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▽レス始

「GSルシオラ?復活大作戦!!第11話(GS)」

クロト (2005-10-23 18:13)
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 じゃ、今回は趣向を変えてヨコシマの標準的な(?)1日を紹介するわね。

 AM6:30

 ピピピピッ、ピピピピッ……。
「うぅ、もう朝か……ねみぃ、もう一眠り……」
『ダーメ、早く起きなさい。それとも女の子がご飯つくりに来てくれるのに寝たままでいるつもり?』
「ちぇっ、分かったよ」
 目覚ましと私の催促で仕方なく起き上がるヨコシマ。
 私の台詞の後半を解説すると、香港の事件の後なぜかおキヌちゃんが頻繁に訪ねてきては食事をつくってくれるようになったのよ(費用はヨコシマ持ち)。ちょっと妬けるけど彼の健康のためにもいいことだしね。
 で、ヨコシマが着替えて布団をたたんでいると、
「横島さん、おはようございますー」
 噂をすれば影、ね。おキヌちゃんがドアを叩く音が聞こえた。
「おはよう、おキヌちゃん。いつも悪いね」
「いえいえー。じゃ、台所お借りしますね」
「ううっ、おキヌちゃんはええ娘やなー」
 心の中で美神さんの鬼っぷりと対比させてか、ヨコシマの涙腺が緩んでいる。
 で、おキヌちゃんがご飯をつくってくれている時間がヨコシマの朝の修行タイムというわけ。
 軽く体をほぐしてから部屋の真ん中に立って、静かに精神を集中。
 まずは右手に『栄光の手』を発現させ、剣にしたり杭にしたりマジックハンドにしたりと自在に変形させていく。
 さらにその状態で左手にソーサーを出し、部屋の中をふわふわと飛行させる。室内だからもちろん爆発はなし。爆発させるとか何かを切り裂くとかそういう事はまた別の場所で。
 ヨコシマの額に汗が滲み出してくる頃におキヌちゃんの声がかかる。
「2人とも、ご飯できましたよー」
「ああ、今行くよ」
『いつもありがとう、おキヌちゃん』
 3人での朝食、といっても実際に食べるのはヨコシマだけなんだけど、彼によるとおキヌちゃんの料理は非常に秀逸らしい。くっ、砂糖水で済んでた私には真似できない技だわ。早く持続時間を延ばして勉強しないと。
「じゃ、行ってくるよおキヌちゃん」
「はい、行ってらっしゃい」
『また後でね』
 私とヨコシマが部屋を出るのと一緒に、おキヌちゃんも美神事務所に帰っていく。ちょうど美神さんが起きる時刻と重なるらしく、今度は彼女の朝食をつくるらしい。大変ね。

 PM0:30

「ううう……GSってほんとに儲かる商売なんですかいノー……?」
「僕は別に不満は無いけど……」
 今日もヨコシマはクラスのGSトリオ、タイガーさんとピートさんと一緒に昼食を摂っていた。
 タイガーさんが半泣きで日の丸弁当を食べている。ピートさんに至ってはバラの花1本だ。でもピートさんにはこの前の小竜姫さんからの報酬があった筈だけど……ああ、実家に仕送りしてるとか言ってたわね。
 で、3人の中ではヨコシマが1番立派な食事をしている。ちなみに今日のお弁当はおキヌちゃんが今朝の朝食と一緒につくってくれたものだ。
「うう、横島さんが羨ましいですノー」
「いや俺はピートの方が羨ましい、羨ましすぎるぞコンチクショー!」
 なに贅沢言ってるのよ、と思うけどヨコシマが考えてることは推測できる、というか目の前で発生したわね。
 後輩らしき女の子が風呂敷包みを持って扉の前に現れて、
「よ、良かったらこれ食べて下さい……」
 と真っ赤になりながらピートさんに風呂敷包み――弁当箱を手渡した。
 可愛らしいとは思うけど、この娘たち知ってるのかしらね。たいていの場合この求愛表現がヨコシマ(おキヌちゃんの弁当がないとき)とタイガーさんの胃袋に消えていってるってこと。
 ちなみに青春妖怪――もとい、机妖怪の愛子さんもいつも一緒にいる。彼女は昼食はいらないようだけど。
 まあ、微笑ましい光景なんじゃないかしら。

 PM3:30

 放課後、ヨコシマとピートさんとタイガーさん、それに愛子さんは音楽室に呼ばれていた。
 そこに置いてあるピアノが、誰もいないにも関わらず延々と鳴り続けている。ポルターガイスト現象かしら。
 音楽の先生らしき女性が、
「昨日からずっとこうなのよ。これじゃ授業にならなくて」
 とため息をついて、
「それじゃ私は用があるから。なるべく早くなんとかしてちょうだいね、除霊委員」
 とさっさと部屋を出て行ってしまった。
 えーと、教師って生徒の保護者のはずよね。本来プロに依頼するべき事を立会いもせずに生徒にやらせて、何かあったらどうするつもりなのかしら。まあ今回は危険は無さそうだけど……。
「何で私まで……」
 愛子さんがぼやいているがそれは流されて、
「さて、どうします?」
「じゃ、まずはワッシの精神感応で相手の姿を確認するけェ」
 ビュイン!
 タイガーさんの気合と同時に、ピアノの前に長髪で口にバラを咥えたキザな感じの青年の姿が現れた。
 彼と愛子さんの話では、名前を『メゾピアノ』といって夜中に学校に忍び込んでピアノを弾くだけの妖怪らしい。
 ピートさんが昼間は止めてもらうよう説得を始めたけど、聞く耳ゼロという感じで拒否されて、
「こ、この野郎……!」
 思わず怒声を上げる。するとその霊圧におびえたのか、妖怪は姿をぼやけさせるとピアノの中に潜り込んでしまった。
「くそこのっ……」
「逃げた……?」
 それでもピアノは鳴り続けている。愛子さんによれば強くはないけど霊波砲ではピアノを壊すだけだし、お札くらいじゃ剥がせないそうで、
「くくっ……」
 ピートさんはよほど悔しいのか奥歯をかみしめている。
『ヨコシマ、どうするの?』
 呆れ顔しているヨコシマに声をかけてみると、
「うーん、何だかなー。美形は気にいらんけど祓っちゃうのも何だよな。大して悪いヤツでもないし」
 妖怪だからすぐ祓うというのではない。うん、やっぱりヨコシマは私の知ってるヨコシマだわ。
「何かいい考えあるか?」
『うーん、おまえの栄光の手なら彼を掴んで逃げられなくする事はできると思うけど、引っ張り出すのは無理だわ』
「そうか……ん? 引っ張り出す? 引っ張り出す……待てよ」
『え?』
「よしメゾピアノとやら、俺とピアノで勝負だ!」
 ヨコシマがピアノに指を突きつけて大宣言した。

『ヨ、ヨコシマ? おまえピアノなんて弾けるの!?』
「横島さんがピアノですって? 天変地異の前触れですか?」
「横島サンがピアノ……似合わなさすぎですノー」
「よ、横島君ダメ! そんな無茶しないで、こいつは私達が何とかするから……!!」
 何気にひどい反応ね、私も含めてだけど……というか愛子さん、涙まで流さなくても。
 ヨコシマもこれには血涙を流して、
「お、俺がピアノ弾くのがそんなにおかしいか? そりゃたいして上手くはねーけど……それともお前らがやるってのか!?」
 大絶叫する。まあ無理はないわね、ごめん。
 するとピートさんが1歩前に出て、
「そうですね、では僕がやります」
「あーもー美形さまはよーーピアノもお上手でよーございましたなー! ちくしょー何だかとってもちくしょーー!!!」
 泣かないでヨコシマ、おまえのいい所は私が知ってるから……。
 で、ヨコシマが落ち着いた後。メゾピアノはピートさんの挑戦を受ける気になったようだ。さっそくピートさんが席に着き、演奏を始める。
 確かに雰囲気的にはヨコシマより上手そうな彼だけど……。
 そこから発生した音はもはや音楽とは言えない、断末魔砲の発射音にも匹敵する凶悪な破壊音波だった。
「ぐわーーーっ! な、何だこの音は!? や、やめろ、やめてくれーーー!!」
 あまりのことにピアノから飛び出してくるメゾピアノ。
 私も苦しいけど、今がチャンスよ!
『ヨコシマ!』
「おっ……おう!!」
 苦しみつつもヨコシマは栄光の手を発現し、すかさず伸ばして妖怪の体を捕捉する。
「や……やめてほしかったら昼間はピアノをやめろ……っ!」
「わ、わかった。もう出て行く! 出て行くから離してくれ!」
「よし、いいだろう……!」
 ヨコシマが掴んだ手を離すと、メゾピアノは必死になって逃げ出して行った。
 被害は甚大だったけど、何とか除霊(?)できたわね。勉強にもなったと思うし。
 私達はふらつきながらも、職員室へ報告しに行ってから学校を出た。

 PM6:30

 昼間に疲れることもあったけど、それでもバイトには来ている。
 といっていつも除霊業務があるわけではない。特に美神さんは仕事を選ぶ方だし。
 そういうわけで今は突発の仕事に備えて待機中。美神さんは書類仕事をしているし、ヨコシマには美神さんの蔵書を読んでもらっている。おキヌちゃんは夕食の支度中。家事手伝いがすっかり板についてるわね。
「ところで横島クン、あんた修行はちゃんとしてる?」
 美神さんがふとノートパソコンから顔を上げて訊ねてきた。
 私が代わって、
『ええ、それはもう見ての通りよ』
 一応は真面目に本を読んでいるヨコシマを見て美神さんは満足げに、
「ならいいわ。前にも言ったけどあんたは私の弟子なんだから、遅くても学校の卒業までには見習いGSも卒業してもらわないと私の面子にかかわるもの」
 あ、なるほど。どのみち高校生のヨコシマを正社員にはできないから、卒業までに実力をつけさせた上で正式メンバーとして迎えよう、ということね。『前』はずっと丁稚みたいな感じがあったけど、今度はちゃんと考えてくれてるんだ。
「あんたは実戦で成長するタイプみたいだけど、だからって日頃の努力が要らないわけじゃないわ。ま、心眼込みならもう私以上かも知れないけど」
 あ、美神さん、そこまで誉めちゃったら……。
「み、美神さんがそこまで俺のことを……こ、これは(中略)みっかみさはーん!」
 私の予想通り、ヨコシマがあっさり読書をやめてルパンダイブとかいう跳躍を繰り出し、そして予想通りあえなく撃沈される。
「ちょっと誉めたらこれだものね……先行き不安だわ」
『……そうね』
 2人揃ってため息をついた。

 PM9:30

「それじゃ、失礼しまーす」
「お休み、横島クン」
「おやすみなさい、横島さん」
 事務所を辞してアパートに帰る。今の収入ならもう少しいい所に引っ越す事もできるし、そうすべきだと私の霊感が告げているんだけど……ヨコシマはなんだかんだでそうする気配はない。
 ま、いーか。
 それじゃ、おやすみなさい。
 また明日ね、ヨコシマ。


 ――――つづく。

 あとがき

 前回ちょっと出た小竜姫のレベルですが、このSSでは原作で、
 1.自称上級魔族のメドーサと同格であり、彼女もそう認めている。
 2.雪之丞が「最近の人間界にはこいつほど強い神はザラにはいない」と言っている。
 ところから、「上級の神・魔」の標準クラスと設定し、天竜童子に「過激なおしおき」をして許されている点から、王族かそれなりの貴族階級の令嬢であるとしています。
 ――この設定が後で使われるかどうかは分かりませんが(ぉ
 ではレス返しを。

○遊鬼さん
>サイキックマインはけっこう使えそうですね♪
 原作では栄光の手覚えた後はソーサー出てませんが、ここでは使う予定ですので♪
>まぁ、その辺はデフォってコトで(w
 やはり日頃の行いが……合掌。

○貝柱さん
>「遅くした時間の空間」を遮断してメドーサと同じ通常時間空間に居続けたってこと?
 まあ、そんなところでしょうか。
>横島宗家の血
 恐るべき血ですね、美神宗家や六道宗家の血をも越えてそうですw
>ルシオラさん・・・もうネタ込みでないと戦闘出来なくなってしまったのか・・・?
 宝具を使わない英霊はただの英……もとい、時間制限もあって使わなきゃ勝てなかったんですよ、きっと(ぉ

○ヒロヒロさん
>ボケカオスの唯一の出番が・・・・・・(T○T)
 そういえばカオス&マリアは登場さえしていないです……。

○ジェミナスさん
 楽しんで頂けたようで幸いです。
>と言う事はルシオラは美神さんともまともにヤり合えると言う事にい
 前世(?)の時点で頭突きしあってましたからねぇ。横島君とのバージンロードを誓った今では尚更ですw

○ももさん
>というかこの時点で横島君の死刑は確定ですよねw
 哀れ、横島(涙)。

   ではまた。

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