持って。小竜姫とおキヌちゃんは今食事の準備中だし、ルシオラは宿題中。今がチャンスね。みんながいる前で誘えば邪魔されるか一緒についていくと言うか、とにかくヨコシマと二人っきりになれないのは間違いない。だから誘う時も二人っきりにならなければならない。ミョージンジャー同盟規約591条の第28条に違反するけど、まあいいわ。ばれなきゃいいんだし。


「ヨコシマー、居る?」


 こんこんと戸を叩く。居るのは分かっているけど、まあ、心を落ち着かせる儀式みたいなものだ。ばっくんばっくん、ちょっと心臓の鼓動が早くなるのが分かる。緊張するなんて私の柄じゃないのにね。


「ああ、いるよ。どうした?」


 私が中に入ると、ヨコシマは部屋の中でストレッチをしていた。さっきまで小竜姫にしごかれてたもんね。


「ヨコシマ、今度の日曜暇?」


「ん? 特に用事はないけど?」


 ヨコシマには遠回りに言っても無駄だ。今までの行動でそれは分かっている。だから言うなら直接!


「デジャブーランドの招待券貰ったんだけど、一緒に行かない?」


 ヨコシマは一瞬驚いた顔をした後、すぐに目を輝かせた。


「本当! やった! 一度行ってみたかったんだよな、そこ。さんきゅな、タマモ」


 ……まったく、一応私より年上なくせに時々私より子供みたいな顔するんだから。本当にずるいわ。


「それじゃ、次の日曜ね。小竜姫たちにばれたら色々とうるさいから、内緒ね」


「なんで?」


「小竜姫のことだから「子供だけでそんなところに行ってはいけません!」とか言いそうじゃない」


「それもそうだな」


「じゃ、日曜の少し朝早めにデジャブーランド行きの「デジャブーランド!? 余も行くぞ!」バスにって……天竜!?」


 窓から急に現れたのは、あの天竜童子。き、聞かれてた? 他のみんなの気配には気を配ったけど、天竜の気配にはなんの注意もしてなかったわ、そういや。


「デジャブーランドは余も行きたかったのじゃ! 当然余も行くぞ! まさか友人の頼みを断るまいな、横島!」


「もちろん。俺も天竜とは久しぶりに遊びたかったしな。いいだろ、タマモ?」


 断るのよ、私! こんなチャンス滅多にないんだから! ここは心を鬼にして……ああ、そんな目で見ないで! 本当にすまなそうに、真剣に頼まれたら駄目って言えないじゃない。


本当にずるいわ。


「え、ええ、もちろんよ……」


 ああ、言ってしまった……。


 続く


あとがき
 ごめんなさい。全然言ったこと守れてません。というわけで更新は次から少し不定期になります。できるだけ今までのペースを維持できるよう頑張りますけど。
 せめてレス返しでもしなくては!

>アキ様
>陰念がどんどん壊れていく…原作の面影がない。ま、おもしろいんで全然オッケーですけど(笑)
 これは私の場合どのキャラにでも言えるんですけどね。ほとんどの奴らが原作の面影残ってないからなあ……。いつの間にやらこうなっていしまいました。

>ジェミナス様
>あちゃ〜全力禁止って^^;発展途上の少年達に取っては辛いオシオキですね〜
 まあ、あくまで忠夫くんと雪之丞が戦う時のみですからね。大丈夫ですよきっと。

>干し柿レベル孫愛爺様
>バトルとのんびりのギャップに笑いましたw
 これは上手く書けたか気になっていたんですが、そう言ってもらえると嬉しいです。

>黒覆面(赤)様
>初代対小竜姫ライバルは、禁断症状を乗り越えてちゃんと生きているんでしょうか?
 フラグクラッシャーはきっと大丈夫です。案外電柱の影からこっそりと……。

>拓坊様
>そして十二神将がいるってことは冥子ちゃんも近くに?
 一応冥子ちゃんから借りたという設定なんですが、すいませんその辺書き忘れてましたね。ちょっと分かりにくかったかもしれません。

>tomo様
>ちなみに、折角正規メンバーになったルシオラの出番が・・・小竜姫様も出番少ないし・・・出来ればうまく絡ませて出番を・・・。あ、ちなみにヒャクメ様の出番はその分とことん削ってあげてください♪
 上手く出来たでしょうか? 私としても上手く絡ませたかったので。ですが後半の望みは上手く叶ったと思います。ええ、とても上手く。

>柳野雫様
>どこまで逝っちゃうのやら・・。
 実は最終話近くではかなり凄いところまで逝っちゃう予定です。

>ゆん様
>すでに禁断症状がとんでもないレベルになっているはずだから。
 もはや幻覚を見始めてるかも……。

>弧枝様
>なににしろ、グレートマザーも「忠夫君の部屋」に行っているんですかね?
 全然出てませんが、ばりばり行ってると思います。大樹も一緒に。

>D,様
>横島と雪之丞はすでにコノ歳の平均レベルを遥にこえていると・・・・
 一応かなり越えてることにしてます。二人とも常識はずれなので。

>神曲様
>次回のタマモ編も楽しみにしております。
 次回からがタマモ編本番になりそうです。

>ピリエ様
>え!?雪之丞が承太郎で横島がディオ!?(笑)
 そして勘九朗がカキョーインに……。

>わーくん様
>小竜姫様の出番はちゃんと作ってくださいね?
 なんとか作りました。最近小竜姫視点書いてなかったのでちょっと微妙かもしれませんが。

>シヴァやん様
>なんか心眼が母親化してますね
 元々そういうつもりだったので、そう感じていただければ嬉しいですね。

 ではこの辺で。

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