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▽レス始

「せかいはまわるよどこまでも〜13〜(GS)」

拓坊 (2005-11-07 01:12)
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〜ナレーター視点〜


日暮れ時、深い森の中を横島とキイはふらふらとした足取りで進んでいた。
おキヌちゃんのほうは今キイに言われて空に上がってお使いに行ってもらっている。


「キイ兄、流石に俺もう疲れたぞ…腹も減ったし」


逃げ出してから丸一日逃げ続けているので、横島の体力も限界のようだ。


「う〜ん、食料が入ったリュックは置いてきちゃったからな〜
休むにもそこらじゅうに吸血鬼やその眷属がいて休むどころじゃないし…」


キイの方もお腹が空いたのか、しきりにお腹をさすっている。

あの地下から脱出してから、朝になったのでもう追っては来ないと思っていたのだが、よく考えれば村人の半数はピートと同じバンパイア・ハーフなのである。
ニンニク兵器も弾切れになって、ここぞとばかりの執拗な追跡に横島たちはただ逃げ続けるしかなかった。


「あ〜、せめて何か食べたい…」


「そうだね〜。何か見つかればいいんだけど…」


その時、目の前の茂みが揺れバッと影が現れた。
それは真っ黒な体をし、しなやかな肢体、すらりと伸びた四本の足。


「犬…どうやら吸血鬼の眷属らしいな…」


眷属は吸血鬼と契約したモノ達のことで、他にもコウモリとか蛇とか色々いたりする。

唸り声を上げながらじりじりと迫ってくる眷族犬…

だが、横島とキイは怯むどころか何故か目を輝かせ始めた。


「なあ、キイ兄…俺達が今考えてることって一緒か?」


「そうだね…第二次世界大戦での食糧難のことが関係あるなら一緒かな」


そして、にじりにじりと眷族犬に迫っていく横島とキイ。

その予想外の行動に眷族犬はたじろぐ。


「なあキイ兄。犬の肉って美味いのか?」


「肉食だし、そんなに美味しくはないだろうけど…関係ある?」


「ノープロブレム…問題ない!」


その言葉と共に、眷属犬は180度回れ右して全力で逃げ出した。
どうやら自分の命の危機を感じ取ったようだ。
そうはさせるかと横島とキイはそれを追う。


「待てええぇぇぇぇ! 肉うぅぅぅぅ!!」


「大丈夫! 綺麗に捌いてあげるよぉぉーー!」


【きゃいんきゃいんきゃいん!!】


後ろから鬼の形相で迫り来る人間に眷族犬は、いつの間にかハンターではなくただの兎になってしまった。
しかも眷族犬の脚力に完全に着いてくる二人、空腹状態の二人の食べ物への執着は体の構造の限界を超えられるようだ。


「うしゃしゃしゃ! 追いつくぞ! もう追いつくぞぉぉ!!!」


もう慈悲とか情けとかを銀河の彼方に放り投げて、横島はいつの間にかナプキンとキイに渡された銀のナイフとフォークで完全装備だ。


「今日の三分クッキングは狗肉の香草包みソテーだよぉぉぉ!!」


既に献立まで考えて、エプロンを着て包丁とフライパンの完全装備で眷族犬に迫るキイ。

眷族犬にとってはそんな間抜けな二人の姿も、まるで悪魔か死神のような姿に移っているだろう。


「「待てえぇぇぇぇぇ! 飯いぃぃぃぃ!!」」


せかいはまわるよどこまでも
〜〜それいけ道楽愚連隊!! 後編〜〜


「まだ捕まっていないのか…」


ブラドー城内にて、夜になり目覚めたブラドーが何の感慨もなく呟いた。


「はい…地下の襲撃で大半の村人たちはこちら側に取り込んだのですが…私たちと来た数名はまだ……」


「ピートめ…あくまでも余に逆らう気か」


ブラドーは小さく笑いながら、血液の入ったワイングラスを握りつぶした。
そして壁からかけられている紐を引くと、壁にかかっているカーテンが開いた。
其処には…


「見ろ! これが私が征服すべき世界だー!」


「「「「「………」」」」」


それを聞いて急に黙り込む吸血鬼一同。
何処となく、ブラドーの事をアホを見るような軽蔑するような視線ばかりに見える。


「? どうしたのだ皆の者。世界地図を見るのは初めてか?」


「あの…ブラドー様……」


そう言って一人の村人吸血鬼がブラドーのの後ろを指す。
それにブラドーも後ろを振り向き…


「な、何だこれはーー!!」


其処にあったのは、


『さあ、あなたも私たちの世界へ』


と書かれた、アニメの美少女達がたくさん描かれているポスターだった。

此れで皆がブラドーに汚いものを見る軽蔑の目線を向けたのかが納得だ。
そんなものを征服するために自分たちは噛まれたのかと思えば誰だってそうなるだろう。


「ブラドー様、そういうものを征服するならば日本のアキバにでも…」


「ち、違う! 誰だ余の世界地図をこんなものに張り替えたのは!!」


ブラドーがビリッとポスターを破り捨てると、ポスターの裏から一枚のカードが落ちた。
ブラドーはそれを拾い上げて目を通す。


『貴方の威厳を頂きました byブルーリバー』


確かに、今のはブラドーの威厳を地に付くほど落としたことだろう。

ブラドーは額の血管を怒りマークにさせてそれを破り捨てた。


「皆の者! この愚か者を生きたまま余の前に連れて来い! 余が自ら手を下してくれるわ!!」


「「「分かりました!!!」」」


ビシッと声を揃えて返事をすると、村人たちは急いで捜索へと出た。


ブラドー城からちょっと離れたところにある洞窟の中でパチパチと火が焚かれている音がする。

その火のそばで暖まっているキイと横島は、現在食事中だった。


「いや、しかしあんまり美味しくないな此れ」


「だから最初に言ったでしょ? 文句言わないの」


二人のそばには積み重ねられた何かの残骸。
そして漂う香ばしい香り。


「しかし惜しかったな〜。まさか崖から飛び降りるとは思わなかった」


「助かる確率が高いほうを選んだんでしょ」


どうやら眷族犬は捕まっていなかったようだ。
それじゃあ二人が食べているものは?


「いや〜、良く考えれば村にはまだ食料残ってたんだよね」


どうやら村から取ってきたらしい。


「けど見張りはどうしたんだ? 流石に誰もいないってことは無かっただろ?」


「ああ、ちょっとね…」


そう言ってキイは懐から銀色のナイフを取り出した。心なしか赤く汚れているような気がする…


「ちょっと待て! 何をしたんだキイ兄!!」


「ふふっ、大丈夫だよ。殺したりしてはないから」


怪しい笑いをするキイに横島は冷や汗を流した。

言っていることは本当だろうが、何をしたのか分からないのがかなり怖い。


「そしたら快く食料を分けてくれたよ。何故かその後皆眠っちゃったけどね」


何をしたのかとっても気になる。だがこれ以上聞くと怖いことになりそうな予感がして横島は聞くことができなかった。


「ただいま戻りました〜」


其処におキヌちゃんが戻ってきた、洞窟の天井から。


「お、おキヌちゃんもうちょっと普通に出てきてくれる?」


行き成り宙吊りのおキヌちゃんが現れて、横島は腰が引けていた。
おキヌちゃんのほうは何に驚いたのか分からないようで不思議顔だ。
多分、彼女にとって壁とか天井から出てくるのが『普通』なのだろう。


「おキヌちゃんどうだった?」


「あっ、ちゃんと言われた通りにポスターとカードを張ってきましたよ〜。
けどアレなんだったんですか? 私よく分からないんですけど…」


「おキヌちゃん、もうちょっと色んなことを知ったら教えてあげるからね。特に大人の事情とかのことについて知ってから…」


どうやらブラドーの世界地図をアレなポスターに張り替えたのはおキヌちゃんだったようだ。

ポスターのことについて聞かれたキイの方は、まだ穢れちゃ駄目だよと話を誤魔化しておいた。


「それでキイ兄。これからどうするんだ? やっぱり美神さん達を探して合流するのか?」


「ん〜、探すだけでも結構かかりそうだし。どうせなら派手に動いて出てきてもらったほうがいいかな」


そう言ってキイは懐から何かのスイッチを取り出した。
スイッチには御丁寧にも『起爆装置』と書かれている。


「ポチっとな」


キイがそのスイッチを押した瞬間、地面がズンと揺れちょっと遠くからいくつかの爆音が聞こえてきた。


「キイ兄……今のは?」


「ん、C4が爆発した音。因みに場所はブラドー城ね」


「いつの間にそんなものを仕掛けたんだよ」


「おキヌちゃんにポスターのついでに仕掛けてもらった」


C4のほうがついでなのかよと横島は呆れ顔だ。

おキヌちゃんは成功しましたと大喜び。
何だかだんだんとキイ兄の所為で工作員じみてきたなと横島は思った。
しかも此れが普通だと思っているあたり怖いものがある。


「よ〜し、それじゃあそろそろ行こうか!」


「ああ、けど誰か死人出てないよな?」


結構な爆発だったようだし、もし近くに誰かいたら吸血鬼と言えどもただではすまないだろう。
けどキイならと思うが横島は確認のため聞いてみたのだ。


「………うん、大丈夫だよ」


「待て、何だ今の間は?」


笑顔で答えるキイだがその前に結構な間があった。横島は半眼でキイのことを見る。


「さあ忠っち! 急がないと置いてかれるよ!」


キイはササッと焚き火を消化すると、洞窟の奥目掛けて走り出した。


「こらぁぁ! 質問に答えてけーーー!!」


横島は叫びながらそれを追う。これで死人でも出ていたらたまったものではないから。


因みにおキヌちゃんは横島の肩に手を置いて引っ張ってもらっていた。


三人が洞窟を抜けて、やってきたのはどこかの地下室。
やたらと広くてがら〜んとしている。


「此処何処だ?」


「多分此処がブラドー城の地下のはずだよ」


服についた埃を払いながら辺りを見渡す。どうやら誰もいないらしい。
地下室には用がないのでさっさと上への階段を見つけると、急いで駆け上っていった。


「し、侵入者だー!!」


そして現れるブラドーにやられた村人たち。やはり殆どの村人が噛まれてしまったらしく恐ろしい数が集まっている。


「き、キイ兄どうするんだ!?」


「決まってるよ! 正面突破だ!!」


そう言ってキイは、手に持っている四角い箱を村人たちの方に投げた。

その横のほうには『C4』と書かれている。


「ふっとべーーー!!!」


「アホーー! 皆死んでまうわ! 逃げるんや皆ーーー!!」


村人たちはそれを聞いて我先にと逃げ出す。そしてキイがスイッチを押すと…

ポスッと言う音と共に『ハズレ』と書かれた旗が箱から飛び出した。

それを見て目が点になる村人一同。


「わははははーー! 今のうちじゃーー!!」


「いや〜、忠っちもノリが良くて助かったよ」


そしてその間に通路を駆け抜ける横島たち。キイは箱のほうもちゃっかり回収済み。
やっと騙されたと気付いた村人たちは横島たちを追いかけだした。

だが、三人はとっくに階段を上り始めている。


村人たちも逃すかと階段に殺到するが…


「ポチっとなパート供繊


キイがポケットからもう一つのスイッチを取り出して押すと、階段の途中においてあった箱の『ハズレ』旗が引っ込み、『大当たり』と書かれた旗が飛び出してきた。


そして爆発…


「キイ兄って本当に無駄なところだけ凝ってるよな」


後ろのほうで崩れていく階段を見ながら横島は苦笑しながら言った。


「無駄じゃないよ。やっぱりどれだけ面白くできるかが大切だよね」


爆弾なんかに旗を出したりする機能は普通いらないし、面白みもいらないだろう。
キイはその考え自体が無駄なことだとは気付かないらしい。


そして上の階についたところで、突然横の壁が壊れて何かが飛び込んできた。


「おお、小僧ども着ておったか」


「皆さん無事ですか?」


飛び込んできたのはマリアに背負われたカオス、ピートだった。
随分と派手な登場である。


「阿呆! 死ぬほどびびったわ!」


横島が叫ぶ。突然目の前で壁が吹っ飛んで何かが入ってきたら驚くだろう。


「ん、キイは何処に行ったんじゃ?」


「あれ? キイさんならさっきまで其処に…」


おキヌちゃんがそう言ったところで、横島はキイが自分より前にいたことを思い出した。そしてそれが丁度カオスたちが立っているところだと…

横島は辺りの瓦礫を見渡す。そして見つけた、

一本だけひょこっと出ている右腕を…


「……助けて〜」


「うおっ! そんなところにおったのか!!」


「き、キイ兄ーー!」


どうやら壊された壁の瓦礫に埋もれてしまったらしい。
出ている腕だけをひょこひょこと動かしてその存在をアピールしている。


「ま、待ってろ! 今助けるから! マリア、キイ兄を引っこ抜けるか?」


「イエス・やって・みます」


そしてマリアがキイの腕に近づき、


「行きます・出力・最大」


そして思いっきり引っ張った。

右腕はスポンっと瓦礫から抜け出した。


そう、


右腕だけ!


暫し、辺りに沈黙が流れた。

そして…


「ソーリー・抜けて・しまい・ました」


マリアがすまなそうにキイの本体が埋まっている辺りに頭を垂れた。


「うわぁぁぁ!! 腕だけ抜けちゃったぞ!」


「ど、どうするんですか!?」


横島とピートがその腕を見て騒ぎ出す。


「落ち着け! こういう時は警察と消防に連絡を!!」


落ち着いてるようで結構錯乱しているカオス。こんなところに警察署や消防署はない。


「キイさん私と一緒になるんですか?」


そして見当違いなことを言うおキヌちゃん。どこか嬉しそうなのがちょっと怖い。


「腕〜、俺の右腕〜〜」


行き成り底冷えしそうな低い声が瓦礫の下から聞こえてくる。
どうやら自分の腕を捜し求めているようだ。


「腕返せ〜、右腕返せ〜」


まるで怨霊のような声を響かせる。
其処にいる男三人はそれを聞いてマリアの後ろに隠れた。
少なくとも見た目は女性のマリアの後ろに隠れて男のプライドはないのか?


「腕ぇぇぇーー!!」


そう叫びが聞こえたとたん、マリアの持っていた腕がビクンと跳ね上がった。
それを間近で見た男三人はヒィッと腰を抜かしそうになる。

そして腕は地面に落ちる。

それを恐る恐る見守る皆。暫く経っても動かないのでどうしようかと思った瞬間。
バッと指を限界まで広げると、そのまま指を使って凄い速さで動き出す。


「「「ヒイィィィ!」」」


「わぁっ!」


「……」


それを見て男三人は顔を引き攣らせる。下手な幽霊や化け物たちより怖い。

おキヌちゃんは驚いたようだがビックリ箱に引っかかった程度にしか驚いていない。
やはり幽霊だからだろうか。

そしてマリアは特にこれと言った反応がない。


右腕はそのまま瓦礫の下に隙間を縫って入っていった。


暫く経ってまたひょこっと、今度は左腕が飛び出してきた。


「……助けて〜」


そしてさっきと同じように助けを求め始めた。


「マリア、あれ吹っ飛ばしてくれ」


「了解・です」


横島の言葉にマリアが両腕に装備しているミサイルを発射した。
ミサイルは瓦礫に着弾し爆発、瓦礫をバラバラに吹っ飛ばした。

そして瓦礫があったちょうど中央辺りにキイが黒こげで倒れていた。


「行き成り何するのさ!」


「うるせぇー! アホなことやってるからだ!!」


たいしたダメージもなくむくりと起き上がり抗議するキイに、横島はピシャリと言い放った。
それを見ていたピートとカオスは理解不能だとばかりに頭を抑え、


「死んでなかったんですね…」


「おキヌ・さん・残念・でしたね」


残念そうに怖いことを言うおキヌちゃんをマリアが慰めていた。


気を取り直してさらに上の階へと目指す一同。
そして、最上階が近づいてきたところで、


「美神さん! それにエミさんも!!」


美神とエミが一対一で戦っている。
お互いに服が激しい攻防を繰り広げていたように見える。


「皆、やっと着たわね!」


「ちっ! 増援なワケ!」


二人は一旦離れるが、視線は逸らさず睨みあう。


「美神さん! 唐巣神父や冥子ちゃんは?」


「私がエミを相手にしているうちに先に行ったわ! あんた達も早く手伝って!」


そう言って美神が一瞬横島たちの方を見た。
その瞬間、エミが美神との一気に間合いを詰める。


「貰ったワケ!」


「しまっ…!?」


美神はエミの攻撃を受けそのまま壁に叩きつけられた。


「美神さん! 大丈じょ…ぐぇっ!?


横島が美神に駆け寄ろうとした瞬間、キイに服の襟をつかまれて喉が絞まった。


「な、何するんじゃ!!」


首を押さえながら怒鳴る横島。だがキイは全くかまわず美神の方を見る。


「令子ちゃん…噛まれてるでしょ?」


キイはただポツリとそう呟いた。
それに横島だけではなくおキヌちゃんもカオスやピートも動揺する。


「な、何言ってるんですかキイさん! 今までエミさんと戦ってたのに…」


「その通りよ。私はとっくに吸血鬼なのよ」


おキヌちゃんの言葉を無視して、美神はエミの攻撃が何でもなかったかのようにすっと立ち上がった。


「なっ、ぐおっ!?」


そして急にカオスの驚く声がして、苦悶の声が聞こえた。


「ドクター・カオスっ!」


ピートの声と共に横島が後ろを振り向くと、其処にいたのは…


「ご苦労様先生、流石に手際がいいわね」


「私は…不本意なんだがね」


唐巣がカオスに牙を突き立てていた。
カオスはがくっと膝をつき、唐巣は困ったような顔で美神のほうを見ている。
そして唐巣の後ろには、


「冥子…ちゃん……」


「ごめんなさ〜い! わたし〜わたし〜〜〜!!」


冥子が涙目で謝っていた。その横メキラを携えている。
どうやらメキラの能力の瞬間移動でカオスの後ろ側に現れたようだ。
美神が吸血鬼になっているという衝撃にこれでは、カオスでも対応できなかったのも頷ける。

横島は今の事態に頭がついてこず呆然としている。


「何時から…ってのは多分、小屋に帰ってきた最初からなんだろうね」


「その通りよ」


キイの言葉を美神はまたあっさりと認めた。

美神はエミを探しに出た後、エミを見つけるが既に吸血鬼となっており何とか抵抗するが後ろからブラドーに襲われ、血を吸われたのだ。

そして後は知っている通り、エミと戦っている振りをしながら小屋に入ってきて一緒に逃げる。
本当なら地下に入ったところで襲うつもりだったのだが、其処に唐巣が隠し通路から現れて中断した。

そして今まで謎だった地下に何故ブラドー側の吸血鬼が入ってこれたのか? ということ。
それは美神が全て手引きしたのだ。塞いだはずの通路はスイッチにさり気無く細工し、道筋を知らせるため通路の彼方此方に傷などを残しておいたのである。


「よく気付いたわね」


「地下にもぐったとき、真っ暗だったのに現れた唐巣さんのことすぐ分かってたからね」


「ああ、そういや人間じゃあ暗闇じゃあ人の顔なんて確認できないわね。失敗だったわ」


「それじゃあ、先生と六道さんを襲ったのは……」


ピートの言葉に美神がふっと笑った。自分がやったと言わんばかりに。
地下で襲われたとき三つに別れ、暫くたってからまず影に誘い込んで冥子を、そして神父を襲ったのだ。
二人はまさか美神が吸血鬼になっているとは思わず。油断していてなす術もなかった。


「忠っち!」


「な、何だ?」


あまりのことに意識が遠くなっていた横島は、キイの声に何とか意識を取り戻した。


「ピート君を連れて先に行って。多分此処をまっすぐに行けばブラドーはいるから」


「なっ! キイ兄はどうするんだよ!!」


つまりキイはここにいるプロのGS達四人を一人でどうにかしようとしているのだ。


「そうです! 四人も…「五人じゃよ」…なっ!」


膝をついていたカオスがすっと立ち上がった。その口元には尖った犬歯が見て取れる。
彼もまた、吸血鬼となってしまった。


「カオスがこっち側ならマリアも合わせて六人じゃないワケ?」


「いや、マリアはホレ」


そう言ってカオスはマリアを指す。
マリアは目を閉じ、自分を抱くように腕を組んで静かに佇んでいた。


「ワシが噛まれたとたん、助けようと動いたんじゃがな…無駄だと分かって強制スリープモ−ドに入りおったわ。

よほどお主らと戦いたくなかったんじゃな」


そう言ってカオスは横島の方を見る。今の言葉の大部分は、彼に向けていっているようだった。


「しょうがないわね、まあ五人でもどうとでもなるわね」


そう言って美神が一歩進もうとした瞬間、


「サイキック猫騙し!!」


キイが拍子を打つ。その瞬間キイの体全体から眩い光が放たれる。
美神達は警戒はしていたのだがその早すぎる行動に、流石に対応しきれなく目を潰されてしまう。


「な、何があったんだ?」


だが、横島はすぐそばでその光を受けたはずなのに全く効果が現れていなかった。
実はキイ、横島とおキヌちゃんとピートにだけは効果がないよう霊波のパターンを操作して光を見えなくしていたのだ。
条件は『三人だけには光が見えないようにする』なのでキイにはそこまで苦労するようなことではない。


「これを持って早く行って! 此処は自分がどうにかするから!」


キイは横島に背負っていたリュックを渡す。


「でも…」


「早く!!」


何時になく真剣なキイの表情に、横島はリュックを背負うとゆっくりと頷きピートを連れて走り去った。

キイはそれを見送り、すっと美神達に視線を戻した。
すでに目潰しの効果は消え、しっかりとこちらを見ている。


「やってくれるわね…流石と言うべきなのかしら?」


「あははっ、褒めて貰えるとは光栄だね」


美神が神通棍に霊力を流し、キイに先を向ける。


「キイ、容赦はしないワケ」


「そんな事言わないでゆったりしようよ」


エミが数枚の呪符を構える。


「わたしもこの子達もキイ君と戦いたくないわ〜。キイく〜ん、降参して〜」


「魅力的だけど難しい相談だな〜」


涙目の冥子が式神たちを影から出す。
式神たちも何処となく嫌がっている。


「キイ君、すまない」


「いえ、謝らないといけないのはこっちですよ」


これから行うことに先に謝罪する唐巣。


「キイ、逃げぬのか?」


「此処で逃げれるわけないでしょ?」


マントに体を隠したままのカオス。


五人がキイを取り囲み、それぞれ霊力をどんどん上げていく。
この状態になれば、いかなる上級の悪霊でも滅されることは確実だろう。

だがそんな中、キイは平然とした様子で何時ものようにニコニコとした笑顔を浮かべている。


「そうだな〜…そういや自分まだちゃんと皆に言ってなかったよね〜
確認のために言っておくね」


そう言ってキイは刃の青い短剣と、銃身が赤い小銃を創り出した。


「自分…


人間じゃないんだよね


キイの姿が美神達の前から掻き消えた…


「私…どうしましょう?」


そして一人この状況について来れないおキヌちゃんは途方にくれて、とりあえず危なくないように天井近くでキイの戦いを観戦することにした。


長い通路を走る横島とピート。


「キイさん…本当に大丈夫でしょうか?」


ピートが心配そうに横島に尋ねる。
あんな絶望的な状況では普通数秒も耐えられないだろう。


「まあ、キイ兄が大丈夫だって言ってるんだし…大丈夫だろ」


横島がそう答えた。
今までキイと一緒に暮らしてきた横島なら、キイならどんな反則な手を使ってでも乗り切るだろうと確信していた。

その安心しきった横島を見て、信頼しているんだなと其処まで信じられる人がいることにピートは少し羨ましく思った。


「さて、ついたな…」


大きな扉の前に着き、二人は足を止める。
この奥に今回の事件のボス、ブラドーがいるはずだ。
横島とピートは同時に扉を開き、中に飛び込む。


「ブラドーーーー!!」


広い部屋の中、その奥の段差の上に吸血鬼ブラドーが悠然と立っていた。
ブラドーはゆっくりとピートに向く


「ほう、来たか。父親に勝てると思うのか?」


「うるさい! 何時までも13世紀で頭の成長が止まっている父親が偉そうなことを言うな!!」


ピートは霊力を体全体で解放しながらブラドーに飛び掛った。
だがブラドーはただ何もせず、ただ突っ立っている。
そしてピートの拳がブラドーの頬に届いた瞬間、


「なっ!」


ピートの拳はブラドーを捕らえることなく空を切った。
だが、ブラドーはピクリとも動いてはいない。体もその場にちゃんとある。

ただ、殴られるはずだった顔を霧へと変化させたのだ。

それだけで拳は空振り、それに驚愕したピートは隙だらけだ。


「ぐぅっ!?」


ブラドーの蹴りがピートの腹部にきまり、宙に軽く浮く。
そしてまるで撫でるかのようにピートの頬に手を添え、軽く押しやった。
ただそれだけで、ピートの体は軽々と吹き飛ばされた。


「うわぁっ!」


調度品を引き倒しながピートは地面に落ちる。


「大丈夫か!?」


横島が急いで駆け寄る。


「な、何とか…」


ピートは頭を押さえながら立ち上がる。
ブラドーは追撃はせずにただこちらを見下げていた。


「そんなものかピート…」


つまらんとばかりに吐き捨てるように言うブラドー。
ピートは歯を食いしばり、悔しさに身を震わせる。
今にも飛び掛りそうなピートを横島が何とか抑えていた。


「いいか…ピート、俺に策がある。よく聞けよ?」


横島はピートの耳に策を告げ、リュックの中から何かを手渡す。


「? そんなことでいいんですか?」


「ああ、しくじるなよ?」


ピートが頷き、二人は左右に分かれた。


「何をする気か知らんが…余を甘く見るなよ?」


ブラドーの体が霧へと変わり、横島の背後に出現する。
そして、そのままその首筋に…


「他愛も…ぐぉっ!?」


牙をつきたてようとした瞬間、何かの力に弾かれた。
ブラドーは何事かと驚きつつ距離を取る。


「貴様! 何をした!」


「へへっ! 此れだよ!!」


そう言って横島は服を捲って自分の肩口を見せる。
そこには、何枚もの『邪気退散』と書かれた札が貼られていた。
その札が噛み付こうとブラドーに反応し、退けたのである。


「小癪な真似を!!」


「うるせー! これが人間の知恵って奴じゃ!!」


横島はサイキックソーサーを両腕に構えて、ブラドーと肉薄する。
ブラドーは人間にしてやられて頭に血が上ったのか横島を執拗に襲う。
しかし、やはり人間と侮っているのか霧になったり眷族を呼び出したりはせずにその体のみで襲い掛かる。

横島は防戦一方になり、防ぎきれない攻撃もあるが致命傷にならないように捌いている。

その時、ピートがブラドーの後ろに現れ羽交い絞めにする。


「何っ!?」


「横島さん! 準備できました!!」


「よっしゃ、そのままでいろよ!!」


横島はカバンから一枚の霊符を取り出し、自分に貼り付けた。
札に書かれているのは『核』の文字。


封印結界・発!


横島が『核』の霊符に霊力を送ると、部屋の四方に増幅された霊力が流れる。
其処にあるのは『封印』と書かれた霊符。
それぞれの霊符が霊波で繋がれ、この部屋の中を囲うように包み込む。


「愚か者めが、こんなもので……」


ブラドーの体が霧になろうとぼやけた。
だが、それ以上変化はなく、キャンセルされた。


「何だと! 何故霧になれん!」


「へっ! この結界は中にいる奴の『能力』を封印する結界だ!
霊符はキイ兄特性だからそう簡単には破れないぜ!!」


ブラドーが何度か霧化を試すが全てキャンセルされる。
これぞ人間が上位の存在に対抗するべく編み出した戦い方なのである。


「くっ! だがそれなら貴様らも同じ条件のはずだ!」


ブラドーは拘束を解こうともがくが、体に力が入らずピートを振りほどくことができない。


「ところがどっこい、俺はこの『核』の霊符を貼ってるから結界の効果とは対象外だ。
因みにピートも同じような『補助』を貼ってるからな」


この結界を維持するには、結構な量の霊力が必要となる。もし此れを一人でまかなうとなると横島だけでは心もとない。
そこで、『補助』の霊符を使ってピートからも霊力を供給し、二人がかりで結界を維持しているのだ。

ブラドーが悔しげに顔を歪ませ、横島を睨みつける。
魅了などの魔眼を使おうとしたらしいのだが、やはり効果はなかった。


「そして、キイ兄は無駄なところで本気をだすからさ……こんなものを作ってたりするんだな」


横島は霊力を霊符に集中させ結界を維持させつつ、一枚の霊符を取り出した。
其処に書かれている文字は、『破邪』でも『邪気退散』でもない。


『抱腹絶倒』


なんの捻りもないそのままの意味だ。
むしろ霊符と言うより呪いのお札と言ったほうがいいかもしれない。


「ふっふっふ、此れを貼られたら最後。剥がしたとしても最低一日は笑いが止まらない恐ろしい霊符なのだ!!」


言ってる言葉はアホらしいが、その効果は十分に脅威となろう。
ちゃんと死なないように息継ぎはできるようになっているらしく、その辺は安全仕様だった。

因みに横島は一度此れをキイに貼られ、腹筋が攣っても笑い続け、ビクッビクッと痙攣し始めたところでやっと止まったのだ。
それを思い出して横島の顔がブルーになる。


「なっ! 貴様そんなものを余にどうするつもりだ!」


「決まってるだろが! テメェもあの地獄の笑撃を味わえ!!」


そして横島は容赦なくブラドーの額に霊符を貼り付けた。


「くぅ! こんなも……」


ブラドーが何か言いかけて、


「…ふは、ふははっ、はははははは!!」


早速効果が現れ始めた。


「ふははっ、きさ、ははっ、まら、ふはははは! ただですむと思うなーーはははははははー!!」


凄んで言っている様だが笑いながらなので全然怖くない。こうなれば威厳もへったくれもないと言ったところだ。

腹を押さえて笑い続けるブラドーを見て、ピートは横島の横に並んだ。


「これで……勝っていいんでしょうか?」


何だか意外すぎると言うかそのアホらしさに、ピートはこれで決めていいのかと戸惑っている。


「ピート、少なくとも俺が一番良く知っているプロのGSは…此れでも序の口だぞ?」


横島が言ってるのは勿論キイのことで、此れに増してアホな勝ち方をすると確信していた。
そう断言する横島を見て、ピートはちょっと引いている。


結局、笑い転げているブラドーをピートが噛みつき。服従の魔力の秩序が崩壊した。


「ふっ、勝利の後は何時も空しいものだな…」


そう言ってカッコつける横島。


「空しいと言うか、ただ馬鹿馬鹿しかったですね」


そしてそれにピートが苦笑交じりに言葉を重ねた。


二人はとりあえずブラドーはそのまま放っておいてキイと美神達のいた場所へと走っていた。
あの後誰も追ってこなかったことから、キイが何とかしたとは分かるのだがやはり心配になってのことだ。

そして、最後の曲がり角に辿り着き其処で二人が目にしたものは…


「うふふふ〜、皆仲良しのお友達よ〜〜」


満面の笑みでむにゃむにゃと寝言を言いながら眠っている冥子。


「ぐぅおっ! また失敗じゃーー!!」


頭を押さえながら地面を転がりまわるカオス。


「ふっふっふ〜、捕まえたわよピート〜」


何処となく艶っぽい声で柱に擦り寄るエミ。


「ふっ、燃え尽きたよ…」


そして某ボクサーのように体全体を真っ白にさせて座り込む唐巣。

皆何か幻覚のようなものを見せられているようだった。

そして残りの美神とキイは…


「ま、待ちなさいキイ! もう私は吸血鬼じゃないわ! ほらっ、牙だって取れてるでしょ!!」


「ふふふ〜、秘密を知ったからにはって奴だよ〜」


じりじりと美神が壁際に追い詰められている。キイの方はあいかわらずニコニコと笑っていた。


「秘密って、アンタが人間じゃないって奴? それアンタが自分でばらしたんじゃない! それにそんなのちょっと付き合えば誰だって気付くわよ!!」


そりゃ、会った時にいきなり血まみれだったり、全身複雑骨折したりして平然としている相手を人間だとは普通思わないだろう。


「今のは建前だよ〜。本音はこの『良い夢みせるぞーナイフ』と『悪夢みせるんだーガン』のお試しだよ」


そう言って青い短剣と赤い銃を見せるキイ。


「じゃあ、せめて良い夢見せるほうにして!」


「ん〜、でも近づくの面倒だし…ゴメンね♪」


そう言ってキイは、笑顔を浮かべながら『悪夢みせるんだーガン』を美神に撃った。
そして美神は力なく崩れ落ちる。


「あっ、あぁっ! 私のお金がー!?」


どうやら美神の悪夢はお金が無くなっていくことらしい。


「「お、鬼、悪魔…」」


それを見ていた横島とピートは口を揃えて率直な感想の述べた。


「あっ、キイさ〜ん。横島さんとピートさん帰ってきましたよ〜〜」


天井で待機していたおキヌちゃんが横島とピートの帰還をキイに知らせる。
それを受けて、ゆっくりと振り返るキイ。
その頬には血が数滴付着している。

だが倒れている誰も怪我なんかしてない…不思議だ。


「あれ? 二人とも帰ってきてたんだ…」


そう言って、短剣と銃をしまわず二人に歩み寄るキイ。
その笑顔が余計に恐怖を誘う。


「ところで二人とも…今の話聞いてた?」


キイがにっこりと笑いながら首を傾げる。そしてツーっと血が頬を流れる。
何だか猟奇殺人をした後みたいでとてもダークな感じだ。


「き、聞いてない! そうだよなピート!!」


横島は全力で手と首を横に振りながらピートに振る。


「えぇ! 美神さんとの会話なんて聞いてません!」


横島が『馬鹿野郎!』と思った瞬間、キイの持っている赤い銃が火を噴いた。
そして額を打ち抜かれて倒れるピート。


「に、ニンニクが! 空からニンニクが降ってくるぅぅーー!!」


悶え苦しむピートに横島は冷や汗を流す。


「忠っち、今…何か見た?」


「何も見てません、サー!!」


チャキッと銃を向けながら尋ねてくるキイに横島は敬礼しながらそう答えた。

結局この戦いで生き残ったのは、蒼河霊脳相談所の所員だけであった。


それから村人たちは解放されてて、これまで通りに平和な生活を送っていくことになった。
ブラドーのほうはとりあえず棺桶の中に戻っておいて貰うことになった。ただなかなか笑いが収まらなくて夜な夜な城中に笑い声が響いていた。


〜おまけ〜


帰りの飛行機の中で…


「ん〜、何だか最後のあたりの記憶がないのよね〜」


美神が腕を組んで首を捻っている。
それを聞いて横島の体がびくっと跳ねた。


「あ〜、私もなのよ〜」


冥子も自分もそうだと言いながら首を捻る。
そういえばとエミとカオスと唐巣も何故だろうと不思議顔だ。


「僕はブラドーを倒して、皆さんのところに駆けつけて…」


其処まで言ってやっぱり思い出せないと考え込むピート。
因みにその時倒れていたのは疲労により急に倒れたとキイに説明されていた。


「不思議なこともあるんですね〜」


そう言うのはおキヌちゃん。
これはキイに何か言われたりしたわけではなく、素で何故記憶がないか分かっていないようだ。
どうやらあの短剣と銃は相手に夢を見させる程度にしか理解していないらしい。

そして唯一、あの場で何があったのか理解している横島は…


「あ〜…実はそれは……」


横島が口を開こうとした瞬間、『パシュッ』と軽い音がした。


「あれ? 横島さん寝ちゃったんですか?」


おキヌちゃんが急にぐったりした横島の目の前で手を左右に振る。


「やっぱり疲れたんだよ。そっとしておいて上げて」


そう言ってキイは、懐に赤い何かをしまい込んだ。

結局、美神達は吸血鬼の魔力が抜けたことによる後遺症。ピートは疲労で意識が曖昧だったという事になった。
どこか納得できないが、此れといった答えもないのでしょうがない。

そしてキイが、口元をニヤリと吊り上げて微笑んだ。


「うぅ〜……るん……」


そして、うんうんと悪夢にうなされう横島が目覚めたのは、行き成り絶叫を上げてキイに煩いと殴られたときだった。




あとがき


まずはレスを返させていただきますね〜


>ジェミナス様
ブラドー編…ギャグムズイですね(汗)
おキヌちゃんは言うなればキイの言葉を純粋に受け取りすぎるって感じですね。
『これはあの人たちを楽にするものだよ』って言われたら
『気分が良くなるんですか〜』程度に捉えるのです!
ビバ天然!


>asahi様
グレンのような一発キャラをちょっとだしてあげたいと思って書きました。
これからもちょくちょくおまけに登場するかもです(あくまで未定(笑))


ブラドー編終了! ギャグが少ないぞゴメンナサイ!

と言うわけで何とか書き上げたのですが…横島君がブラドーに勝つなんて強すぎ?
まあ、キイ印のアイテムのおかげと言うことで(笑)

キイ君はちょっと外道過ぎるか? それともまだ足りないか?
まあ笑いを求める彼は、その状況次第と言うことで(笑)

次回はついにあの彼女の登場か?
どうやって話を組み立てるか難しいぞ!(ヲイ!)
そしてあの存在はどうしよう!(ヲイヲイ!!)

何とか仕上げさせてもらいます(汗)


それではこの辺で失礼致します…

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