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「せかいはまわるよどこまでも〜15〜(GS)」

拓坊 (2005-11-09 16:31/2005-11-09 16:32)
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〜横島視点〜


俺の視界で、変な青い鳥がこっちに向かって『必勝』の旗を振っている。
『何がしたいんじゃお前は』とか『つーか何もんじゃお前は』とか、突っ込みたいが現在はライブでピンチなのでそんな事している暇が無い。


「アホやっとらんで早く助けんかーー!!」


俺の叫びにキイ兄とその鳥が頭をぺしっと叩く。
妙に気が合って結構なことだな! どうでもいいから早く助けろ!!

そう思っている間に、カトラスの凶刃が俺のシャドウに迫る。
何とかそれを受け流し、反撃しようとしたところで後ろ足の刃で殴られた。


男にしかないあの部分を…


「うぎゃあああぁぁぁ!!」


「あっ!」「クルッ!」


俺が悲鳴を上げたところでサムズアップしているキイ兄と鳥がこっちを向いた。
もうちょっと…はやく……気付いて欲しかったな……


俺はシャドウの殴られたその部分を押さえながらその場でうずくまった。
そこにキイ兄が心配そうにこっちに声をかけてくる…


「忠っち…咽ぼとけ大丈夫?」


「だいじょう゛ぶじゃな゛い゛…」


俺は嗄れた声に恨めしそうな視線でキイ兄を見た。

えっ? 男にしかない部分ってアソコじゃないのかって?
はっはっは、そんなわけ無いだろ?
もしそうだったら…


フォント声があと一段階大きかったよね」


俺、キイ兄が言ってること意味分かんないや。
でも、とってもマズイこと言ってる様な気がするな〜


「クルァァ?」


そしてキイ兄とは反対側から肩を叩いて心配(?)してくる鳥。
ってか、お前一体なんなんだよ。


「ああっ、それ自分のシャドウの鳥君ね」


「クルァ!」


ビシッと敬礼するキイ兄のシャドウ…でもやっぱり鳥だよな?


「忠っち、彼はちゃんとした自分のシャドウなんだから鳥なんて呼んじゃ駄目だよ。なあ鳥君?」


「クルルァァッ!」


そうだといわんばかりに首を縦に振るキイ兄のシャドウ。
いやキイ兄自分で鳥って呼んでるし、シャドウのほうも気にしてないし。

其処で俺はふと気付いた。カトラスとまだ戦闘中なんだから俺のシャドウってやばいことになってないか?
けど特に痛みも無いので不思議に思いつつカトラスを見ると、何故か岩に向かって素振りをしているカトラスがいた。
何でまたそんなことを?


「ああ、ちゃんとテクニカルタイムアウト取ったから大丈夫だよ」


「って、タイムって通用するのか!?」


小竜姫様の言うことすら聞かなかったカトラスも大人しく待ってるし。
もしかしてこの修行でタイムって絶対的な上位命令なのか? 小竜姫様よりも権限が高いのかタイム宣言?


「キイさ〜ん、そろそろ時間ですよ〜」


「よし忠っち鳥君! 協力してあいつを倒すぞ!」


「クルアァッ!」


ファイトーと掛け声をかけるとキイ兄のシャドウはフィールドの中に入っていった。
なんだ? 何時から此処は熱血スポ魂になったんだ?

俺の疑問は誰も答えてくれず、試合は再開した。
そして俺のシャドウの肩で翼を広げるキイ兄のシャドウ。


いや、マジでお前戦えるのか?


せかいはまわるよどこまでも
〜〜竜への道は茨道? 後編〜〜


〜ナレーター視点〜


カトラスと向かい合う横島とキイのシャドウ。
と言っても構えているのはカトラスと横島のシャドウだけで、キイのシャドウは横島のシャドウの肩の上で欠伸をしている。


「こらぁ、やる気だせやる気! キイ兄何とかしろあれ!!」


「いやぁ〜、半自立型みたいだから言うことは聞いてくれるんだけど其処まで細かいことは聞いてくれないみたい」


自分の分身なのに言うことを聞かないキイのシャドウ。こんなところでも規格外なキイだった。


【グケケェーー!!】


その瞬間、カトラスが横島とキイのシャドウに迫る。
横島のシャドウはそのまま左爪を構えて迎え撃つ。
そしてキイのシャドウも空へと飛び立った。


「はぁっ!」


横島のシャドウが迫るカトラスに爪を横薙ぎにする。
カトラスは体を低くしてそれをかわし、前足の刃を下から斬り上げる。
それを上体を反らして回避し、体を後ろにする反動を利用して右足を跳ね上げる。
カトラスは素早い動きで其れをかわし、両前足を高々と上げる。
このまま振り下ろせば横島のシャドウを切り裂くことになるだろう。

だが、其れをさせないとばかりにキイのシャドウが…


「クルァッ!」


その辺に合った岩を投下。そのままカトラスの頭に当たりゴンッと鈍い音をたてる。


【クケェェ!】


カトラスは空中に向かって刃を振るうが、空を飛んでいるキイのシャドウには当たるはずも無く、むなしく空を切る。


「こっちを忘れんなよ!」


そこに横島の声と共にシャドウの右腕に霊波を纏いそのまま殴りかかる。
カトラスはその攻撃にも反応するが、シャドウの拳がカトラスの背中の刃を一本叩き折った。


「よっしゃ! このまま行くぞキイ兄!!」


「りょうか〜い、鳥君頑張れ〜」


キイの言葉を受け、シャドウが空から急降下。
そのままカトラスの背中にドロップキックをかます。
其れを受けてつんのめるカトラス。
ぐるんと振り向く。そこでキイのシャドウが岩の上で、


「クルルァァァ! クルル〜…クルァッ」


その岩の上でくるくる回って、尾羽を見せて横にふりふり。
そして『へっ』といった感じで嘲笑した。
芸達者な鳥である。


【グケエエエエ!!】


流石にぶちぎれたのか、カトラスはキイのシャドウに迫る。
そして前足で一閃。だがキイのシャドウは飛び立ち、そのまま岩を真っ二つする。


「クックルァク〜」


さらに次の岩にとまって、今度はお尻のあたりを翼で叩くキイのシャドウ。
完全にカトラスを馬鹿にしている。


「な、なんて戦い方ですか……」


小竜姫も其れを見て言葉も無いらしい。


「いや〜、流石は自分のシャドウ。的確な囮っぷりだね」


確かにしっかり囮を果たしているがもうちょっと何とかならないのか?
と言うのが本音だろう。

だが、相手を怒らせて冷静さを失わせるのも立派に戦術として存在する。
戦いにおいて敗者に語る弁はなし。負けた方が悪いのだ。
だが、キイは其れを演技でなく素で実行しているので、戦闘が終わってもアホなことをするので始末に終えない。


「そりゃあぁっ!!」


そして、そんな隙だらけなカトラスに横島のシャドウが背後から斬りつけた。
卑怯と言う無かれ、キイのシャドウを追いかけるカトラスを攻撃するにはこちらも追いかけないといけないのだ。
そうなればどうやっても背後から斬りつけるしかないのだ。


「よし、トドメだ鳥君!」


そして、キイの言葉にシャドウが自分の大きさの何倍もありそうな岩を持ち上げ、カトラスの上で離した。

そして、ぷちっと音がしてカトラスが消えていった。


「しょ、勝負あったようですね…」


戦術としては立派だが、見てる限りカッコ悪い勝ち方に小竜姫はやや戸惑い気味だ。

カトラスの潰れた辺りから光が走り、横島のシャドウに吸い込まれていった。
横島の右腕の手甲がそのまま肩先まで伸び籠手へと変化する。そして左腕の爪が刃物のように鋭くなり、手の甲と肘口からダークブルーの刃が生えた。


「うわっ、さらに違和感爆発ななんとも言えない姿に…」


「まあ、とりあえず攻撃力が上がったみたいだね」


「クルァ〜」


同意だとこくこくと頷いているキイのシャドウ。そりゃ本体と分身の意見が違ったらおかしいだろう。


「まあ、忠っちって変なとこでおかしいしね」


「待てぃ! 其れをキイ兄には言われたくないぞ!」


「つまり、二人ともおかしいんんですね」


おキヌちゃんに言われてやはり傍から見れば俺もおかしいのかと横島は崩れ落ちる。
その様子を見ている小竜姫も、どうコメントしていいのか困っていた。


「へ…!? 今なんて言いました?」


「最後の相手は私がやります。…と言いました」


そう小竜姫がにこりと微笑む。何か不満でも、といった顔で横島を見る。
横島からすれば不満だらけじゃと叫びたい。肝心なところでポカをして左遷疑惑があると言っても、その正体は人間の遥かに高位な存在である竜神族なのだ。
正直言って勝てる気がしないだろう。


「ちょ、ちょっと待ってよ! 強くなるために此処に着た俺が此処の管理人である小竜姫様に勝つって普通に無理じゃん!」


「大丈夫ですよ、私だってまだ精進に励む身ですから」


まだ未熟者ですと言いたいのだろうが、もともと人間と竜神の核は桁が違う。あちらがいくら未熟者でも、こっちの熟練者が勝てるとは限らないのだ。
それなのに、ただでさえ未熟な横島が勝てる確立は普通にゼロに近いだろう。


「クルァック〜〜」


「わ〜、速いですー」


横島と小竜姫が話している後ろでキイのシャドウが空を飛びまわり、それに乗ったおキヌちゃんが楽しそうに悲鳴を上げている。
普通に空を飛んでいたりするはずだが、やはり高速で移動したことは無くとても喜んでいる。


「次の戦いに負ければ魂も残らずに消滅してしまうでしょう。私は暫く此処を出ていますので…」


その間に皆と話しておけという意味なのか、小竜姫は小さな扉をくぐってその場から消えた。


小竜姫が消えてから暫く横島は黙り込み…


「…い……嫌やーー! まだ死にたくないーーー!!!


横島はいきなり頭を押さえて叫びだし、そこらじゅうを駆け回る。
そして何度考えても最悪の結果しか浮かばない頭を岩肌に何度もぶつけだす。


「はい、その辺でストップね」


横島はキイのシャドウに掴まれて宙吊りにされる。
それでも暴れ続ける横島に、


「ギャラクティカマグナム!!」


「ぐほぅっ!?」


キイの拳が横島のボディに吸い込まれるように決まる。
数十メートル吹っ飛びそうな威力だがキイのシャドウに掴まれているので、その威力が全てダメージになる。


「ぐおおぉぉぉ……何するんじゃキイ兄…」


それでも痛がるだけで普通に話も出来る横島は流石と言うべきなのか…


「忠っち、勝てないって思ってるんじゃない?」


「あ、当たり前だろう! ただの人間の俺が小竜姫様相手に勝てるわけ無いじゃねぇか!!」


そう叫ぶ横島だが、キイはチッチッチと人差し指を横に振る。


「忠っち、ついにあの作戦を使うときが来たのだよ」


「な、何だって! アレをついに使うのか!?」


「アレってなんですか?」


話の内容が分からないおキヌが尋ねる。
キイが懐から一冊のノートを取り出した。
その表紙に大きく見出しが書かれている。


『笑劇戦闘術・上級編』


其れを見ておキヌがこけた。
真剣な顔をしてそんなもの出されたらこけたくもなる。


「な、なんなんですか此れは!」


「これはキイ兄が編み出した、いかなる敵をも自分のペースに巻き込んで全ての力を出し切らせることなく陥れる戦闘術…

一度此れにかかれば抜け出すことはほぼ不可能。アリジゴクの巣に落ちたアリの如く引き摺り込まれいつの間にか敗北してしまうのだ!」


言ってることがかなり間抜け、けどそんな事は関係ないと横島はそのノートを受け取り真剣に目を通していく。
ときたま『成るほど!』とか『そんな手が!』とか言っている。


「さあ忠っち、今こそその禁断とされた笑劇戦闘術の封を解き、その力を知らしめてやるのだ!」


「おおっ! やったるでぇーー!!」


やる気が出てきた横島はさっきまでもう駄目だと叫んでいた弱気なところは完全に消えている。
いいことのはずなんだけど素直に応援できないおキヌちゃんはただ苦笑いを浮かべるしかなかった。


――三十分後…


「さて、準備は出来ましたか?」


小竜姫が戻ってきてフィールドの中に入る。
よこしは何時でも来いやーと意気込んでいる。

小竜姫は力を制御し角を光らせたと思ったら、その姿をシャドウに似せた姿へと変えた。そして此れはサービスと横島のシャドウの傷を癒す。


「それでは参ります!」


小竜姫がそう言った瞬間、フィールド内の半分で大爆発が起きた。


〜横島視点〜


よっしゃー大成功やー!

小竜姫様がいない間に地面に仕掛けておいたサイキックソーサーが大爆発をおこし、それが小竜姫様を飲み込んだ。


「な、何ですかこれは!」


舞い上がった煙の中から小竜姫様の声が聞こえる。大したダメージは無いらしい。
流石は竜神、大した防御力だ。

俺は小竜姫様が視界を奪われている間にシャドウに右腕の籠手に霊力を集中させ、


「えぇい!」


小竜姫様が剣を一閃させ煙を払った瞬間、其処目掛けて霊波の刃を振るった。
小竜姫様はすぐ其れに気付き、剣で受け止めるが…


「っ!?」


霊波の刃は小竜姫様の剣にぶつかると同時に砕け散り、そのまま小竜姫様に降り注ぐ。
そしてその破片は小竜姫様にぶつかり爆発するが大したダメージになっていない。


「そこやー!」


俺の言葉にシャドウは左腕の爪を振るおうとモーションを取る。
それに小竜姫様が剣で防ごうとするが、


「なんちゃってー!」


俺はそのままシャドウに両手を叩かせてサイキック猫騙しを放たせる。
爪を受けるため瞬きもせずこちらも見ていた小竜姫様にはひとたまりも無いだろう。


「くぅっ!」


小竜姫様がそのまま剣を横薙ぎにするが、俺のシャドウは既に避難済み。


「そしてぇーー!」


小竜姫様の地面に思いっきり霊波をぶつける。
巻き上がる光と衝撃に小竜姫様は余裕で耐える。
だがこっちの手はまだまだ続くのだ!


「なっ! 何処に行ったのです!」


行き成り消える俺のシャドウ。
そして俺の手には、キイ兄特性『隠密』の霊符。
これは霊力だけを隠して姿は消えないんだけど、シャドウは俺の霊核などで出来たいわば俺の霊力そのものだ。その姿は完全に隠されていた。
ただあんまり効果時間は長くないし、強く霊視されれば見えてしまうので速めにことに運ばなくてはならない。

カツンと、ちょっと離れた岩の影から音がする。


「其処ですか!」


そう言って小竜姫様が其処を岩ごと切り裂く。
ズズンと言う音と共に、巨大な岩が斜めに落ちると其処には…


「クルァッ!?」


何故か服を着替え中のキイ兄のシャドウの鳥がいた。
そういや最初学ラン着てたな、そして今は何故か柔道着…

エッチと言わんばかりに胸の辺りを押さえながら地面に女みたいに倒れている鳥。
其れを見た小竜姫様はしばし呆然としている。


「クル? …ク、クルアアァァァ!?」


行き成り叫びだす鳥。その視線の先には結構な数の羽が散らばっている。
鳥は何処の羽だとくるくる回りながら確認する。

そして、鳥が後ろを向いたとたん…俺は何処の羽だか分かった。


「クルルルルァァァッッ!?」


鳥は、自分の尾羽の辺りを見て仰天している。


「あちゃ、綺麗さっぱり斬られちゃったね」


キイ兄の言うとおり、鳥の尾羽は綺麗さっぱり切り取られお尻が丸見えである。


「あっ、えっと…すみません」


切り取られた尻尾の羽を抱いてずーんと落ち込む鳥に、流石に悪いことをしたと思ったのか小竜姫様が謝っている。


「小竜姫様ひどいな〜。鳥の尾羽を切っちゃうなんて」


「えっ! 私そんなにまずい事をしてしまいましたか!?」


「鳥の尾羽はね〜。方向転換したり全体のバランスを取ったりするのに使うから、無かったら最悪飛べないね〜」


キイ兄、よく知ってるなそんな事。流石と言うべきなのかその無駄に多い知識。
兎に角其れを聞いて更に慌てる小竜姫様は何とか鳥を慰めようとしている。


ってか、もう試合のことなんて忘れてるんだろうな。
けど、此れも作戦なんだ…許してください小竜姫様…


俺は心の中で謝りながら、シャドウを背中を向ける小竜姫様の背後まで音も無く忍ばせて…

その手をゆっくりと小竜姫様に伸ばした。


「小竜姫様…


場外負けです


俺のシャドウがポンッと小竜姫様の肩を叩いた。


「えっ?」


其れを聞いて首を傾げる小竜姫様。

俺のシャドウが足元を指す。そこにはフィールドの境界線があった。
そして其れを隔てて俺はフィールドの中、小竜姫様は外。
完璧に場外だった。


「WINNERーーー!!」


「やったね忠っち! 今夜はハンバーグだ!」


両手を挙げて勝ち鬨を上げる俺にキイ兄がどっから取り出したのかひき肉と卵。
あっ、玉葱抜いてな、嫌いだから。

そのまま勢いで試合を終わらせようとしたのだが、


「ま、待ちなさい! 今のは無しです!」

「「ぶーぶー! 横暴だー!」」


流石に納得がいかないのか元の姿に一度戻った小竜姫様が無効試合だと言い出す。
それに俺とキイ兄がブーイングの嵐。勝ちは勝ちのはずなのだ。


「そんな勝ち方で勝って嬉しいんですか!!」


「勝てば官軍じゃ! 命を懸けた戦いなら少しでも生き残る可能性の高いほうを選ぶわー!!」


俺の中で今、命とプライドを天秤にかけたらプライドは羽どころかヘリウムガスになって空の彼方に飛んでいってしまうぜ!


「それに場外に出たのは小竜姫様じゃないかー! 管理人だからって特例は認めんぞー!」


「兎に角駄目なものは駄目です! 私と戦って直接勝たなければ力を授けるわけには行きません!」


くそぅ! 折角考えた一番楽で安全な作戦だったのに!


「しょうがないな…忠っちゴメンね!」


「何っ、俺か!?」


キイ兄が謝りながら、俺の背中に何かを張った。
すると、急に俺の体から力が抜けていく。


「何貼ったんだキイ兄!」


「『傀儡』の霊符。張った相手を自由に操れます」


一枚あげると俺に手渡すキイ兄。いらんわと叩き落してやりたいんだが体が勝手に動いて其れを受け取り、ポケットにしまいこむ。


「へっへっへ、口ではなんとでも言ってても心は素直だね忠っち」


いやらしい笑みを浮かべながら俺の肩を叩くキイ兄。


「あっ、それ使って女の子押し倒したりしちゃ駄目だよ?」


「するかボケ!」


お約束的なことを言うキイ兄に俺は何とか自由がきく声だけで突っ込んだ。
キイ兄は我慢しないのと言いながらはっはっはと笑う、体の自由がきけば一発殴ってやるのに!


「な、何をするんですか!」


おおっとキイ兄と掛け合いをしていたら行き成り小竜姫様の戸惑う声が!

俺がそちらに目を向けると、俺のシャドウが小竜姫様を捕まえていた。
ああ、シャドウも俺の一部だから操られてるのか。


「ふっふっふ、そっちがその気ならこっちにも考えがあるよ小竜姫ちゃん」


「しょ、小竜姫ちゃん!? あなたは私のことをなんだと思っているんですか!」


キイ兄の呼び方が気に食わないようで小竜姫様は変更を求める。でもキイ兄って相手が女性ならほぼ確実に『ちゃん』付けなんだよな。多分無駄なんだろうな…


「さあ小竜姫ちゃん、君には二つに選択肢がある…自分にKILLされるかそのままDIEするかだ!」


「待てキイ兄!! それじゃあ行き着くところが同じだ! ってかそんな物騒なこと神様に言うな!!」


無理な選択肢をだすキイ兄に俺が突っ込む。
小竜姫様は拘束を抜け出そうと暴れているんだが、何故か抜けられない。
キイ兄が操ってるとはいえ俺のシャドウなんだから簡単に振り解かれそうなんだが…

俺がよ〜く見ると、小竜姫様の腕やら足に何枚かの霊符が貼ってある。


「無駄だよ〜。小竜姫ちゃんに貼ったのは自分が三日三晩丹精込めて作った対神族拘束用の霊符なのだ〜。竜神としての全力でも出さない限り破れはしないよ〜」


うわっ、キイ兄そんなもの用意してきたのかよ…
しかも竜神としての全力って、確か世界の作りが違って、精神でなく肉体が大きく影響する人間界じゃ神族と魔族って全力出せないんだろ?

それ分かってて言ってるんならそりゃ酷いぞキイ兄…


「じゃあ改めて…忠っちの勝ちを認めるか否か!」


「否だといっているでしょう! 其れより早くこの拘束をときなさい! 仏罰が下りますよ!」


でも仏罰下す神様って小竜姫様だからどうしようもないよな。
けど、この状況で言うとなんだか可哀想だから黙っていよう。

キイ兄は仕方ないなと、指をぱちんと鳴らした。
そして小竜姫様の前に、キイ兄のシャドウの鳥が現れる。


「やっちゃって鳥君」


鳥は『ラジャッ!』と敬礼して、さっき切り取られた尾羽で小竜姫様を…


…くすぐりだした。


「あ、あははは! やめなさ、あははははははっ!!」


キイ兄なんか俺と同じことやってるな…いや、俺がキイ兄と同じことをやったのか…
やっぱり俺キイ兄の影響多大に受けてるよ…

まだ体が自由に動かず、くすぐられる小竜姫様に頑張ってと念を送っておいた。


「さあ、さあ! どうする?」


キイ兄は一旦くすぐるのを止めさせる。
悪乗りしてるな…キイ兄まるっきり悪者だよ。


「ああ、はぁっ…屈服するわけには、いきませ…ん……」


そして途切れ途切れにそういう小竜姫様…

潤んだ瞳、息は荒れ、頬が薄桃色に上気し、うっすらと流れる汗が艶かしい。
暴れた所為か服が少しはだけて、ぐったりとしてうなだれるものだから胸元が…


ノォーー駄目やー! ドキドキしちゃ駄目やー!
御目見え麗しい神族の少女が緊縛くすぐり拷問で悶えてるのを見て興奮するなんて変態やんかー!

ああ、でもホント綺麗やしやっぱ神様って無駄がなんやな〜
胸がやや慎ましやかだけど其れを差し引いてもべっぴんさんや〜
苦しげな表情もそそるものが…

うおぉっ!? 違う! そこで欲情しちゃ駄目やー!
俺はノーマルなんやー! 女性には優しくしないとオカンに折檻されてまうー!


「横島さん…不潔です」


そこでおキヌちゃんが軽蔑のまなざしを向けながらそう言ってきた。

えっ、不潔? それに何でそんな目で俺を?


「横島さん…全部口に出してました……」


バッとキイ兄と小竜姫様の方を見ると、キイ兄が無言でサムズアップ。そして小竜姫様、心なしか頬の色を増しながらこっちを涙の溜まった目で見ている。そしてふいっと顔を背けた…

ノオォォォーーー!! 完全に嫌われたっぽいぞ今のはぁぁぁ!?

俺はガクッと崩れ落ち…ようとしたんだけど体が動かないので首だけうなだれさせた。


そして、キイ兄がまたくすぐりを再開した。


「あはははっ、やめっ、あはっ、くすぐった、い、あはははははははははは」


「口ではなんと言おうと体は正直なもんだよね?」


キイ兄、そりゃくすぐられたら誰でもくすぐったいだろうさ。
てか、その発言ちょっとまずくない?


「ふふっ、ここがいいのかな? それともここがいいの?」


「ああっ、其処は駄目です! ああっ、止めてください!」


キイ兄の攻めに必死に抵抗する小竜姫様…


「脇が弱点だね〜、そんなに感じる?」


「ああっ、お願いです…それ以上は……許してください…」


けどその抵抗はだんだん弱まっていき…


「それならどうすればいいか分かるよね、小竜姫ちゃん?」


「ううぅっ、私は…」


最後の葛藤が渦巻き…


「鳥君、三倍の速さでやっちゃって」


「ああー! 分かりましたからもう止めて下さいー!」


そして完全に屈服した…


ぐっ、ただ俺の勝敗の判定を通すためのことだったのに…
何故かこう心の中からもやもやというかむらむらというか煩悩が体を駆け巡る会話だった気がする…


「始めからそうやって素直にしていたら余計な笑いをしなくてもすんだのに…強情なんだから」


そう言ってキイ兄は鳥の羽をくるくると手で玩ぶ。
小竜姫様はその後ろで、


「私は管理人失格です…たった一人の人間に、しかもあんな方法で屈服してしまうなんて……」


かなり落ち込んでいた。
神様でもキイ兄の手にかかれば赤子も同然なんだね…


「小竜姫様…あまり気落ちしないで下さい。単に相手が、キイ兄が常識の範囲外だっただけなんです」


犬に噛まれたとでも思って欲しい、けど犬に噛まれるって結構怖いよな。子供ならトラウマものだと思うぞ。
小竜姫様…トラウマにならないといいな……


「クルァシャッ」


その時、鳥が急にくしゃみをした。シャドウの癖に随分と芸が細かいな。
鳥がくしゃみをした時、ひらっと一枚の羽が宙に舞ってひらひらと落ちていく。
そしてそのまま、


「ひゃあっ!」


小竜姫様の服の背中の部分に入ってしまった…


「あああああ! 取ってください! 後生ですからお願いしますー!」


小竜姫様がそう言って暴れだす。どうやら羽がトラウマになりそうだ…
しかし、神様とはいえ女の子の服の中に手を突っ込むなんてうれ…もとい恐れ多いことなど…


「忠っち、やましいことを考えてるのかい? 此れに乗じてあんなとこやそんなとこを触ろうとでも?」


「ば、馬鹿いうな! そんなことするか!!」


ちょっと頭をよぎったが、『漢・横島忠夫』はそんな無理やりするようなことは決してしないぞ!


「それじゃあ何も躊躇うことはないよね? ほら、人ならぬ竜助けなんだから躊躇わずにさ!」


「ぐぅ、分かってるわい!」


なんだか逃げ道防がれて誘導されたような気がするが…
ええい! 小竜姫様を助けるためよ!

俺は意を決して、小竜姫様の服の中に手を突っ込んだ。


あっ、なんか暖かくて柔らかいわ〜。これが女の人の体なんか…
って駄目やー!  煩悩退散! 煩悩退散!


不埒なことを考え始めた自分の頭に空いてる手で拳骨をしまくりながら、小竜姫様の背中に入った羽を捜す。
そしてこつっと女の子の肌にはありそうも無い触感を確認、此れか!
俺は其れを掴むべくぺたっとそれに触れた。


「あっ!」


その瞬間、小竜姫様が光ったと思ったら意識が遠くなっていった。


…ここは、どこだ?


気がつくと、俺は見知らぬところにいた。
あたり一面が真っ赤な荒野で、辺りの景色がもやもやと揺らいでしっかりと見えない。
ただ、俺はやけに高い場所で一人突っ立っていた…


何だ此処は? 俺…さっきまで妙神山の修行場にいたよな?


キイ兄も、おキヌちゃんも、小竜姫様も何処にもいない。
ただ、静寂があたりに立ちこめこの世界にはまるで自分しかいないよう……


何だか…悲しい場所だな……


ふとそんなことを思った。何故かよく分からないけど…そう思った。


「…のか…ま………い」


突然、後ろから声がした。
誰か他にいるのかと俺が後ろを向くと、其処には人はいなかった。
ただ、そこにはぼんやりとした影がゆらゆらと揺れている…


「…えは………いな………い」


その影が確かに喋っていた。いや、喋っていると言うよりは…口も動いていない。
直接頭の中に語りかけているみたいだ…


「……を…む……ら……だ」


言葉が途切れ途切れで全く聞き取れない。


何が言いたいんだ? それよりお前誰だよ?


「……か……は…だ…」


全く理解不能だ…完全お手上げ全面降伏。


「お…を……かえ……な?」


影が何か聞いてきているみたいだ。けど何て聞いてるか分からんし…
俺が返事をしないでいると、其れを肯定と取ったのかうんうんと頷く影。何なんだ一体?

そして影の手が体と一緒になったかと思ったら…すっと細長い物を取り出した。
持つところが細くて、先に行くほどだんだんと太くなっている


……バットか?


影が片手で丸を作る。どうやらシルエットクイズは正解だったらしい。
けどそれで何を?

すると影が其れを軽く回すと、急にバッティングポーズをとる。
そしてそん正面にいるのは勿論俺だ。


ちょ、ちょっと待て! 何するん…


慌てる俺に、影の最後の言葉が聞こえた。


「アビゲイルホームラン!!」


その言葉だけは、何故かはっきりと聞こえた…


アビゲイルって誰じゃーーー!!


俺は意識が上のほうへと引っ張られる感じがした。


「はっ! 俺そのまま場外まで飛んだか!?」


ガバッと体を起こし、俺は辺りを見渡す。
今度は左右は岩肌で、遠くに霧がかかった山が見える。
そして後ろを向くと、妙神山の門があった。


「意識なら彼岸の彼方まで飛んでってたね」


キイ兄が右側の鬼門の前でそう答えた。

あれ? 俺寝てたのか…じゃあさっきのは全部夢か?
何だかきっちり覚えてるんだけど…おかしいな?


「貴様か! 小竜姫様の逆鱗に触れたのは!」


「えっ、俺?」


何のことかさっぱり分からないんだけど…それに何で俺妙神山の門の前にいるかも聞きたいんだけど。


「忠っちは小竜姫ちゃんの背中まさぐってる時に間違って逆鱗に触れちゃったんだよ

それで小竜姫ちゃんが竜の姿になって暴走、近くにいた忠っちは気絶して自分が此処まで運んだんだよ」


キイ兄説明ありがとう。
けど竜の逆鱗って…もしかしてあの背中に合ったのか?
てっきり羽だと思ってたんだけど…ヘマやっちゃった?


「まあ忠っちがヘマやるのは何時もだからいいとして、何とかしないとね」


何時もって、そんなにやってない……はずだ。
うん、そうだよな? ヘマするってったって被害自分にしか来ない時だけだし大丈夫だよな?


「責任取れー! 死にとーないー!」


泣き叫ぶ鬼門にキイ兄が仕方ないなあと一枚の霊符を取り出した。


「この『鎮魂』の霊符を小竜姫ちゃんに貼れればきっと元に戻るはずだよ」


「おおっ! してどうやって貼るのんだ?」


「うん、忠っち任せたよ!」


そう言ってキイ兄が俺に霊符を渡す。

って、俺かよ!


「もうもたん! 小竜姫様を通すから一回で決めるのだぞ!」


ちょっと待てや! 心の準備も何も済んでないぞ!
そして、門がガバッと開いた。

そして飛び出してくるでっけードラゴン!


「忠っち、アレは竜! ドラゴンは西洋などで伝わる翼とかが生えて体が丸っこい奴が一般的だよ!」


訂正ありがとさん! けど何の助けにもならんぞ其れ!
そう思った瞬間、キイ兄がリュックに手を突っ込んだ。


「呪縛ネットー!」


キイ兄の投げた呪縛ネットが竜の姿の小竜姫様に絡まる。
そしてキイ兄の霊力が張り巡らされその束縛を強固なものにする。


「忠っち! 長くは持たないから早く!」


「おっしゃー! 此れでもくらえぃ!!」


俺は暴れる小竜姫様の額に『鎮魂』の霊符を貼り付けた。


【グ、オオオオオォォォ……】


一瞬暴れて俺は地面に振り落とされたが、だんだんと動きがゆっくりになって…止まった。
そしてゆっくりと倒れる。


俺のほうに向かって……


「ちょっとま…うひゃああああぁぁぁぁ


結局、その巨体に潰された。
けど意識あるってことは生きてるんだな。

俺って…結構……すご………


がくっ…


〜ナレーター視点〜


横島が気を失ったところで小竜姫は竜の姿から少女の姿へと戻った。


「ああ! 横島さーん! 幽霊にならずに死んじゃ駄目ーーー!!」


「ぶべべべべべべべべべべ」


おキヌちゃんは気を失っている横島に往復びんたをする。横島はその所為で気絶&白目になる。
結構やばいかもしれない…


「うぅっ、私は一体……」


そしてやっと目を覚ました小竜姫が最初に見たのは、崩れ去った修行場後…


「ああっ! 誰がこんな酷いことを!!」


「小竜姫ちゃんが自分でやったんだよ」


横島ぺしんと軽く突っ込む。
流石にこの状況でこれ以上追い詰める気は…


「そ、そんな…このことが天界にしてたら………」


「左遷どころか暫くの間さらに辺鄙なところで謹慎かな…数百年単位で」


問答無用で追い討ちをかけた。キイ、なかなかの外道っぷりである。
そこでキイは崩れ落ちる小竜姫の肩にぽんっと手を置く。


「大丈夫、こっそり直せばばれないよ。お金の方はこっちで持ってあげるし」


「ほ、本当ですか!」


小竜姫は神族のくせに神様だと言わんばかりにキラキラとした目でキイを見る。
それにキイはにっこりと笑って、


「なんてう…「それ以上言わせるかーーー!!」ぷほうっ!


地獄の其処に叩き落すようなことを言おうとしたキイを、いつの間にか復活した横島は右ストレートで黙らした。


「絶対建て直せさせますので心配しないでくださいね小竜姫様」


「あ、ありがとうございます! 感謝します横島さん!!」


涙ながらぎゅっと手を握ってくる小竜姫にくらっと来たのは横島だけの秘密だ。
だってそうじゃないと今度はその後ろでじとーっと横島を恨めしそうな目で見るおキヌちゃんが暴走してしまいそうだから。


「最後に私を鎮めたのは横島さんなんですよね。それでは最後の力を授けます」


そう言って小竜姫が横島の額に触れると、横島の体がパアッと光った。
これで総合的な霊能力の出力が上がったと小竜姫が言った。


「ふふっ、計画通り…」


倒れているキイがボソッとそう言ったのを聞いていたおキヌちゃんが、こういうのが策士って言うんだな〜と感想を漏らしていた。


「本当にありがとうございました。このお礼は何時か必ず」


妙神山を降りる前、小竜姫がぺこりと横島にお辞儀した。
横島のほうはこっちも悪いのでそんなに気にすることはないと言っているのだが、小竜姫はそれでは神族の名が廃りますと頑なに譲らない。


「あ〜、それじゃあ…今度デートでもしてください」


前にも同じことを言った気がすると思いながら横島は小竜姫をデートに誘う。
其れと同時におキヌちゃんからプレッシャーを感じるのだが横島はその原因に気付かない。


「でーと…ですか。分かりました、竜神族・小竜姫の名にかけてその『でーと』にて恩義を返します!」


小竜姫は格式ばった言葉でそれに承知する。
横島のほうは本当に意味が分かってるのかなと思いつつ、約束ですよと言いながら妙神山を下山していった。


「と、言った感じです」


妙神山から帰ってきて、キイは唐巣の元に訪れて其処であった事を話した。
その前代未聞な罰当たりな話に唐巣は頭を押さえて俯いてしまった。


「キイ君、神様を拷問紛いのことをして脅すなんて何を考えてるんだね君は…」


何も考えてない…一瞬キイの頭にそんな言葉が浮かんだが其れを言うと唐巣の髪の毛が結構な単位でお亡くなりになりそうだったので止めておいた。


「けど拷問なんてしてませんよ? あれは単なる戯れ程度です。

自分が拷問するなら相手の○×□を△☆#◇にして%$&●に…」


「もういい、分かったからそれ以上言わないでくれたまえ…」


あまりに過激な発言のため伏字が入ってしまう様な台詞を、見た目自分の年の半分にも満たないような子供に言われて唐巣は神よと祈りを捧げ始めた。


「唐巣さん…あんまり悩むとまた尊い命が犠牲に……」


「誰の所為だと思ってるんですか」


唐巣の頭を見てそう呟くキイに、唐巣は力なく答えるのだった。


〜おまけ〜


「のう、右の…」


「何だ左の?」


妙神山修行場跡地にて、鬼門たちが話している。


「我ら…何時までこのままなんだろうな?」


「体のほうも怪我だらけで動けんし、早く助けて欲しいの…」


今鬼門は、瓦礫の下に埋もれていた。
小竜姫が門の外に出る時、門はあっという間に破壊されて、その後に小竜姫が暴れた余波で崩れた岩肌の瓦礫に埋もれたのだ。
そして今になってもまだ救出されていなかったのだ。


「お〜い、こっちの瓦礫も撤去するぞ〜」


「おお! どうやら助かりそうだぞ右の!」


「やったな左の!」


自分たちのいる瓦礫のそばから聞こえた声に、鬼門は安堵の声をあげた。
どんどん撤去されていく瓦礫たち、そしてついに鬼門たちの上に乗る瓦礫が全て撤去された。
鬼門はやっと助かったと思った瞬間…


「よし、此れで最後だな」


クレーンで持ち上げられて、何故かトラックの荷台に載せられる鬼門。本人達も不思議顔だ。


「よーし、行っていいぞー」


「オーケー、パパッと運んでくら〜」


そしてそのまま発進するトラック。


「ま、待て! 我らは妙神山の修行場を守護する鬼門であって瓦礫ではないぞ!」


「右のー! 運転手が目的地は埋立地とか言っておるぞー!」


結局そのまま妙神山を降りた鬼門は埋め立て一歩手前になって、鬼門がいないことに気付いた小竜姫によって捜索され何とか九死に一生を得た。

そしてそんな鬼門に小竜姫様が一言、


「すみません、まるっきり忘れていました」


「「うおおぉぉぉぉぉん!」」


鬼門、哀れなり…




あとがき


今日もまずはレス返しからです。


>黒覆面(赤)様
>光と闇の道化師
これは他にも色々と理由があるんですがまだ内緒で…

>シメサバ丸VS八房(勝てるわけねぇ)とかグレンVSテレサとか
やって見たいですね〜。一発ネタ程度でいいからだしてみようかな?(笑)


>ジェミナス様
>横島は打たれ弱いって弱点が発覚ですね!!
>ここでゴーレムだったら防御力が上がってたのに
もともと防御力(てか耐久力?)は並以上なんで此処は別のをだしました。
今後どう影響してくるかは…未定です(笑)


妙神山の修行編終了!
何だか話が変になってないかちょっと心配(汗)

今回は何時もよりレベルが高かったキイ君の奇行。
やりすぎたかと思ってたりなかったり…

そして最近気付いた、おキヌちゃんがその場にいるはずなのに全然絡めてない…
何とか出番を増やしたいんですが、キイ君と横島君の高すぎるテンションについていかない(泣)

次回はついに横島君のボケが見れるかも…
けどそこはあまり期待しないで待っていてください!


それではこの辺で失礼します…

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