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▽レス始

「妙神山のただおくん27(GS)」

のりまさ (2005-11-04 00:22/2005-11-04 21:43)
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<六道>
「ど、どういうことですか!?」


 最初に噛み付いたのは生徒会長ね〜。いい噛み付き具合だわ〜。どうやらこの子もあの子にやられちゃったみたいね〜。


「どうもこうも〜、式神を倒した方が勝ちってルールだったでしょう〜? それで式神に止めを刺したのは令子ちゃんじゃな〜い」


 うっと詰まる生徒会長と〜、それはあまりにも不憫だろうというみんなの視線が私に集まるわ〜。


「でもあれほどの力があるのに……」


「でも〜、ルールはルールでしょう〜? 守らなくちゃ駄目よ〜」


 真面目でお堅い生徒会長には〜、ルールと言う言葉が弱いわね〜。でも生徒会長〜、あなたならどうするべきか分かってるわよね〜?


「し、しかし……そうです! 私は一度も勝てなかったら追い出すなど言っておりません! あくまで勝負をするというだけで! これは元々六道に入るだけの実力があるかどうかを試すために試験だったのですから、その力を見せた彼ら男子は十分に六道に入る権利があるのでは」


 そうよ〜。よく思い出したわね〜。


「そういえばそうだったかしら〜。生徒会長はこういうけど〜、みんなはどう〜?」


「「「「「異議な〜し!」」」」」


「それじゃあ問題ないわね〜。六道女学院は〜、あなたたちを歓迎するわ〜」


 これで生徒会長の顔を潰さずに〜、男子たちを迎え入れることができたわ〜。あの式神の暴走は予定外だったけど〜、結果的には上手くことは進んだわね〜。……でもあの暴走の原因は〜、少し調べておかなきゃね〜。


妙神山のただおくん〜るっしー、奮闘する!〜


<忠夫>
「……です。趣味は……」


 もうすぐ俺の紹介する番だ。緊張する〜。心眼はあれから眠っちゃったし、雪乃丞とはかなり席が遠いから、少し心細い。

 あれから体育館に戻ってみると、あれほど拒否ムードだったのにみんなに拍手で迎えられた。勝負がどうなったのかよく分からないが、どうにか受け入れてもらえたらしい。それからは予定通り入学式は進み、各クラスに移動してからの自己紹介が始まった。ちなみに霊能科の男子は数が少ないから、みんな同じクラスにいる。つまり俺と雪乃丞、勘九朗さんと陰念はみんな同じクラスだ。本当はもう一人居たらしいが、今その人は入院しているらしく、入学式には出れなかったということだ。

 勝負の後、美神さんが俺の耳元で囁いた。


「礼を言うのを忘れてたけど、今回は助かったわ。ありがと。借りを作りっぱなしというのも嫌だから、この借りはいつか返すわ」


 最初は少し冷たい人かと思っていたが、案外可愛いところもあるのかもしれない。


「次、横島忠夫くん」


「あっ、はい」


 担任に呼ばれ、俺は考えごとを中止して壇上にあがった。それにしても周りを見渡すと……本当に女子ばっかりだな。少し恥ずかしいけど、俺も男だから女の子がいっぱいいるのは少し嬉しい。


「えー、さっきので知ってると思いますけど、横島忠夫です。伊達雪乃丞とは同じ小学校からの友人です。えー……何か質問はありますか?」


 正直、あまり紹介することなんてないなあ。一応妙神山預かりなことは言っちゃいけないことになってるし。そりゃ言おうと思えば話の種はいくらでもあるよ? 二人の姉の両方が神族とか、おじいちゃんが孫悟空とか、一緒に住んでる女の子はこの学校にも入学している幽霊だとか、妹は金毛白面九尾の狐だとか、竜神とまともに戦える幼馴染がいるとか。でも基本的に全部秘密にしろと言われているから秘密にしとく。


「「「「「「「はーい!」」」」」」」


 う、いっぱいいるな。みんなさっきの戦い見たのだからある程度は予想していたけど。


「趣味は何ですかー?」


「えっ、趣味? う〜ん、昔はミニ四駆だったけど今は卒業してるし……」


「じゃあ、どこに住んでるの?」


「どこって、えーと確か……」


「それじゃあ、修行はいつ始めたの?」

「特技は? あ、もちろん霊能以外でね」

「家族は何人いるの〜? お兄さんとかいない?」

「彼女いますかー? もしくは女の子の趣味は?」

「運命の出会いって信じます? うふふふふふ……」

「生年月日は? もしかしてふたご座とかじゃない?」

「そうそう、血液型は何型? 私B型なんだけどもし横島君が……」


 疲れた。

 これが女子校生パワーか!? 勘九朗さんや陰念の時はこんなに質問なかったのに……。とりあえず全てに答えて、僕は席についた。校内式神鬼ごっこよりも疲れたぞ。


「次は……お、最後か。ええ〜、ルシオラくん?」


「はい」


 俺は横島の「よ」だから、出席番号でいうといつも最後の方で、今回は後ろから二番目。だから俺の次はもう最後になる。確か女子だったかな。


「先月から日本に帰ってきた、帰国子女のルシオラです。最近霊能に目覚めたのでこちらに入学してきました。日本のことはよく分からないのでよろしくお願いします」


 ぺこりと頭を下げると、さっきの俺と同じくらいの質問の嵐。帰国子女って今ではかなり増えたし、全国から霊能者が集まる六道女学院なら少ないことではないけど、やっぱり珍しいから当たり前と言えば当たり前だ。
 ルシオラさんは「どこから来たの?」とか「外国のオカルトってどう?」とかの質問に笑顔で返していく。……よく見るとルシオラさんは結構、いやかなり可愛い方だと思う。それにどことなく小竜姉ちゃんに似ている気がするし。例えば胸とか胸とか胸とか胸とか。


「ルシオラちゃん一人でこっちに来たって言ったけど、どこに住んでるの? もしかして一人暮らし?」


「ううん。実はホームステイさしてもらってるの」


「へー、どこに?」


「うん、実は……


横島君のところに♪」


 ……へ?


「なんですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」


<ルシオラ>
「ど、どういうことよ、それ!?」

「きゃあぁぁぁぁ! 不潔よ、えろえろよー!」

「二人って付き合ってるとか!?」

「ああ、もしかして二人は毎日そのうら若き肉体を押さえきれない欲情のままに互いに貪りあっているんじゃ……」


 女子たちは大混乱。ふっ、予想通りね。これで良くも悪くも私とヨコシマの仲は公認されたも同然。土偶羅様に不眠不休でシミュレートさせた甲斐があったわ。恋は戦い! クラスのみんなはまだヨコシマには憧れや興味の域を出てないわ。そうなる前に私とヨコシマの関係を刷り込まなきゃね!


「ちょ、ちょっと待ってルシオラさん! 俺はそんなの知らない…」


「そんなルシオラさんなんて他人行儀な……。昨日はあんなに……」


 「いやん」と、頬を手で挟んで赤らめながら首を振る私。アシュ様がコンプリートしている少女漫画に描いてあったポーズだ。


「「「「「「いやぁぁぁぁぁぁぁっぁ!」」」」」」


 女子たちが歓声を上げて今度はヨコシマの方に詰め寄る。なぜか陰念の声が混じっていたがそれはこの際無視だ。

 ……ごめんね、ヨコシマ。どうぜいつかばれるなら、少しでも長く校内公認カップルな雰囲気を味わいたかったの。


<忠夫>
「ねえ、さっきのどういうこと? 冗談にしては少し手が込みすぎているけど」


「ふふふ、もうすぐ分かるわ」


 帰り道、雪乃丞と分かれていつものアパートをから妙神山に帰るんだけど……今日はなぜかルシオラさんが一緒だ。ルシオラさんは美人だから一緒にいて嬉しくないはずないけど、あんなことがあったから素直に嬉しくない。あの後は大変だった……。それに一応あのアパートから妙神山に行けるのは秘密だ。


「あ、俺こっちだから……」


「なに言ってるのよ。そっちからじゃ遠回りになるわよ」


 俺の家を知ってる? そうこうしている内にアパートの前に着いてしまった。


「もしかしてルシオラさんもこのアパートなの?」


「さん付けは止めて欲しいんだけど」


「じゃあルシオラ、ここが君の家?」


「ふふふ、だからもうすぐ分かるって言ってるでしょ」


 ルシオラは階段を上がると俺の部屋の前に立ち、ポケットから鍵を取り出し扉を開ける。


「ちょ、ちょっと!? そこは俺の……」


「いいからいいから」


 そのままルシオラは俺の手を引っ張り、異空間ゲートを通り妙神山に辿り着いた。俺が呆然としていると、小竜姉ちゃんが駆け寄ってくる。


「お帰りなさい、忠夫さん!」


 なぜか小竜姉ちゃんはルシオラをあえて無視して俺に抱きついてきた。心なしかいつもより大胆だ。


「あら、小竜姫さん? 私の顔が見えないのかしら? それともあなたの目はヨコシマしか映さないの?」


「あら、居たのですか、ルシオラさん。あまりにも影がないので気付きませんでした。特に胸の


「あらー、その理論で行くと、あなたは誰からも気付いてもらえないんじゃないかしら?」


「ほほほ」


「ふふふ」


 うう、久しぶりに胃が痛い……。


「っじゃなくて、小竜姉ちゃん、これどういうこと!? なんでこの子がここに?」


「言ってなかったんですか、ルシオラさん?」


「後から驚かせた方が面白いかなって……」


 小竜姉ちゃんはため息をついて、


「この子はあるデタント派の魔神の娘で、魔族です。デタントの一環として神魔交流のテストケースとして妙神山にやってきたのです」


 それはそれはとても残念そうに言った。


 聞いてないよー。


 続く


あとがき
 るっしー本格的に登場。今回は結構息抜きな感じの回。後秘かに一人称が俺で固定されました。それにはほんのちょっとだけ前世の記憶が関係あるのかも? ちなみに少しずつですが煩悩も出てきてます。小竜姫様の教育であまり出てませんでしたけど、思春期ですし。でも煩悩は上手に書かなきゃただの情けないキャラになりやすいんですよね。原作はその辺とやる時はやるギャップが見事でしたけど、自分にはあれほど上手に書けそうにないので、少し違った感じになると思います。
 ではレス返しを。

>迷える駄犬様

>よくもまぁ霊力が尽きないな?
 予定では月に行かないので、月神族をどう出そうかと思い、無限拳といえば月面パンチ!と思い出しました。一応月面まで伸ばせるのは未完成文殊の力のおかげです。


>ジェネ様

>でも生徒会長ぶっ飛ばしてでも迎え入れそうな雰囲気
 実は生徒会長もこっち派になっちゃいました。忠夫くんが負けたのはここで美神が負けるのはなんか嫌だなあと思ったので。生徒たちもいくら忠夫くんが相手でも尊敬する美神が負けるってのはそれはそれで納得できずに新たな波紋を呼びそうだったので。


>マヒマヒ様

>キーボードのF5が壊れてるの方がリアルで笑えたような気がします。
 すいません、実はあまりパソコンの操作詳しくは知らないんです(泣


>黒覆面(赤)様

>いやいや、、シリアスも中々に楽しめます。自信を持って書き進めてください。
 そう言ってもらうと助かります。これからも応援よろしくお願いします。


>弧枝様

>今後のデミアンの出方は
 デミアン側も六女が落ち着いたら出そうと思います。


>masa様

>あー、流石に人妻熟女フラグまでは立ちませんよね?
 さすがにそれは……(汗。インモラルとかは苦手なんで。でもある意味小竜姫の行動もある意味インモラ(以下自主規制)。まあ、「可愛い子」程度には思ってますよ。


>ゆん様

>そういえば、エミは?
 エミさん……出るかな? これ以上キャラ増えたらブルーの影がますます薄くなりそうで……(汗。


>もも様

>心眼って例によって女性ですか?
 心眼は今回女性化も擬人化も考えていません。まあ、相方というかお目付け役みたいなものです。


>D,様

>OPの『一万年前から』の部分が『千年前から』に一瞬かわった・・・・・
 本当は無限拳打つときに「一千年と十三年前から〜」って入れようと思ったんですけど、さすがに止めました。


>奇坊様

>この心眼&神無ナイスですよ!
 応援ありがとうございます。神無が少し不安だったんですが、そう言ってもらえると嬉しいです。


>菊重様

>しばらく笑いがとまりませんでした
 ああ、そこは実は私も結構気に入っていて、太字にしようかどうか結構迷いました。気に入ってもらえて結構です。


>tomo様

>無茶すぎる技は控えめにしていただけるとうれしいかな?
 ちょっとやりすぎましたかね? 私としては無限拳と月面はセットなのでいずれやりたかったので……。次からは少し気をつけます。


>柳野雫様

>それにしても心眼・・。流石小竜姫から生まれし者。冷静に萌える発言、素敵です。
 壊れた小竜姫様の竜気から産まれたので、当然心眼も壊れちゃってます。
心眼はこれからも戦闘時も一般時も活躍する予定です。


>カポカポ様

>を読まれるとさらに笑えますよ〜
 読みました。くそ笑いましたね。アクエリオン重っ!


 さて次回はおキヌちゃん編か、魔族編をやろうかと思います。

 ではこの辺で。

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